UTEMERIN Tab(Ritodrine Hydrochloride)ウテメリン錠5mg
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作成又は改訂年月
**2011年10月改訂(第6版)
*2009年12月改訂
日本標準商品分類番号
87259
日本標準商品分類番号等
再審査結果公表年月(最新)
1994年3月
効能又は効果追加承認年月(最新)
1994年3月
薬効分類名
切迫流・早産治療剤
承認等
販売名
ウテメリン錠5mg
販売名コード
2590004F1192
承認・許可番号
承認番号
21600AMZ00265000
商標名
UTEMERIN Tab. 5mg
薬価基準収載年月
2004年7月
販売開始年月
2004年7月
貯法・使用期限等
貯法
気密容器,遮光,室温保存
使用期限
3年(外装容器に表示)
規制区分
処方せん医薬品注)
注)注意-医師等の処方せんにより使用すること。
組成
販売名
ウテメリン錠5mg
成分・含量(1錠中)
日局リトドリン塩酸塩5mg
添加物
*乳糖水和物,結晶セルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,トウモロコシデンプン,タルク,ステアリン酸カルシウム,ヒプロメロース,マクロゴール,シリコーン樹脂
性状
剤形
フィルムコート錠
外形
表面:

裏面:

側面:

直径(mm)
7.2
厚さ(mm)
3.8
重量(g)
0.13
色調
白色
識別コード
@UT

一般的名称
日本薬局方リトドリン塩酸塩錠
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.強度の子宮出血,子かん,前期破水例のうち子宮内感染を合併する症例,常位胎盤早期はく離,子宮内胎児死亡,その他妊娠の継続が危険と判断される患者[妊娠継続が危険と判断される。]
2.重篤な甲状腺機能亢進症の患者[症状が増悪するおそれがある。]
3.重篤な高血圧症の患者[過度の昇圧が起こるおそれがある。]
4.重篤な心疾患の患者[心拍数増加等により症状が増悪するおそれがある。]
5.重篤な糖尿病の患者[過度の血糖上昇が起こるおそれがある。また,糖尿病性ケトアシドーシスがあらわれることもある。]
6.重篤な肺高血圧症の患者[肺水腫が起こるおそれがある。]
7.妊娠16週未満の妊婦(「重要な基本的注意」の項参照)
8.本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
切迫流・早産
用法及び用量
通常,1回1錠(リトドリン塩酸塩として5mg)を1日3回食後経口投与する。
なお,症状により適宜増減する。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.甲状腺機能亢進症の患者(「禁忌」の項参照)
2.高血圧症の患者(「禁忌」の項参照)
3.心疾患の患者(「禁忌」の項参照)
4.糖尿病の患者,糖尿病の家族歴,高血糖あるいは肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者(「重要な基本的注意」の項参照)(「禁忌」の項参照)
5.肺高血圧症の患者(「禁忌」の項参照)
6.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
7.カリウム減少性利尿剤の投与を受けている患者[過度の血清カリウム低下が起こるおそれがある。]
8.筋緊張性(強直性)ジストロフィー等の筋疾患又はその既往歴のある患者[横紋筋融解症があらわれることがある。]
重要な基本的注意
1.投与中に過度の心拍数増加(頻脈)があらわれた場合には,減量するなど適切な処置を行うこと。
2.1日用量30mgを越えて投与する場合,副作用発現の可能性が増大するので注意すること。
3.本剤の臨床適用は切迫流・早産であるが,妊娠16週未満の症例に関する安全性及び有効性は確立していないので,投与しないこと(使用経験が少ない)。
4.切迫流産患者にはあらかじめ安静療法を試みた後に本剤を投与するとともに,症状の消失がみられた場合は漫然と継続投与しないこと。
5.**胎児に頻脈,不整脈があらわれることがある。また,新生児に腸閉塞,頻脈,低血糖症があらわれることがある。
6.本剤投与中,血糖値の急激な上昇や糖尿病の悪化から,糖尿病性ケトアシドーシスがあらわれることがある。糖尿病性ケトアシドーシスに至ると母体と胎児の生命を脅かすことがある。投与前から口渇,多飲,多尿,頻尿等の糖尿病症状の有無や血糖値,尿糖,尿ケトン体等の観察を十分に行うこと。投与開始後に異常が認められた場合には,直ちに本剤の投与を中止し,適切な処置を行うこと。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
