Opsumit 10mg(Macitentan)马西替坦,オプスミット錠10mg
作成又は改訂年月
*2016年10月改訂(第2版)
2015年5月作成
日本標準商品分類番号
87219
日本標準商品分類番号等
国際誕生年月
2013年10月
薬効分類名
エンドセリン受容体拮抗薬
承認等
販売名
-
オプスミット錠10mg

販売名コード
2190035F1021
承認・許可番号
承認番号
22700AMX00649000
-
商標名
-
Opsumit 10mg

薬価基準収載年月
2015年5月
販売開始年月
2015年6月
貯法・使用期限等
貯 法
-
室温保存
-
使用期限
-
包装に表示
規制区分
劇薬
-
処方箋医薬品
注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
成分・含量
1錠中にマシテンタン10mg
-
添加物
-
乳糖水和物、結晶セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、ポビドン、ステアリン酸マグネシウム、ポリソルベー80、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、酸化チタン、タルク、大豆レシチン、キサンタンガム
性状
白色のフィルムコーティング錠
-
外形
-
表面

-
裏面

-
側面

-
識別コード
-
10
-
大きさ(約)
-
直径:5.5mm
厚さ:2.6mm
重さ:72.8mg
一般的名称
マシテンタン錠
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照。]
-
1.
-
重度の肝障害のある患者[使用経験がない。また、類薬において重篤な肝障害の報告がある。]
-
2.
-
強いCYP3A4誘導剤(リファンピシン、セイヨウオトギリソウ含有食品、カルバマゼピン、フェニトイン、フェノバルビタール、リファブチン)を投与中の患者[「相互作用」の項参照。]
-
3.
-
本剤及び本剤の成分に過敏症の既往歴のある患者
-
4.
|
効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
肺動脈性肺高血圧症
効能又は効果に関連する使用上の注意
1. WHO機能分類クラスIにおける有効性及び安全性は確立していない。
2. 本剤の使用にあたっては、最新の治療ガイドラインを参考に投与の要否を検討すること。
用法及び用量
通常、成人には、マシテンタンとして10mgを1日1回経口投与する。
使用上の注意
慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
投与開始前の肝酵素(AST、ALT)値のいずれか又は両方が基準値上限の3倍を超える患者[使用経験がない。「重要な基本的注意」の項参照。]
-
1.
-
透析中の患者[使用経験がない。]
-
2.
-
重度の貧血のある患者[「重要な基本的注意」の項参照。]
-
3.
-
低血圧の患者[「重要な基本的注意」の項参照。]
-
4.
重要な基本的注意
本剤の投与に際しては、以下について説明及び指導し、妊娠する可能性のある女性には本剤投与開始前及び投与中は1ヵ月に1回妊娠検査を実施すること。[「禁忌」及び「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照。]
妊娠中に本剤を服用した場合の胎児に及ぼす危険性
-
(1) 投与中及び投与中止後1ヵ月間は確実な避妊法を用いるとともに、妊娠した場合若しくはその疑いがある場合には、医師に直ちに連絡すること
-
(2) 他のエンドセリン受容体拮抗薬において肝酵素値上昇が認められているため、肝機能検査を必ず投与開始前に行い、投与中は、必要に応じて肝機能検査を定期的に実施すること。本剤投与中に臨床的に顕著にAST、ALT値が上昇した場合、これら肝酵素値上昇に伴いビリルビン値が基準値上限の2倍を超える場合、又はこれら肝酵素値上昇に伴い黄疸などの肝障害の徴候を伴う場合には、本剤投与を中止すること。[「慎重投与」の項参照。]
-
2. 本剤の投与によりヘモグロビン減少が起こる可能性があるため、本剤の投与開始前及び投与中は必要に応じてヘモグロビン濃度を定期的に測定することが望ましい。[「慎重投与」の項参照。]
-
3. 肺静脈閉塞性疾患患者において、血管拡張薬を使用した場合に肺水腫の発現が報告されているため、本剤を投与しないことが望ましい。また、本剤の投与により肺水腫の徴候がみられた場合は肺静脈閉塞性疾患の可能性を考慮すること。肺静脈閉塞性疾患が疑われた場合には、本剤の投与を中止すること。
-
4. 重度の腎障害のある患者では、本剤の投与により低血圧及び貧血が起こる可能性があるので、血圧及びヘモグロビンの測定を考慮すること。
-
5. 本剤は血管拡張作用を有するため、本剤の投与に際しては、血管拡張作用により患者が有害な影響を受ける可能性がある状態(降圧剤投与中、安静時低血圧、血液量減少、重度の左室流出路閉塞、自律神経機能障害等)にあるのかを十分検討すること。[「慎重投与」の項参照。]
-
6.
