VELCADE Injection(bortezomib)硼替佐米/万珂注射用粉剂,ベルケイド注射用3mg
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Velcade(bortezomib)被视为治疗复发性与顽固型多发性骨髓瘤的突破性疗法,它的应用将为多发性骨髓瘤的治疗带来希望。推荐剂量为单次注射1.3 mg/㎡,每周注射2次,连续注射2周。最常见的不良事件有虚弱(包括疲劳、不适和乏力)、恶心、腹泻。
2014年8月10日,FDA已批准Velcade(万珂,通用名:硼替佐米,bortezomib)用于曾对万珂治疗有响应且完成最后一次万珂治疗后至少6个月后病情复发的多发性骨髓瘤(multiple myeloma,MM)成人患者的复治(retreatment,即再治疗)。Velcade的产品标签更新包括给药指南以及Velcade作为单药或Velcade联合地塞米松用于Velcade经治患者复治时的安全性和疗效数据。Velcade复治可以根据最后一次治疗的耐受剂量开始。
此前,Velcade已获批用于多发性骨髓瘤(MM)的治疗,以及用于既往接受过至少一种疗法的套细胞淋巴瘤(MCL)的治疗。
FDA批准Velcade用于复治的补充新药申请(sNDA),包括一项II期研究及其他支持数据。该II期国际性RETRIEVE研究表明,既往接受过Velcade治疗且经Velcade治疗取得部分缓解或完全缓解的多发性骨髓瘤(MM)患者群体,接受Velcade复治时的总缓解率(ORR)为38.5%。研究中,Velcade复治的安全性与已知的静脉注射Velcade治疗复发性多发性骨髓瘤(MM)的安全性一致。研究中最常见的药物不良反应为血小板减少,约发生于52%的患者中。
在过去的11年里,Velcade作为唯一一种已被证明能够延缓新诊(newly diagnosed)或复发性多发性骨髓瘤(MM)患者总生存期(OS)的药物,在多发性骨髓瘤(MM)的临床治疗中发挥了重要作用。Velcade新获批的给药指南,将使医生能够为其Velcade经治患者继续提供这种有效的药物治疗,将Velcade用于多发性骨髓瘤的整个临床护理范畴。
关于万珂(Velcade):
Velcade由武田与强生联合开发,武田负责该药在美国的商业化,强生则负责药物在欧洲及世界其他地区的商业化,在日本,武田和强生联合推广该药。目前,Velcade已获全球90多个国家批准,经该药治疗的全球患者总数超过55万
作成又は改訂年月
** 2015年6月改訂(下線部分)(第9版)
* 2013年9月改訂
日本標準商品分類番号
874291
日本標準商品分類番号等
効能又は効果追加承認年月(最新)
**2015年6月
国際誕生年月
2003年5月
薬効分類名
抗悪性腫瘍剤(プロテアソーム阻害剤)
承認等
販売名
ベルケイド注射用3mg
販売名コード
4291412D1024
承認・許可番号
承認番号
21800AMX10868000
商標名
VELCADE Injection
薬価基準収載年月
2006年12月
販売開始年月
2006年12月
貯法・使用期限等
貯法
遮光・室温保存(「取扱い上の注意」の項参照)
使用期限
包装に表示
規制区分
毒薬
処方箋医薬品
注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
成分・含量
1バイアル中ボルテゾミブ3mg含有
添加物
D-マンニトール30mg
性状
剤形
凍結乾燥注射剤
色・性状
白色~微黄白色の塊又は粉末
pH
4.0~7.0
(本剤1バイアルを生理食塩液3mL又は1.2mLに溶解したとき)
一般的名称
注射用ボルテゾミブ
警告
1.
本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例のみに行うこと。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
2.
国内における本剤の使用経験が限られていることから、治療初期は入院環境で医師の管理下にて適切な処置を行うこと。
3.
国内の臨床試験において、本剤との因果関係の否定できない肺障害(間質性肺炎)による死亡例が認められている。海外ではまれであるが、国内では本剤との因果関係の否定できない肺障害(間質性肺炎、肺水腫、急性呼吸窮迫症候群、胸水等)がより高頻度に発生する可能性があるため(「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)、特に以下の事項に十分注意すること。
(1)
本剤による治療を開始するにあたり、胸部X線検査、胸部CT検査等を実施し、異常の有無を確認した上で、治療開始の可否を慎重に判断すること。
(2)
本剤による治療中及び治療後、特に治療開始後早期は、息切れ、呼吸困難、咳、発熱等の自覚症状や、胸部聴診所見、呼吸数等での異常の有無を慎重に観察すること。必要に応じて動脈血酸素飽和度や胸部CT検査等を適切に実施し、経過を観察すること。本剤による肺障害が疑われた場合には、投与中止も含め適切な処置を行うこと。[「重要な基本的注意」、「臨床成績」の項参照]
4.
