四类治疗儿童性早熟药物 LEUPLIN PRO FOR INJECTION KIT 22.5mg.(Leuprorelin Acetate)リュープリンPRO注射用キット22.5mg
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作成又は改訂年月
*2015年12月改訂(第2版)
2015年9月作成
日本標準商品分類番号
872499
薬効分類名
LH-RH注1)誘導体
注1)LH-RH:黄体形成ホルモン放出ホルモン
マイクロカプセル型徐放性製剤
承認等
販売名
リュープリンPRO注射用キット22.5mg
販売名コード
2499407G4029
承認・許可番号
承認番号
22700AMX01018
商標名
LEUPLIN PRO FOR INJECTION KIT 22.5mg.
薬価基準収載年月
*2015年11月
販売開始年月
*2015年12月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
使用期限
外箱に表示の使用期限内に使用すること。
(使用期限内であっても開封後はなるべく速やかに使用すること。)
規制区分
劇薬
処方箋医薬品注2)
注2)処方箋医薬品:注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
本製品はキット品であり、粉末部本体と液体部(懸濁用液1mL)が一体となっている。
有効成分
リュープロレリン酢酸塩 22.5mg
添加物
乳酸重合体 84.96mg
ステアリン酸 5.05mg
D-マンニトール 19.9mg
懸濁用液(1mL)
注射用水及び添加物としてD-マンニトール 50mg、カルメロースナトリウム 5mg、ポリソルベート80 1mgを含有
性状
性状
白色の粉末の凍結乾燥品で、持続性注射剤である。
pH
6.0~7.0(懸濁用液1mLで懸濁された場合)
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約1(懸濁用液1mLで懸濁された場合)
一般的名称
注射用リュープロレリン酢酸塩
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
前立腺癌の場合
本剤の成分又は合成LH-RH、LH-RH誘導体に対して、過敏症の既往歴のある患者
閉経前乳癌の場合
(1)
本剤の成分又は合成LH-RH、LH-RH誘導体に対して、過敏症の既往歴のある患者
(2)
妊婦又は妊娠している可能性のある患者、授乳中の患者(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
効能又は効果
◯前立腺癌
◯閉経前乳癌
効能又は効果に関連する使用上の注意
全効能疾患共通
患者の治療歴等について、【臨床成績】の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
閉経前乳癌の場合
本剤の使用開始にあたっては、原則としてホルモン受容体の発現の有無を確認し、ホルモン受容体が陰性と判断された場合には本剤を使用しないこと。
用法及び用量
通常、成人には24週に1回リュープロレリン酢酸塩として22.5mgを皮下に投与する。
投与に際しては、注射針を上にしてプランジャーロッドを押して、懸濁用液全量を粉末部に移動させて、泡立てないように注意しながら、十分に懸濁して用いる。
用法及び用量に関連する使用上の注意
全効能疾患共通
本剤は24週間持続の徐放性製剤であり、24週を超える間隔で投与すると下垂体-性腺系刺激作用により性腺ホルモン濃度が再度上昇し、臨床所見が一過性に悪化するおそれがあるので、24週に1回の用法を遵守すること。
閉経前乳癌の場合
(1)
治療に際しては妊娠していないことを確認し、また、治療期間中は非ホルモン性の避妊をさせること。
(2)
エストロゲン低下作用に基づく骨塩量の低下がみられることがあるので、長期にわたり投与する場合には、可能な限り骨塩量の検査を行い慎重に投与すること。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
前立腺癌の場合
脊髄圧迫又は尿路閉塞による腎障害を既に呈している患者又は新たに発生するおそれのある患者[初回投与初期の血清テストステロン濃度の上昇に伴い、原疾患の症状が悪化する可能性がある。]
