NICHOLIN INJECTION(Citicoline)尼可林,ニコリン注射液100mg/ニコリン注射液250mg/ニコリン注射液500mg
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作成又は改訂年月
**2016年10月改訂(第7版)
*2015年5月改訂
日本標準商品分類番号
87119
872399
日本標準商品分類番号等
再評価結果公表年月(最新)
1996年3月
効能又は効果追加承認年月(最新)
1987年3月
承認等
販売名
ニコリン注射液100mg
販売名コード
2190404A1307
承認・許可番号
承認番号
21300AMZ00653
商標名
NICHOLIN INJECTION 100mg.
薬価基準収載年月
2001年9月
販売開始年月
1967年2月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
使用期限
外箱に表示の使用期限内に使用すること。
(使用期限内であっても開封後はなるべく速やかに使用すること。)
規制区分
処方箋医薬品注1)
注1)処方箋医薬品:注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
製剤(容量)
1管2mL
1管中の有効成分
シチコリン 100mg
添加物
pH調整剤
性状
性状
無色澄明の注射剤
pH
6.5~8.0
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約0.7
販売名
ニコリン注射液250mg
販売名コード
2190404H1275
承認・許可番号
承認番号
21300AMZ00654
商標名
NICHOLIN INJECTION 250mg.
薬価基準収載年月
2001年9月
販売開始年月
1970年7月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
使用期限
外箱に表示の使用期限内に使用すること。
(使用期限内であっても開封後はなるべく速やかに使用すること。)
規制区分
処方箋医薬品注1)
注1)処方箋医薬品:注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
製剤(容量)
1管2mL
1管中の有効成分
シチコリン 250mg
添加物
pH調整剤
性状
性状
無色澄明の注射剤
pH
6.5~8.0
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約2
販売名
ニコリン注射液500mg
販売名コード
2190404A5191
承認・許可番号
承認番号
21300AMZ00655
商標名
NICHOLIN INJECTION 500mg.
薬価基準収載年月
2001年9月
販売開始年月
1971月10月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
使用期限
外箱に表示の使用期限内に使用すること。
(使用期限内であっても開封後はなるべく速やかに使用すること。)
規制区分
処方箋医薬品注1)
注1)処方箋医薬品:注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
製剤(容量)
1管10mL
1管中の有効成分
シチコリン 500mg
添加物
pH調整剤
性状
性状
無色澄明の注射剤
pH
6.5~8.0
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約0.7
一般的名称
シチコリン注射液
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能又は効果
〇頭部外傷に伴う意識障害
〇脳手術に伴う意識障害
〇脳梗塞急性期意識障害
〇脳卒中片麻痺患者の上肢機能回復促進
ただし、発作後1年以内で、リハビリテーション及び通常の内服薬物療法(脳代謝賦活剤、脳循環改善剤などの投与)を行っている症例のうち、下肢の麻痺が比較的軽度なもの。
〇下記疾患に対する蛋白分解酵素阻害剤との併用療法
(1)
急性膵炎
(2)
慢性再発性膵炎の急性増悪期
(3)
術後の急性膵炎
用法及び用量
〇頭部外傷並びに脳手術に伴う意識障害の場合
シチコリンとして、通常成人1回100~500mgを1日1~2回点滴静脈内注射、静脈内注射又は筋肉内注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
〇脳梗塞急性期意識障害の場合
通常、1日1回シチコリンとして1,000mgを2週間連日静脈内投与する。
〇脳卒中後の片麻痺の場合
通常、シチコリンとして1日1回1,000mgを4週間連日静脈内注射する。又は、シチコリンとして1日1回250mgを4週間連日静脈内注射し、改善傾向が認められる場合には更に4週間継続投与する。
〇膵炎の場合
通常、蛋白分解酵素阻害剤と併用して、1日1回シチコリンとして1,000mgを2週間連日静脈内投与する。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
薬剤過敏症の既往歴のある患者
重要な基本的注意
1.
急性重症かつ進行性の頭部外傷並びに脳手術に伴う意識障害の患者に投与する場合には、止血剤、脳圧下降剤や低体温等の処置とともに用いること。
2.
