BI.Sifrol(Pramipexole Hydrochloride Hydrate)ビ・シフロール錠0.125mg/ビ・シフロール錠0.5mg
作成又は改訂年月
**2016年1月改訂(第14版)*2014年8月改訂
日本標準商品分類番号
871169
87119
日本標準商品分類番号等
再審査結果公表年月(最新)**2015年9月効能又は効果追加承認年月(最新)2010年1月国際誕生年月1997年7月
薬効分類名
ドパミン作動性パーキンソン病治療剤レストレスレッグス症候群治療剤
承認等
販売名ビ・シフロール錠0.125mg
販売名コード
1169012F1022
承認・許可番号
承認番号21500AMY00154000商標名BI・Sifrol Tablets 0.125mg
薬価基準収載年月
2003年12月
販売開始年月
2004年1月
貯法・使用期限等
貯法室温保存、遮光保存使用期限外箱に使用期限を表示
規制区分
劇薬*処方箋医薬品注)注)注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
成分・含量1錠中
プラミペキソール塩酸塩水和物 0.125mg添加物トウモロコシデンプン、軽質無水ケイ酸、ポビドンK25、ステアリン酸マグネシウム、D-マンニトール
性状
剤形白色の素錠外形raster長径6mm短径6mm厚さ2.3~2.5mm重さ0.085g識別コードraster販売名ビ・シフロール錠0.5mg
販売名コード
1169012F2029
承認・許可番号
承認番号21500AMY00155000商標名BI・Sifrol Tablets 0.5mg
薬価基準収載年月
2003年12月
販売開始年月
2004年1月
貯法・使用期限等
貯法室温保存、遮光保存使用期限外箱に使用期限を表示
規制区分
劇薬*処方箋医薬品注)注)注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
成分・含量1錠中
プラミペキソール塩酸塩水和物 0.5mg添加物トウモロコシデンプン、軽質無水ケイ酸、ポビドンK25、ステアリン酸マグネシウム、D-マンニトール
性状
剤形白色の素錠(割線)外形raster長径10.6mm短径7.6mm厚さ2.7~2.9mm重さ0.21g識別コードraster
一般的名称
プラミペキソール塩酸塩水和物製剤
警告
前兆のない突発的睡眠及び傾眠等がみられることがあり、また突発的睡眠等により自動車事故を起こした例が報告されているので、患者に本剤の突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、本剤服用中には、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること。
[「重要な基本的注意」、「副作用」の項参照]
禁忌
(次の患者には投与しないこと)1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
[動物(ラット)を用いた生殖発生毒性試験で、妊娠率の低下、生存胎児数の減少及び出生児体重の低下が認められている。(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)]2.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果/用法・用量
効能・効果
1.パーキンソン病2.中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)
効能・効果に関連する使用上の注意
レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)の診断は、国際レストレスレッグス症候群研究グループの診断基準及び重症度スケールに基づき慎重に実施し、基準を満たす場合にのみ投与すること。
用法・用量
1.パーキンソン病通常、成人にはプラミペキソール塩酸塩水和物として1日量0.25mgからはじめ、2週目に1日量を0.5mgとし、以後経過を観察しながら、1週間毎に1日量として0.5mgずつ増量し、維持量(標準1日量1.5~4.5mg)を定める。1日量がプラミペキソール塩酸塩水和物として1.5mg未満の場合は2回に分割して朝夕食後に、1.5mg以上の場合は3回に分割して毎食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減ができるが、1日量は4.5mgを超えないこと。2.中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)通常、成人にはプラミペキソール塩酸塩水和物として0.25mgを1日1回就寝2~3時間前に経口投与する。投与は1日0.125mgより開始し、症状に応じて1日0.75mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて行うこと。
用法・用量に関連する使用上の注意
1.パーキンソン病(1)本剤の投与は、少量から開始し、幻覚等の精神症状、消化器症状、血圧等の観察を十分に行い、慎重に維持量(標準1日量1.5~4.5mg)まで増量すること。