本剤の使用にあたっては、添付文書等を熟読すること。
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
ボルテゾミブ、マンニトール又はホウ素に対して過敏症の既往歴のある患者
効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
多発性骨髄腫
**マントル細胞リンパ腫
効能又は効果に関連する使用上の注意
「臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
用法及び用量
1. 未治療の多発性骨髄腫
他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人に1日1回、ボルテゾミブとして1.3mg/m2(体表面積)を1、4、8、11、22、25、29、32日目に静脈内投与又は皮下投与し、10日間休薬(33~42日目)する。この6週間を1サイクルとし、4サイクルまで投与を繰り返す。5サイクル以降は、1日1回、1、8、22、29日目に静脈内投与又は皮下投与し、13日間休薬(30~42日目)する。この6週間を1サイクルとし、9サイクルまで投与を繰り返す。本剤は最低72時間空けて投与すること。
2. 再発又は難治性の多発性骨髄腫
通常、成人に1日1回、ボルテゾミブとして1.3mg/m2(体表面積)を週2回、2週間(1、4、8、11日目)静脈内投与又は皮下投与した後、10日間休薬(12~21日目)する。この3週間を1サイクルとし、投与を繰り返す。本剤は最低72時間空けて投与すること。
8サイクルを超えて継続投与する場合には上記の用法・用量で投与を継続するか、又は維持療法として週1回、4週間(1、8、15、22日目)静脈内投与又は皮下投与した後、13日間休薬(23~35日目)する。この5週間を1サイクルとし、投与を繰り返す。
3. **マントル細胞リンパ腫
他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人に1日1回、ボルテゾミブとして1.3mg/m2(体表面積)を1、4、8、11日目に静脈内投与した後、10日間休薬(12~21日目)する。この3週間を1サイクルとし、6サイクルまで(6サイクル目に初めて奏効が認められた場合は8サイクルまで)投与を繰り返す。本剤は最低72時間空けて投与すること。なお、静脈内投与が困難な場合には、皮下投与することもできる。
用法及び用量に関連する使用上の注意
1.
本剤を含むがん化学療法は、「臨床成績」の項の内容を熟知した上で、患者の状態や化学療法歴に応じて選択をすること。
2.
他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合は、併用薬剤の添付文書を熟読すること。
3.
**未治療の多発性骨髄腫及びマントル細胞リンパ腫に対し、本剤単独投与での有効性及び安全性は確立していない。
4.
**マントル細胞リンパ腫に対しては、皮下投与の臨床試験成績は得られていない。
5.
**本剤の投与については、以下の記載に従って、適切に減量、休薬又は投与中止の判断を行うこと。
(1) **多発性骨髄腫における用量調節
1) Grade 3/4*の副作用の場合(末梢性ニューロパチー又は神経障害性疼痛を除く)
Grade 3以上の非血液毒性(末梢性ニューロパチー・神経障害性疼痛を除く)又はGrade 4の血液毒性に該当する副作用が発現した場合は、回復するまで休薬する。投与を再開する場合には、本剤の投与による有益性と危険性を慎重に検討した上で、下表を目安として減量等を考慮する。副作用が回復しない場合又は最低投与量(0.7mg/m2)でも再発する場合は、本剤の投与中止を考慮する。
Grade 3/4の副作用(末梢性ニューロパチー又は神経障害性疼痛を除く)に対する減量の目安
副作用発現時の投与量:1.3mg/m2
減量の目安:1.0mg/m2
副作用発現時の投与量:1.0mg/m2
減量の目安:0.7mg/m2
副作用発現時の投与量:0.7mg/m2
減量の目安:投与中止
*NCI-CTCAE v4.0
2)
末梢性ニューロパチー又は神経障害性疼痛について
本剤に起因すると考えられる末梢性ニューロパチー又は神経障害性疼痛が発現した場合は、以下に示す用法・用量変更の目安に従って減量、休薬又は中止すること。
末梢性ニューロパチー又は神経障害性疼痛に対する用法・用量変更の目安
NCI-CTCAE Grade*(症状)
疼痛又は機能消失を伴わないGrade 1(症状がない;深部腱反射の低下又は知覚異常)
用法・用量変更の目安
なし
NCI-CTCAE Grade*(症状)
疼痛を伴うGrade 1又はGrade 2(中等度の症状がある;身の回り以外の日常生活動作の制限)
用法・用量変更の目安
1.3mg/m2の場合1.0mg/m2へ減量又は1.0mg/m2の場合0.7mg/m2へ減量
NCI-CTCAE Grade*(症状)
疼痛を伴うGrade 2又はGrade 3(高度の症状がある;身の回りの日常生活動作の制限)
用法・用量変更の目安
回復するまで休薬。症状が回復した場合は、0.7mg/m2に減量した上で週1回投与に変更
NCI-CTCAE Grade*(症状)
Grade 4(生命を脅かす;緊急処置を要する)
用法・用量変更の目安
投与中止
*NI-CTCAE v4.0
(2) **マントル細胞リンパ腫における用量調節
新たなサイクルを開始する前に以下を確認すること。
・血小板数が100,000/μL以上、好中球数が1,500/μL以上及びヘモグロビン値が8g/dL以上であること。
・非血液毒性がGrade 1*又は投与前値に回復していること。
**副作用発現時の用法・用量変更の目安
副作用
発熱を伴うGrade 3以上の好中球減少症、7日間を超えて持続するGrade 4の好中球減少症、血小板数10,000/μL未満が発現した場合
用法・用量変更の目安