相互作用
相互作用の概略
本剤は主にCYP3A4により代謝される。
併用禁忌
(併用しないこと)
薬剤名等
-
強いCYP3A4誘導剤(リファンピシン(リファジン)、セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品、カルバマゼピン(テグレトール)、フェニトイン(アレビアチン)、フェノバルビタール(フェノバール)、リファブチン(ミコブティン))
-
臨床症状・措置方法
-
本剤の血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。[「薬物動態」の項参照。]
-
機序・危険因子
強いCYP3A4誘導作用により、本剤の曝露量を減少させる。
|
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
強いCYP3A4阻害剤(ケトコナゾール※、HIV感染症治療薬(リトナビル等))
-
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇し、本剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。[「薬物動態」の項参照。]
-
機序・危険因子
強いCYP3A4阻害作用により、本剤の曝露量を増加させる。
-
2. 薬剤名等
CYP3A4誘導剤(エファビレンツ、モダフィニル、ルフィナミド等)
-
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。
-
機序・危険因子
CYP3A4誘導作用により、本剤の曝露量を減少させる。
※経口剤、注射剤は国内未発売
副作用
副作用等発現状況の概要
国内臨床試験において、安全性解析対象症例30例中21例(70.0%)41件に副作用が認められた。主な副作用は、頭痛9例(30.0%)、潮紅7例(23.3%)、貧血、浮腫及び末梢性浮腫が各2例(6.7%)であった(申請時)。
海外臨床試験において、安全性解析対象症例注1)242例中56例(23.1%)に副作用が認められた。主な副作用は、頭痛12例(5.0%)、貧血9例(3.7%)、浮動性めまい及び末梢性浮腫が各6例(2.5%)であった(申請時)。
-
重大な副作用
貧血、ヘモグロビン減少が起こる可能性があるので、定期的な検査及び十分な観察を行い、異常が認められた場合はその程度及び臨床症状に応じて、投与中止など適切な処置をとること。[「慎重投与」、「重要な基本的注意」の項参照。]
-
1. 貧血(4.0%)注2)
その他の副作用
注2)
0.5%以上5%未満
血小板減少
-
血液及びリンパ系障害
頻度不明注3)
過敏症(皮疹、蕁麻疹、血管浮腫)
-
免疫系障害
5%以上
頭痛
-
神経系障害
0.5%以上5%未満
片頭痛、浮動性めまい
-
神経系障害
0.5%以上5%未満
潮紅、低血圧
-
血管障害
0.5%以上5%未満
鼻閉、呼吸困難
-
呼吸器、胸郭および縦隔障害
0.5%以上5%未満
悪心/嘔吐、腹痛、下痢
-
胃腸障害
0.5%以上5%未満
そう痒症/発疹
-
皮膚および皮下組織障害
0.5%以上5%未満
浮腫、末梢性浮腫、顔面浮腫、胸痛
-
一般・全身障害
0.5%以上5%未満
肝機能検査異常、ALT増加、AST増加、ヘマトクリット減少、ヘモグロビン減少
-
臨床検査
注1)海外臨床試験成績の10mg投与群より算出した。
注2)海外及び国内臨床試験成績の10mg投与群より算出した。
注3)海外市販後情報からの集積のため、頻度不明とした。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので、慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[動物実験(ラット及びウサギ)で下顎弓癒合異常及び心血管系異常などが報告されており、最小毒性量に基づく安全域はラットで約3倍未満、ウサギで約30倍未満であった。また、胚吸収増加、出生児の体重の低値などが報告されている。]
-
1.
