クラビット点眼液0.5%
作成又は改訂年月
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** 2013年7月改訂 (第13版)
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* 2012年10月改訂
日本標準商品分類番号
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871319
日本標準商品分類番号等
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再審査結果公表年月(最新)
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2008年12月
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再評価結果公表年月(最新)
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2004年9月
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1993年10月
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国際誕生年月
薬効分類名
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広範囲抗菌点眼剤
承認等
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クラビット点眼液0.5%
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販売名
販売名コード
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1319742Q1039
承認・許可番号
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承認番号
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21800AMX10515000
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Cravit ophthalmic solution 0.5%
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商標名
薬価基準収載年月
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2006年12月
販売開始年月
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2000年4月
貯法・使用期限等
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貯法
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気密容器、遮光、室温保存
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外箱及びラベルに記載(3年)
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使用期限
基準名
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レボフロキサシン点眼液
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*日本薬局方
規制区分
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(注意-医師等の処方せんにより使用すること)
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処方せん医薬品
組成
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有効成分
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レボフロキサシン水和物
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含量(1mL中)
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5mg
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塩化ナトリウム、pH調節剤
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添加物
性状
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pH
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6.2~6.8
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浸透圧比
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1.0~1.1
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微黄色~淡黄色澄明、無菌水性点眼剤
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性状
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
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本剤の成分、オフロキサシン及びキノロン系抗菌剤に対し過敏症の既往歴のある患者
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効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
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<適応菌種>
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本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、ミクロコッカス属、モラクセラ属、コリネバクテリウム属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、インフルエンザ菌、ヘモフィルス・エジプチウス(コッホ・ウィークス菌)、シュードモナス属、緑膿菌、ステノトロホモナス(ザントモナス)・マルトフィリア、アシネトバクター属、アクネ菌
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眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法
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<適応症>
用法及び用量
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通常、1回1滴、1日3回点眼する。なお、症状により適宜増減する。
用法及び用量に関連する使用上の注意
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1.
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本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
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本剤におけるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対する有効性は証明されていないので、MRSAによる感染症が明らかであり、臨床症状の改善が認められない場合、速やかに抗MRSA作用の強い薬剤を投与すること。
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2.
使用上の注意
副作用
副作用等発現状況の概要
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承認時
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総症例472例中、副作用が認められたのは8例(1.69%)であった。主な副作用は眼刺激感4件(0.85%)、眼そう痒感3件(0.64%)等であった。
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総症例6,686例中、副作用が認められたのは42例(0.63%)であった。主な副作用はびまん性表層角膜炎等の角膜障害12件(0.18%)、眼瞼炎6件(0.09%)、眼刺激感6件(0.09%)等であった。