[「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「副作用」の項参照](2)腎機能障害患者に対する投与法本剤は主に尿中に未変化体のまま排泄される。腎機能障害患者(クレアチニンクリアランスが50mL/min未満)に本剤を投与すると、腎クリアランスの低下により本剤の消失半減期が延長するため、次のような投与法を目安に投与回数を調節し腎機能に注意しながら慎重に漸増すること。なお、腎機能障害患者に対する最大1日量及び最大1回量は下記のとおりとする。また、透析患者あるいは非常に高度な腎機能障害患者での十分な使用経験はないので、このような患者に対しては状態を観察しながら慎重に投与すること。
[「慎重投与」、「高齢者への投与」、「薬物動態」の項参照]クレアチニンクリアランス(mL/min):クレアチニンクリアランス≧50投与法:1日量として1.5mg未満 1日2回投与
初回1日投与量:0.125mg×2回
最大1日量:4.5mg(1.5mg×3回)クレアチニンクリアランス(mL/min):クレアチニンクリアランス≧50投与法:1日量として1.5mg以上 1日3回投与
初回1日投与量:0.125mg×2回
最大1日量:4.5mg(1.5mg×3回)クレアチニンクリアランス(mL/min):50>クレアチニンクリアランス≧20投与法:1日2回投与
初回1日投与量:0.125mg×2回
最大1日量:2.25mg(1.125mg×2回)クレアチニンクリアランス(mL/min):20>クレアチニンクリアランス投与法:1日1回投与
初回1日投与量:0.125mg×1回
最大1日量:1.5mg(1.5mg×1回)2.中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)特発性レストレスレッグス症候群における1日最大投与量(0.75mg)は、パーキンソン病患者よりも低いため、クレアチニンクリアランスが20mL/min以上の腎機能障害患者では減量の必要はないが、透析中あるいはクレアチニンクリアランスが20mL/min未満の高度な腎機能障害患者における本剤の有効性及び安全性は確立していないため、これらの患者に対する本剤の投与については、治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に判断すること。
[「慎重投与」、「高齢者への投与」、「薬物動態」の項参照]
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)1.幻覚、妄想等の精神症状又はそれらの既往歴のある患者
[症状が増悪又は発現しやすくなることがある。(「重要な基本的注意」、「副作用」の項参照)]2.腎機能障害のある患者
[副作用が発現しやすくなるおそれがあり、また、本剤は主に尿中に未変化体として排泄される。(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「副作用」、「薬物動態」の項参照)]3.重篤な心疾患又はそれらの既往歴のある患者
[副作用が発現しやすくなるおそれがある。(「重要な基本的注意」、「副作用」の項参照)]4.低血圧症の患者
[症状が悪化することがある。(「重要な基本的注意」、「副作用」の項参照)]5.高齢者
[「高齢者への投与」の項参照]
重要な基本的注意
1.突発的睡眠等により自動車事故を起こした例が報告されている。突発的睡眠を起こした症例の中には、傾眠や過度の眠気のような前兆を認めなかった例あるいは投与開始後1年以上経過した後に初めて発現した例も報告されている。患者には本剤の突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること。
[「警告」、「副作用」の項参照]2.特に投与初期には、めまい、立ちくらみ、ふらつき等の起立性低血圧に基づく症状が見られることがあるので、本剤の投与は少量から開始し、血圧等の観察を十分に行うこと。また、これらの症状が発現した場合には、症状の程度に応じて、減量又は投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
[「副作用」の項参照]3.臨床試験において、本剤を他の抗パーキンソン剤(レボドパ、抗コリン剤、アマンタジン塩酸塩、ドロキシドパ)と併用した場合、ジスキネジア、幻覚、錯乱等の副作用が発現しやすいことが認められている。これらの副作用があらわれた場合には、減量又は投与を中止するとともに、精神症状が見られた場合には、抗精神病薬の投与を考慮すること。
[「相互作用」、「副作用」の項参照]4.パーキンソン病患者において、本剤の急激な減量又は中止により、悪性症候群を誘発することがあるので、減量・中止が必要な場合は漸減すること。
[「副作用」の項参照]
なお、特発性レストレスレッグス症候群患者においては、パーキンソン病患者よりも用量が低いため、漸減しなくてもよい。
[「臨床成績」の項参照]5.レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されているので、このような症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、患者及び家族等にこのような衝動制御障害の症状について説明すること。6.レストレスレッグス症候群患者において、本剤を含めたドパミン受容体作動薬の投与によりAugmentation(夜間の症状発現が2時間以上早まる、症状の増悪、他の四肢への症状拡大)が認められることがあるため、このような症状が認められた場合には、減量又は投与を中止するなどの適切な措置を講じること。
相互作用