-
授乳婦への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)では、本剤は乳汁中に移行することが確認されている。]
-
2.
小児等への投与
小児に対する安全性は確立していない。[使用経験が少ない。]
過量投与
外国において、健康男性にマシテンタン600mgを単回経口投与した時、主な有害事象は、頭痛、悪心、嘔吐であった。
-
1. 徴候・症状
-
過量投与の際は一般的な対症療法が推奨される。なお、マシテンタンは血漿タンパクとの親和性が高く、透析により除去できないと考えられる。
-
2. 措置方法
適用上の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、さらには穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
-
薬剤交付時
その他の注意
ラット及びイヌの反復投与毒性試験において、精細管萎縮又は拡張が認められた。ラットの反復投与毒性試験において、可逆的な異常精子の割合の増加が認められた。イヌの反復投与毒性試験において、精子形成の低下が認められた。
-
1.
-
海外臨床試験において、月経障害、卵巣嚢胞、白血球減少症及び白血球減少に関する有害事象がプラセボ群では1.1%(2/184例)、0.0%(0/184例)、1.6%(4/249例)及び0.0%(0/249例)であったのに対し、マシテンタン10mg投与では5.1%(10/194例)、1.5%(3/194例)、2.5%(6/242例)及び0.8%(2/242例)であり、プラセボに比べ、マシテンタンで多く報告された。
-
2.
薬物動態
健康成人にマシテンタン10mgを単回経口投与した時、マシテンタンは速やかに吸収され、投与後5時間後に最高血漿中濃度(Cmax)に達した。活性代謝物は36時間後に達した。マシテンタン及び活性代謝物の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであり、日本人と白人で大きく異ならなかった。


図 健康成人にマシテンタン10mgを単回経口投与した時の血漿中濃度推移
(1) 単回投与1)
日本人健康成人にマシテンタン10mgを10日間反復経口投与した時、マシテンタン及び活性代謝物の薬物動態パラメータは以下のとおりである。
(2) 反復投与2)
肺動脈性肺高血圧症患者20例にマシテンタン10mgを1日1回少なくとも4週間以上反復経口投与した時、マシテンタン及び活性代謝物の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりである。


図 肺動脈性肺高血圧症患者にマシテンタン10mgを反復経口投与した時の血漿中濃度推移
-
1) 外国人データ3)
日本人の肺動脈性肺高血圧症患者にマシテンタン10mgを1日1回24週間以上反復経口投与した時、マシテンタン及び活性代謝物のトラフ時血漿中濃度(n=22、平均値±標準偏差)は156±85.0ng/mL及び1100±265ng/mLであった。
-
2) 日本人データ4)、5)
健康成人6例に14C-マシテンタン10mgを単回経口投与した時、投与後14日間までの放射能回収率は、尿中49.7%、糞中23.9%であった。
尿中にマシテンタン及び活性代謝物は排泄されなかった。
-
2. 代謝・排泄(外国人データ)6)
血漿タンパク結合率は、マシテンタンは99%以上、活性代謝物は99.5%であり、主にアルブミン及びα1-酸性糖タンパク質と結合する。
-
3. タンパク結合率7)
高齢者でのマシテンタンの薬物動態は検討されていない。
肺動脈性肺高血圧症患者にマシテンタン10mgを24週間経口投与した時、年齢の増加に伴いマシテンタン及び活性代謝物のトラフ時血漿中濃度が高くなる傾向が認められた8)。
-
4. 高齢者での体内動態(外国人データ)
健康成人8例及び軽度肝障害患者(Child-Pugh分類A)7例、中等度(Child-Pugh分類B)8例、重度(Child-Pugh分類C)8例にマシテンタン10mgを単回経口投与した時、マシテンタン及び活性代謝物のAUC0-∞は肝障害患者で健康成人の66~94%であったが、t1/2は健康成人と肝障害患者で変わらなかった。
-
5. 肝機能障害患者における体内動態(外国人データ)9)
健康成人8例及び重度腎障害患者(CLcr=15~29mL/分)8例にマシテンタン10mgを単回経口投与した時、マシテンタンのCmax及びAUC0-∞は健康成人に比べ重度腎障害患者でそれぞれ11%及び24%高く、t1/2は10%未満の延長であった。活性代謝物のCmax及びAUC0-∞は健康成人よりも重度腎障害患者でそれぞれ39%及び58%高く、t1/2は約32%延長した。
-