脳梗塞急性期意識障害の患者に使用する場合には、卒中発作後2週間以内に投与を開始することが望ましい。
副作用
副作用等発現状況の概要
各効能疾患別の臨床検査値の異常を含む副作用の発現頻度は次表のとおりである。
以下の副作用は下記の調査あるいは自発報告等で認められたものである。
効能疾患 副作用発現頻度
頭部外傷並びに脳手術に伴う意識障害 1.2%〔15/1,304〕
(1973年集計)
脳梗塞急性期意識障害 1.2%〔 5/420〕
(1987年集計)
脳卒中片麻痺患者の上肢機能回復促進 4.1%〔92/2,218〕
(1984年集計)
急性膵炎 2.2%〔 6/276〕
(1983年集計)
〔 〕内:副作用発現症例数/安全性評価対象症例数
重大な副作用
ショック(0.1%未満)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、血圧降下、胸内苦悶、呼吸困難等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
過敏症注2)
0.1~5%未満
発疹
精神神経系
0.1~5%未満
不眠、麻痺肢のしびれ感の発現又は増強(脳卒中片麻痺に用いた場合)
精神神経系
0.1%未満
頭痛、めまい、興奮、痙攣
消化器
0.1~5%未満
悪心
消化器
0.1%未満
食欲不振
肝臓
0.1~5%未満
肝機能検査値の異常
眼
0.1%未満
一過性の複視
その他
0.1~5%未満
熱感
その他
0.1%未満
一過性の血圧変動、倦怠感
その他の副作用の注意
注2)このような場合には投与を中止すること。
適用上の注意
1.
筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため下記の点に注意すること。
(1)
筋肉内注射は、やむを得ない場合にのみ、必要最少限に行うこと。なお、特に同一部位への反復注射は行わないこと。また、低出生体重児、新生児、乳児、小児には特に注意すること。
(2)
神経走行部位を避けるよう注意すること。
(3)
注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
2.
静脈内に投与する場合には、できるだけゆっくり投与すること。
臨床成績
1.
頭部外傷並びに脳手術に伴う意識障害
頭部外傷や脳手術に伴う意識障害患者の意識水準、脳波等を改善する。なかでも著明な脳幹症状を伴わない患者に対する改善効果が高いことが認められている。1,2)
2.
脳梗塞急性期意識障害3)
脳卒中発症後2週間以内の急性期意識障害患者に本剤1,000mg/日2週間連日静注した二重盲検比較試験において、脳梗塞では本剤投与群が非投与群より有意に優れたが、脳出血の場合には有意の差が認められなかった。この相違は、コンピューター断層撮影の所見から脳の器質的病変の程度が脳出血においては脳梗塞に比し大であることに起因すると考えられ、脳出血急性期意識障害に対する効能・効果を取得していない。
3.
脳卒中片麻痺患者の上肢機能回復促進
リハビリテーション及び通常の内服薬物療法を行っている発症後1年以内の脳卒中片麻痺患者を対象として、本剤250mg/日、1,000mg/日を8週間静注した二重盲検比較試験において上肢運動機能の改善率は4週目では1,000mg投与群が250mg投与群及び本剤非投与対照群より高く、8週目では250mg及び1,000mg投与群が本剤非投与対照群より優れることが認められている。4,5)また、235例についての一般臨床試験及び市販後の335例についての使用成績調査6)でも有用性が認められている。
4.
急性膵炎
膵炎患者を対象として蛋白分解酵素阻害剤ガベキサートメシル酸塩に併用して本剤1,000mg/日を1~2週間静注した二重盲検比較試験において、本剤併用群が蛋白分解酵素阻害剤単独群に比し、全般改善度で有意に優れ、症状別では特に上腹部痛、腹部膨満、腹膜炎症状、AST(GOT)、ALT(GPT)、総ビリルビン等の改善効果が高く、併用療法の有用性が認められている。7)また、蛋白分解酵素阻害剤アプロチニンに併用して本剤1,000mg/日を1~2週間静注した非盲検比較試験においてもアプロチニン単独群と比べ、上記と同様に併用群がより優れる成績が得られている。8)
薬効薬理
1. 意識障害、脳卒中後の片麻痺に対する作用
(1)
意識障害患者1)、脳を無酸素ないし低酸素状態にしたラット9)及び視床梗塞犬10)の脳波を改善する。
(2)
大脳皮質刺激による皮質脳波覚醒反応及び誘発筋放電の閾値の上昇を抑制し、上行性網様賦活系及び錐体路系の働きを促進して意識水準及び運動機能を高める(ウサギ)。11)
(3)
実験的脳虚血下の脳卒中易発症ラット12)、脳虚血-再灌流ラット13)、低酸素下の虚血ラット14)及び実験的脳梗塞サル15)などの病態モデルにおいて、急性卒中発作、神経症状(意識障害、運動障害)の発現を抑制し、死亡率を低下させる。
(4)
