Saizen 8mg for SC Injection(Somatropin(genetical recombination))サイゼン皮下注用8mg
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作成又は改訂年月
**2016年12月改訂(第4版)
*2014年11月改訂(第3版)
日本標準商品分類番号
872412
薬効分類名
遺伝子組換え分泌型ヒト成長ホルモン製剤
承認等
販売名
サイゼン皮下注用8mg
販売名コード
2412402L3069
承認・許可番号
承認番号
22500AMX00001000
商標名
Saizen 8mg for SC Injection
薬価基準収載年月
2013年6月
販売開始年月
2013年7月
貯法・使用期限等
貯 法
室温、遮光保存
使用期限
3年:外箱等に表示
規制区分
生物由来製品
処方箋医薬品注)
注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
有効成分:成分名:ソマトロピン(遺伝子組換え)
含量:8.8mg
備考:専用の成長ホルモン注入器を用いて使用するとき、8mgまで使用できる
添加物:成分名:精製白糖
含量:60.2mg
添加物:成分名:リン酸
含量:2.05mg
添加物:成分名:水酸化ナトリウム
含量:適量
性状
剤形・性状
注射剤
白色の粉末又は塊の凍結乾燥製剤
pH
6.5~8.5
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
0.5~0.7
添付溶解液(カートリッジ入り)
0.3w/v%
m‐クレゾール含有注射用水 1.51mL
本剤は製造工程でトリプシン(ブタ膵臓由来)およびC127細胞株(マウス細胞由来)を使用している。また、セルバンクでウシ胎児血清を使用している。
一般的名称
注射用ソマトロピン(遺伝子組換え)
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.
糖尿病の患者[成長ホルモンが抗インスリン様作用を有するため。]
2.
悪性腫瘍のある患者[成長ホルモンが細胞増殖作用を有するため。]
3.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症
効能又は効果に関連する使用上の注意
**本剤の適用は、成長ホルモン分泌不全性低身長症と診断された患者に限定すること。診断にあたっては、最新の「厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業 間脳下垂体機能障害に関する調査研究班 成長ホルモン分泌不全性低身長症の診断の手引き」を参照すること。
用法及び用量
通常1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.175mgを6~7回に分けて皮下に注射する。
用法及び用量に関連する使用上の注意
専用の溶剤移注針を用いて溶解し、専用の成長ホルモン注入器を用いて注射する(「適用上の注意」の項参照)。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
脳腫瘍(頭蓋咽頭腫、松果体腫等)による成長ホルモン分泌不全性低身長症の患者[成長ホルモンが細胞増殖作用を有するため、基礎疾患の進行や再発の観察を十分に行い慎重に投与すること。]
2.
心疾患、腎疾患のある患者[ときに一過性の浮腫があらわれることがあるので、特に心疾患、腎疾患のある患者に投与する場合には、観察を十分に行い慎重に投与すること。]
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
糖質コルチコイド
臨床症状・措置方法
成長ホルモンの成長促進作用が抑制されることがある。
機序・危険因子
糖質コルチコイドが成長抑制効果を有するため
2. 薬剤名等
インスリン
臨床症状・措置方法
インスリンの血糖降下作用が減弱することがある。
機序・危険因子
成長ホルモンが抗インスリン様作用を有するため
副作用
重大な副作用