6. 腎機能障害患者における体内動態(外国人データ)9)
健康成人10例にマシテンタン10mgを空腹時又は食後に単回経口投与した時、食後投与時のマシテンタン及び活性代謝物のAUC0-∞、Cmaxは空腹時投与と同様であり、食事の影響は認められなかった。
健康成人14例に、マシテンタン10mgとワルファリン25mgを併用投与した時、マシテンタンの薬物動態にワルファリンは影響を与えなかった。また、マシテンタンはワルファリンの薬物動態に影響を与えなかった。
(1) ワルファリン11)
健康成人12例に、マシテンタン10mgとシルデナフィル20mgを併用投与した時、マシテンタンの薬物動態にシルデナフィルは影響を与えなかった。また、マシテンタンはシルデナフィルの薬物動態に影響を与えなかった。
(2) シルデナフィル12)
健康成人12例に、ケトコナゾール400mg反復投与時にマシテンタン10mgを併用した結果、マシテンタンのCmax、tmax及びt1/2が増加し、AUC0-∞は約2倍に増加した。活性代謝物のCmaxは51%、AUC0-∞は26%減少し、tmaxは48時間から72時間に延長した。
(3) ケトコナゾール13)
健康成人10例に、マシテンタン10mg反復投与時にシクロスポリン100mgを併用した結果、マシテンタンのAUCτ及びCtroughはそれぞれ10%及び38%増加したが、活性代謝物のAUCτ及びCtroughに対する影響は認められなかった。
(4) シクロスポリン14)
健康成人10例に、マシテンタン10mg反復投与時にリファンピシン600mgを併用した結果、マシテンタンのAUCτ及びCtroughはそれぞれ79%及び93%減少した。活性代謝物のCtroughは17%減少したが、AUCτに対する影響は認められなかった。
-
7. 食事の影響(外国人データ)10)
(5) リファンピシン14)
薬物動態の表
表 薬物動態パラメータ
|
Cmax
(ng/mL) |
tmax
(h) |
AUC0-∞
(ng・h/mL) |
t1/2
(h) |
日本人 |
|
|
|
|
マシテンタン |
239
(210,272) |
5.0
(5.0-10.0) |
5664
(5232,6132) |
12.4
(10.5,14.7) |
活性代謝物 |
242
(218,270) |
36.0
(36.0-36.0) |
22936
(20828,25257) |
41.4
(38.5,44.5) |
外国人 |
|
|
|
|
マシテンタン |
224
(193,260) |
8.5
(5.3-12.0) |
6665
(5326,8340) |
13.8
(11.3,17.0) |
活性代謝物 |
237
(197,284) |
36.0
(36.0-48.0) |
26934
(22513,32224) |
52.6
(47.8,57.9) |
表 日本人健康成人にマシテンタン10mgを反復経口投与した時の薬物動態パラメータ
|
Cmax
(ng/mL) |
tmax
(h) |
AUC0-24
(ng・h/mL) |
t1/2
(h) |
マシテンタン |
|
|
|
|
Day1 |
193.4
(141.0,265.3) |
6.00
(5.00-8.00) |
2802.4
(2195.1,3577.7) |
- |
Day10 |
291.2
(220.1,385.3) |
5.00
(5.00-10.00) |
4190.1
(3426.2,5124.5) |
11.1
(8.8,13.9) |
活性代謝物 |
|
|
|
|
Day1 |
173.4
(109.7,273.9) |
24.00
(16.00-24.00) |
2562.1
(1619.3,4054.0) |
- |
Day10 |
879.2
(780.5,990.3) |
8.50
(4.00-16.00) |
18684.1
(15971.9,21856.9) |
46.6
(41.7,52.1) |
表 薬物動態パラメータ
|
Cmax
(ng/mL) |
tmax
(h) |
AUC0-24
(ng・h/mL) |
マシテンタン |
402.4
(337.7,479.4) |
6.5
(5.0-14.0) |
6613.3
(5440.4,8038.9) |
活性代謝物 |
998.6
(877.6,1136.4) |
6.5
(5.0-24.0) |
20367.4
(17734.8,23390.8) |
-
n=10、幾何平均値(95%信頼区間)、tmaxは中央値(最小値-最大値)
n=6、幾何平均値(95%信頼区間)、tmaxは中央値(最小値-最大値)
n=20、幾何平均値(95%信頼区間)、tmaxは中央値(最小値-最大値)
臨床成績
