,このような場合には,投与を中止する等,適切な処置を行うこと。
注2)エムトリシタビン又はテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含有する製剤の臨床試験,製造販売後調査及び自発報告等で報告された副作用を示した。
その他の副作用
下記の副作用が現れることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合は適切な処置を行うこと。
1. 代謝及び栄養障害
2%未満
食欲減退,高コレステロール血症
2. 精神障害
2%未満
異常な夢,不眠症
3. 神経系障害
2%以上
頭痛
4. 神経系障害
2%未満
浮動性めまい,傾眠
5. 胃腸障害
2%以上
悪心,下痢,放屁
6. 胃腸障害
2%未満
嘔吐, 腹部膨満,腹痛,上腹部痛,便秘,消化不良
7. 皮膚及び皮下組織障害
2%未満
発疹
8. 筋骨格系及び結合組織障害
2%未満
骨減少症,骨粗鬆症
9. 腎及び尿路障害
2%未満
蛋白尿
10. 一般・全身障害及び投与部位の状態
2%以上
疲労
高齢者への投与
本剤の高齢者における薬物動態は検討されていない。本剤の投与に際しては,患者の肝,腎及び心機能の低下,合併症,併用薬等を十分に考慮すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立されていない。動物試験(サル)においてテノホビルの胎児への移行が報告されている7)。]
2.
本剤服用中は授乳を中止させること。[テノホビル及びエムトリシタビンのヒト乳汁への移行が報告されている8)。なお,テノホビル アラフェナミドのヒト乳汁への移行は不明である。また,女性のHIV感染症患者は,乳児のHIV感染を避けるため,乳児に母乳を与えないことが望ましい。]
小児等への投与
低出生体重児,新生児,乳児,幼児,12歳未満又は体重35kg未満の小児に対する安全性は確立していない。
過量投与
本剤の過量投与に関するデータは限られている。過量投与時に特有の徴候や症状は不明である。過量投与時には,本剤の副作用(「副作用」の項参照)について十分に観察を行い,必要に応じ一般的な対症療法を行うこと。エムトリシタビン及びテノホビルは血液透析により一部除去される。
薬物動態
<海外臨床試験における成績>
(1) 吸収
健康成人被験者に,エルビテグラビル150mg及びコビシスタット150mgと共にデシコビ配合錠LTを単回経口投与した時の,エムトリシタビン及びテノホビル アラフェナミドの薬物動態パラメータを表1に示す9)。
健康成人被験者に,デシコビ配合錠HTを単回経口投与した時の,エムトリシタビン及びテノホビル アラフェナミドの薬物動態パラメータを表2に示す10)。
(2) 食事の影響
デシコビ配合錠HTを高脂肪食(約800kcal,50%が脂肪由来)摂取時に投与した場合,空腹時と比較して,エムトリシタビンのCmax及びAUCinfは,それぞれ27%及び9%低下し,テノホビル アラフェナミドのCmax及びAUCinfは,それぞれ15%低下及び75%上昇した11)。
(3) 分布
エムトリシタビン:ヒト血漿蛋白に対する結合率は,0.02~200μg/mLの濃度範囲において濃度に依存せず4%未満であった。
テノホビル アラフェナミド:テノホビル アラフェナミドのヒト血漿蛋白に対する結合率は77~86%であった12)。
テノホビル:テノホビルのヒト血漿蛋白に対する結合率は0.7%未満であった13)。
(4) 代謝
エムトリシタビン:ヒト肝ミクロソームを用いた各種検討において,2%未満の代謝物が検出された。14C-エムトリシタビンを単回投与したところ,投与量の13%の代謝物がヒト尿中に検出された14) 15)。
テノホビル アラフェナミド:経口投与後,末梢血単核球及びマクロファージのカテプシンA及び肝細胞のカルボキシルエステラーゼ1によりテノホビルに代謝され,その後,テノホビル二リン酸に代謝された3) 4) 16)。CYP分子種発現系酵素を用いた検討において,テノホビル アラフェナミドはCYP3Aでわずかに代謝され,その代謝速度は1.9pmol/min/pmol CYPであった5)。
(5) 排泄
エムトリシタビン:健康被験者にエムトリシタビン200mgを反復投与後14C-エムトリシタビンを単回投与したところ,投与量の86%は尿中に,14%は糞中に回収された15)。腎クリアランスが推定クレアチニンクリアランスを上回ったことから,糸球体ろ過と尿細管への能動輸送の両方による排泄が示唆された1)。
テノホビル アラフェナミド:健康被験者に14C-テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を単回投与したところ,投与量の47.2%が糞中に,36.2%が尿中に排泄された。その主成分はテノホビルであり,糞中の99%,尿中の86%を占めた。また,投与量の1.4%がテノホビル アラフェナミドとして尿中に排泄された17)。テノホビルは腎臓での糸球体ろ過と尿細管への能動輸送の両方により排泄された。
(6) 小児HIV-1感染症患者
12歳以上18歳未満で体重35kg以上の小児HIV-1感染症患者を対象としたゲンボイヤ配合錠の非盲検試験において,本剤含有成分の薬物動態を検討した。ゲンボイヤ配合錠投与時の小児患者におけるエムトリシタビン,テノホビル アラフェナミド及びテノホビルの薬物動態パラメータを表3に示す18)。
(7) 腎機能障害患者
エムトリシタビン:クレアチニンクリアランスが30mL/min未満の重度の腎機能障害を有する被験者における,エムトリシタビン200mg単回投与時のエムトリシタビンのCmax及びAUCは,クレアチニンクリアランスが80mL/min超の被験者に対し,それぞれ約30%及び約200%上昇した19)。
テノホビル アラフェナミド:クレアチニンクリアランスが15mL/min以上30mL/min未満の重度の腎機能障害を有する被験者(非透析患者)における,テノホビル アラフェナミド25mg単回投与時のテノホビル アラフェナミドのCmax及びAUCは,クレアチニンクリアランスが90mL/min超の被験者に対し,それぞれ79%及び92%上昇し,テノホビルのCmax及びAUCは,それぞれ179%及び474%上昇した20)。
(8) 肝機能障害患者
エムトリシタビン:肝機能障害を有する被験者における薬物動態は検討していない。
テノホビル アラフェナミド:軽度の