好中球数が750/μL以上、血小板数が25,000/μL以上に回復するまで最長2週間本剤を休薬する。
・本剤休薬後も副作用が上記の基準まで回復しない場合には、本剤の投与を中止すること。
・副作用が上記の基準まで回復した場合には、本剤の投与量を1段階減量して投与する。(1.3mg/m2の場合1.0mg/m2へ減量、1.0mg/m2の場合0.7mg/m2へ減量)
副作用
本剤投与日(各サイクルの第1日目以外)に血小板数が25,000/μL未満又は好中球数が750/μL未満の場合
用法・用量変更の目安
本剤の投与を最長2日間延期し、2日を越える延期を要する場合は本剤を休薬する。
副作用
Grade 3以上の非血液毒性が発現した場合(末梢性ニューロパチー又は神経障害性疼痛を除く)
用法・用量変更の目安
Grade 2以下に回復するまで本剤を休薬する。回復した場合は本剤の投与量を1段階減量して投与する。(1.3mg/m2の場合1.0mg/m2へ減量、1.0mg/m2の場合0.7mg/m2へ減量)
副作用
末梢性ニューロパチー又は神経障害性疼痛が発現した場合
用法・用量変更の目安
「5.(1).2)末梢性ニューロパチー又は神経障害性疼痛について」に従うこと。
*NCI-CTCAE v4.0
6. 注射液の調製法
(1) 静脈内投与
1バイアルを日局生理食塩液3.0mLで溶解して使用すること。
(2) 皮下投与
1バイアルを日局生理食塩液1.2mLで溶解して使用すること。
注射液の調製法
投与経路:静脈内投与
ボルテゾミブ(mg/バイアル):3.0mg
日局生理食塩液:3.0mL
ボルテゾミブ最終濃度:1.0mg/mL
投与経路:皮下投与
ボルテゾミブ(mg/バイアル):3.0mg
日局生理食塩液:1.2mL
ボルテゾミブ最終濃度:2.5mg/mL
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
間質性肺炎、肺線維症等の肺障害の既往歴のある患者[投与前に間質性陰影を認めた患者で致死的な急性肺障害の経過をたどる例が報告されている(「警告」、「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」の項参照)]。ただし、肺障害の危険因子は現時点では明確でないため、肺障害の既往歴のない患者においても、慎重な経過観察を行う必要がある。
2.
肝障害のある患者[本剤のクリアランスが低下し、副作用が強くあらわれるおそれがある。(「薬物動態」の項参照)]
3.
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
重要な基本的注意
1. 肺障害
(1)
国内の臨床試験及び市販後の報告において、本剤との因果関係の否定できない肺障害(間質性肺炎)による死亡例が認められており1)、2)、海外と比較して肺障害の発生頻度が高い可能性がある。なお、肺障害の対処方法及び可能性のあるリスク因子について臨床試験では確認されていない。
(2)
急性骨髄性白血病に対し、本剤、ダウノルビシン塩酸塩及び高用量シタラビンの24時間持続点滴(2000mg/m2/日)を併用した海外の臨床試験において、本剤との因果関係を否定できない急性呼吸窮迫症候群による死亡が報告されている。
2.
心障害(心肺停止、心停止、うっ血性心不全、心原性ショック)による死亡例、うっ血性心不全の急性発現又は増悪、心嚢液貯留、左室駆出率低下が報告されているため、心障害の既往や症状の危険因子がある場合には、患者の状態には十分に注意すること。再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象とした海外第III相試験において、本剤群及びデキサメタゾン群で発現した心障害の発現頻度はそれぞれ14%及び12%であった。そのうち心不全等(急性肺水腫、心不全、うっ血性心不全、心原性ショック、肺水腫)の発現頻度はそれぞれ5%及び4%であった。[「重大な副作用」の項参照]
3.
*B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性でHBc抗体陽性ないしHBs抗体陽性の患者において、本剤の投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと。本剤の投与開始後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。
4.
本剤の投与により、感覚障害による末梢性ニューロパチーが主に認められるが、感覚障害と運動障害が混在するニューロパチーの発現例も報告されている。末梢性ニューロパチーの症状(足又は手のしびれ、疼痛又は灼熱感)や徴候のある患者では、本剤の投与期間中に症状が増悪(Grade 3以上を含む)するおそれがある。灼熱感、知覚過敏、感覚減退、錯感覚、不快感、神経障害性疼痛等のニューロパチーの症状について観察すること。本剤の投与期間中に末梢性ニューロパチーの発現又は増悪が認められた患者では、本剤の用法・用量の変更が必要となることがある[「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照]。また、末梢性ニューロパチーが発現する可能性のある薬剤を併用する場合には注意すること[「重大な副作用」の項参照]。末梢性ニューロパチーに加えて、起立性低血圧やイレウスを伴う重度の便秘等、一部の有害事象に自律神経ニューロパチーが関与している可能性があるが、十分な情報は得られていない。
5.
本剤の投与により好中球減少症、血小板減少症が発現した結果、感染症(敗血症性ショック等)や出血等の重篤な副作用が発現することがある。国内臨床試験では重度の発熱性好中球減少症、好中球減少症(好中球数減少)及び貧血(ヘモグロビン減少)が認められているため、頻回に臨床検査(血液検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[「重大な副作用」の項参照]
6.