β-刺激剤
臨床症状・措置方法
作用が増強されることがある。
機序・危険因子
相加的に作用が増強される。
薬剤名等
β-遮断剤
臨床症状・措置方法
作用が減弱されることがある。
機序・危険因子
β受容体において競合的に拮抗する。
副作用
副作用等発現状況の概要
副作用集計の対象となった2,122例中83例(3.9%),100件の副作用が認められた。主なものは心悸亢進(動悸)60件(2.8%),手指振戦14件(0.7%),嘔気8件(0.4%)であった。(再審査終了時)
重大な副作用
1.横紋筋融解症
頻度不明
筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので,このような場合には直ちに投薬を中止し,適切な処置を行うこと。
2.汎血球減少
頻度不明
汎血球減少があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
3.血清カリウム値の低下
頻度不明
血清カリウム値の低下があらわれることがある。
4.高血糖,糖尿病性ケトアシドーシス
頻度不明
血糖値の急激な上昇や糖尿病の悪化から,糖尿病性ケトアシドーシスがあらわれることがある。糖尿病性ケトアシドーシスに至ると母体と胎児の生命を脅かすことがある。観察を十分に行い,異常が認められた場合には,直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。
5.新生児腸閉塞
頻度不明
新生児腸閉塞があらわれることがある。
6.**本薬の注射剤において,肺水腫,心不全,無顆粒球症,白血球減少,血小板減少,ショック,不整脈,肝機能障害,黄疸,中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),胸水,母体の腸閉塞,胎児及び新生児における心不全,新生児心室中隔壁の肥大,新生児低血糖があらわれたとの報告があるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
循環器
頻度不明
不整脈(心室性期外収縮等)
循環器
0.1~5%未満
動悸,頻脈,顔面潮紅
肝臓注)
頻度不明
AST(GOT),ALT(GPT)の上昇等
血液
頻度不明
血小板減少
精神神経系
頻度不明
しびれ
精神神経系
0.1~5%未満
振戦
精神神経系
0.1%未満
ふらつき
消化器
0.1~5%未満
嘔気,腹痛
過敏症
頻度不明
発疹,紅斑
胎児・新生児
頻度不明
胎児頻脈,胎児不整脈,新生児頻脈,新生児低血糖症
注)異常が認められた場合には減量,休薬等の適切な処置を行うこと。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.妊娠16週未満の症例に関する安全性及び有効性は確立していないので,投与しないこと(使用経験が少ない)。
2.出産直前に本剤を投与した場合には,出産直後の授乳を避けることが望ましい。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。]
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
薬物動態
1.血中濃度1)
本剤10mgを健康成人5例に単回投与した際の薬物動態パラメータは下表のとおりであった。
2.尿中排泄1)
本剤10mgを健康成人に単回投与した際,投与後48時間までに投与量の85.5%が尿中に排泄され,そのほとんどは投与後12時間以内に排泄された。
薬物動態の表
健康成人に10mg単回投与時の薬物動態パラメータ
Tmax(hr) |
Cmax(ng/mL) |
AUC(ng・hr/mL) |
T1/2(hr) |
1.0 |
9.9 |
29.85 |
0.20及び1.36 |
臨床成績
国内で実施した切迫流・早産患者,総計614例の二重盲検比較試験及び一般臨床試験の概要は次のとおりである。
(1)二重盲検比較試験により検討した結果,切迫流・早産患者に対する本剤の有用性が認められた。2,3)
(2)切迫流・早産患者に対する有効率は72.7%(437/601)であった。2~18)
薬効薬理
1.生体位子宮運動抑制作用19~22)
妊娠後期のラット,ウサギ,ヒツジ及びアカゲザルの自発性子宮運動ならびにPGF2α,オキシトシンなどの薬物誘発子宮運動亢進反応をリトドリン塩酸塩は用量依存的に抑制した。
2.摘出子宮運動抑制作用19)