閉経前乳癌の場合
粘膜下筋腫のある患者[出血症状が増悪することがある。]
重要な基本的注意
全効能疾患共通
(1)
本剤は内分泌療法剤であり、前立腺癌及び閉経前乳癌に対し使用する場合には、がんに対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用すること。
(2)
本剤は24週間持続性の製剤であり、徐放性の薬剤が注射部位に長くとどまり、硬結等の注射部位反応が発現することがあるので、注射部位を毎回変更し、注射部位をもまないように患者に説明するなど十分注意して投与すること。(「副作用」、「適用上の注意」の項参照)
前立腺癌の場合
初回投与初期に、高活性LH-RH誘導体としての下垂体-性腺系刺激作用による血清テストステロン濃度の上昇に伴って骨疼痛の一過性増悪がみられることがあるが、このような症状があらわれた場合には対症療法を行うこと。また、尿路閉塞あるいは脊髄圧迫のみられるおそれがあるので慎重に投与し、投与開始1ヵ月間は十分観察を行い、このような症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
閉経前乳癌の場合
(1)
初回投与初期に、高活性LH-RH誘導体としての下垂体-性腺系刺激作用による血清エストロゲン濃度の上昇に伴って骨疼痛の一過性増悪等がみられることがあるが、このような症状があらわれた場合には対症療法を行うこと。
(2)
本剤で抗腫瘍効果が得られず進行を認めた場合は、投与を中止すること。
(3)
更年期障害様のうつ状態があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察すること。(「重大な副作用」の項参照)
副作用
副作用等発現状況の概要
前立腺癌の場合
国内臨床試験において、リュープロレリン酢酸塩として22.5mgが投与された81例中45例(55.6%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められた。主な副作用は、注射部位硬結17.3%(14/81例)、注射部位紅斑13.6%(11/81例)、注射部位疼痛6.2%(5/81例)、糖尿病6.2%(5/81例)、ほてり6.2%(5/81例)等であった。
閉経前乳癌の場合
国内臨床試験において、リュープロレリン酢酸塩として22.5mgが投与された83例中77例(92.8%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められた。主な副作用は、ほてり50.6%(42/83例)、注射部位硬結43.4%(36/83例)、注射部位疼痛28.9%(24/83例)、白血球数減少18.1%(15/83例)、関節痛16.9%(14/83例)、注射部位紅斑15.7%(13/83例)、注射部位腫脹14.5%(12/83例)、体重増加14.5%(12/83例)、頭痛13.3%(11/83例)、倦怠感12.0%(10/83例)、筋骨格硬直12.0%(10/83例)、多汗症10.8%(9/83例)、動悸8.4%(7/83例)、脂肪肝7.2%(6/83例)、注射部位内出血6.0%(5/83例)、心電図QT延長6.0%(5/83例)、骨粗鬆症6.0%(5/83例)、不眠症6.0%(5/83例)、閉経期症状6.0%(5/83例)、高血圧6.0%(5/83例)等であった。
以下の副作用は上記の臨床試験、あるいは4週間又は12週間持続の徐放性製剤での臨床試験・調査又は自発報告等で認められたものである。
本剤は徐放性製剤であるので、最終投与後も薬効持続期間中は患者の状態を観察すること。
重大な副作用
全効能疾患共通
(1)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎(0.1%未満)があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
(2)
アナフィラキシー(0.1%未満)があらわれることがあるので、問診を十分に行い、投与後は十分に観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
(3)
AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等を伴う肝機能障害、黄疸(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
(4)
糖尿病の発症又は増悪(頻度不明)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
(5)
下垂体卒中(頻度不明)が下垂体腺腫患者で報告されているので、初回投与直後に頭痛、視力・視野障害等があらわれた場合には、検査のうえ外科的治療等の適切な処置を行うこと。
(6)
心筋梗塞、脳梗塞、静脈血栓症、肺塞栓症等の血栓塞栓症(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
前立腺癌の場合
(1)
うつ状態(0.1%未満)があらわれることがあるので患者の状態を十分に観察すること。
(2)
下垂体-性腺系刺激作用による血清テストステロン濃度の上昇に伴って骨疼痛の一過性増悪、尿路閉塞あるいは脊髄圧迫(5%以上)がみられることがあるので、このような場合には対症療法等適切な処置を行うこと。
(3)
心不全(0.1~5%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
閉経前乳癌の場合
エストロゲン低下作用に基づく更年期障害様のうつ状態(0.1~5%未満)があらわれることがあるので患者の状態を十分に観察すること。
その他の副作用
前立腺癌の場合
肝臓注3)
5%以上
LDH上昇
肝臓注3)
0.1~5%未満
黄疸、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、AL-Pの上昇
内分泌系
5%以上
ほてり、熱感
内分泌系
0.1~5%未満
頭痛、不眠、顔面潮紅、めまい、発汗、性欲減退、勃起障害、女性化乳房、睾丸萎縮、会陰部不快感
筋・骨格系
0.1~5%未満
関節痛、骨疼痛、肩・腰・四肢等の疼痛、歩行困難、手指等のこわばり
筋・骨格系
0.1%未満
筋肉痛、骨塩量の低下
皮膚
0.1~5%未満
皮膚炎、頭部発毛
泌尿器系
0.1~5%未満
頻尿、血尿、BUNの上昇
循環器
0.1~5%未満
心電図異常、心胸比増大
血液
0.1~5%未満
貧血、血小板減少
消化器
0.1~5%未満
悪心、嘔吐、食欲不振、便秘
消化器
0.1%未満
下痢
過敏症
0.1~5%未満
発疹、そう痒
投与部位注3)
5%以上
硬結
投与部位注3)
0.1~5%未満
疼痛、発赤
投与部位注3)
頻度不明※
膿瘍、腫脹、潰瘍、そう痒、肉芽腫、腫瘤、熱感、壊死等の注射部位反応
その他
0.1~5%未満
浮腫、胸部圧迫感、悪寒、倦怠感、口唇・四肢のしびれ、体重増加、知覚異常、難聴、耳鳴、発熱、総コレステロール上昇、トリグリセライド上昇、尿酸上昇、高カリウム血症、血糖値上昇
その他
0.1%未満
脱力感
閉経前乳癌の場合
低エストロゲン症状
5%以上
ほてり、熱感、のぼせ、肩こり、頭痛、不眠、めまい、発汗
低エストロゲン症状
0.1~5%未満
性欲減退、冷感、視覚障害、情緒不安定
女性生殖器
0.1~5%未満
不正出血、腟乾燥、性交痛、腟炎、帯下増加、卵巣過剰刺激症状、乳房の疼痛・緊満感・萎縮
筋・骨格系
5%以上
関節痛、骨疼痛等の疼痛
筋・骨格系
0.1~5%未満
手指等のこわばり、腰痛、筋肉痛、筋痙攣、骨塩量の低下、血清リン上昇、高カルシウム血症
皮膚
0.1~5%未満
ざ瘡、皮膚乾燥、脱毛、多毛、爪の異常
精神神経系
0.1~5%未満
眠気、いらいら感、記憶力低下、注意力低下、知覚異常
過敏症
0.1~5%未満
発疹、そう痒
肝臓注3)
0.1~5%未満
AST(GOT)、ALT(GPT)、AL-P、LDH、γ-GTP、ビリルビンの上昇
肝臓注3)
0.1%未満
黄疸
消化器
0.1~5%未満
悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、腹部膨満感、下痢、便秘、口内炎、口渇
循環器
0.1~5%未満
心悸亢進、血圧上昇
血液
0.1~5%未満
赤血球増多、貧血、白血球減少、血小板減少、部分トロンボプラスチン時間延長
泌尿器系
0.1~5%未満
頻尿、排尿困難、BUNの上昇
投与部位注3)
5%以上
硬結
投与部位注3)