日本人肺動脈性肺高血圧症患者30例を対象に、マシテンタン10mgを1日1回24週間投与した結果、肺血管抵抗では、ベースラインと比べて39.5%低下し、投与前後で有意な改善が認められた。さらに、6分間歩行距離、WHO機能分類がベースラインから改善した。
-
1. 国内における臨床成績4)、5)
肺動脈性肺高血圧症患者742例に、プラセボ、マシテンタン3mg又は10mgを盲検下長期投与するプラセボ対照第III相試験を実施した。
最初のmorbidity/mortality注)の発現のプラセボに対するハザード比は、マシテンタン10mgでは0.547(97.5%信頼区間:0.392~0.762、logrank p<0.0001)であり、マシテンタン10mgの投与で45%のmorbidity/mortalityイベント発現リスク減少効果が認められた。

図 最初に起こったmorbidity/mortalityのKaplan-Meier曲線
注)morbidity/mortalityの定義:死亡、重大な合併症イベント(心房中隔切開術、肺移植、プロスタノイドの静脈内投与又は皮下投与の開始)又は、その他の肺動脈性肺高血圧症悪化(次のすべてを満たす:6分間歩行距離が投与前から15%以上短縮、肺動脈性肺高血圧症の症状の悪化、追加的な肺動脈性肺高血圧症治療薬の開始)
さらに、表に示すとおり投与6ヵ月後に肺血管抵抗、6分間歩行距離及びWHO機能分類の改善が認められた。
-
2. 外国における臨床成績8)、15)
臨床成績の表
表 投与24週後のベースラインからの変化
|
マシテンタン10mg |
肺血管抵抗
平均値±標準偏差(dyn・sec/cm5)
変化率注)
幾何平均値(95%信頼区間)(%) |
n=28
-250±230
60.5
(52.4,69.9) |
6分間歩行距離
平均値±標準偏差(m) |
n=30
66±81 |
WHO機能分類の改善 |
13例/30例(43.3%) |
表 投与6ヵ月後のベースラインからの変化
|
プラセボ |
マシテンタン10mg |
肺血管抵抗
平均値±標準偏差(dyn・sec/cm5)
変化率注1)
幾何平均値(95%信頼区間)(%) |
n=50
156±353
115.8
(104.7,128.1) |
n=48
-226±395
71.3
(62.4,81.4) |
6分間歩行距離
平均値±標準偏差(m)
治療効果注2) |
n=249
-9.4±100.59
- |
n=242
12.5±83.54
22.0 |
WHO機能分類の改善
治療効果注3) |
32例/249例
(12.9%)
- |
54例/242例
(22.3%)
1.74 |
-
注)ベースラインを100とした場合のマシテンタン投与後の値の百分率
注1)ベースラインを100とした場合のマシテンタン投与後の値の百分率
注2)治療効果:プラセボとの差
注3)治療効果:プラセボに対するリスク比
薬効薬理
マシテンタンはラットから摘出した内皮剥離大動脈のエンドセリン(ET)-1刺激誘発収縮(ETA受容体媒介性)及び上皮剥離気管のサラフォトキシンS6c刺激誘発収縮(ETB受容体媒介性)を阻害し、そのpA2値はそれぞれ7.6±0.2(ETA受容体)及び5.9±0.2(ETB受容体)であった。
マシテンタンはモノクロタリン誘発肺高血圧ラットにおいて、心拍数に影響することなく平均肺動脈圧を低下させ、また、肺動脈肥大及び右室肥大を抑制した。さらに、生存率を改善した。
(1) 肺高血圧モデル16)、17)
マシテンタンはDahl食塩感受性(Dahl-S)高血圧ラット及び酢酸デオキシコルチコステロン(DOCA)食塩高血圧ラットにおいて、心拍数に影響することなく平均動脈圧を低下させた。
(2) 高血圧モデル16)、18)
マシテンタンはブレオマイシン誘発肺線維症ラットにおいて、右室肥大及び肺ヒドロキシプロリン含量を抑制した。
-
1. 血管収縮の阻害16)
(3) 肺線維症モデル19)
マシテンタンはETA及びETB受容体に対して拮抗作用を示し、125I-ET-1結合に対するIC50値(平均値±標準誤差)はそれぞれ0.49±0.07nM及び391±49nMであった。活性代謝物もマシテンタンと同様の拮抗作用を示し、そのIC50値はそれぞれ3.4±0.20nM及び987±92nMであった。
-
3. 作用機序16)、20)
有効成分に関する理化学的知見
マシテンタン Macitentan(JAN)
-
一般名:
N-[5-(4-Bromophenyl)-6-{2-[(5-bromopyrimidin-2-yl)oxy]ethoxy}pyrimidin-4-yl]-N '-propylsulfuric diamide
-
化学名:
-

-
構造式:
C19H20Br2N6O4S
-
分子式:
588.27
-
分子量:
