、本剤が投与された患者4,461例(5,574.01人年)について、悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く、以下同様)の発現頻度は、0.4/100人年(23/4,461例)であり、その内容は前立腺癌、膵腺癌他であった。悪性腫瘍の発現頻度は、一般人口で予測される発現頻度と同様であった(標準化発生比:0.91[95%信頼区間:0.58,1.37])。非黒色腫皮膚癌の発現頻度は、0.5/100人年(28/4,461例)であった。
※本剤の承認用量は1回210mgである(「用法・用量」の項参照)。
表1 国内二重盲検比較試験(尋常性乾癬患者及び関節症性乾癬患者)
プラセボ
38例 70mg
39例 140mg
37例 210mg
37例
PASIスコア改善率(%)♯ 平均値±標準偏差 9.4±45.4 37.7±46.8 82.2±28.1 96.8±7.4
PASIスコア改善率(%)♯ プラセボとの差
(95%信頼区間) - 28.3
(12.1, 44.5) 72.8
(56.4, 89.2) 87.3
(70.9, 103.8)
PASIスコア改善率(%)♯ P値 - <.001 <.001 <.001
PASI 75反応♯♯ 7.9%
(3/38例) 25.6%
(10/39例) 78.4%
(29/37例) 94.6%
(35/37例)
PASI 90反応♯♯ 2.6%
(1/38例) 15.4%
(6/39例) 64.9%
(24/37例) 91.9%
(34/37例)
PASI 100反応♯♯ 0%
(0/38例) 2.6%
(1/39例) 35.1%
(13/37例) 59.5%
(22/37例)
♯ 欠損値の場合はベースライン値で補完。95%信頼区間は分散分析で算出。P値はWilliams’testで算出。
♯♯ 脱落例及び中止例は、非反応として対象例数に含まれる。
表2 海外二重盲検比較試験(局面型皮疹を有する乾癬患者)
プラセボ ウステキヌマブ 210mg
PASI 75反応 6.0%
(19/315例) 69.3%
(217/313例) 85.1%
(531/624例)
PASI 75反応 95%信頼区間 (3.7, 9.3) (63.9, 74.4) (82.1, 87.8)
PASI 75反応 プラセボとの差
(95%信頼区間)、
P値♯ - - 79.1%
(74.4, 83.4)、
<.001
PASI 75反応 ウステキヌマブとの差
(95%信頼区間)、
P値♯ - - 15.8%
(9.0, 22.4)、
0.007
PASI 100反応 0.3%
(1/315例) 18.5%
(58/313例) 36.7%
(229/624例)
PASI 100反応 95%信頼区間 (0.0, 1.8) (14.4, 23.3) (32.9, 40.6)
PASI 100反応 プラセボとの差
(95%信頼区間)、
P値♯ - - 36.4%
(32.9, 40.6)、
<.001
PASI 100反応 ウステキヌマブとの差
(95%信頼区間)、
P値♯ - - 18.2%
(11.4, 24.8)、
<.001
脱落例及び中止例は、非反応として対象例数に含まれる。
♯ P値はベースライン時の体重(100kg以下、100kg超)、生物製剤の使用歴、地域及びベースライン時のPASIスコア(中央値以下、中央値超)を層としたCochran-Mantel-Haenszel検定で算出。プラセボ群及びウステキヌマブ群との比較について主要評価項目及び主な副次評価項目の多重性を調整。
薬効薬理
本剤はヒトIL-17受容体A(IL-17RA)に対するモノクローナル抗体であり、IL-17RAに選択的に結合し、炎症性サイトカインであるIL-17A、IL-17F、IL-17A/Fヘテロ二量体、IL-25(別名IL-17E)及びIL-17CのIL-17RAを介したシグナル伝達を阻害する。
(1) IL-17RA阻害作用
1)
In vitro試験でヒトIL-17RAに高い結合親和性を示し8)、ヒトIL-17Aと競合的にヒトIL-17RAに結合した9)。
2)
In vitro試験でヒトリンパ球、単球、顆粒球及び各種ヒト線維芽細胞の細胞表面に結合し9)、10)、ヒトIL-17A、IL-17F、IL-17A/Fヘテロ二量体、IL-25及びIL-17C刺激により誘導されるIL-17RAを介した生物活性を阻害した11)-13)。
(2) 乾癬に対する作用
1)
抗マウスIL-17RA抗体は、マウス乾癬モデルに腹腔内投与することにより乾癬様の皮膚症状(表皮過形成、表皮層内の好中球性膿胞及び角化異常による表皮剥離)や、病変部皮膚における各種炎症性ケモカイン及びサイトカイン mRNAの発現を抑制した14)。
2)
本剤は乾癬患者の病変部皮膚におけるIL-17A、IL-17F、IL-17C、IL-12B及びIL-23A mRNAの発現、ケラチノサイトの増殖及び表皮肥厚並びに炎症性T細胞の集積を抑制した(海外データ)15)。
(3) 関節炎に対する作用
抗マウスIL-17RA抗体は、マウス炎症性関節炎モデルに腹腔内投与することにより四肢の