妊娠ラット摘出子宮筋の自発運動ならびにアセチルコリン,オキシトシン,PGF2α,KCl及び電気刺激による誘発子宮収縮をリトドリン塩酸塩は濃度依存的に著明に抑制した。
3.子宮筋への選択性23)
ラット摘出妊娠子宮筋及びモルモット摘出右心房標本を用いた実験で,リトドリン塩酸塩は塩酸イソプロテレノール,塩酸イソクスプリンに比し優れた子宮筋への選択性を示した。
4.作用機序23,24)
薬理学的な分析(in vitro実験)より,リトドリン塩酸塩はβ-受容体に対する選択的な刺激効果に基づきc-AMP含量を増加させ,Ca++の貯蔵部位への取り込みを促進して子宮運動抑制をきたすと考えられるとともに,膜の過分極,膜抵抗減少及びスパイク電位発生抑制をきたし,子宮収縮抑制作用を発揮する。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
リトドリン塩酸塩(Ritodrine Hydrochloride)
化学名
(1RS, 2SR)-1-(4-Hydroxyphenyl)-2-{[2-(4-hydroxyphenyl)ethyl]amino}propan-1-ol monohydrochloride
構造式
分子式
C17H21NO3・HCl
分子量
323.81
性状
本品は白色の結晶性の粉末である。本品は水,メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすい。本品は0.01mol/L塩酸試液に溶ける。本品の水溶液(1→10)は旋光性を示さない。本品は光により徐々に淡黄色となる。
融点
約196℃(分解)
包装
ウテメリン錠5mg 500錠
ウテメリン錠5mg 100錠[10錠×10]
ウテメリン錠5mg 500錠[10錠×50]
ウテメリン錠5mg 630錠[21錠×30]
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)健康成人を対象とした第I相臨床試験(社内資料)
2)坂元正一ほか:医学のあゆみ, 133(10), 734, 1985.
3)坂元正一ほか:産科と婦人科, 58(9), 1597, 1991.
4)坂元正一ほか:周産期医学, 13(8), 1313, 1983.
5)北川浩明ほか:産科と婦人科, 52(3), 398, 1985.
6)石川雅嗣ほか:産婦人科の世界, 42(4), 347, 1990.
7)佐藤郁夫ほか:産婦人科の実際, 39(6), 955, 1990.
8)成田喜代司ほか:周産期医学, 19(7), 1001, 1989.
9)馬島秀泰ほか:産婦人科の実際, 40(13), 2237, 1991.
10)綱脇 現ほか:産婦人科の実際, 41(3), 365, 1992.
11)前田一雄ほか:診療と新薬, 22(1), 31, 1985.
12)竹内正七ほか:産科と婦人科, 52(1), 127, 1985.
13)中田浩一ほか:診療と新薬, 21(12), 2609, 1984.
14)岩崎まり子ほか:産科と婦人科, 52(2), 273, 1985.
15)萩庭一元ほか:産婦人科の世界, 37(2), 171, 1985.
16)秦 和子ほか:診療と新薬, 21(10), 2151, 1984.
17)成田喜代司ほか:産科と婦人科, 51(8), 1227, 1984.
18)風戸貞之ほか:産婦人科の世界, 36(8), 635, 1984.
19)池田 滋ほか:Japan. J. Pharmacol., 35(3), 319, 1984.
20)池田 滋ほか:日本産科婦人科学会雑誌, 35(11), 1963,1983.
21)藤本征一郎ほか:Asia-Oceania. J. Obstet. Gynaecol.,9(3), 325, 1983.
22)飯塚宏美ほか:実中研・前臨床研究報, 9(1), 1, 1983.
23)池田 滋ほか:Japan. J. Pharmacol., 36(4), 477, 1984.
24)和泉秀隆ほか:Br. J. Pharmacol., 76(3), 463, 1982.
文献請求先
*主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
キッセイ薬品工業株式会社 くすり相談センター
〒103-0022 東京都中央区日本橋室町1丁目8番9号
TEL.03-3279-2304
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製造販売元
キッセイ薬品工業株式会社
松本市芳野19番48号
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