ベストロン点眼用0.5%
作成又は改訂年月
-
**2012年6月改訂(第9版)
-
*2011年1月改訂
日本標準商品分類番号
-
871317
日本標準商品分類番号等
-
再審査結果公表年月(最新)
-
1995年6月
-
2004年9月
-
再評価結果公表年月(最新)
薬効分類名
-
セフェム系抗生物質製剤
承認等
-
ベストロン点眼用0.5%
販売名コード
-
1317713Q1038
承認・許可番号
-
承認番号
-
21900AMX01095
-
BESTRON FOR OPHTHALMIC 0.5%
-
商標名
薬価基準収載年月
-
2007年12月
販売開始年月
-
1988年2月
貯法・使用期限等
-
貯法
-
【取扱い上の注意】の項参照
-
製造後2年(溶解後の使用期限は【取扱い上の注意】の項参照)
-
**使用期限
規制区分
-
注) 注意-医師等の処方せんにより使用すること
-
処方せん医薬品注)
組成
-
粉末
成分・含量(1瓶中)
-
セフメノキシム塩酸塩25mg(力価)
-
粉末
添加物
-
乾燥炭酸ナトリウム
-
溶解液(5mL)
添加物(1mL中)
-
エデト酸ナトリウム水和物0.2mg
パラオキシ安息香酸メチル0.26mg
パラオキシ安息香酸プロピル0.14mg
ホウ酸、リン酸水素ナトリウム水和物、リン酸二水素ナトリウム、塩化ナトリウム
-
セフメノキシム塩酸塩5mg(力価)
-
添付の溶解液に溶解後
成分・含量(1mL中)
性状
-
粉末
色
-
白色~帯橙淡黄色
-
溶解液(5mL)
色
-
無色澄明
-
添付の溶解液に溶解後
剤形
-
水性点眼剤
-
添付の溶解液に溶解後
色
-
無色~淡黄色澄明
-
添付の溶解液に溶解後
pH
-
6.0~8.0
-
無菌製剤
-
その他
一般的名称
-
眼科用セフメノキシム塩酸塩(略号:CMX)
本剤の成分によるショックの既往歴のある患者
本剤の成分又はセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
原則禁忌
(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)
|
効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
用法及び用量
-
本剤を添付の溶解液で1mL当たり塩酸セフメノキシムとして5mg(力価)の濃度に溶解し、通常1回1~2滴を1日4回点眼する。
なお、症状により適宜回数を増減する。
ただし、症状に改善がみられない場合は漫然と長期間の連続投与を行わないこと。
用法及び用量に関連する使用上の注意
-
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最少限の期間の投与にとどめること。
*※溶解方法については最終頁をご参照ください。
使用上の注意
慎重投与
-
1.
-
ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
-
本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
[アレルギー素因が遺伝し、アレルギー症状を起こすおそれがある。]
-
2.
重要な基本的注意
-
1.
-
ショックがあらわれるおそれがあるので、十分な問診を行うこと。
-
本剤の使用にあたっては、4週間の投与を目安とし、その後の継続投与については漫然と投与しないよう、慎重に行うこと。
-
2.
副作用
副作用等発現状況の概要
-
承認時及び使用成績調査での総症例5,866例中41例(0.70%)に副作用が認められた。
主な副作用は、刺激感19件(0.32%)、そう痒感10件(0.17%)、結膜充血6件(0.10%)であった(再審査終了時)。
以下の副作用は上記の調査あるいは自発報告等で認められたものである。
-
重大な副作用
<適応菌種> セフメノキシムに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ・ラクナータ(モラー・アクセンフェルト菌)、セラチア・マルセスセンス、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、ヘモフィルス・エジプチウス(コッホ・ウィークス菌)、緑膿菌、アクネ菌 <適応症>眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法 (次の患者には慎重に投与すること)
ショック(頻度不明)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
*その他の副作用の表組
|
頻度不明 |
0.1~5%未満 |
過敏症注) |
発疹、蕁麻疹 |
|
眼注) |
眼瞼炎、眼瞼発赤・腫脹 |
刺激感、そう痒感、結膜充血 |
-
注) 発現した場合には、投与を中止すること。
小児等への投与
-
低出生体重児、新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
-
適用上の注意
-
1.
-
投与経路
-
投与時
-
2.