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使用成績調査(再審査終了時)
重大な副作用
(いずれも頻度不明)
ショック、アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので、観察を十分に行い、紅斑、発疹、呼吸困難、血圧低下、眼瞼浮腫等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
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頻度不明
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発疹
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蕁麻疹、眼瞼炎(眼瞼発赤・浮腫等)、眼瞼皮膚炎、そう痒感
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刺激感、びまん性表層角膜炎等の角膜障害
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結膜炎(結膜充血・浮腫等)、眼痛
0.1%未満
刺激感、びまん性表層角膜炎等の角膜障害
結膜炎(結膜充血・浮腫等)、眼痛
0.1~5%未満
蕁麻疹、眼瞼炎(眼瞼発赤・浮腫等)、眼瞼皮膚炎、そう痒感
刺激感、びまん性表層角膜炎等の角膜障害
結膜炎(結膜充血・浮腫等)、眼痛
0.1%未満
刺激感、びまん性表層角膜炎等の角膜障害
結膜炎(結膜充血・浮腫等)、眼痛
0.1%未満
発疹
蕁麻疹、眼瞼炎(眼瞼発赤・浮腫等)、眼瞼皮膚炎、そう痒感
刺激感、びまん性表層角膜炎等の角膜障害
結膜炎(結膜充血・浮腫等)、眼痛
0.1%未満
刺激感、びまん性表層角膜炎等の角膜障害
結膜炎(結膜充血・浮腫等)、眼痛
0.1~5%未満
蕁麻疹、眼瞼炎(眼瞼発赤・浮腫等)、眼瞼皮膚炎、そう痒感
刺激感、びまん性表層角膜炎等の角膜障害
結膜炎(結膜充血・浮腫等)、眼痛
0.1%未満
刺激感、びまん性表層角膜炎等の角膜障害
結膜炎(結膜充血・浮腫等)、眼痛
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副作用が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
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妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]
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適用上の注意
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1. 投与経路
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点眼用にのみ使用すること。
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薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意するよう指導すること。
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2. 投与時
薬物動態
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1. 血中濃度1)
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健康成人眼に本剤を1回2滴、1日4回、2週間連続点眼したとき、最終点眼1時間後の血中濃度は定量下限値(0.01μg/mL)未満であった。
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(参考:有色ウサギ、有色ラット、犬)
14C-標識レボフロキサシン点眼液を有色ウサギに1回50μL点眼したとき、眼球結膜及び眼瞼結膜では点眼後15分で各々最高濃度(Cmax)1433.8、1058.8ng eq./gを示し、角膜及び房水では点眼後30分で各々Cmax 6839.5ng eq./g、842.8ng eq./mLを示した後、経時的に減少した。メラニン含有組織である虹彩・毛様体及び網膜色素上皮・脈絡膜では点眼後2時間で各々Cmax 11514.4、3269.6ng eq./gを示し、その後緩慢に消失した2)。
また、同様に有色ラットに対し、1回1μLを1日3回1週間点眼したとき、最終点眼1時間後の角膜、房水及び硝子体における眼組織中放射能濃度はそれぞれ2270.8、267.1、372.0ng eq./gを示し、その後経時的に減少した。一方、虹彩・毛様体及び網膜色素上皮・脈絡膜では最終点眼1時間後でそれぞれ185047.6、36549.6ng eq./gを示し、その後緩慢に消失した3)。
レボフロキサシン水和物の0.3%点眼液をビーグル犬に1回1滴、1日4回、2週間連続点眼したとき、最終点眼24時間後の眼組織内濃度は、虹彩・毛様体で39.4μg/g、脈絡膜・網膜色素上皮で12.3μg/gであり、眼組織のうちメラニン色素を含む組織には高度に分布することが認められた。一方、色素上皮を除く網膜への移行はわずかであった4)。
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2. 動物における眼組織内移行
臨床成績
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1. 疾患別臨床効果5)~7)
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外眼部感染症を対象に実施した本剤の第II相試験、第III相二重盲検比較試験、一般臨床試験323症例における各疾患別臨床効果は下記のとおりであった。
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眼瞼炎:93.3(14/15)
涙嚢炎:87.5(28/32)
麦粒腫:92.5(37/40)
結膜炎:91.6(196/214)
瞼板腺炎:95.2(20/21)
角膜炎(角膜潰瘍を含む):93.8(30/32)
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※複数の疾患を合併している場合は各々の疾患に1例として算入
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疾患名:有効率※(%)〔有効以上〕
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2. 有効菌種別臨床効果5)~7)
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上記323症例における有効菌種別臨床効果は下記のとおりである。
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ブドウ球菌属:91.8(157/171)
レンサ球菌属:95.8(23/24)
肺炎球菌:94.7(18/19)
腸球菌属:87.5(7/8)
ミクロコッカス属:100.0(2/2)
モラクセラ属:85.7(12/14)
コリネバクテリウム属:86.2(25/29)
クレブシエラ属:85.7(6/7)
エンテロバクター属:100.0(4/4)
セラチア属:100.0(3/3)
プロテウス属:75.0(3/4)
モルガネラ・モルガニー:100.0(4/4)
インフルエンザ菌:100.0(10/10)
シュードモナス属:100.0(7/7)
緑膿菌:100.0(5/5)
ステノトロホモナス(ザントモナス)・マルトフィリア:80.0(4/5)
アシネトバクター属:94.1(16/17)
アクネ菌:93.0(40/43)
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※複数の菌種が検出された場合は各々の菌種に1例として算入
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菌種:有効率※(%)〔有効以上〕
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眼手術予定患者を対象とし、本剤の手術前無菌化効果を検討した結果、無菌化率は70.0%(35/50例)であった。
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3. 眼科周術期の無菌化療法に対する効果8)
薬効薬理
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レボフロキサシン水和物は、ラセミ体であるオフロキサシンの一方の光学活性体(左旋体)であり、オフロキサシンの約2倍の抗菌活性を有する。
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(1) 作用機序9)~14)
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(2) 抗菌作用