0.1~5%未満
疼痛、発赤
投与部位注3)
頻度不明※
膿瘍、腫脹、潰瘍、そう痒、肉芽腫、腫瘤、熱感、壊死等の注射部位反応
その他
0.1~5%未満
疲労、倦怠感、脱力感、口唇・四肢のしびれ、手根管症候群、耳鳴、難聴、胸部不快感、浮腫、体重増加、下肢痛、息苦しさ、発熱、総コレステロール上昇、LDLコレステロール上昇、トリグリセライド上昇、高カリウム血症
その他
0.1%未満
体重減少、味覚異常、甲状腺機能異常
その他の副作用の注意
※製造販売後の自発報告のため頻度不明
注3)観察を十分に行うこと。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
閉経前乳癌の場合
妊婦又は妊娠している可能性のある患者、授乳中の患者には投与しないこと。[LH-RH誘導体による流産の報告があり、本剤の動物試験で胎児死亡の増加及び胎児体重の低値(ラット、ウサギ)1)並びに骨格異常の増加傾向(ウサギ)1)がみられている。また、ラットで乳汁への移行がみられている。]
適用上の注意
全効能疾患共通
(1) 投与経路
皮下注射のみに使用すること。
[静脈注射により血栓症を誘発するおそれがある。]
(2) 投与法
皮下注射にあたっては下記の点に注意すること。
1)
注射部位は上腕部、腹部、臀部の皮下とすること。
2)
注射部位は毎回変更し、同一部位への反復注射は行わないこと。
3)
注射針が血管内に入っていないことを確認すること。
4)
注射部位をもまないように患者に指示すること。
(3) 調製法
用時調製し、懸濁後は直ちに使用すること。
その他の注意
全効能疾患共通
ラットにリュープロレリン酢酸塩として4週間持続の徐放性製剤0.8、3.6及び16mg/kg/4週を1年間、並びにリュープロレリン酢酸塩水溶液注射剤0.6、1.5及び4mg/kg/日を2年間それぞれ皮下投与した試験で、良性下垂体腺腫が認められたとの報告がある。2)
薬物動態
前立腺癌の場合3,4)
前立腺癌患者(未治療例)を対象に、リュープロレリン酢酸塩として22.5mgを単回皮下投与した時、リュープロレリン未変化体の血中濃度の推移及び薬物動態学的パラメータは下図及び表1のとおりであった。
前立腺癌患者(既治療例)を対象に、リュープロレリン酢酸塩として22.5mgを24週に1回(計2回)皮下投与した時のリュープロレリン未変化体の血中濃度の推移を観察したが、反復投与による蓄積性は認められなかった。
閉経前乳癌の場合5)
閉経前乳癌術後患者を対象に、リュープロレリン酢酸塩として22.5mgを単回皮下投与(タモキシフェン20mg/日を併用投与)した時、リュープロレリン未変化体の血中濃度の推移及び薬物動態学的パラメータは下図及び表2のとおりであった。
閉経前乳癌術後患者を対象に、リュープロレリン酢酸塩として22.5mgを24週に1回(計2回)皮下投与した時のリュープロレリン未変化体の血中濃度の推移を観察したが、反復投与による蓄積性は認められなかった。
表1
Cmax
(ng/mL) |
Tmax
(h) |
AUC0-168days
(ng・h/mL) |
T1/2
(h) |
n=6 |
4.65±0.97 |
1.00(0.92、1.05) |
799.5±178.8 |
927.2±320.7 |
平均値±標準偏差(ただし、Tmaxは中央値(最小値、最大値))
表2
|
Cmax
(ng/mL) |
Tmax
(h) |
AUC0-168days
(ng・h/mL) |
T1/2
(h) |
n=22 |
5.20±1.03 |
0.97(0.77、1.40) |
560.9±190.5 |
894.9±277.7 |
平均値±標準偏差(ただし、Tmaxは中央値(最小値、最大値))
臨床成績
前立腺癌の場合4)
前立腺癌既治療患者(リュープリンSR注射用キット11.25mgの投与により抗腫瘍効果が安定している患者)を対象に、リュープロレリン酢酸塩として22.5mgを24週に1回(計2回)又はリュープロレリン酢酸塩として11.25mgを12週に1回(計4回)皮下投与した。主要評価項目である、投与開始から48週後における血清テストステロン濃度が去勢レベル(100ng/dL以下)を維持した患者の割合は22.5mg投与群で100%(81/81例)、11.25mg投与群で98.7%(78/79例)、両群の差[95%信頼区間]は1.3%[-3.4%, 6.8%]であり、あらかじめ設定した非劣性の基準(95%信頼区間の下限値が-10%を上回る)を満たした。