本剤は、肝薬物代謝酵素P-450による代謝をほとんど受けず、主に尿中に未変化体のまま排泄される。
併用注意
(併用に注意すること)薬剤名等カチオン輸送系を介して腎排泄される薬剤(シメチジン、アマンタジン塩酸塩)臨床症状・措置方法ジスキネジア、幻覚等の副作用が増強することがある。このような場合には、本剤を減量すること。機序・危険因子カチオン輸送系を介して腎排泄される薬剤との併用により、双方あるいはいずれかの薬剤の腎尿細管分泌が減少し、腎クリアランスが低下することがある。[「薬物動態」の項参照]薬剤名等鎮静剤
アルコール臨床症状・措置方法作用が増強するおそれがある。機序・危険因子機序は明らかではないが、本剤との併用により作用増強の可能性が考えられる。薬剤名等ドパミン拮抗剤(フェノチアジン系薬剤、ブチロフェノン系薬剤、メトクロプラミド、ドンペリドン)臨床症状・措置方法本剤の作用が減弱するおそれがある。機序・危険因子本剤はドパミン作動薬であり、併用により両薬剤の作用が拮抗するおそれがある。薬剤名等抗パーキンソン剤(レボドパ、抗コリン剤、アマンタジン塩酸塩、ドロキシドパ)臨床症状・措置方法ジスキネジア、幻覚、錯乱等の副作用が増強することがある。機序・危険因子相互に作用が増強することがある。
副作用
副作用等発現状況の概要
**パーキンソン病患者を対象とした国内の臨床試験において、総症例337例中242例(71.8%)に副作用が報告され、主な副作用は、ジスキネジア59例(17.5%)、傾眠57例(16.9%)、嘔気57例(16.9%)、消化不良55例(16.3%)、幻覚52例(15.4%)等であった。副作用としての臨床検査値の異常は68例にみられ、主なものはCK(CPK)上昇7.6%(24/318例)、LDH上昇4.8%(16/333例)、ALT(GPT)上昇4.2%(14/333例)であった。また、特発性レストレスレッグス症候群患者を対象とした国内の臨床試験において、総症例174例中102例(58.6%)に副作用が報告され、主な副作用は、悪心52例(29.9%)、傾眠29例(16.7%)、頭痛13例(7.5%)、胃不快感12例(6.9%)等であった。副作用としての臨床検査値の異常は18例にみられ、主なものはトリグリセリド増加4.1%(7/169例)、好酸球増加3.0%(5/169例)、CK(CPK)増加2.4%(4/168例)であった。(承認時)
パーキンソン病患者を対象とした市販後臨床試験、特別調査並びに特定使用成績調査における調査症例3,094例中922例(29.8%)に副作用が認められた。
主な副作用は、傾眠285例(9.2%)、幻覚202例(6.5%)、悪心73例(2.4%)、便秘67例(2.2%)、妄想59例(1.9%)等であった。(再審査終了時)
特発性レストレスレッグス症候群患者を対象とした特定使用成績調査における調査症例510例中77例(15.1%)に副作用が認められた。
主な副作用は、悪心14例(2.8%)、傾眠9例(1.8%)、頭痛、浮動性めまい、下肢静止不能症候群がそれぞれ5例(1.0%)等であった。(再審査終了時)
重大な副作用
1.**突発的睡眠(1.0%)前兆のない突発的睡眠があらわれることがあるので、このような場合には、減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。2.**幻覚(7.1%)、妄想(1.7%)、せん妄(1.4%)、激越(0.3%)、錯乱(0.3%)幻覚(主に幻視)、妄想、せん妄、激越、錯乱があらわれることがあるので、このような場合には、減量又は投与を中止するとともに、必要に応じて抗精神病薬を使用するなどの適切な処置を行うこと。3.抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。4.悪性症候群(0.1%)パーキンソン病患者において、本剤の急激な減量又は中止により、悪性症候群があらわれることがある。観察を十分に行い、発熱、意識障害、無動無言、高度の筋硬直、不随意運動、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗、血清CK(CPK)の上昇等があらわれた場合には悪性症候群の症状である可能性があるため、再投与後、漸減し、体冷却、水分補給等の適切な処置を行うこと。5.横紋筋融解症(頻度不明)筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。6.**肝機能障害(0.1%未満)AST(GOT)、ALT(GPT)、LDH、γ-GTP、総ビリルビン上昇等の肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
