0mg(力価)を1時間点滴静注(単回投与)したとき、投与24時間までの尿中排泄率は約80%であった。また、75mg(力価)又は100mg(力価)を投与したとき、投与8時間までの尿中排泄率は点滴静注で70~80%、筋注で約70%であった。
5. 血中濃度モニタリング
アミノグリコシド系抗生物質による副作用発現の危険性は、最高血中濃度(ピーク値)あるいは最低血中濃度(次回投与直前値)が異常に高い値を繰り返すほど大きくなるといわれており、特に本剤の場合は、最低血中濃度が2μg/mL以上が繰り返されると第8脳神経障害や腎障害発生の危険性が大きくなる可能性がある。また、最高血中濃度は薬効と関係しており、本剤では、その標準的な目安は9~20μg/mLと考えられている。
特に新生児、低出生体重児、高齢者及び大量投与患者では適当な間隔で最高血中濃度(A,A')と最低血中濃度(B,B')を測定し、異常な高値を示す場合には、次回投与より投与量や投与間隔を調整することが望ましい。例えば、異常に高い最高血中濃度が繰り返されている場合は投与量を減量し、異常に高い最低血中濃度が繰り返されている場合は投与間隔を延長するなど調整を行う。
表1 健康成人における薬物動態パラメータ
投与法 1時間点滴静注 1時間点滴静注 1時間点滴静注 筋注 筋注
投与量(mg(力価)) 200 100 75 100 75
例数 5 3 3 4 4
Tmax(hr) 点滴終了時 点滴終了時 点滴終了時 0.5 0.5
Cmax(μg/mL) 13.2 7.56 6.80 5.6 4.2
T1/2(hr) 2.3 2.1 2.8 1.68 1.66
Vd(L/man) 15.4 12.5 12.7 14.2 17.8
CLtot(L/hr/man) 5.11 4.55 4.01 5.75 5.40
AUC(μg・hr/mL) 40.5 22.0 18.7 17.4 13.9
表2 小児における薬物動態パラメータ
年齢区分
(実測年齢) 乳児・幼児(n=3)
(1歳9ヵ月~4歳8ヵ月) 新生児(n=4)
(1~18日)
投与量(mg(力価)/kg) 2.38~2.92 1.99~2.99
Tmax(hr) 0.53 0.88
Cmax(μg/mL) 7.91 6.64
T1/2(hr) 1.73 3.20
Vdss(L/kg) 0.304 0.382
CLtot(L/hr/kg) 0.154 0.091
AUC0-∞(μg・hr/mL) 17.77 28.71
表3 患者における腎機能別の薬物動態パラメータ
腎機能程度(mL/min) 正常 Ccr≧80 正常 Ccr≧80
n 軽度腎機能障害 50≦Ccr<80
(n=3) 中等度-高度腎機能障害 Ccr<50
(n=4)
Tmax(hr) 0.47±0.08 10 0.42±0.00 0.50±0.09
Cmax(μg/mL) 15.2±5.7 10 14.8±2.4 19.8±3.7
Cmin(μg/mL) 0.3±0.4 10 0.2±0.3 3.9±1.1
T1/2(hr) 3.51±2.67 5 3.95±2.32 16.82±6.02
Vdss(L/man) 14.6±4.3 5 15.9±3.9 15.7±3.5
CLtot(L/hr/man) 3.71±1.31 5 3.30±1.06 0.70±0.14
AUC0-24(μg・hr/mL) 58.6±22.5 5 62.9±18.0 188.8±24.0
(Mean±S.D.)
表4 健康成人及び腎機能障害患者における薬物動態パラメータ
腎機能程度(mL/min) 健康成人
Ccr100 腎機能障害患者
50≦Ccr<70 腎機能障害患者
30≦Ccr<50
T1/2β(hr) 2.46±0.40 2.91±1.20 4.85±1.63
Vdβ(L/man) 19.12±4.20 16.05±2.34 15.74±3.44
CLtot(L/hr/man) 5.40±0.31 4.10±1.03 2.35±0.51
AUC0-∞(μg・hr/mL) 18.56±1.04 25.51±6.72 43.85±8.63
(Mean±S.D.、n=3)
臨床成績
1.