比以上に増加し、本剤の薬物動態は非線形性を示す。(薬物動態の表1参照)
血清中濃度推移(平均値+標準偏差)
(2) 反復投与2)
中等度~重度の局面型皮疹を有する日本人乾癬患者を対象として、本剤70、140及び210mg注)を初回投与後2週目までは1週間ごとに、それ以降は2週間ごとに皮下投与したときの8~10週目の薬物動態パラメータは、下記のとおりである。(薬物動態の表2参照)
注)本剤の承認用量は1回210mgである (「用法・用量」の項参照)。
2. 分布3)
母集団薬物動態解析の結果、本剤の分布容積は約6.52Lと見積もられ、血漿以外への分布は限定的であると考えられる。
3. 相互作用(外国人データ)4)
中等度~重度の乾癬患者において、本剤(210mg単回投与)との併用により、CYP3A4の基質であるミダゾラム(2mg単回投与)のCmaxは1.16(90%信頼区間:1.00~1.36、以下同様)倍、AUC0-∞は1.24(1.12~1.38)倍となった。
表1 単回皮下投与したときの薬物動態パラメータ
投与量 例数 tmax(day) Cmax
(μg/mL) AUC0-t
(μg・day/mL)
70mg 6 1.00
(1.00, 2.99) 1.30±1.10 5.40±6.24
140mg 6 2.00
(1.00, 4.00)※ 4.48±3.99 53.2±47.6※
210mg 6 4.00
(4.00, 7.00) 10.0±4.7 119±58
420mg 6 7.00
(4.00, 10.99) 21.6±5.2 349±80
平均値±標準偏差(tmaxは中央値(最小値, 最大値))
※:5例
表2 反復皮下投与したときの8~10週目の薬物動態パラメータ
投与量 例数 tmax(day) Cmax
(μg/mL) AUC0-τ
(μg・day/mL)
70mg 15 2.93
(1.96, 4.16) 2.34±1.71 14.3±12.9
140mg 15 3.22
(1.84, 7.02) 5.97±3.60 56.1±49.6
210mg 11 2.90
(1.90, 6.92) 27.3±11.1 319±136
平均値±標準偏差(tmaxは中央値(最小値, 最大値))
臨床成績
1. 国内二重盲検比較試験(尋常性乾癬患者及び関節症性乾癬患者)2)
中等度~重度の尋常性乾癬患者及び関節症性乾癬患者(局面型皮疹の病変が体表面積(BSA)の10%以上、かつPASI注1)スコアが12以上)を対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験を実施した。プラセボ、本剤70、140 又は210mg※を0、1及び2週、その後2週間隔で12週間皮下投与した。投与12週後のPASIスコア改善率及びPASIスコアがベースラインから75%以上、90%以上、100%改善した患者(以下、PASI 75/90/100反応)の割合を次表に示す。本剤投与群ではプラセボ群と比較して有意に高いPASIスコア改善率を示した。また、関節症性乾癬と診断され、ACR基準評価注2)がベースラインから20%以上改善した患者(以下、ACR 20)の割合は、プラセボ群0%(0/5例)、210mg群100%(4/4例)であった。(臨床成績の表1参照)
注1)Psoriasis Area and Severity Index
注2)アメリカリウマチ学会が定義する関節症状の評価基準
2. 海外二重盲検比較試験(局面型皮疹を有する乾癬患者)5)
中等度~重度の局面型皮疹を有する乾癬患者(局面型皮疹の病変がBSAの10%以上、かつPASIスコアが12以上)を対象とした無作為化プラセボ及びウステキヌマブ対照二重盲検並行群間比較試験を実施した。プラセボ、本剤210mgを0、1及び2週、その後2週間隔で12週間皮下投与し、52週まで本剤の投与を継続した。また、ウステキヌマブ(体重100kg以下は45mg、100kg超は90mg)を0、4、16、28、40週に皮下投与した。投与12週後のPASI 75/100反応割合は次表のとおりであり、本剤投与群はプラセボ群及びウステキヌマブ群と比較して有意に高い割合を示した。(臨床成績の表2参照)
3. 国内試験(膿疱性乾癬患者及び乾癬性紅皮症患者)6)
膿疱性乾癬患者12例及び乾癬性紅皮症患者18例を対象とした非盲検試験を実施した。本剤140mg※を0、1及び2週、その後2週間隔で52週間皮下投与し、4週以降に効果不十分と判断された場合には210mgへの増量を可能とした。膿疱性乾癬患者について、本剤投与開始前と比較した全般改善度は、投与10週までに11例で「寛解」又は「改善」が認められ、最終評価時(52週又は中止時)には「寛解」が58.3%(7/12例)、「改善」が33.3%(4/12例)、「悪化」が8.3%(1/12例)の被験者で認められた。乾癬性紅皮症患者について、投与4週以降はすべての被験者において全般改善度の「改善」以上が認められ、最終評価時には「寛解」が66.7%(12/18例)、「改善」が33.3%(6/18例)の被験者で認められた。
4. 海外二重盲検比較試験(関節症性乾癬患者)7)
関節症性乾癬患者(関節圧痛及び関節腫脹がそれぞれ3ヵ所以上)を対象とした無作為化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験を実施した。プラセボ、本剤140又は280mg※を0、1及び2週、その後2週間隔で12週間皮下投与し、その後、本剤280mg(すべての被験者が24週終了時点で210mgに変更)を2週間隔で継続投与した。投与12週後のACR 20の割合は、140mg群36.8%(21/57例)、280mg群39.3%(22/56例)であり、プラセボ群18.2%(10/55例)と比較して高い割合を示した。
5. 悪性腫瘍発現頻度(海外臨床試験)
局面型皮疹を有する乾癬患者を対象とした海外臨床試験で