率は表7のとおりであった。
(5) 非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制21,22)
関節リウマチ、変形性関節症等の疼痛管理のために、非ステロイド性抗炎症薬の長期投与を必要とし、かつ胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の既往歴を有する患者を対象に、ボノプラザン10mg又はランソプラゾール15mgを1日1回24週間経口投与した二重盲検比較試験における投与24週後の潰瘍再発率は表8のとおりであり、ランソプラゾール群に対するボノプラザン群の非劣性が認められた。
上記試験を終了した患者を対象に、さらに最短28週、最長80週間継続投与した単盲検長期投与試験における潰瘍再発率は表9のとおりであった。
(6) 胃潰瘍又は十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染23)
ヘリコバクター・ピロリ陽性の胃潰瘍又は十二指腸潰瘍瘢痕患者を対象に、ボノプラザン20mg又はランソプラゾール30mg、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンの3剤を1日2回7日間経口投与した二重盲検比較試験における除菌率は表10のとおりであり、ランソプラゾールを用いた3剤併用療法群に対するボノプラザンを用いた3剤併用療法群の非劣性が認められた。
さらに、ボノプラザン又はランソプラゾールと、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンの3剤投与によるヘリコバクター・ピロリの除菌が不成功であった50例を対象とした臨床試験において、ボノプラザン20mg、アモキシシリン水和物及びメトロニダゾールの3剤を1日2回7日間経口投与した場合の除菌率は表11のとおりである。
2. 血清ガストリン、内分泌細胞密度に及ぼす影響14,15,17,20,22)
(1)
ボノプラザンを1日1回10mg又は20mgを経口投与した場合、血清ガストリン値はランソプラゾール群に比べてボノプラザン群で持続的に高値を示した。低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制の長期投与試験における血清ガストリン値の推移図は以下のとおりである。なお、投与終了後に血清ガストリン値の回復を確認した胃潰瘍、十二指腸潰瘍患者を対象とした臨床試験では、速やかな回復が認められた(投与終了後2~8週間)。
(2)
逆流性食道炎の維持療法としてボノプラザンを1日1回10mg又は20mgを52週間経口投与した場合、胃粘膜の内分泌細胞密度に明らかな増加傾向は認められなかった。
表3
疾患名 |
ボノプラザン20mg |
ランソプラゾール30mg |
胃潰瘍 |
93.5%
(216/231例) |
93.8%
(211/225例) |
|
-0.3%[-4.750%, 4.208%]a)p=0.0011b) |
|
十二指腸潰瘍 |
95.5%
(170/178例) |
98.3%
(177/180例) |
|
-2.8%[-6.400%, 0.745%]a)p=0.0654c) |
|
( )は治癒例数/評価例数
a)投与群間差、 [ ] は両側95%信頼区間
b)許容限界値を8%とした、Farrington and Manningによる非劣性検定
c)許容限界値を6%とした、Farrington and Manningによる非劣性検定
表4
投与期間 |
ボノプラザン20mg |
ランソプラゾール30mg |
4週後 |
96.6%
(198/205例) |
92.5%
(184/199例) |
|
4.1%[-0.308%, 8.554%]a) |
|
8週後 |
99.0%
(203/205例) |
95.5%
(190/199例) |
|
3.5%[0.362%, 6.732%]a)
p<0.0001b) |
|
( )は治癒例数/評価例数
a)投与群間差、 [ ] は両側95%信頼区間
b)許容限界値を10%とした、Farrington and Manningによる非劣性検定
表5
ボノプラザン10mg |
ボノプラザン20mg |
ランソプラゾール15mg |
5.1%
(10/197例) |
2.0%
(4/201例) |
16.8%
(33/196例) |
<ボノプラザン10mg群vsランソプラゾール15mg群>
-11.8%[-17.830%, -5.691%]a)、p<0.0001 b)
<ボノプラザン20mg群vsランソプラゾール15mg群>
-14.8%[-20.430%, -9.264%]a)、p<0.0001 b) |
|
|
( )は再発例数/評価例数
a)投与群間差、 [ ] は両側95%信頼区間
b)許容限界値を10%とした、Farrington and Manningによる非劣性検定
表6
ボノプラザン10mg |
ランソプラゾール15mg |
0.5%(1/197例) |
2.8%(6/213例) |
-2.3%[-4 |