MENTAX (Butenafine Hydrochloride)盐酸布替萘芬,*メンタックスクリーム1%/ *メンタックス外用液1%/ *メンタックススプレー1%
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作成又は改訂年月
** 2011年5月改訂(第8版)
* 2008年6月改訂
日本標準商品分類番号
872659
日本標準商品分類番号等
再審査結果公表年月(最新)
2000年12月
(メンタックスクリーム1%・外用液1%)
国際誕生年月
1992年1月
薬効分類名
抗白癬菌剤
承認等
販売名
*メンタックスクリーム1%
販売名コード
2659708N1082
承認・許可番号
承認番号
*22000AMX00208
商標名
MENTAX Cream 1%
薬価基準収載年月
*2008年6月
販売開始年月
1992年4月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存、遮光した気密容器
使用期限
外箱及びチューブ・容器に表示
基準名
**日本薬局方
ブテナフィン塩酸塩クリーム
組成
**,*有効成分
1g中に日本薬局方ブテナフィン塩酸塩10mgを含有する。
添加物
白色ワセリン、セタノール、ステアリン酸、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン、ジエタノールアミン、安息香酸ナトリウム、その他2成分
性状
性状
白色のクリーム状軟膏で、わずかに特異なにおいがある。光により変化する。
識別コード
KC-122(チューブに表示)
販売名
*メンタックス外用液1%
販売名コード
2659708Q1062
承認・許可番号
承認番号
*22000AMX00165
商標名
MENTAX Solution 1%
薬価基準収載年月
*2008年6月
販売開始年月
1992年4月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存、遮光した気密容器
使用期限
外箱及びチューブ・容器に表示
注意
「取扱い上の注意」の項参照
基準名
**日本薬局方
ブテナフィン塩酸塩液
組成
**,*有効成分
1mL中に日本薬局方ブテナフィン塩酸塩10mgを含有する。
添加物
マクロゴール400、エタノール
性状
性状
無色澄明の液でエタノールようのにおいがある。光により変化する。
識別コード
KC-121(容器及びラベルに表示)
販売名
*メンタックススプレー1%
販売名コード
2659708R1076
承認・許可番号
承認番号
*22000AMX00209
商標名
MENTAX Spray 1%
薬価基準収載年月
*2008年6月
販売開始年月
2004年7月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存、遮光した気密容器
使用期限
外箱及びチューブ・容器に表示
注意
「取扱い上の注意」の項参照
基準名
**日本薬局方
ブテナフィン塩酸塩スプレー
組成
**,*有効成分
1mL中に日本薬局方ブテナフィン塩酸塩10mgを含有する。
添加物
マクロゴール400、エタノール
性状
性状
無色澄明の液でエタノールようのにおいがある。光により変化する。
識別コード
KC-126(容器及びラベルに表示)
一般的名称
*ブテナフィン塩酸塩
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能又は効果
下記の皮膚真菌症の治療
(1) 白癬
足部白癬、股部白癬、体部白癬
(2) 癜風
用法及び用量
*外用液・クリーム
1日1回患部に塗布する。
スプレー
1日1回患部に噴霧する。
使用上の注意
副作用
副作用等発現状況の概要
*クリーム剤では、安全性評価対象例9,517例中、副作用が認められたのは131例(1.38%)206件で、その主なものは局所の発赤・紅斑54件(0.57%)、接触皮膚炎39件(0.41%)、そう痒39件(0.41%)、刺激感22件(0.23%)等であった。
外用液剤では、安全性評価対象例1,922例中、副作用が認められたのは16例(0.83%)23件で、その主なものは局所の発赤・紅斑7件(0.36%)、そう痒6件(0.31%)、刺激感4件(0.21%)等であった。
(再審査結果時)
その他の副作用
1. 皮膚
0.1~5%未満
局所の発赤・紅斑、そう痒、接触皮膚炎、刺激感、水疱
2. 皮膚
0.1%未満
糜爛、落屑、亀裂
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
小児等への投与
1.
低出生体重児又は新生児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
2.