**本剤は血小板減少症を引き起こすことが認められている。本剤の投与前に毎回血小板数を確認すること。血小板数が25,000/μL未満の場合は、本剤を休薬すること[「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照]。本剤投与により発現した血小板減少に伴う胃腸出血及び脳出血の報告例があるので、必要に応じ輸血を考慮すること。再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象とした海外第III相試験における重症の出血(Grade 3以上)の発現率は本剤群で4%、デキサメタゾン群で5%であった。
血小板数は各サイクルの11日目に最低値に達し、通常は次サイクル開始前までに回復した。血小板数の減少と回復のパターンは週2回投与の8サイクルにわたり一貫しており、蓄積性の血小板減少症は認められなかった。再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象とした海外第III相試験において血小板数の最低値の平均は、投与開始前の約40%であった。再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象とした海外第III相試験における投与開始前の血小板数と血小板減少症の重症度との関係を以下の表に示す。[「重大な副作用」の項参照]
**再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象とした海外第III相試験における投与開始前の血小板数と血小板減少症の重症度との関係
投与開始前の血小板数注1):75,000/μL以上
患者数(n=331)注2):309
10,000/μL未満の患者数(%):8(3%)
10,000~25,000/μLの患者数(%):36(12%)
投与開始前の血小板数注1):50,000/μL以上75,000/μL未満
患者数(n=331)注2):14
10,000/μL未満の患者数(%):2(14%)
10,000~25,000/μLの患者数(%):11(79%)
投与開始前の血小板数注1):10,000/μL以上50,000/μL未満
患者数(n=331)注2):7
10,000/μL未満の患者数(%):1(14%)
10,000~25,000/μLの患者数(%):5(71%)
注1)投与開始前の血小板数として50,000/μL以上を臨床試験の選択基準とした。
注2)投与開始前のデータが1例で不明
7.
本剤の投与により悪心、下痢、便秘及び嘔吐の発現が認められており、制吐剤又は止痢剤による処置を要することがある。脱水症状を予防するため、必要に応じ補液及び電解質補充を行うこと。本剤の投与期間中は嘔吐又は下痢がみられるため、患者には脱水症状を避ける適切な対処方法を指導すること。浮動性めまい、頭部ふらふら感又は失神発作があらわれた場合には、医師の診察を受けるよう患者を指導すること。
また、イレウスが報告されているため、便秘を認めた患者は慎重に観察すること。
8.
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-P及び血中ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照]
9.
低血圧(起立性低血圧を含む)が投与期間を通じ報告されている。失神の既往や症状がある患者、低血圧が発現する可能性のある薬剤を投与中の患者及び脱水状態にある患者では、患者の状態を十分に観察すること。低血圧の機序は不明であるが、一部は自律神経ニューロパチーが関与している可能性がある。また、本剤の投与により糖尿病性ニューロパチー等の基礎疾患を悪化させる可能性がある。低血圧(起立性低血圧を含む)の管理には、必要に応じて降圧剤の調節、水分補給、ミネラルコルチコイド又は交感神経作動薬の投与等の支持療法を行うこと。[「重大な副作用」の項参照]
10.
疲労、浮動性めまい、失神、起立性低血圧、霧視が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
相互作用
ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験より、ボルテゾミブがチトクロームP450 3A4、2C19及び1A2の基質であることが示されている。本剤とCYP3A4の基質、阻害剤又は誘導剤を併用している患者においては、副作用又は効果の減弱について注意深く観察すること。
海外臨床試験において、経口血糖降下剤を併用した糖尿病患者で低血糖及び高血糖が報告されている。経口血糖降下剤を投与中の糖尿病患者に本剤を投与する場合には、血糖値を注意深く観察し、経口血糖降下剤の用量に留意して慎重に投与すること。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
CYP3A4阻害剤(ケトコナゾール注)等)
臨床症状・措置方法
ケトコナゾール(400mg/日を4日間反復経口投与)と併用したとき、ボルテゾミブのAUCは35%増加した。3)
機序・危険因子
これらの薬剤のCYP3A4に対する阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。
2. 薬剤名等
CYP3A4誘導剤(リファンピシン等)
臨床症状・措置方法
リファンピシン(600mg/日を7日間反復経口投与)と併用したとき、ボルテゾミブのAUCは45%低下した。4)
機序・危険因子
これらの薬剤のCYP3A4に対する誘導作用により、本剤の代謝が促進される。
注)国内では外用剤のみ発売
副作用
副作用等発現状況の概要