脳循環障害患者において脳血流の増加作用、脳血管抵抗の低下作用を示し、脳循環を改善する。16)特に脳幹部血流量を増加させる(イヌ)。17)
(5)
脳血管障害患者において、筋電図上、不全麻痺筋の低下した最大筋仕事量の増加18)及び荷重負荷時の疲労現象発現時間の延長をもたらし、中枢性運動機能障害を改善する。
(6)
グルコースの脳内取り込み促進(脳虚血-再灌流ラット19)、ネコ脳灌流法20))、乳酸の脳内蓄積の抑制(ネコ脳灌流法)20)、実験的脳梗塞家兎21)における脳ミトコンドリアの呼吸機能低下の改善、虚血により低下したグルコースからアセチルコリンの生合成促進及びドーパミン代謝回転の改善(ラット)22)、脳虚血時の脳内脂肪酸遊離の抑制(ラット)23,24)等、脳機能・代謝改善作用を示す。
(7)
脳虚血ラットにおいて神経細胞膜分画に取り込まれ、リン脂質生合成を促進し、リン脂質代謝を改善する。25)
2. 膵炎に対する作用
(1)
実験的急性膵炎イヌ26)及びラット27)において膵・肝組織の壊死を主とする変性を軽減し、生存時間を延長させる。本剤の単独投与に比較して、本剤を蛋白分解酵素阻害剤(ガベキサートメシル酸塩又はアプロチニン)と併用した場合にその作用は増強される。
(2)
実験的急性膵炎ラットの回復期に膵の膜脂質画分によく取り込まれることから、レシチン生合成促進作用を介して膵の生体膜修復に関与するものと推定される。28)
(3)
ヒト膵液及び急性膵炎患者血清中のフォスフォリパーゼA2活性を阻害し、レシチンの分解を抑制する(in vitro)。29~31)
有効成分に関する理化学的知見
化学構造式
一般名
シチコリン(Citicoline)〔JAN〕
化学名
Cytidine diphosphate choline(CDP-choline)
分子式
C14H26N4O11P2
分子量
488.32
性状
シチコリンは白色の結晶性の粉末で、においはない。水に極めて溶けやすく、エタノール(95)、アセトン又はクロロホルムにほとんど溶けない。極めて吸湿性である。
取扱い上の注意
【注意】
本品は「ワンポイントカットアンプル」を使用しているので、ヤスリを用いず、アンプル枝部のマーク(青)の反対方向に折り取ること。
包装
100mg・2mL:50管
*250mg・2mL:10管
*500mg・10mL:10管
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
横山育三他 : 診療,21 : 1894,1968.
2)
石井昌三他 : 脳と神経,16 : 281,1964.
3)
田崎義昭他 : 医学のあゆみ,136 : 791,1986.
4)
間 得之他 : 臨牀と研究,53 : 3781,1976.
5)
上田 敏他 : 医学のあゆみ,170(4): 297,1994.
6)
長谷川恒雄他 : 薬理と治療,8 : 1276,1980.
7)
石井兼央他 : 医学のあゆみ,122 : 1094,1982.
8)
内藤聖二他 : 臨牀と研究,60 : 1296,1983.
9)
桜田 修他 : 災害医学,18 : 557,1975.
10)
坂本哲也他 : 薬理と治療,5 : 1493,1977.
11)
Yasuhara,M.et al.: Curr.Ther.Res.,16 : 346,1974.
12)
永岡明伸 : 薬理と治療,13 : 5031,1985.
13)
福田尚久他 : 薬理と治療,13 : 5021,1985.
14)
佐治美昭他 : 基礎と臨床,9 : 262,1975.
15)
吉本高志他 : 薬理と治療,4 : 823,1976.
16)
宮崎 学 : 現代の臨床,2 : 61,1968.
17)
永井 肇他 : 薬理と治療,4 : 1153,1976.
18)
佐藤 元他 : 臨牀と研究,51 : 2256,1974.
19)
永井康雄他 : 薬理と治療,13 : 5037,1985.
20)
渡辺昌祐他 : 脳と神経,23 : 721,1971.
21)
相澤豊三他 : 日本医事新報,No.2450,43,1971.
22)
成美重彦他 : 薬理と治療,13 : 5629,1985.
23)
寿野正廣他 : 薬理と治療,13 : 5623,1985.
24)
北崎 直他 : 薬理と治療,13 : 5617,1985.
25)
垣花 満他 : 薬理と治療,13 : 5043,1985.
26)
小坂 篤他 : 薬理と治療,10 : 1397,1982.
27)
佐藤 宏他 : 薬理と治療,10 : 3921,1982.
28)
四方睦之他 : 薬理と治療,11 : 49,1983.
29)
橋平成章他 : 日本臨牀,29 : 1408,1971.
30)
松田泰樹他 : 薬理と治療,10 : 6203,1982.
31)
須田雍夫他 : 日本臨牀,32 : 1026,1974.
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