過敏症頻度不明注)過敏症状**皮膚0.1~5%未満多汗、発疹、そう痒症皮膚0.1%未満蕁麻疹、網状皮斑筋・骨格系0.1~5%未満CK(CPK)上昇、背部痛、腰痛**中枢・末梢神経系5%以上傾眠(9.6%)中枢・末梢神経系0.1~5%未満めまい、ジスキネジア、頭痛、ジストニア、知覚減退、パーキンソニズムの増悪中枢・末梢神経系0.1%未満緊張亢進、舌麻痺、運動過多、ミオクローヌス、声が出にくい、異常感覚、失神自律神経系0.1~5%未満口内乾燥、起立性低血圧、高血圧自律神経系0.1%未満唾液増加感覚器0.1~5%未満苦味感覚器0.1%未満眼のちらつき、複視、羞明、霧視感覚器頻度不明注)視力低下精神神経系0.1~5%未満食欲不振、不眠、不安、悪夢**精神神経系0.1%未満神経過敏、気分高揚感、早朝覚醒、ねぼけ様症状、異夢、徘徊、過食(体重増加)、健忘、強迫性購買精神神経系頻度不明注)病的性欲亢進、性欲減退、暴食、病的賭博、不穏**消化管0.1~5%未満悪心、消化不良、便秘、胃不快感、嘔吐、腹痛、胃潰瘍、胃炎、上腹部痛消化管0.1%未満口内炎、鼓腸放屁、イレウス、体重減少肝臓0.1~5%未満肝機能異常(AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、LDH上昇等)、γ-GTP上昇内分泌0.1%未満プロラクチン低下、成長ホルモン上昇代謝0.1~5%未満血糖値上昇循環器0.1~5%未満低血圧、動悸泌尿器系0.1~5%未満排尿頻回、尿蛋白陽性泌尿器系0.1%未満尿閉一般的全身障害0.1~5%未満末梢性浮腫、胸痛、倦怠感、脱力感、転倒、口渇一般的全身障害0.1%未満疲労感、手がピリピリする**呼吸器0.1%未満呼吸困難、肺炎、しゃっくり以上のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。注)海外において認められている副作用あるいは国内自発報告であるため頻度不明
高齢者への投与
1.パーキンソン病患者を対象とした臨床試験において65歳以上の高齢者で非高齢者に比し、幻覚等の精神症状の発現率が高い傾向が認められているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。幻覚等の精神症状があらわれた場合には、減量又は投与を中止するとともに、必要に応じて抗精神病薬を使用するなどの適切な処置を行うこと。2.本剤は主に尿中に未変化体のまま排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いので、少量(1日1回0.125mg)から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
[「薬物動態」の項参照]
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、投与しないこと。
[妊娠中の婦人に対する使用経験がなく、安全性は確立していない。なお、動物(ラット)を用いた生殖発生毒性試験で、次のことが認められている。](1)受胎能及び一般生殖能試験(Seg.I)(2.5mg/kg)で、血清プロラクチン濃度の低下に基づく妊娠率の低下が認められている。(2)器官形成期投与試験(Seg.II)(1.5mg/kg)で、血清プロラクチン濃度の低下に基づく生存胎児数の減少が認められている。(3)周産期及び授乳期投与試験(Seg.III)(0.5mg/kg以上)で、血清プロラクチン濃度の低下に基づく出生児体重の低下が認められている。2.授乳中の婦人には投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。
[ヒトにおいてプロラクチン分泌を抑制することが報告されており、乳汁分泌を抑制する可能性がある。なお、動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが認められている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない)
過量投与
1.症状本剤の過量投与により、悪心、嘔吐、過度の鎮静、運動過多、幻覚、激越、低血圧等の症状の発現が予想される。2.処置精神症状が見られた場合には、抗精神病薬の投与を考慮する。また、胃洗浄、活性炭の使用、輸液の点滴静注、心電図モニター等の適切な処置とともに、一般的な支持療法も考慮すること。なお、血液透析による除去は期待できない。
[「薬物動態」の項参照]
適用上の注意
薬剤交付時(1)PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。
[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。](2)本剤は光に対して不安定なため、服用直前にPTPシートから取り出すよう指導すること。
その他の注意
ラットのがん原性試験(24ヶ月間混餌投与)において、2mg/kg/日以上の投与量で網膜変性の増加が報告されている。ただし、ヒトにおいて本剤を含む抗パーキンソン剤と網膜変性との関連性は認められなかったとの臨床試験成績が報告されている。
薬物動態
1.血中濃度(1)単回投与健康成人に本剤0.1、0.2、0.3mgを空腹時に単回経口投与したときの、血漿中未変化体の薬物動態パラメータを下記に、また、血漿中未変化体濃度推移を次図で示す。Cmax及びAUCは用量直線性を示した1)。プラミペキソール塩酸塩水和物 単回投与時の薬物動態パラメータ値(空腹時投与)薬物動態パラメータ:Cmax(pg/mL)0.1mg:294.6±46.3
0.2mg:583.2±69.9
0.3mg:766.3±88.8薬物動態パラメータ:tmax(h)0.1mg:1.5±0.5
0.2mg:1.4±0.5
0.3mg:2.3±1.2薬物動態パラメータ:t1/2(h)0.1mg:7.71±1.90
0.2mg:6.36±1.46
0.3mg:6.94±1.09薬物動態パラメータ:AUC0-∞(pg・h/mL)0.1mg:3139.2±548.5
0.2mg:5642.5±681.6
0.3mg:9135.8±1422.2(平均値±S.D.,n=8)プラミペキソール塩酸塩水和物 単回投与時の血漿中濃度推移raster
