ALFAROL Powder(Alfacalcido)阿法骨化醇口服散,アルファロール散1μg/g
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作成又は改訂年月
**2015年2月改訂(第9版 識別コード削除を含む)
*2011年3月改訂
日本標準商品分類番号
873112
薬効分類名
Ca・骨代謝改善 1α-OH-D3製剤
承認等
販売名
アルファロール散1μg/g
販売名コード
3112001B4036
承認・許可番号
承認番号
21800AMX10206
商標名
ALFAROL
薬価基準収載年月
2006年6月
販売開始年月
1994年7月
貯法・使用期限等
貯 法
室温保存
**使用期限
包装に表示の使用期限内に使用すること
規制区分
劇薬
組成
成分:有効成分
アルファカルシドール
成分:含有量
1g中 1μg
成分:含有量
1包(0.25g)中 0.25μg
成分:含有量
1包(0.5g)中 0.5μg
成分:含有量
1包(1g)中 1μg
成分:添加物
D-マンニトール、トウモロコシデンプン、ゼラチン、L‐アルギニン
性状
剤形
散剤
色・形状
白色~微黄白色の粉末
一般的名称
アルファカルシドール散
効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
下記疾患におけるビタミンD代謝異常に伴う諸症状(低カルシウム血症、テタニー、骨痛、骨病変等)の改善
慢性腎不全、副甲状腺機能低下症、ビタミンD抵抗性クル病・骨軟化症
骨粗鬆症
用法及び用量
本剤は、患者の血清カルシウム濃度の十分な管理のもとに、投与量を調整する。
慢性腎不全、骨粗鬆症の場合
通常、成人1日1回アルファカルシドールとして0.5~1.0μgを経口投与する。
ただし、年齢、症状により適宜増減する。
副甲状腺機能低下症、その他のビタミンD代謝異常に伴う疾患の場合
通常、成人1日1回アルファカルシドールとして1.0~4.0μgを経口投与する。
ただし、疾患、年齢、症状、病型により適宜増減する。
(小児用量)
通常、小児に対しては骨粗鬆症の場合には1日1回アルファカルシドールとして0.01~0.03μg/kgを、その他の疾患の場合には1日1回アルファカルシドールとして0.05~0.1μg/kgを経口投与する。
ただし、疾患、症状により適宜増減する。
使用上の注意
重要な基本的注意
1.
過量投与を防ぐため、本剤投与中、血清カルシウム値の定期的測定を行い、血清カルシウム値が正常値を超えないよう投与量を調整すること。
2.
高カルシウム血症を起こした場合には、直ちに休薬する。休薬により血清カルシウム値が正常域に達したら、減量して投薬を再開する。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
マグネシウムを含有する製剤
酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム等
臨床症状・措置方法
高マグネシウム血症が起きたとの報告がある。
機序・危険因子
不明
2. 薬剤名等
ジギタリス製剤
ジゴキシン等
臨床症状・措置方法
不整脈があらわれるおそれがある。
機序・危険因子
本剤により高カルシウム血症が発症した場合、ジギタリス製剤の作用が増強される。
3. 薬剤名等
カルシウム製剤
乳酸カルシウム水和物、炭酸カルシウム等
臨床症状・措置方法
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。
機序・危険因子
本剤は腸管でのカルシウムの吸収を促進させる。
4. 薬剤名等
ビタミンD及びその誘導体
カルシトリオール等
臨床症状・措置方法
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。
機序・危険因子
相加作用
5. 薬剤名等
*PTH製剤
テリパラチド
臨床症状・措置方法
*高カルシウム血症があらわれるおそれがある。
機序・危険因子
*相加作用
副作用
副作用等発現状況の概要
慢性腎不全、副甲状腺機能低下症、ビタミンD抵抗性クル病・骨軟化症、未熟児におけるビタミンD代謝異常に伴う諸症状の改善
4,967例中285例(5.7%)471件に副作用が認められた。主な副作用は、そう痒感112件(2.3%)、食欲不振48件(1.0%)、嘔気47件(0.9%)、下痢28件(0.6%)、ALT(GPT)の上昇27件(0.5%)であった。(散剤追加承認(1993.1)時まで)