乳児又は3歳以下の幼児では、刺激感、発赤等があらわれやすいので、このような症状があらわれた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
適用上の注意
投与部位
(1)
眼科用として角膜、結膜に使用しないこと。
(2)
著しい糜爛面には使用しないこと。
(3)
*亀裂、糜爛面には注意して使用すること。(外用液・スプレー剤)
(4)
点鼻用として鼻腔内に使用しないこと。(スプレー剤のみ)
(5)
顔面、頭部等、吸入する可能性のある患部には注意して使用すること。(スプレー剤のみ)
薬物動態
*吸収1)
健康成人の背部皮膚表面500cm2にメンタックスクリーム1%5gを単回投与(12時間塗布)したときの血漿中濃度は、12時間(塗布終了時)で最高となりCmaxは4.0ng/mL、消失半減期は23.4時間であった。また、7日間反復投与したときの12時間後(塗布終了時)の血漿中濃度は、単回投与と類似していた。
*〈参考〉動物における皮膚浸透性 2)
モルモットに14C-1%ブテナフィン塩酸塩2mgを単回経皮投与(6時間塗布)したとき、角質層において50μg/g以上の高い濃度を示し浸透性が認められた。
臨床成績
1. 臨床成績3~7)
総計824例について実施された比較試験及び一般試験を含む臨床試験の概要は下表のとおりである。(表1)
2. *皮膚刺激性8,9)
本邦パッチテスト研究班の基準に基づき、健康成人並びに皮膚疾患患者を対象にクリーム剤、外用液剤及びそれぞれの基剤を用いたパッチテストと皮膚疾患患者における光パッチテストの結果、皮膚刺激性は認められなかった。
臨床成績の表
*表1
疾患名 |
メンタックスクリーム1%(有効率) |
メンタックス外用液1%(有効率) |
白癬:足部白癬 |
81.8%(270/330) |
78.9%(60/76) |
白癬:股部白癬 |
89.4%(93/104) |
81.8%(18/22) |
白癬:体部白癬 |
86.1%(124/144) |
80.0%(12/15) |
癜風 |
81.7%(85/104) |
86.2%(25/29) |
薬効薬理
1. 抗真菌作用
(1) *抗真菌活性 10,11)
ブテナフィン塩酸塩は皮膚糸状菌(Trichophyton属、Microsporum属、Epidermophyton属)及び癜風菌(Malassezia furfur)に対して強い抗菌力を示し、その作用は殺菌的である。(表2)
(2) 実験的白癬治療効果 12,13)
Trichophyton mentagrophytesによるモルモット背部白癬モデル及び足部白癬モデルに対して、1日1回の塗布で治療効果を認めた。(表3・4)
2. *皮膚貯留性 12)
モルモットの背部皮膚面に1%ブテナフィン塩酸塩外用液を塗布し、24、48又は72時間後にTrichophyton mentagrophytesを接種した実験では、24及び48時間で感染は完全に予防された。
さらにブテナフィン塩酸塩の皮膚中濃度を測定した結果、24、48、72時間のいずれにおいてもT.mentagrophytesの最小殺菌濃度(0.012μg/mL)をはるかに上回る皮膚中濃度が維持されていた。
3. *作用機序 14,15)
ブテナフィン塩酸塩の作用機序は、真菌細胞膜の構成成分であるエルゴステロールの合成阻害であるが、その作用部位はイミダゾール系薬剤と異なりスクワレンのエポキシ化反応阻害に基づいている。
薬効薬理の表
表2 主な臨床分離株に対する最小発育阻止濃度(MIC)
菌種 |
株数 |
MIC(μg/mL)
幾何平均(最小~最大) |
Trichophyton rubrum |
41 |
0.007(0.0015~0.025) |
Trichophyton mentagrophytes |
22 |
0.012(0.006~0.025) |
Microsporum canis |
14 |
0.024(0.0125~0.05) |
Epidermophyton floccosum |
3 |
0.016(0.006~0.025) |
Malassezia furfur |
6 |
3.13(1.56~6.25)※ |
培地:Sabouraud dextrose agar,※Medium C
*表3 〈モルモット足部白癬に対する効果〉
|
治療日数 |
菌陰性化率 |
1%ブテナフィン塩酸塩クリーム |
20日 |
88.5% |
1%ブテナフィン塩酸塩外用液 |
20日 |
89.2% |
感染後10日目から治療
*表4 〈モルモット背部白癬に対する効果〉
|
治療日数 |
菌陰性化率 |
1%ブテナフィン塩酸塩外用液 |
4日 |
100% |
1%ブテナフィン塩酸塩外用液 |
10日 |
100% |
感染後2日目から治療
有効成分に関する理化学的知見
**,*一般名
ブテナフィン塩酸塩(Butenafine Hydrochloride)
**化学名
N-[4-(1,1-Dimethylethyl)benzyl]-N-methyl-1-(naphthalen-1-yl)methylamine monohydrochloride
分子式
C23H27N・HCl
分子量
353.93
**構造式
**,*性状
ブテナフィン塩酸塩は白色の結晶又は結晶性の粉末である。
ギ酸に極めて溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすく、水に溶けにくい。
ブテナフィン塩酸塩0.20gを水100mLに加温して溶かし、冷却した液のpHは3.0~4.0である。
融点:約214℃(分解)
取扱い上の注意
*注意
メンタックス外用液1%・スプレー1%は火気を避けること。
包装
*メンタックスクリーム1%:10g×20、10g×50
*メンタックス外用液1%:10mL×20、10mL×50
*メンタックススプレー1%:10mL×10
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
伊藤正俊 他:基礎と臨床, 24, 3239-3246(1990)
2)
羽瀬豊治 他:基礎と臨床, 24, 1778-1798(1990)
3)
香川三郎 他:西日本皮膚科, 52, 586-595(1990)
4)
中嶋 弘 他:西日本皮膚科, 52, 1012-1024(1990)
5)
露木重明 他:皮膚科紀要, 85, 299-306(1990)
6)
渡辺 靖 他:基礎と臨床, 24, 2925-2929(1990)
7)
堀江徹也 他:西日本皮膚科, 52, 581-585(1990)
8)
伊藤正俊:皮膚, 30, 507-513(1988)
9)
伊藤正俊 他:皮膚, 32, 403-410(1990)
10)
前田鉄也 他:薬学雑誌, 111, 126-137(1991)
11)
横尾 守 他:西日本皮膚科, 53, 144-151(1991)
12)
Arika,T.et al.:Antimicrob.Agents Chemother., 34, 2250-2253(1990)
13)
Arika,T.et al.:Antimicrob.Agents Chemother., 34, 2254-2255(1990)
14)
平谷民雄 他:日本医真菌学会誌, 32, 139-149(1991)
15)
平谷民雄 他:日本医真菌学会誌, 32, 151-157(1991)
文献請求先
科研製薬株式会社 医薬品情報サービス室
〒113-8650 東京都文京区本駒込2丁目28-8
電話 0120-519-874
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
科研製薬株式会社
東京都文京区本駒込2丁目28-8