(空腹時投与、平均値±S.D.,n=8)(2)反復投与<血漿中未変化体濃度推移>健康成人に本剤0.1mgを第1日目は1日1回、2日目は1日2回、3~6日目は1日3回、7日目は1回食後反復経口投与したときの、血漿中未変化体濃度推移を次図で示す。血漿中未変化体濃度は1日3回投与開始後3日で定常状態に達した。また、単回投与後の薬物動態パラメータから予測される以上の反復投与による蓄積性はなかった2)。プラミペキソール塩酸塩水和物0.1mg 反復投与時の血漿中濃度推移raster
(食後投与、平均値±S.D.,n=8)<維持量に対する血漿中濃度>パーキンソン病患者に、本剤1.0~4.5mgを反復経口投与後の定常状態(維持量投与開始後4日目以降)において、次図に示すとおり血漿中濃度のトラフ値は投与量に対して直線的に増加することが示唆された。同一被験者における定常状態のトラフ値に大きな変化は認められず、本剤反復投与後の定常状態における蓄積は認められなかった3)。プラミペキソール塩酸塩水和物 反復投与時の維持量に対する血漿中濃度raster
(定常状態におけるトラフ値(142試料)、パワーモデルy=axb)(3)生物学的利用率(外国人のデータ、健康成人)本剤の生物学的利用率は90~93%であった4,5)。(4)食事の影響健康成人に本剤0.25mgを空腹時又は食後に単回経口投与したときの血漿中未変化体の薬物動態パラメータを比較した。その結果、薬物動態パラメータに有意な差は認められず、本剤の吸収に対する食事の影響は少ないものと考えられた。(外国人のデータ)6)なお、国内で実施された健康成人に対する単回投与(空腹時投与)1)及び反復投与の第1日目(食後投与)2)の薬物動態パラメータを比較した。その結果、tmaxは食後投与で3.1時間と空腹時投与(1.5時間)に比し延長する傾向が認められたが、Cmax、AUC及びt1/2はいずれも類似しており、本剤の吸収に対する食事の影響は少ないものと考えられた。2.分布、代謝、排泄(1)分布(血清蛋白結合率)ヒト血清蛋白結合率は17~26%であった(in vitro)7)。(2)代謝、排泄健康成人に14C-プラミペキソール塩酸塩水和物0.3mgを経口投与したとき、血漿中及び尿中には大部分が未変化体として存在する。また、投与後96時間までに87.6%が尿中に、1.6%が糞中に排泄された。本剤は尿中排泄が主排泄経路と考えられた(外国人のデータ)4)。3.シメチジン、アマンタジン塩酸塩との薬物相互作用健康成人12例を対象に本剤0.25mg及びシメチジン300mgを併用経口投与し、本剤の薬物動態に及ぼすシメチジンの影響を検討した。その結果、本剤単独投与に比し併用投与では本剤の尿中未変化体総排泄量に有意な変化は認めなかったが、腎クリアランス(CLr)は30~39%有意に低下し、t1/2は延長した8)。このことから、本剤も腎臓の有機カチオン輸送系を介して尿細管分泌されることが示唆された。(外国人のデータ)
また、パーキンソン病患者に本剤1.0~4.5mgを反復経口投与し、定常状態(維持量投与開始後4日目以降)における血漿中濃度(52例)から、探索的にポピュレーションファーマコキネティクス解析によりアマンタジン塩酸塩との併用(28例)による影響を検討した結果、本剤のクリアランスが低下することが確認された9)。4.腎機能障害患者における薬物動態健康成人、軽度(50≦クレアチニンクリアランス<80mL/min)、中等度(30≦クレアチニンクリアランス<50mL/min)及び高度(5≦クレアチニンクリアランス<30mL/min)の腎機能障害患者並びに透析患者計26例を対象に本剤0.25mgを投与し、薬物動態を検討した。その結果、Cmax、tmax及びVd/Fに有意な差は認められなかったが、下記に示すとおりt1/2は中等度及び高度の腎機能障害患者において、健康成人の約3倍に延長した。なお、透析されたプラミペキソール塩酸塩水和物は投与量の約9%であった(外国人のデータ)10)。プラミペキソール塩酸塩水和物0.25mg 単回投与時の薬物動態パラメータ値(健康成人、腎機能障害患者)投与対象:健康成人クレアチニンクリアランス(mL/min):>80
例数:6
AUC0-∞(ng・h/mL):7.33±1.49
t1/2(h):11.3±2.72
CLtot/F(mL/min):411±85.9
CLr(mL/min):277±59.0投与対象:軽度腎機能障害患者クレアチニンクリアランス(mL/min):50~79
例数:6
AUC0-∞(ng・h/mL):10.2±2.29
t1/2(h):15.3±3.82
CLtot/F(mL/min):297±57.2
CLr(mL/min):206±79.0注1)投与対象:中等度腎機能障害患者クレアチニンクリアランス(mL/min):30~49
例数:5
AUC0-∞(ng・h/mL):16.4±5.45
t1/2(h):36.3±18.8
CLtot/F(mL/min):192±52.5
CLr(mL/min):105±43.9注2)投与対象:高度腎機能障害患者クレアチニンクリアランス(mL/min):5~29
例数:3
AUC0-∞(ng・h/mL):22.6±3.48
t1/2(h):38.4±12.7
CLtot/F(mL/min):131±22.2
CLr(mL/min):32.8±15.6(注1)n=5、注2)n=4、平均値±S.D.)また、日本人を含む早期パーキンソン病患者に本剤及びプラミペキソール塩酸塩水和物の徐放錠を投与して得られた血漿中濃度データを用いた母集団薬物動態解析の結果、クレアチニンクリアランスが80mL/minから30mL/minに低下すると経口クリアランスは約53%低下した11)。