骨粗鬆症
14,808例中192例(1.3%)241件に副作用が認められた。主な副作用は、BUNの上昇24件(0.2%)、嘔気23件(0.2%)、食欲不振21件(0.1%)、胃痛19件(0.1%)、AST(GOT)の上昇14件(0.09%)であった。(散剤追加承認(1993.1)時まで)
重大な副作用
1. 急性腎不全
頻度不明
血清カルシウム上昇を伴った急性腎不全があらわれることがあるので、血清カルシウム値及び腎機能を定期的に観察し、異常が認められた場合には、投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
2. 肝機能障害、黄疸
頻度不明
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
以下のような副作用が認められた場合には、減量・休薬など適切な処置を行うこと。
1.消化器
0.1~5%未満
食欲不振、悪心・嘔気、下痢、便秘、胃痛
2.消化器
0.1%未満
嘔吐、腹部膨満感、胃部不快感、消化不良、口内異和感、口渇等
3.精神神経系
0.1%未満
頭痛・頭重、不眠・いらいら感、脱力・けん怠感、めまい、しびれ感、眠気、記憶力・記銘力の減退、耳鳴り、老人性難聴、背部痛、肩こり、下肢のつっぱり感、胸痛等
4.循環器
0.1%未満
軽度の血圧上昇、動悸
5.肝 臓
0.1~5%未満
AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇
6.肝 臓
0.1%未満
LDH、γ-GTPの上昇
7.腎 臓
0.1~5%未満
BUN、クレアチニンの上昇(腎機能の低下)
8.腎 臓
0.1%未満
腎結石
9.皮 膚
0.1~5%未満
そう痒感
10.皮 膚
0.1%未満
発疹、熱感
11.眼
0.1~5%未満
結膜充血
12.骨
0.1%未満
関節周囲の石灰化(化骨形成)
13.その他
0.1%未満
嗄声、浮腫
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので用量に注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[ヒト妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。動物実験(ラット)で大量投与の場合、胎児化骨遅延等がみられている。]
2.
授乳中は投与を避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること。[授乳婦への投与に関する安全性は確立していない。動物実験(ラット)で授乳による新生児への移行率は、母動物投与量の1/20に相当する。]
小児等への投与
小児に投与する場合には、血清カルシウム値等の観察を十分に行いながら少量から投与を開始し、漸増投与するなど、過量投与にならぬよう慎重に投与すること。[幼若ラット経口投与における急性毒性は成熟ラットに比べ強くあらわれている。]
適用上の注意
薬剤交付時
瓶入り包装品を分包する場合、服用時以外薬袋から薬を出さないよう、及び直接光の当たる場所に薬を置かないよう指導すること。なお、2週間を超える投薬を行う場合、必ず冷蔵庫に保管することを併せて指導すること。
その他の注意
高リン血症のある患者に投与する場合はリン酸結合剤を併用し、血清リン値を下げること。
薬物動態
健康成人16名にアルファカルシドールとして5μg経口投与した場合、血清中1α,25-(OH)2D濃度は8.8時間後にピークに達し、最高血中濃度は111.6pg/mLであった。また、濃度・時間曲線下面積(AUC)は2875.4pg・hr/mLであった1)。
(注)本剤の5μg単回投与は承認外用量である。
臨床成績
一般臨床試験において、慢性腎不全、副甲状腺機能低下症、ビタミンD抵抗性クル病・骨軟化症、骨粗鬆症に対し、いずれも有用性が認められた2-5)。
薬効薬理
1. 作用の発現(アルファカルシドールの25位水酸化)
ラット肝灌流により、速やかに1α,25-(OH)2D3に代謝される6)。この肝での25位水酸化反応は四塩化炭素又はガラクトサミン投与の肝障害時にも保持されている(ラット)7)。
2. 作用・効果
(1)
ビタミンD欠乏あるいは低リン・高Ca食飼育ラットに対し、抗クル病作用、骨石灰化前線形成の促進作用を示す8)。
(2)
アルファカルシドールの活性型代謝産物1α,25-(OH)2D3は骨吸収作用及び骨再構成作用(軟骨細胞の骨細胞への増殖・分化)を有する(in vitro)9)。