**再発又は難治性の多発性骨髄腫及び未治療の多発性骨髄腫を対象に本剤を静脈内投与した国内臨床試験の安全性評価症例において、133例中133例(100%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用[30%以上を記載]は、リンパ球減少[131例98.5%]、白血球減少[128例96.2%]、好中球減少[127例95.5%]、血小板減少[126例94.7%]、貧血[88例66.2%]、食欲不振[75例56.4%]、下痢[75例56.4%]、発疹[75例56.4%]、便秘[69例51.9%]、悪心[67例50.4%]、LDH増加[67例50.4%]、CRP増加[66例49.6%]、発熱[52例39.1%]、体重減少[52例39.1%]、末梢性ニューロパチー[52例39.1%]、低ナトリウム血症[51例38.3%]、Al-P増加[51例38.3%]、倦怠感[50例37.6%]、嘔吐[47例35.3%]、肝機能異常[47例35.3%]、高血糖[44例33.1%]、高カリウム血症[41例30.8%]であった。(効能追加承認時)
静脈内投与患者を対象とした特定使用成績調査1010例中966例(95.6%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は[10%以上を記載]、血小板減少[689例68.2%]、白血球減少[328例32.5%]、発熱[287例28.4%]、貧血[222例22.0%]、感覚減退[200例19.8%]、下痢[180例17.8%]、便秘[179例17.7%]、好中球減少[178例17.6%]、末梢性ニューロパチー[175例17.3%]、LDH増加[140例13.9%]、CRP増加[132例13.1%]、帯状疱疹[129例12.8%]、発疹[116例11.5%]、悪心[113例11.2%]、リンパ球減少[107例10.6%]であった。(第7回安全性定期報告時)
前治療歴がある多発性骨髄腫患者を対象に本剤を皮下投与した海外第III相臨床試験において、147例中124例84%に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用[10%以上を記載]は、末梢性感覚ニューロパチー[51例35%]、血小板減少[44例30%]、好中球減少[34例23%]、神経痛[34例23%]、貧血[28例19%]、下痢[28例19%]、白血球減少[26例18%]、悪心[24例16%]、発熱[18例12%]であった。なお、皮下投与による局所注射部位反応は85例58%に認められた。(用法追加承認時)
未治療のマントル細胞リンパ腫を対象とした国際共同第III相試験における安全性評価対象例において、240例(日本人7例を含む)中227例(94.6%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は[10%以上を記載]、好中球減少[190例79.2%]、血小板減少[163例67.9%]、白血球減少[100例41.7%]、貧血[86例35.8%]、下痢[57例23.8%]、末梢性感覚ニューロパチー[52例21.7%]、リンパ球減少[48例20.0%]、悪心[44例18.3%]、疲労[42例17.5%]、便秘[41例17.1%]、発熱性好中球減少症[36例15.0%]、発熱[33例13.8%]、食欲不振[31例12.9%]、無力症[29例12.1%]、神経痛[25例10.4%]であった。(効能追加承認時)
重大な副作用
1. **肺障害注)
間質性肺炎(3.1%)、胸水(1.9%)、急性肺水腫(0.4%)、急性呼吸窮迫症候群(頻度不明)があらわれることがあるので、息切れ、呼吸困難、胸水、咳、及び発熱等の自覚症状や、胸部聴診所見、呼吸数等での異常の有無を慎重に観察すること。また、必要に応じて動脈血酸素飽和度や胸部CT等の検査を適切に実施し、慎重に経過を観察すること。肺障害と診断された場合には、適切な処置を行うこと。
2. 心障害注)
うっ血性心不全(2.5%)、心嚢液貯留(0.5%)、心肺停止、心停止、心原性ショック(いずれも頻度不明)があらわれることがある。また、投与前の左室駆出率に異常の無い患者においても左室駆出率低下が報告されているので、患者の状態を観察し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し適切な処置を行うこと。海外臨床試験においてQT間隔延長の報告があるが、薬剤との関連性については明らかになっていない。
3. **末梢神経障害注)
末梢性ニューロパチー(19.7%)、感覚減退(18.5%)、末梢性感覚ニューロパチー(3.0%)、神経障害性疼痛(1.6%)、末梢性運動ニューロパチー(1.1%)、錯感覚(0.5%)、灼熱感(0.5%)があらわれることがあり、重症の感覚性ニューロパチーも報告されているので、患者の状態を観察し、異常が認められた場合には休薬、減量又は投与中止を考慮すること。再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象とした海外第III相試験においてGrade 2以上の末梢性ニューロパチーを認めた患者では用量調整により末梢性ニューロパチーの改善あるいは回復が51%で認められた。また、海外第II相試験においてGrade 3以上の末梢性ニューロパチーを発現した患者又はGrade 2のニューロパチーを呈し、投与を中止した患者では、末梢性ニューロパチーの改善あるいは回復が73%で認められた。
4. **骨髄抑制注)
血小板減少(71.4%)、白血球減少(39.8%)、貧血(27.3%)、好中球減少(27.1%)、リンパ球減少(21.0%)、発熱性好中球減少症(1.7%)、汎血球減少(0.5%)があらわれることがあるので、患者の状態を観察し、異常が認められた場合には休薬、減量又は投与中止を考慮すること。骨髄機能が抑制された結果、感染症(敗血症性ショック等)があらわれることがあるので、患者の状態を観察し、異常が認められた場合には休薬、減量又は投与中止を考慮すること。
5. イレウス注)
3.2%
イレウスがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、食欲不振、嘔吐、便秘、腹部膨満感等の症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
6. **,*肝機能障害注)
AST(GOT)の増加(10.3%)、ALT(GPT)の増加(11.0%)、γ-GTPの増加(0.8%)、Al-Pの増加(12.1%)及び血中ビリルビンの増加(1.8%)等を伴う肝機能障害(B型肝炎ウイルスの再活性化によるものを含む)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
7. **低血圧注)
低血圧(3.7%)、起立性低血圧(2.4%)があらわれることがあるので、患者の状態を観察し、異常が認められた場合には休薬、減量又は投与中止を考慮すること。
8. **腫瘍崩壊症候群注)
5.4%
