A型ボツリヌス毒素等)
臨床症状・措置方法
呼吸抑制があらわれるおそれがある。
呼吸抑制があらわれた場合には、必要に応じ、コリンエステラーゼ阻害剤、カルシウム製剤の投与等の適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
両薬剤ともに神経筋遮断作用を有しており、併用によりその作用が増強される。
薬剤名等
腎毒性を有する薬剤(シクロスポリン、アムホテリシンB等)
臨床症状・措置方法
腎障害が発現、悪化するおそれがある。
機序・危険因子
両薬剤ともに腎毒性を有するが、相互作用の機序は不明。
副作用
副作用等発現状況の概要
市販後使用成績調査の結果
市販後使用成績調査の結果、全国5,106施設から総症例32,557例の臨床例が報告された。
副作用発現症例数は2,125例(6.53%)であり、副作用発現件数は2,968件であった。
主な副作用は、泌尿器系障害(腎障害、腎機能障害、BUN上昇、腎不全、血中クレアチニン上昇等)1,087例(3.34%)、肝臓・胆管系障害(肝機能障害、肝障害、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇等)836例(2.57%)、代謝・栄養障害(Al-P上昇、LDH上昇等)197例(0.61%)、皮膚・皮膚付属器障害(発疹、薬疹等)101例(0.31%)、白血球・網内系障害(好酸球増多、白血球減少等)92例(0.28%)であった。(ハベカシン注射液の再審査終了時)
高齢者-市販後使用成績調査の結果
市販後使用成績調査の結果、高齢者(65歳以上)は総症例22,921例の臨床例が報告された。
副作用発現例数は1,493例(6.51%)であり、副作用発現件数は2,133件であった。
主な副作用は、泌尿器系障害(腎障害、腎機能障害、BUN上昇、腎不全、血中クレアチニン上昇等)811例(3.54%)、肝臓・胆管系障害(肝機能障害、肝障害、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇等)595例(2.60%)等であった。(ハベカシン注射液の再審査終了時)
小児-市販後使用成績調査の結果
小児適応追加後の小児(15歳未満)を対象とした使用成績調査の結果、総症例750例の臨床例が報告された。
副作用発現例数は55例(7.33%)であり、副作用発現件数は70件であった。
主な副作用は、臨床検査17例(2.27%)、肝胆道系障害15例(2.00%)、耳及び迷路障害11例(1.47%)であった。(ハベカシン注射液の小児適応追加再審査終了時)
1日1回投与臨床薬理試験の結果
1日1回投与について検討した臨床試験(19例)の結果、副作用発現例数は3例(15.8%)であり、副作用発現件数は3件であった。また、臨床検査値の異常変動に関する副作用発現例数は7例(36.8%)であり、副作用発現件数は12件であった。
主な副作用は、臨床検査(好酸球百分率増加、単球百分率増加、血中尿素増加等)7例(36.8%)、胃腸障害(下痢)2例(10.5%)であった。(1日1回投与承認時)
重大な副作用
1.
ショック(0.1%未満)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2.
痙攣(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与すること。
3.
眩暈、耳鳴、耳閉感(0.1%未満)、また、難聴(0.1~5%未満)等の第8脳神経障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与すること。
4.
急性腎不全等の重篤な腎障害(0.1~5%未満)があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5.
汎血球減少(0.1%未満)があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
肝臓注2)
0.1~5%未満
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、LDH、γ-GTPの上昇等
0.1%未満
黄疸等
腎臓
0.1~5%未満
腎機能障害注3)(BUN、クレアチニンの上昇等)、蛋白尿、カリウム等電解質の異常
0.1%未満
浮腫、血尿
過敏症注4)
0.1~5%未満
発疹等
0.1%未満
そう痒、発赤、発熱、蕁麻疹等
血液注5)
0.1~5%未満
貧血、白血球減少、血小板減少、好酸球増多等
消化器
0.1~5%未満
下痢等
0.1%未満
下血注2)、軟便、腹痛、悪心・嘔吐、食欲不振等
注射部位
0.1%未満
注射局所の疼痛又は硬結(筋肉内注射時)
ビタミン欠乏症
0.1%未満
ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
その他
0.1%未満
頭痛、手指しびれ感、全身倦怠感
注2)観察を十分に行い、異常が認められた場合又は症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注3)観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止すること。
注4)症状があらわれた場合には、投与を中止すること。
注5)定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
高齢者には、次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
(1)
本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあり、第8脳神経障害、腎障害等の副作用があらわれやすい。(【薬物動態】5.血中濃度モニタリングの項参照)
(2)
高齢者では、ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊婦に投与すると新生児に第8脳神経障害があらわれるおそれがあり、またラットの筋注による器官形成期投与試験で出生児の発育遅滞が認めら