1. けいれん
頻度不明
けいれんがあらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
2. 甲状腺機能亢進症
頻度不明
甲状腺機能亢進症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
3. ネフローゼ症候群
頻度不明
ネフローゼ症候群(浮腫、尿蛋白、低蛋白血症)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
4. 糖尿病
頻度不明
耐糖能低下があらわれ、糖尿病を発症することがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
次のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。
過敏症注1)
頻度不明
全身そう痒、発疹(蕁麻疹、紅斑等)
内分泌
頻度不明
甲状腺機能低下症注2)、耐糖能低下注3)
肝臓
頻度不明
GOT、GPTの上昇
消化器
頻度不明
嘔気、腹痛
**筋・骨格系
頻度不明
関節痛・下肢痛等の成長痛、有痛性外脛骨、外骨腫、大腿骨骨頭辷り症、大腿骨骨頭壊死、踵骨骨端炎、側弯症等の脊柱変形の進行、周期性四肢麻痺
投与部位
頻度不明
発赤、熱感、疼痛、硬結、皮下脂肪の消失
その他
頻度不明
頭蓋内圧亢進に伴う乳頭浮腫・視覚異常・頭痛・悪心・嘔吐注4)、浮腫、頭痛、白血球数上昇、遊離脂肪酸上昇、血清P上昇、尿潜血・顕微鏡的血尿、蛋白尿、CPK上昇、ミオグロビン上昇
その他の副作用の注意
注1)発現した場合には投与を中止すること。
注2)甲状腺機能低下症があらわれあるいは悪化し、本剤による治療効果が低下することがあるので、甲状腺機能を定期的に検査し、このような場合には適当な治療を行うことが望ましい。
注3)定期的に尿糖等の検査を実施することが望ましい。
注4)発現した場合には投与を中止するか、減量すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]
過量投与
過量投与により最初は血糖低下が、次いで血糖上昇が認められることがある。長期の過量投与により末端肥大症の症状が認められることがある。
適用上の注意
1. 調製方法
本剤を使用する際は、必ず専用の溶剤移注針を用いて溶解し、専用の成長ホルモン注入器を用いて注射すること。
また、必ずこれらの取扱説明書を読むこと。
(1)
添付の溶解液を専用の溶剤移注針を用い、バイアル内に注入して、静かに円を描くようにバイアルを回転させ溶解し(激しく振とうしないこと)、再び溶解液のカートリッジに移すこと。
(2)
溶解後の液は、専用の成長ホルモン注入器に装着したまま速やかに冷蔵庫に入れ、凍結を避け2~8℃で遮光保存すること。
(3)
溶解後の液は、21日以内に使用すること(溶解後凍結した場合又は溶解後の液に濁りがある場合は使用しないこと)。
2. 投与方法
本剤は皮下投与のみに使用し、注射部位を上腕、大腿、腹部、臀部等広範に求め、順序よく移動し、同一部位に短期間内に繰返し注射しないこと。
3. その他
(1)
他の注入器を用いて使用したり、空になったカートリッジの再使用あるいは他剤の投与には使用しないこと。
(2)
1本のカートリッジを複数の患者に使用しないこと。
その他の注意
1.
ヒト成長ホルモンと白血病の因果関係は明らかではないが、ヒト成長ホルモンの投与を受けた患者に白血病があらわれたとの報告があるので、定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
2.
ヒト成長ホルモンの投与を受けた患者に脳腫瘍が再発したとの報告がある。
3.
小児がんの既往を有する患者にヒト成長ホルモンを投与した場合、二次性腫瘍の発現リスクが上昇するとの報告がある。
4.
連続投与した場合、ヒト成長ホルモンに対する抗体が生じることがある。抗体の産生により効果の減弱がみられる場合には、投与を中止し、適宜他の治療法を考慮すること。
5.
外国でm‐クレゾール含有溶解液により、過敏症があらわれたとの報告がある。
6.