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主な作用機序はDNAジャイレース(トポイソメラーゼII)活性及びトポイソメラーゼIV活性の阻害による細菌のDNA合成阻害である。DNAジャイレース(トポイソメラーゼII)活性とトポイソメラーゼIV活性のどちらを強く阻害するかは細菌によって異なる。
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1) 抗菌作用15)
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レボフロキサシン水和物の抗菌スペクトラムは広範囲に及び、本剤はin vitroでブドウ球菌属、肺炎球菌を含むレンサ球菌属、ミクロコッカス属、腸球菌属、コリネバクテリウム属等のグラム陽性菌及び緑膿菌を含むシュードモナス属、インフルエンザ菌、モラクセラ属、セラチア属、クレブシエラ属、プロテウス属、アシネトバクター属、エンテロバクター属等のグラム陰性菌並びに嫌気性菌であるアクネ菌等の眼感染症の起炎菌に対し、強い抗菌力を示す。(in vitro)
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ウサギ緑膿菌性角膜感染症モデルにおいて、本剤は有意な予防効果を示した。
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2) 実験的角膜感染症に対する効果16)
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有効成分に関する理化学的知見
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一般名
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レボフロキサシン水和物(Levofloxacin Hydrate)
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略号
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LVFX
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化学名
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(3S)-9-Fluoro-3-methyl-10-(4-methylpiperazin-1-yl)-7-oxo-2,3-dihydro-7H-pyrido[1,2,3-de][1,4]benzoxazine-6-carboxylic acid hemihydrate
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構造式
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分子式
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C18H20FN3O4・1/2H2O
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分子量
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370.38
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本品は淡黄白色~黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。
本品は酢酸(100)に溶けやすく、水又はメタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくい。
本品は0.1mol/L塩酸試液に溶ける。
本品は光によって徐々に暗淡黄白色になる。
融点:約226℃(分解)
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性状
包装
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プラスチック点眼容器 5mL×5本、5mL×10本、5mL×50本
主要文献及び文献請求先
主要文献
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1)
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薄井紀夫他:眼科臨床医報 89,917(1995) 〔50829〕
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2)
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伊吹 肇他:あたらしい眼科 14,1100(1997) 〔50834〕
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3)
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伊吹 肇他:薬物動態 12,281(1997) 〔50835〕
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4)
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伊吹 肇他:あたらしい眼科 10,2071(1993) 〔50828〕
-
5)
-
臼井正彦:あたらしい眼科 14,299(1997) 〔50836〕
-
6)
-
臼井正彦:あたらしい眼科 14,641(1997) 〔50837〕
-
7)
-
臼井正彦:あたらしい眼科 14,1113(1997) 〔50838〕
-
8)
-
臼井正彦:あたらしい眼科 14,953(1997) 〔50839〕
-
9)
-
Kato, J. et al.:Cell 63,393(1990) 〔57803〕
-
10)
-
Hoshino, K. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 38,2623(1994) 〔57797〕
-
11)
-
Akasaka, T. et al.:Antimicrob Agents Chemother. 45,2263(2001) 〔57798〕
-
12)
-
Tanaka, M. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 41,2362(1997) 〔57799〕
-
13)
-
Onodera, Y. et al.:J. Antimicrob. Chemother. 44,533(1999) 〔57800〕
-
14)
-
Onodera, Y. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 46,1800(2002) 〔57801〕
-
15)
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東堤 稔他:レボフロキサシン(LVFX)点眼液および眼軟膏臨床試験において検出された臨床分離菌株に対するLVFXの抗菌活性-各分離株に対するLVFXのMIC集計-,参天製薬(株)社内資料 〔50852〕
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柏瀬光寿他:あたらしい眼科 13,249(1996) 〔50830〕
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16)
文献請求先
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文献請求先・製品に関するお問い合わせ先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
参天製薬株式会社 医薬事業部 医薬情報室
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〒533-8651(個別郵便番号) 大阪市東淀川区下新庄3-9-19
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TEL 0120-921-839 06-6321-7056
受付時間 9:00~17:00(土・日・祝日を除く)
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
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参天製薬株式会社
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**大阪市北区大深町4-20
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東京都中央区日本橋本町3-5-1
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第一三共株式会社
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**大阪市北区大深町4-20
-
東京都中央区日本橋本町3-5-1
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