腫瘍量の急激な減少に伴い、腫瘍崩壊症候群(tumor lysis syndrome)があらわれることがあるため、予防措置として、高尿酸血症治療剤の投与及び適切な水分補給等を考慮すること。急激に腫瘍量が減少した患者においては血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
9. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)注)
頻度不明
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
10. **発熱注)
29.5%
本剤の投与日から翌日にかけて高頻度にGrade 1~2の薬剤性の発熱があらわれることがあるので、患者の状態を観察し、必要に応じて解熱剤等による処置を考慮すること。また発熱が持続する場合や呼吸器症状を伴う場合には、肺障害の可能性について注意すること。
11. 可逆性後白質脳症症候群注)
0.1%
可逆性後白質脳症症候群(症状:痙攣、血圧上昇、頭痛、意識障害、錯乱、視覚障害等)があらわれることがあるので、可逆性後白質脳症症候群が疑われた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
12. 進行性多巣性白質脳症注)
頻度不明
進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので、本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 感染症注)
10%以上
帯状疱疹、感染
2. 感染症注)
10%未満5%以上
肺炎
3. 感染症注)
5%未満
鼻咽頭炎、単純ヘルペス、敗血症、感染性腸炎、気管支肺炎、毛包炎、口腔カンジダ症、膀胱炎、麦粒腫、白癬感染、蜂巣炎、中耳炎、外耳炎
4. 血液注)
5%未満
出血、白血球数増加、単球数増加、好中球数増加
5. 免疫系障害注)
5%未満
過敏症
6. 代謝・栄養注)
10%以上
食欲不振
7. 代謝・栄養注)
10%未満5%以上
高血糖、低アルブミン血症
8. 代謝・栄養注)
5%未満
高アミラーゼ血症、高尿酸血症、脱水、低血糖症、高コレステロール血症、体重減少
9. 電解質注)
10%未満5%以上
低ナトリウム血症、高カリウム血症、低カリウム血症
10. 電解質注)
5%未満
高カルシウム血症、高ナトリウム血症
11. 精神神経系注)
5%未満
不眠症、うつ病、不安、味覚異常、頭痛、浮動性めまい、神経痛、失神、体位性めまい、傾眠、嗅覚錯誤、嗜眠
12. 精神神経系注)
頻度不明
痙攣
13. 眼注)
5%未満
結膜炎、眼部腫脹、霧視、ドライアイ、角膜びらん、眼瞼出血、後天性涙腺炎
14. 循環器注)
5%未満
期外収縮、頻脈、心電図QT延長、動悸、不整脈、心房細動、徐脈、高血圧
15. 循環器注)
頻度不明
心房粗動
16. 呼吸器注)
5%未満
上気道の炎症、咳嗽、呼吸困難、咽喉頭疼痛、鼻出血、咽頭不快感、鼻漏、無気肺、胸膜炎、気胸
17. 呼吸器注)
頻度不明
肺高血圧症、喀血
18. 消化器注)
10%以上
下痢、便秘、悪心
19. 消化器注)
10%未満5%以上
嘔吐、腹痛
20. 消化器注)
5%未満
口内炎、腹部膨満、胃炎、消化不良、胃腸出血、腸炎、胃食道逆流、歯肉炎、齲歯、歯周炎、口唇炎、耳下腺腫大、過敏性腸症候群、鼓腸、おくび
21. 消化器注)
頻度不明
嚥下障害、舌潰瘍、レッチング
22. 肝臓注)
10%未満5%以上
肝機能異常
23. 肝臓注)
5%未満
肝障害
24. 皮膚注)
10%以上
発疹
25. 皮膚注)
5%未満
紅斑、そう痒症、多形紅斑、蕁麻疹、紫斑、脱毛症、薬疹、多汗症、紅色汗疹、丘疹、顔面腫脹、水疱性皮膚炎、点状出血、皮膚出血
26. 皮膚注)
頻度不明
好中球浸潤・有痛性紅斑・発熱を伴う皮膚障害(Sweet症候群)
27. 筋骨格注)
10%未満5%以上
筋骨格痛
28. 筋骨格注)
5%未満
筋力低下、筋痛、骨痛、筋骨格硬直、関節炎、筋痙縮
29. 腎臓・泌尿器注)
10%以上
腎機能障害
30. 腎臓・泌尿器注)
5%未満
排尿障害(尿閉、神経因性膀胱等)、蛋白尿、β2ミクログロブリン増加、尿中血陽性、尿沈渣異常
31. 全身注)
10%以上
倦怠感
32. 全身注)
10%未満5%以上
浮腫
33. 全身注)
5%未満
疲労、胸痛、疼痛、顔面浮腫、悪寒、無力症、口渇
34. その他注)
10%以上
LDH増加、CRP増加
35. その他注)
10%未満5%以上
血中クレアチニン増加
36. その他注)
5%未満
腫瘍熱、注射部位反応、総蛋白減少、PO2低下、PO2上昇、血中尿酸減少、血中クレアチニン減少、総蛋白増加、血中重炭酸塩減少、血中重炭酸塩増加、ほてり、潮紅、末梢冷感、静脈炎
**注)頻度は多発性骨髄腫を対象とした静脈内投与における国内臨床試験、特定使用成績調査及びマントル細胞リンパ腫を対象とした国際共同試験(日本人症例のみ)の集計結果による。ただし、市販後の国内自発報告あるいは海外で報告された副作用については頻度不明とした。
高齢者への投与
海外臨床試験において、65歳以上と65歳未満の患者で安全性及び有効性に差は認められなかったが、高齢者では一般に生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
なお、年齢別でのGrade 3以上の有害事象の発現頻度は、再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象とした海外第III相試験(039試験)の本剤群においては50歳以下で64%(27/42例)、51~64歳で78%(128/165例)、65歳以上で75%(93/124例)であった。また、海外第II相試験(024試験及び025試験)においては50歳以下で74%(29/39例)、51~65歳で80%(104/130例)、66歳以上で85%(74/87例)であった。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、原則として投与しないこと。妊娠中の患者に本剤が投与された場合、若しくは患者が本剤投与中に妊娠した場合は、胎児に悪影響を及ぼすおそれがあることを患者に知らせること。動物実験では、妊娠ウサギの器官形成期にボルテゾミブを0.05mg/kg(0.6mg/m2)投与したところ、有意な着床後死亡の増加とそれに伴う生存胎児数の減少が認められた。これらの生存胎児は有意な体重の減少も示した。
2.