臨床成績
パーキンソン病患者を対象に、UPDRS(Unified Parkinson's Disease Rating Scale)PartII(日常生活動作)及びPartIII(運動能力検査)を主要評価項目として実施した二重盲検比較試験の結果、本剤の有効性が認められた。(1)国内二重盲検比較試験成績パーキンソン病患者315例を対象とした国内二重盲検比較試験において、本剤はプラセボと比較しUPDRS PartII及びPartIIIの各合計スコアを有意に改善した。また、本剤のスコアの改善はブロモクリプチンメシル酸塩に比較し劣らないことが示された12)。国内二重盲験比較試験成績(UPDRSの各合計スコアの変化量(維持期最終値-投与前値))投与対象(試験番号):パーキンソン病患者/レボドパ併用(248.505)
UPDRS:PartII投与群a):PPX
症例数:102
変化量b)(維持期最終時-投与前):-2.50(-3.98)
PPX vs PLAC優越性c):<0.001
PPX vs BROM非劣性d)変化量差(90%CI):0.74(-0.16~1.63)投与対象(試験番号):パーキンソン病患者/レボドパ併用(248.505)
UPDRS:PartII投与群a):PLAC
症例数:107
変化量b)(維持期最終時-投与前):-1.00
PPX vs PLAC優越性c):<0.001
PPX vs BROM非劣性d)変化量差(90%CI):0.74(-0.16~1.63)投与対象(試験番号):パーキンソン病患者/レボドパ併用(248.505)
UPDRS:PartII投与群a):BROM
症例数:104
変化量b)(維持期最終時-投与前):(-3.25)
PPX vs PLAC優越性c):<0.001
PPX vs BROM非劣性d)変化量差(90%CI):0.74(-0.16~1.63)投与対象(試験番号):パーキンソン病患者/レボドパ併用(248.505)
UPDRS:PartIII投与群a):PPX
症例数:102
変化量b)(維持期最終時-投与前):-10.00(-11.75)
PPX vs PLAC優越性c):<0.001
PPX vs BROM非劣性d)変化量差(90%CI):1.76(-0.65~4.09)投与対象(試験番号):パーキンソン病患者/レボドパ併用(248.505)
UPDRS:PartIII投与群a):PLAC
症例数:107
変化量b)(維持期最終時-投与前):-5.00
PPX vs PLAC優越性c):<0.001
PPX vs BROM非劣性d)変化量差(90%CI):1.76(-0.65~4.09)投与対象(試験番号):パーキンソン病患者/レボドパ併用(248.505)
UPDRS:PartIII投与群a):BROM
症例数:104
変化量b)(維持期最終時-投与前):(-9.98)
PPX vs PLAC優越性c):<0.001
PPX vs BROM非劣性d)変化量差(90%CI):1.76(-0.65~4.09)a)投与群PPX:プラミペキソール塩酸塩水和物、PLAC:プラセボ、BROM:ブロモクリプチンメシル酸塩b)変化量は中央値と(平均値)を示した。c)Wilcoxon二標本検定のp値を示した。d)同等限界ΔはUPDRS PartII1.0、UPDRS PartIII2.0また、UPDRS PartII又はPartIIIの合計スコアが30%以上の減少率を示した症例の割合を下記に示す。UPDRS PartIIプラミペキソール塩酸塩水和物:56.9%(58/102例)
ブロモクリプチンメシル酸塩:49.0%(51/104例)
プラセボ:29.9%(32/107例)UPDRS PartIIIプラミペキソール塩酸塩水和物:63.7%(65/102例)
ブロモクリプチンメシル酸塩:60.6%(63/104例)
プラセボ:36.4%(39/107例)(2)海外二重盲検比較試験成績海外でパーキンソン病患者を対象として実施された二重盲検比較試験において、本剤はプラセボと比較しUPDRS PartII及びPartIIIの各合計スコアを有意に改善した13,14,15)。海外主要臨床試験成績(UPDRSの各合計スコアの変化量(維持期最終値-投与前値))投与対象(試験番号):パーキンソン病患者 レボドパ非併用(248.323)
UPDRS:PartII投与群a):PPX
症例数:163
変化量b)(維持期最終時-投与前):-1.9
PPX vs PLAC優越性c):<0.001投与対象(試験番号):パーキンソン病患者 レボドパ非併用(248.323)
UPDRS:PartII投与群a):PLAC
症例数:170
変化量b)(維持期最終時-投与前):0.4
PPX vs PLAC優越性c):<0.001投与対象(試験番号):パーキンソン病患者 レボドパ非併用(248.323)
UPDRS:PartIII投与群a):PPX
症例数:162
変化量b)(維持期最終時-投与前):-5.0
PPX vs PLAC優越性c):<0.001投与対象(試験番号):パーキンソン病患者 レボドパ非併用(248.323)
UPDRS:PartIII投与群a):PLAC
症例数:168
変化量b)(維持期最終時-投与前):0.8
PPX vs PLAC優越性c):<0.001投与対象(試験番号):パーキンソン病患者 レボドパ非併用(248.324)
