) 分子遺伝学的効果
投与開始12ヵ月時点で分子遺伝学的効果(MMR)が得られた患者の割合は、ニロチニブ300mg1日2回投与群では44.3%(282例中125例)、イマチニブ400mg1日1回投与群では22.3%(283例中63例)で、主要評価項目である12ヵ月時点でのMMR率はニロチニブ300mg1日2回投与群が有意に高かった(p<0.0001)。1)
初発の慢性期の慢性骨髄性白血病患者に対する分子遺伝学的効果
12ヵ月時点でのMMR達成率
ニロチニブ300mg1日2回 N=282:44.3%(125/282)
イマチニブ400mg1日1回 N=283:22.3%(63/283)
95%信頼区間
ニロチニブ300mg1日2回 N=282:38.4~50.3
イマチニブ400mg1日1回 N=283:17.6~27.6
曝露期間(休薬期間を含む)の中央値(最小値~最大値):ニロチニブ300mg1日2回投与群18.60ヵ月(0.1~27.9ヵ月)、イマチニブ400mg1日1回投与群18.09ヵ月(0.03~27.8ヵ月)
MMR:末梢血中のBCR-ABL転写量比が標準化されたベースライン値の0.1%以下に低下
(2) 細胞遺伝学的効果
投与開始12ヵ月時点までに細胞遺伝学的完全寛解(Complete CyR)が得られた患者の割合は、ニロチニブ300mg1日2回投与群では80.1%(282例中226例)、イマチニブ400mg1日1回投与群では65.0%(283例中184例)であった。1)
初発の慢性期の慢性骨髄性白血病患者に対する細胞遺伝学的効果
12ヵ月時点までのComplete CyR達成率
ニロチニブ300mg1日2回 N=282:80.1%(226/282)
イマチニブ400mg1日1回 N=283:65.0%(184/283)
95%信頼区間
ニロチニブ300mg1日2回 N=282:75.0~84.6
イマチニブ400mg1日1回 N=283:59.2~70.6
曝露期間(休薬期間を含む)の中央値(最小値~最大値):ニロチニブ300mg1日2回投与群18.60ヵ月(0.1~27.9ヵ月)、イマチニブ400mg1日1回投与群18.09ヵ月(0.03~27.8ヵ月)
Complete CyR:骨髄中のPh+分裂中期細胞が0%
2. イマチニブ抵抗性の慢性期の慢性骨髄性白血病
イマチニブで効果不十分又はイマチニブに忍容性のない慢性期の慢性骨髄性白血病患者に、ニロチニブ400mgを1日2回経口投与した。
(1) 細胞遺伝学的効果
国内第II相試験では、慢性期の慢性骨髄性白血病患者16例中15例(93.8%)で細胞遺伝学的効果(Major CyR)が得られ、うち11例で完全寛解(Complete CyR)が得られた。3)
外国第II相試験では、慢性期の慢性骨髄性白血病患者321例中165例(51.4%)で細胞遺伝学的効果(Major CyR)が得られ、うち118例(36.8%)で完全寛解(Complete CyR)が得られた。11)
イマチニブ抵抗性の慢性期の慢性骨髄性白血病患者に対する細胞遺伝学的効果
Major CyR(Complete CyR+Partial CyR)
国内第II相試験 N=16:93.8%(15/16)
外国第II相試験 N=321:51.4%(165/321)
95%信頼区間
国内第II相試験 N=16:69.8~99.8
外国第II相試験 N=321:45.8~57.0
Complete CyR
国内第II相試験 N=16:68.8%(11/16)
外国第II相試験 N=321:36.8%(118/321)
Partial CyR
国内第II相試験 N=16:25.0%(4/16)
外国第II相試験 N=321:14.6%(47/321)
初回400mg1日2回経口投与
曝露期間(休薬期間を含む)の中央値(最小値~最大値):国内410.0日(176~615日)、外国561.0日(1~1,096日)
Major CyR:Complete CyRとPartial CyR両方を含む。
Complete CyR(Ph+分裂中期細胞0%)、Partial CyR(Ph+分裂中期細胞1%~35%)
(2) 血液学的効果
国内第II相試験では、慢性期の慢性骨髄性白血病患者16例中、評価対象の6例全員に血液学的完全寛解(CHR)が得られた。3)
外国第II相試験では、慢性期の慢性骨髄性白血病患者321例中、評価対象は207例であった。207例中145例(70.0%)で血液学的完全寛解(CHR)が得られた。11)
イマチニブ抵抗性の慢性期の慢性骨髄性白血病患者に対する血液学的効果
血液学的完全寛解(CHR)
国内第II相試験(N=16) 評価対象(N=6):100.0%(6/6)
外国第II相試験(N=321) 評価対象(N=207):70.0%(145/207)
95%信頼区間
国内第II相試験(N=16) 評価対象(N=6):54.1~100.0
外国第II相試験(N=321) 評価対象(N=207):63.3~76.2
初回400mg1日2回経口投与
曝露期間(休薬期間を含む)の中央値(最小値~最大値):国内410.0日(176~615日)、外国561.0日(1~1,096日)
CHR(Complete hematologic response):白血球<10×109/L、血小板<450×109/L、血中の骨髄球+後骨髄球<5%、血中の芽球0及び前骨髄球0、好塩基球<5%、髄外所見なし
3. イマチニブ抵抗性の移行期の慢性骨髄性白血病
イマチニブで効果不十分又はイマチニブに忍容性のない移行期の慢性骨髄性白血病患者に、ニロチニブ400mgを1日2回経口投与した。
(1) 細胞遺伝学的効果
国内第II相試験では、移行期の慢性骨髄性白血病患者7例中1例(14.3%)で細胞遺伝学的効果(Major CyR)が得られた。この1例は完全寛解(Complete CyR)であった。3)
外国第II相試験では、移行期の慢性骨髄性白血病患者137例中41例(29.9%)で細胞遺伝学的効果(Major CyR)が得られた。うち、27例(19.7%)で完全寛解(Complete CyR)が得られた。11)
イマチニブ抵抗性の移行期の慢性骨髄性白血病患者に対する細胞遺伝学的効果
Major CyR(Complete CyR+Partial CyR)
国内第II相試験 N=7:14.3%(1/7)
外国第II相試験 N=137:29.9%(41/137)
95%信頼区間
国内第II相試験 N=7:-
外国第II相試験 N=137:22.4~38.3
Complete CyR