閉経前乳癌の場合5)
閉経前乳癌術後患者を対象に、リュープロレリン酢酸塩として22.5mgを24週に1回(計2回)又はリュープロレリン酢酸塩として11.25mgを12週に1回(計4回)皮下投与した(各群タモキシフェン20mg/日を併用投与)。主要評価項目である、投与4週から48週後における血清エストラジオール濃度が閉経期レベル(30pg/mL以下)に抑制された患者の割合は、22.5mg投与群で97.6%(81/83例)、11.25mg投与群で96.4%(81/84例)、両群の差[95%信頼区間]は1.2%[-5.2%, 7.8%]であり、あらかじめ設定した非劣性の基準(95%信頼区間の下限値が-10%を上回る)を満たした。
薬効薬理
1. 作用機序
高用量のLH-RH又は高活性LH-RH誘導体であるリュープロレリン酢酸塩を反復投与すると、初回投与直後一過性に下垂体-性腺系刺激作用(急性作用)がみられた後、下垂体においては性腺刺激ホルモンの産生・放出が低下する。更に、精巣及び卵巣の性腺刺激ホルモンに対する反応性が低下し、テストステロン及びエストラジオール産生能が低下する(慢性作用)。リュープロレリン酢酸塩のLH放出活性はLH-RHの約100倍であり、その下垂体-性腺機能抑制作用はLH-RHより強い。リュープロレリン酢酸塩が高活性LH-RH誘導体であり、下垂体-性腺機能抑制作用が強い理由は、リュープロレリン酢酸塩が、LH-RHと比較して蛋白分解酵素に対する抵抗性が高いこと、LH-RHリセプターに対する親和性が高いことなどによる。更に、本剤は徐放性製剤であるので、常時血中にリュープロレリン酢酸塩を放出して効果的に精巣及び卵巣の反応性低下をもたらし、下垂体-性腺機能抑制作用を示す。6~9)
2. 性腺ホルモン濃度抑制作用
(1)
前立腺癌患者において24週に1回の皮下投与により血清テストステロン濃度が持続的に去勢レベル以下に低下し、薬物的去勢作用が認められる。4)
(2)
閉経前乳癌患者において24週に1回の皮下投与により血清エストラジオール濃度は概ね閉経期レベル以下に低下し、卵巣機能抑制作用を認め、通常排卵は抑制され、月経は停止する。5)
有効成分に関する理化学的知見
化学構造式
一般名
リュープロレリン酢酸塩(Leuprorelin Acetate)〔JAN〕
化学名
5-Oxo-L-prolyl-L-histidyl-L-tryptophyl-L-seryl-L-tyrosyl-D-leucyl-L-leucyl-L-arginyl-N-ethyl-L-prolinamide monoacetate
分子式
C59H84N16O12・C2H4O2
分子量
1269.45
性状
リュープロレリン酢酸塩は白色~帯黄白色の粉末である。水又は酢酸(100)に極めて溶けやすく、メタノールに溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくい。吸湿性である。
承認条件
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
包装
1キット
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
大島洋次郎 他 : 薬理と治療,18(Suppl.3): 589,609,625,633,1990.
2)
茶谷文雄 他 : 薬理と治療,18(Suppl.3): 575,1990.
3)
河村栄美子 他 : 癌と化学療法,41 : 587,2014.
4)
前立腺癌患者を対象とした第3相試験成績(社内資料)
5)
閉経前乳癌術後患者を対象とした第3相試験成績(社内資料)
6)
須藤勝一 他 : 薬理と治療,18(Suppl.3): 515,1990.
7)
前多敬一郎 他 : 薬理と治療,18 : 2615,1990.
8)
山崎 巌 他 : 武田研究所報,36 : 64,1977.
9)
須藤 勝一 他 : 薬理と治療,18(Suppl.3): 521,1990.
文献請求先・製品情報お問い合わせ先
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