UPDRS:PartII投与群a):PPX
症例数:144
変化量b)(維持期最終時-投与前):-2.7
PPX vs PLAC優越性c):0.002投与対象(試験番号):パーキンソン病患者 レボドパ非併用(248.324)
UPDRS:PartII投与群a):PLAC
症例数:143
変化量b)(維持期最終時-投与前):-1.3
PPX vs PLAC優越性c):0.002投与対象(試験番号):パーキンソン病患者 レボドパ非併用(248.324)
UPDRS:PartIII投与群a):PPX
症例数:144
変化量b)(維持期最終時-投与前):-6.2
PPX vs PLAC優越性c):<0.001投与対象(試験番号):パーキンソン病患者 レボドパ非併用(248.324)
UPDRS:PartIII投与群a):PLAC
症例数:142
変化量b)(維持期最終時-投与前):-2.6
PPX vs PLAC優越性c):<0.001投与対象(試験番号):パーキンソン病患者 レボドパ併用(248.326)
UPDRS:PartII投与群a):PPX
症例数:79
変化量b)(維持期最終時-投与前):-2.50
PPX vs PLAC優越性c):<0.001投与対象(試験番号):パーキンソン病患者 レボドパ併用(248.326)
UPDRS:PartII投与群a):PLAC
症例数:83
変化量b)(維持期最終時-投与前):-0.50
PPX vs PLAC優越性c):<0.001投与対象(試験番号):パーキンソン病患者 レボドパ併用(248.326)
UPDRS:PartIII投与群a):PPX
症例数:79
変化量b)(維持期最終時-投与前):-6.00
PPX vs PLAC優越性c):<0.001投与対象(試験番号):パーキンソン病患者 レボドパ併用(248.326)
UPDRS:PartIII投与群a):PLAC
症例数:83
変化量b)(維持期最終時-投与前):-2.00
PPX vs PLAC優越性c):<0.001a)投与群PPX:プラミペキソール塩酸塩水和物、PLAC:プラセボb)248.326試験の変化量は中央値、その他は平均値で示した。c)248.326試験はWilcoxon二標本検定、その他はANOVAのp値を示した。特発性レストレスレッグス症候群患者を対象に、終夜睡眠ポリグラフ(PSG)上の測定時寝床中での周期性四肢運動指数(PLMI)のベースラインからの変化量及び国際レストレスレッグス症候群研究グループ重症度スケール(IRLS:International Restless Legs Syndrome Study Group Rating Scale)合計スコアのベースラインからの変化量を主要評価項目として実施した国内二重盲検比較試験の結果、本剤の有効性が認められた。(1)国内第II相二重盲検比較試験成績特発性レストレスレッグス症候群患者を対象とした国内二重盲検比較試験において、本剤はプラセボと比較しPSG上でPLMIの有意な減少を示した。また、IRLS合計スコアのベースラインからの変化量でもプラセボと比較して有意な減少を示した。なお、本剤の初回用量は0.125mgとし、1週間毎に0.25mg、0.5mg、0.75mgまで有害事象の発現がない限り漸増した16)。PLMIの変化量投与群a):PPX症例数:20
ベースライン:29.6
投与6週:4.6
変化量b):-25.0
PPX vs PLAC優越性c):0.0019投与群a):PLAC症例数:18
ベースライン:46.0
投与6週:39.5
変化量b):-6.5
PPX vs PLAC優越性c):0.0019IRLS合計スコアの変化量投与群a):PPX症例数:20
ベースライン:23.4
投与6週:7.3
変化量b):-16.1
PPX vs PLAC優越性c):0.0005投与群a):PLAC症例数:21
ベースライン:25.1
投与6週:18.7
変化量b):-6.4
PPX vs PLAC優越性c):0.0005a)投与群PPX:プラミペキソール塩酸塩水和物、PLAC:プラセボb)PLMI、IRLS合計スコア及びベースラインからの変化量は平均値で示した。c)ANCOVAのp値を示した。(2)国内第III相二重盲検比較試験成績特発性レストレスレッグス症候群患者を対象とした国内二重盲検比較試験において、本剤0.25、0.5mg及び0.75mg/日のいずれの用量群においてもIRLS合計スコアのベースラインからの変化量は10以上減少した。10以上の減少は重症度分類(0-10:軽度、11-20:中等度、21-30:高度、31-40:非常に高度)において重症度が1段階改善することを意味し、臨床的に意義のある改善を示した。また、非盲検期において、投与52週までIRLS合計スコアの安定した減少を示した17)。二重盲検期投与群a):PPX(合計)症例数:154
ベースライン:22.3
投与6週:10.1
変化量:-12.2投与群a):0.25mg症例数:48
ベースライン:21.4
投与6週:9.8
変化量:-11.7投与群a):0.5mg症例数:53
ベースライン:22.6
投与6週:9.9
変化量:-12.7投与群a):0.75mg症例数:53
ベースライン:22.8
投与6週:10.7
変化量:-12.1非盲検期症例数ベースライン:140
投与12週:138
投与24週:131
投与52週:119IRLS合計スコアベースライン:22.3
投与12週:8.2
投与24週:7.3
投与52週:4.9変化量ベースライン:―