-
点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
-
投与経路
-
投与時
薬物動態
臨床成績
二重盲検比較対照試験を含む外眼部感染症470例についての成績概要は、次のとおりである。1日投与量、投与期間は大部分が1回2滴、1日4回、4週間以内であった。
臨床成績の表
表.外眼部感染症に対する臨床効果
疾患名 |
有効率(%)有効以上 |
眼瞼炎 |
94.1(16/17) |
涙嚢炎 |
80.0(48/60) |
麦粒腫 |
92.9(39/42) |
結膜炎 |
93.8(259/276) |
瞼板腺炎 |
100(15/15) |
角膜炎(角膜潰瘍を含む) |
87.8(43/49) |
その他※ |
100(11/11) |
合計 |
91.7(431/470) |
-
※麦粒腫・結膜炎1例、涙嚢炎・結膜炎4例
結膜炎・瞼板腺炎3例、結膜炎・角膜炎3例
眼手術患者を対象に実施した手術前結膜嚢無菌法の効果の検討においては、術前無菌化率は86.1%(31/36)であった。なお、全例において術後感染症は認められなかった。
薬効薬理
-
(1) グラム陰性・グラム陽性の好気性菌及び嫌気性菌に対する抗菌作用1~3)
-
緑膿菌、プロテウス属等のグラム陰性菌及びブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌のグラム陽性菌に強い抗菌力を示し、その作用は殺菌的である(in vitro)。
-
(2) 眼科臨床分離菌に対する抗菌作用
-
眼感染症患者から分離した緑膿菌、インフルエンザ菌、モラクセラ・ラクナータ(モラー・アクセンフェルト菌)、プロテウス属等のグラム陰性菌及び黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、レンサ球菌属、肺炎球菌のグラム陽性菌に強い抗菌力を示す(in vitro)。
-
(3) 実験的緑膿菌角膜感染症に対する治療効果
-
マウスの角膜実質に傷をつけ、これに緑膿菌の臨床分離株(ET-1081、1082、1111)を接種し、角膜炎の発症を確認(菌接種9~10時間)後にベストロン点眼用0.5%又は対照として生理食塩液を、30分ごとに2滴(1日25回)3日間点眼した試験では、ベストロン点眼用0.5%点眼群において有意な角膜病変の進行抑制効果が認められた。
-
ウサギの角膜実質にトブラマイシン耐性黄色ブドウ球菌を接種し作成した角膜感染症に対し、ベストロン点眼用0.5%又は対照として生理食塩液を菌接種直後とその後1時間ごとに1回1滴、1日9回、7日間点眼した試験では、ベストロン点眼用0.5%点眼群において感染症状の抑制効果が認められた。
-
(4) 実験的黄色ブドウ球菌角膜感染症に対する治療効果
作用機序は、細菌細胞壁の合成阻害である。
2. 作用機序1)
有効成分に関する理化学的知見
セフメノキシム塩酸塩(Cefmenoxime Hydrochloride)〔JAN〕 略号:CMX
化学名
構造式
C16H17N9O5S 3・1/2HCl
分子量
融点(分解点)
130℃付近から黄変し始め、徐々に褐変し約190℃で炭化するが、明確な融点及び分解点を示さない。
セフメノキシム塩酸塩は、白色~淡だいだい黄色の結晶又は結晶性の粉末である。
ホルムアミド又はジメチルスルホキシドに溶けやすく、メタノールに溶けにくく、水に極めて溶けにくく、エタノール(95)にほとんど溶けない。
力価
貯法
1.室温保存
2.溶解後は、冷所に保存し、7日以内に使用すること。
包装
-
〔25mg(力価)・溶解液5mL〕×5
主要文献及び文献請求先
主要文献
-
1)
-
土屋皖司他:Chemotherapy, 29(S-1), 96, 1981.
-
2)
-
西野武志他:Chemotherapy, 29(S-1), 57, 1981.
-
上野一恵他:Chemotherapy, 29(S-1), 42, 1981.
-
3)
文献請求先
-
<文献請求先・製品情報お問合せ先>
千寿製薬株式会社 カスタマーサポート室
-
〒541-0046 大阪市中央区平野町二丁目5番8号
-
TEL 0120-06-9618
-
FAX 06-6201-0577
-
受付時間 9:00~17:30(土、日、祝日を除く)
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
-
千寿製薬株式会社
-
大阪市中央区平野町二丁目5番8号
-
大阪市中央区道修町四丁目1番1号
武田薬品工業株式会社
大阪市中央区平野町二丁目5番8号
大阪市中央区道修町四丁目1番1号
その他の説明(付属機器の取り扱い等)
-
*溶解方法
※1 粉末及び溶解液は分割して調製しないでください。
(溶解後の薬液中の粉末成分が均一とならず、白濁することがあるため)
※2 溶解後は、冷所保存で7日以内に使用し、その期間を過ぎたものは使用しないでください。
1.
-
粉末瓶の矢印(↑)の部分から親指で強く押し上げてください。
2.
-
溶解液瓶の白い大キャップをまわしてとりはずし、液がこぼれないように開封した粉末瓶にしっかり差し込み、よく振って粉末を完全に溶かしてください。
3.
-
溶解液瓶の方に薬液を移した後、粉末瓶をとりはずし、大キャップをし、固くしめてください。
4.
-
ピンクの小キャップだけをとりはずし、使用してください。
また、使用後は必ず冷所に保存してください。
一般名
(6R,7R)-7-[(Z)-2-(2-Aminothiazol-4-yl)- 2-(methoxyimino)acetylamino]-3-(1-methyl-1H-tetrazol-5-ylsulfanylmethyl)-8-oxo-5-thia-1-azabicyclo [4.2.0]oct-2-ene-2-carboxylic acid hemihydrochloride
分子式
529.79
性状
セフメノキシム(C16H17N9O5 S3)としての量を質量(力価)で示す。セフメノキシム塩酸塩標準品(C16H17 N9O5S3・1/2HCl)1.037mgが1mg(力価)に対応する。
取扱い上の注意
貯法
|