(3)
骨形態計測においてアルファロール投与により、骨芽細胞を有する類骨面比率が増加し、骨芽細胞に直接作用して骨形成を促進することが示唆されている(ヒト骨粗鬆症)10)。
(4)
連日投与により、血清1α,25-(OH)2D値の上昇とともに低下している小腸でのCa吸収率を改善する(ヒト骨粗鬆症)11)。
(5)
低Ca血症に対し、小腸からのCa吸収促進作用(ヒト慢性腎不全、副甲状腺機能低下症)と骨塩溶出作用(腎あるいは副甲状腺摘出ラット)により血清Caを上昇させる8,12-14)。
投与中止後の血清Ca値は速やかな低下を示し、血清Caの推移による半減期は3.4日と報告されている(ヒト)15)。
(6)
腎性骨ジストロフィーの骨吸収窩面、肥厚した類骨層を改善する(ヒト慢性腎不全12)、柴田腎炎ラット16,17))。
また、肥大した副甲状腺重量及び血中副甲状腺ホルモンを低下させ、続発性の副甲状腺機能亢進を抑制する12,16,17)。
(7)
経口投与されたアルファカルシドールの働きは、1α,25-(OH)2D3のそれと同等、ないしそれ以上であることが示唆されている(ヒト、柴田腎炎ラット)16-18)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
Alfacalcidol(JAN)
化学名
(5Z, 7E)-9, 10-Secocholesta-5, 7, 10(19)-triene-1α, 3β-diol
慣用名
1α-hydroxycholecalciferol
1α-hydroxyvitamin D3
構造式
分子式
C27H44O2
分子量
400.64
性 状
白色の結晶又は結晶性の粉末である。
メタノール、エタノール(99.5)、クロロホルム又はジクロロメタンに溶けやすく、アセトン又はジエチルエーテルにやや溶けやすく、水又はヘキサンにはほとんど溶けない。空気又は光によって変化する。
融 点(一部分解)
135~138℃(日局 一般試験法)
137~142℃(日局 ビタミンD2測定法)
包装
100g(瓶)
250g(瓶)
0.25g:120包
0.25g:300包
0.5g:120包
0.5g:300包
1g:120包
1g:300包
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
社内資料:東平靖雄, 他:健康成人における体内動態 (1990)
2)
平沢由平, 他:臨牀透析, 8:1593 (1992)
3)
古川洋太郎, 他:ホルモンと臨床, 40:1075 (1992)
4)
土屋 裕, 他:診療と新薬, 29:1925 (1992)
5)
林 泰史, 他:新薬と臨牀, 41:2043 (1992)
6)
Fukushima, M. et al.:Biochem. Biophys. Res. Commun., 66:632 (1975)
7)
須田立雄, 他:診療と新薬, 15:1295 (1978)
8)
須田立雄, 他:診療と新薬, 13:1595 (1976)
9)
鈴木不二男:ビタミン, 56:457 (1982)
10)
渡辺正美, 他:整形外科基礎科学, 10:175 (1983)
11)
滋野長平, 他:日本内分泌学会雑誌, 58:1473 (1982)
12)
鈴木正司, 他:診療と新薬, 15:1355 (1978)
13)
福永仁夫, 他:診療と新薬, 15:1521 (1978)
14)
Kaneko, C. et al.:Steroids, 23:75 (1974)
15)
Kanis, J. et al.:Br. Med. J., 1:78 (1977)
16)
Nishii, Y. et al.:Endocrinol., 107:319 (1980)
17)
Fukushima, M. et al.:Endocrinol., 107:328 (1980)
18)
須田立雄:ビタミン, 54:407 (1980)
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
中外製薬株式会社 医薬情報センター
〒103-8324 東京都中央区日本橋室町2-1-1
電話番号
0120-189706
FAX番号
0120-189705
http://www.chugai-pharm.co.jp
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
中外製薬株式会社
東京都中央区日本橋室町2-1-1