投与12週:-14.1
投与24週:-14.9
投与52週:-17.2a)投与群PPX:プラミペキソール塩酸塩水和物IRLS合計スコア及びベースラインからの変化量は平均値で示した。なお、最大0.75mg/日から漸減せずに投与中止した場合でも悪性症候群は認められなかった。
薬効薬理
1.パーキンソン病様症状改善作用(1)MPTP誘発症状改善作用MPTP(1-methyl-4-phenyl-1, 2, 3, 6-tetrahydropyridine)誘発パーキンソン病様症状をブロモクリプチンメシル酸塩より低用量で改善した(アカゲザル18))。(2)無動・固縮に対する改善作用レセルピン誘発無動・固縮症状の改善作用を示した。これらの改善作用はレボドパとの併用により増強することが認められた(マウス18))。2.レストレスレッグス症候群様症状の改善作用6-OHDA(6-hydroxydopamine)により脳内のドパミン神経を変性させたラットにおいては、立ち上がり行動回数と立位時間が増加したが、本剤投与によりこれらの増加は抑制された19)。3.作用機序(1)ドパミンD2受容体に対する親和性(in vitro)本剤はドパミンD2受容体ファミリー(D2、D3、D4)に対し強い親和性を示した20)。
D1及びD5受容体に対する親和性は示さなかった21)。(2)ドパミンD2受容体刺激作用MPTP誘発ヘミパーキンソン病モデル動物において、線条体シナプス後膜ドパミンD2受容体刺激作用により障害側とは反対側への回転行動を誘発した(アカゲザル22))。また、ハロペリドール誘発カタレプシー症状の改善作用を示した(ラット23))。
有効成分に関する理化学的知見
一般名プラミペキソール塩酸塩水和物(JAN)
Pramipexole Hydrochloride Hydrate(JAN)
Pramipexole(INN)化学名(S)-2-Amino-4,5,6,7-tetrahydro-6-propylaminobenzothiazole dihydrochloride monohydrate化学構造式raster分子式C10H17N3S・2HCl・H2O分子量302.26性状白色の結晶又は結晶性の粉末。水に極めて溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくい。融点約290℃(分解)分配係数logD=-0.2(l-オクタノール/0.067mol/Lリン酸塩緩衝液、pH7.4、20℃)
包装
ビ・シフロール錠0.125mg:100錠(10錠×10)PTP、500錠(10錠×50)PTPビ・シフロール錠0.5mg :100錠(10錠×10)PTP、500錠(10錠×50)PTP
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)入江伸ほか:臨床医薬19(2):149,20032)入江伸ほか:臨床医薬19(2):163,20033)吉川浩一ほか:社内資料 日本人パーキンソン病患者の薬物動態解析4)Haeselbarth V.et al:社内資料 外国健康成人の薬物動態解析(標識)5)Haeselbarth V.et al:社内資料 外国健康成人の薬物動態解析(非標識)6)Sisson L.T.et al:社内資料 薬物動態に対する食事の影響7)Yokoyama K et al:薬物動態14(4):300,19998)Wright C.E.et al:社内資料 薬物動態に対するシメチジンの影響9)Yamamura N.et al:社内資料 日本人パーキンソン病患者母集団動態解析10)Wright C.E.et al:社内資料 外国人腎機能障害患者の薬物動態解析11)Dansirikul C.et al:社内資料 母集団薬物動態解析12)Mizuno Y.et al:Movement Disorders18(10):1149,200313)Shannon K.M.:Neurology49(3):724,199714)Wright C.E.et al:社内資料 外国人初期パーキンソン病患者第III相試験15)Guttman M.:Neurology49(4):1060,199716)Sha K.et al:社内資料 日本人特発性レストレスレッグス症候群患者第II相試験17)Sha K.et al:社内資料 日本人特発性レストレスレッグス症候群患者第III相試験18)武内正吾ほか:医学と薬学49(6):973,200319)Ondo WG.et al:Movement Disorders15(1):154,200020)Mierau J.et al:Eur.J.Pharmacol.,290:29,199521)Mierau J.:Clin. Neuropharmacol.,18:S195,199522)Domino E.F.et al:Eur.J.Pharmacol.,325:137,199723)Bauer R.et al:社内資料 作用機序に関する薬理学的検討
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
DIセンター〒141-6017 東京都品川区大崎2丁目1番1号 ThinkPark Tower0120-189-779
〈受付時間〉9:00~18:00
(土・日・祝日・弊社休業日を除く)
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社東京都品川区大崎2丁目1番1号