表11 2.5μg投与時の臨床成績
例数 平均VAS値
±標準偏差:
投与前
(mm) 平均VAS値
±標準偏差:
投与後
(mm) 共分散分析
(片側2.5%検定):
プラセボ群との差※※
(mm)
[95%信頼区間] 共分散分析
(片側2.5%検定):
p値
プラセボ群 103 77.26±10.50 58.02±24.11 - -
2.5μg投与群 105 77.30±11.04 48.74±25.27 9.31
[2.94, 15.69] p=0.0022
※※投与前の平均VAS値を共変量とした共分散分析により調整済みの点推定値
表12 5μg投与時の臨床成績
例数 平均VAS値
±標準偏差:
投与前
(mm) 平均VAS値
±標準偏差:
投与後
(mm) 共分散分析
(片側2.5%検定):
プラセボ群との差※※
(mm)
[95%信頼区間] 共分散分析
(片側2.5%検定):
p値
プラセボ群 103 77.26±10.50 58.02±24.11 - -
5μg投与群 108 77.29±11.07 49.79±25.50 8.22
[1.88, 14.55] p=0.0056
※※投与前の平均VAS値を共変量とした共分散分析により調整済みの点推定値
表13 長期投与時の臨床成績
投与前 2週目 4週目 12週目 24週目 36週目 52週目
例数 122 122 121 116 110 103 99
平均VAS値
±標準偏差
(mm) 78.05
±11.73 56.70
±24.57 50.09
±26.94 42.88
±28.61 37.67
±27.23 31.31
±25.43 27.77
±24.73
(平均値±標準偏差)
薬効薬理
1. そう痒に対する作用
既存の止痒薬である抗ヒスタミン薬が有効なヒスタミン皮内投与誘発マウス引っ掻き行動及び抗ヒスタミン薬が効き難いサブスタンスP皮内投与誘発マウス引っ掻き行動を抑制した20)。また、抗ヒスタミン薬が無効な中枢性のかゆみモデルであるモルヒネ大槽内投与誘発マウス引っ掻き行動も抑制した21)。
2. 作用機序
ヒトオピオイド受容体発現細胞を用いたin vitroの受容体結合試験及び受容体作動性試験の結果から、選択的なオピオイドκ受容体作動薬であることが示されている22)。
表14「ヒトオピオイド受容体結合試験及び作動性試験成績」参照。
また、in vitro試験において、ヒスタミン受容体を含むオピオイド受容体以外の種々の受容体、トランスポーター及びイオンチャネルに結合せず、肥満細胞からの脱顆粒反応に対しても抑制作用を示さなかった22)、23)。さらにサブスタンスP皮内投与誘発マウス引っ掻き行動抑制作用は、オピオイドκ受容体拮抗薬であるノルビナルトルフィミン(nor-BNI)の脳室内投与により完全に拮抗された21)。
3. 依存性
ラット退薬症候観察7)においてモルヒネで認められた退薬症候をほとんど示さなかったことから、本薬の身体依存性は弱く、サル自己投与試験7)において強化効果が認められなかったことから、精神依存性はないと考えられている。
薬効薬理の表
表14 ヒトオピオイド受容体結合試験及び作動性試験成績
試験項目 κ μ δ κ:μ:δ比
結合試験
Ki値(nmol/L) 0.244±0.0256 2.21±0.214 484±59.6 1:9:1980
作動性試験
EC50(nmol/L) 0.00816±0.00138 1.66±0.09 21.3±1.0 1:203:2610
(平均値±標準誤差)
有効成分に関する理化学的知見
1. 一般名
ナルフラフィン塩酸塩 Nalfurafine Hydrochloride
2. 化学名
(2E)-N-[(5R,6R)-17-(Cyclopropylmethyl)-4,5-epoxy-3,14-dihydroxymorphinan-6-yl]-3-(furan-3-yl)-N-methylprop-2-enamide monohydrochloride
3. 分子式
C28H32N2O5・HCl
4. 分子量
513.03
5. 構造式
6. 性状
白色~ごくうすい黄色の粉末である。吸湿性が高く、光にやや不安定である。溶解性は、水、メタノールに対して溶けやすく、エタノール(95)に対しては溶けにくく、酢酸エチルとジエチルエーテルにはほとんど溶けない。
7. 分配係数
0.95〔1-オクタノール/pH6.8の緩衝液での分配係数(LogD)〕
取扱い上の注意
自動分包機を使用する場合はフィルムの一部が剥離することがあるため、カセットの位置に配慮すること。
承認条件
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
包装
レミッチOD錠2.5μg:PTP 14錠(14錠×1)、PTP 140錠(14錠×10)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
森竹貞宜 他(東レ株式会社):血液透析患者における薬物動態の検討
2)
**飯田栄治 他(東レ