授乳中の婦人に投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[安全性が確立していない。]
3.
妊娠可能年齢にある婦人においては避妊するよう指導すること。
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
過量投与
徴候、症状
推奨用量の2倍を超えた過量投与により、致命的な転帰を伴う急性の症候性低血圧及び血小板減少症が報告されている。
処置
本剤の過量投与に対する解毒剤は存在しない。過量投与が起きた場合は、患者のバイタルサインを観察し、血圧(輸液、昇圧薬又は強心薬などにより)及び体温を維持するために、適切な支持療法を行うことが推奨される。
適用上の注意
1. 投与経路
静脈内又は皮下にのみ投与すること。
2. 調製時
本剤の取扱い及び調製にあたっては、手袋を使用するなど慎重に行うこと。本剤が皮膚又は粘膜に触れた場合には、直ちに石鹸でよく洗うこと。
3. 投与時
本剤のバイアルは1回使い切りである。溶解後は8時間以内に使用すること。バイアル中の未使用残液は適切に廃棄すること。
(1) 静脈内投与
他の薬剤の混入を避けるため、本剤投与のためのルートを留置して実施すること。他の薬剤が投与されているルートを用いての投与は行わないこと。また、延長チューブを使用した際は、投与後速やかに日局生理食塩液でフラッシングを行うこと。
(2) 皮下投与
繰り返し皮下投与する場合には、左右の大腿部、腹部等に交互に投与するなど同一注射部位を避けること。
その他の注意
1.
動物(サル及びイヌ)を用いた試験において、ボルテゾミブを体表面積換算で臨床推奨用量の約2~3倍量を静脈内投与することにより、心拍数増加、心筋収縮力減弱及び低血圧が認められ、死に至った5)、6)。この心筋収縮力減弱及び低血圧の状態においても、陽性変力作用を示す薬剤あるいは昇圧剤投与に対する反応は認められた7)。イヌの試験において、致死用量ではQTc間隔の軽度な延長が認められた5)、7)。
2.
動物実験(ラット)において、0.20及び0.15mg/kg(1.20及び0.90mg/m2)群で精巣-精上皮の変性/萎縮及び低用量から卵巣黄体の単細胞壊死が認められた8)。
3.
チャイニーズハムスター卵巣細胞を用いたin vitro染色体異常試験で、評価を行った最低用量である3.125μg/mL以上で染色体異常誘発性(構造的染色体異常)を示した9)。
薬物動態
1. 血漿中濃度10)、11)
(1)
再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に、本剤0.7、1.0又は1.3mg/m2(各n=3、6又は5~7)を単独で、1日1回、週2回、2週間(1、4、8、11日目)静脈内投与したときの1日目及び11日目における血漿中ボルテゾミブ濃度を検討した。
各用量群の血漿中濃度推移は類似しており、速やかな分布相とそれに続く緩やかな長い消失相を特徴とする二相性の低下を示した。また、最終消失相における分布容積(Vz)より、ボルテゾミブの組織移行性が良好であることが示唆された。投与日間での比較の結果、1日目と比較し、11日目において、消失半減期(t1/2)の延長、全身クリアランス(CL)の低下が各用量群で見られた。このことに伴い、投与終了時の血漿中濃度(C0)並びに血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC)も1日目より11日目で高値を示した。一方、用量間での比較の結果、C0に用量相関性は認められなかったが、AUCに関しては各試験日において、個体間でのばらつきは大きいが、用量相関性が認められた。
(表1参照)
(2)
造血幹細胞移植の適応とならない未治療の多発性骨髄腫患者に、本剤0.7、1.0又は1.3mg/m2(各n=6、5~6又は3~4)を単独又はメルファラン及びプレドニゾロン併用で静脈内投与したときの血漿中ボルテゾミブ濃度を検討した。その結果、血漿中ボルテゾミブの薬物動態は本剤単独投与時とメルファラン及びプレドニゾロン併用で大きく異ならなかった。
(表2参照)
(3)
前治療歴のある多発性骨髄腫患者(外国人)に、本剤1.3mg/m2を単独で、1日1回、週2回、2週間(1、4、8、11日目)皮下投与(n=17)及び静脈内投与(n=14)したとき11日目における血漿中ボルテゾミブ濃度を検討した。その結果、本剤皮下投与時のCmaxは静脈内投与時の約1/10であったが、AUClastは両投与間で大きく異ならなかった。12)
(表3参照)
2. 血漿蛋白結合率13)
ヒトにおけるボルテゾミブの血漿蛋白結合率は78.9~85.7%であった(in vitro、限外ろ過法、10~1000ng/mL)。
3. 代謝14)、15)