白色の結晶性の粉末である。ジクロロメタンに極めて溶けやすく、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド及びテトラヒドロフランに溶けやすく、アセトン、アセトニトリル及び酢酸エチルにやや溶けやすく、メタノール及びエタノールに溶けにくく、イソプロパノールに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
-
性 状:
承認条件
・医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
・国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。
包装
オプスミット錠10mg:30錠(15錠×2)PTP
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)Bruderer S et al. Pharmacology. 2013;91(5-6):331-8.
-
2)
-
社内資料:日本人健康成人男性を対象とした薬物動態試験
-
3)
-
社内資料:肺動脈性肺高血圧症患者を対象とした継続投与試験
-
4)
-
社内資料:日本人肺動脈性肺高血圧症患者を対象とした第II/III相試験
-
5)
-
*Tahara N, et al. Circ J 2016;80:1478-83.
-
6)
-
Bruderer S et al. Xenobiotica 2012;42:901-10.
-
7)
-
社内資料:血漿タンパク結合及び赤血球中への移行の検討
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8)
-
社内資料:肺動脈性肺高血圧症患者を対象とした第III相試験
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9)
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Sidharta PN et al. J Clin Pharmacol. 2013;54(3):291-300.
-
10)
-
社内資料:健康成人男性を対象とした食事の影響の検討
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11)
-
社内資料:健康成人男性を対象としたワルファリンとの薬物相互作用の検討
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12)
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社内資料:健康成人男性を対象としたシルデナフィルとの薬物相互作用の検討
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13)
-
Atsmon J et al. Clin Pharmacokinet. 2013 Aug;52(8):685-92.
-
14)
-
Bruderer S et al. AAPS J 2011;14:68-78.
-
15)
-
Pulido T, et al. NEJM 2013;369:809-18.
-
16)
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Iglarz M, et al. JPET 2008;327:736-45.
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17)
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社内資料:モノクロタリン誘発肺高血圧ラットモデルを用いた検討
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18)
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社内資料:高血圧ラットモデルを用いた検討
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19)
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社内資料:ブレオマイシン誘発肺線維症ラットモデルを用いた検討
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20)
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社内資料:ET受容体へのET-1結合試験
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