動物実験で妊娠前、妊娠初期投与試験において、高投与量群で交尾率及び妊娠率の低下が報告されている。
薬物動態
血中濃度
健常成人男子20名において、サイゼン皮下注用8mgとサイゼン注用1.33mgそれぞれ2.64mg(8国際単位)を1回皮下注射した時の薬物動態パラメータは以下のとおりであり、両製剤間で生物学的同等性が認められた1)。
薬物動態の表
パラメータ Tmax
(hr) Cmax
(ng/mL) T1/2
(hr) AUC
(ng・hr/mL)
サイゼン
皮下注用8mg 3±1 87±22 2.9±0.9 590±88
サイゼン注用
1.33mg 4±1 76±21 2.7±0.9 564±81
(平均±SD)
臨床成績
1. 臨床効果
サイゼン注用1.33mgでの成績
成長ホルモン分泌不全性低身長症を対象とした1年間投与の国内一般臨床試験2)
2. 抗ヒト成長ホルモン抗体
サイゼン注用1.33mgでの成績
ヒト成長ホルモン製剤による治療歴がない25例及び下垂体抽出ヒト成長ホルモン製剤による治療歴がある14例、合計39例中2例に抗ヒト成長ホルモン抗体の生成が認められた。また、すでに抗ヒト成長ホルモン抗体が認められる抗体陽性例11例について本剤を6ヵ月投与した結果、8例に抗体価の減少が認められ、2例に抗体の消失が認められた2)。
臨床成績の表
投与量:0.5国際単位/kg/週(0.175mg/kg/週に相当)
治療歴 症例数 身長の伸び
平均±SD(cm/年)
治療前 身長の伸び
平均±SD(cm/年)
下垂体抽出ヒト成長ホルモン治療時 身長の伸び
平均±SD(cm/年)
治療開始後
ヒト成長ホルモン製剤
治療歴 無 25例 3.3±1.3 - 8.0±1.8
下垂体抽出
ヒト成長ホルモン製剤等
治療歴 有 14例 4.4±1.5 6.1±0.9 7.0±1.9
薬効薬理
1. 身体成長促進作用
(1)
下垂体摘出ラットにおいて体重変化及び軟骨組織へのイオウの取り込みを指標として本剤の成長促進に対する影響を比較検討した結果、対照群に比べ有意な体重増加及び軟骨組織へのイオウの取り込み量が増加した。また、その効果は下垂体抽出ヒト成長ホルモン及び大腸菌由来遺伝子組換えヒト成長ホルモン製剤と同程度であった3)。
(2)
下垂体摘出幼若ラットを用いた実験で、脛骨の長さは対照群に比べ有意に増加し、また、脛骨重量及び脛骨骨頭部軟骨幅は用量依存的に増加した4)。
2. 血中ソマトメジン‐C増加作用
健常成人男子において皮下投与及び筋肉内投与共に有意な血中のソマトメジン‐C濃度の上昇を示し、下垂体抽出ヒト成長ホルモンと同程度であった5)。
3. 成長ホルモンレセプターとの親和性
ウサギの肝臓を用いたin vitroの実験において、肝細胞膜成長ホルモンレセプターに対する125I‐hGHの結合を有意に抑制し、下垂体抽出ヒト成長ホルモン及び大腸菌由来遺伝子組換えヒト成長ホルモンと同等であった6)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
ソマトロピン(遺伝子組換え)
Somatropin(genetical recombination)
化学名
ヒト成長ホルモン(遺伝子組換え)
growth hormone human(genetical recombination)
分子式
C990H1528N262O300S7
分子量
約22,125
構造式
191個のアミノ酸からなるペプチド
包装
*8mg:1バイアル
(専用溶解用液:カートリッジ入り0.3w/v% m‐クレゾール含有注射用水1.51mL添付)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
メルクセローノ株式会社 社内資料:生物学的同等性試験
2)
高野加寿恵ほか:薬理と治療 17(5):2335, 1989.
3)
島田英世ほか:薬理と治療 17(12):5737, 1989.
4)
川俣一也ほか:薬理と治療 18(2):399, 1990.
5)
高野加寿恵:薬理と治療 17(10):4977, 1989.
6)
磯貝光孝ほか:薬理と治療 17(12):5733, 1989.
*文献請求先
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製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
メルクセローノ株式会社
東京都目黒区下目黒1-8-1 アルコタワー
供給元
Merck Serono S. A.(スイス)
*販売元
富士フイルム ファーマ株式会社
東京都港区西麻布二丁目26番30号