ルフラフィン塩酸塩の高リン血症治療剤であるセベラマー塩酸塩(陰イオン交換樹脂系薬剤)に対する吸着率は11.9~14.7%12)、高カリウム血症治療剤であるポリスチレンスルホン酸ナトリウム(陽イオン交換樹脂系薬剤)に対する吸着率は62.4~72.7%12)、ポリスチレンスルホン酸カルシウム(陽イオン交換樹脂系薬剤)に対する吸着率は98.8~98.9%13)であった。
6. 血液透析の影響
ナルフラフィン塩酸塩(カプセル)投与時の血漿中濃度に対する透析回数(週1, 2, 3回)、透析時間(2, 4, 6時間)、透析の実施時期(午前、午後、夜間)、投与から透析までの間隔(4, 8, 12時間)の影響をシミュレーションにより検討した結果、投与から透析までの間隔が4時間以内の血液透析では血漿中濃度が低下する可能性があるが、8時間以上の血液透析では影響はないと考えられた。その他の項目については血漿中濃度に影響はないと考えられた14)。
薬物動態の表
表1 薬物動態パラメータ
投与群
(μg) Cmax
(pg/mL) Tmax
(hr) AUC0-∞
(pg・hr/mL) t1/2
(hr)
2.5 3.15±0.82 4.25±1.58 66.26±15.54 14.21±4.93
5 6.51±2.76 3.00±0.93 120.59±71.90 14.03±7.44
(平均値±標準偏差)
表2 薬物動態パラメータ
投与群
(μg) Cmax
(pg/mL) Tmax
(hr) AUC0-∞
(pg・hr/mL) t1/2
(hr)
2.5 5.70±3.85 4.14±1.35 210.25±144.28 25.33±10.52
5 10.25±1.74 3.86±1.21 358.86±179.24 28.34±8.55
(平均値±標準偏差)
**表3 薬物動態パラメータ
投与群
(μg) Cmax
(pg/mL) Tmax
(hr) AUC0-∞
(pg・hr/mL) t1/2
(hr)
2.5 3.81±0.88 1.40±0.55 92.67±23.47 20.99±4.22
5 8.28±3.00 1.91±0.94 193.74±57.52 24.77±3.23
(平均値±標準偏差)
表4 薬物動態パラメータ
投与群
(μg) Cmax
(pg/mL) Tmax
(hr) AUC0-∞
(pg・hr/mL) t1/2
(hr)
2.5 3.63±1.26 2.33±1.03 34.58±13.55※ 5.37±2.11※
5 6.76±2.03 1.50±0.55 58.06±26.28 6.61±2.46
※n=4
(平均値±標準偏差)
表5 薬物動態パラメータ
投与群
(μg) Cmax
(pg/mL) Tmax
(hr) AUC0-∞
(pg・hr/mL) t1/2
(hr)
2.5 6.36±2.62 1.81±1.52 117.4±51.4 17.52±10.69
5 11.71±4.45 1.50±1.02 197.7±97.0 14.59±5.27
(平均値±標準偏差)
表6 薬物動態パラメータ
投与剤形
(5μg) Cmax
(pg/mL) Tmax
(hr) AUC0-∞
(pg・hr/mL) t1/2
(hr)
本剤
(水あり) 5.65±1.15 2.43±1.01 78.00±12.66 10.61±3.90
本剤
(水なし) 5.57±1.33 3.08±1.25 78.61±16.11 9.88±1.60
カプセル 6.60±1.44 2.15±0.76 82.24±13.79 10.00±1.81
(平均値±標準偏差)
表7 薬物動態パラメータに対する食事の影響
投与方法 Cmax
(pg/mL) Tmax
(hr) AUC0-48hr
(pg・hr/mL) t1/2
(hr)
空腹時投与 12.67±3.95 3.08±1.08 114.46±34.26 5.99±1.35
食後投与&nb