ヒトにおけるボルテゾミブの主な代謝経路は脱ホウ素化であり、ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験より、ボルテゾミブが主にチトクロームP450 3A4、2C19及び1A2の基質であることが示されている。チトクロームP450 2D6及び2C9の寄与は小さい。また、ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験より、ボルテゾミブによるチトクロームP450 1A2、2C9、2D6及び3A4への阻害能は弱いが(IC50=>30μmol/L、>11.5μg/mL)、チトクロームP450 2C19に対する阻害能(IC50=18μmol/L、6.9μg/mL)が示されているため、本酵素の基質である薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。初代培養ヒト肝細胞を用いたin vitro試験より、ボルテゾミブによるチトクロームP450 1A2及び3A4の明確な誘導能は認められなかった。
代謝物の活性の有無
脱ホウ素化された代謝物は活性を示さない。
4. 排泄
ヒトにおけるボルテゾミブの排泄経路は特定されていない。
5. 腎機能障害(外国人)16)
クレアチニンクリアランス値(CrCL)で分類した様々な程度の腎機能を有する患者を対象に、本剤の薬物動態試験を実施した。また、透析後に本剤を投与した透析患者も本試験に組み入れた。本剤0.7~1.3mg/m2を週2回静脈内投与したときの8日目のボルテゾミブのクリアランス(CL)は以下の通りであった。
(表4参照)
6. 肝機能障害(外国人)17)
ビリルビン値で分類した様々な程度の肝機能を有する患者を対象に、本剤0.5~1.3mg/m2を週2回静脈内投与したときのボルテゾミブの用量で規格化したAUCは以下の通りであった。
(表5参照)
表1 再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に本剤を0.7、1.0又は1.3mg/m2で静脈内投与したときの各試験日における血漿中ボルテゾミブの薬物動態パラメータ(解析法:ノンコンパートメントモデル)
薬物動態パラメータ |
試験日 |
0.7mg/m2
(n=3)
平均値 |
0.7mg/m2
(n=3)
SD |
1.0mg/m2
(n=6)
平均値 |
1.0mg/m2
(n=6)
SD |
1.3mg/m2
(n=5~7)注)
平均値 |
1.3mg/m2
(n=5~7)注)
SD |
C0(ng/mL) |
1 |
73.75 |
7.89 |
144.92 |
179.31 |
185.84 |
57.65 |
C0(ng/mL) |
11 |
130.68 |
71.97 |
147.19 |
72.33 |
187.03 |
54.31 |
AUC(ng・hr/mL) |
1 |
14.04 |
0.70 |
28.58 |
24.86 |
46.50 |
19.89 |
AUC(ng・hr/mL) |
11 |
112.01 |
47.74 |
108.39 |
52.32 |
186.60 |
49.79 |
t1/2(hr) |
1 |
3.31 |
0.88 |
6.81 |
8.81 |
16.11 |
20.75 |
t1/2(hr) |
11 |
64.59 |
30.29 |
32.46 |
12.91 |
57.39 |
24.92 |
CL(L/hr) |
1 |
83.35 |
10.52 |
105.41 |
75.66 |
51.97 |
18.99 |
CL(L/hr) |
11 |
11.77 |
4.67 |
19.63 |
14.50 |
12.10 |
3.73 |
Vz(L) |
1 |
406.92 |
154.03 |
520.08 |
349.87 |
894.41 |
682.35 |
Vz(L) |
11 |
978.51 |
263.13 |
731.69 |
242.35 |
957.81 |
350.40 |
注)1日目:n=7、11日目:n=5
表2 造血幹細胞移植の適応とならない未治療の多発性骨髄腫患者に本剤0.7、1.0又は1.3mg/m2を単独又はメルファラン及びプレドニゾロン併用で静脈内投与したときの血漿中ボルテゾミブの薬物動態パラメータ(解析法:ノンコンパートメントモデル)
薬物動態パラメータ |
投与法 |
0.7mg/m2(n=6)
平均値 |
0.7mg/m2(n=6)
SD |
1.0mg/m2(n=5~6)注1)
平均値 |
1.0mg/m2(n=5~6)注1)
SD |
1.3mg/m2(n=3~4)注2)
平均値 |
1.3mg/m2(n=3~4)注2)
SD |
C0.08h
(ng/mL) |
単独 |
45.43 |
10.09 |
59.42 |
18.89 |
120.3 |
24.53 |
C0.08h
(ng/mL) |
併用 |
34.40 |
5.799 |
69.50 |
19.46 |
88.87 |
19.57 |
AUClast
(ng・hr/mL) |
単独 |
28.82 |
14.64 |
62.56 |
24.80 |
115.0 |
28.67 |
AUClast
(ng・hr/mL) |
併用 |
26.69 |
12.87 |
82.77 |
13.83 |
75.59 |
20.43 |
注1)本剤単独投与時:n=6、メルファラン及びプレドニゾロン併用時:n=5
注2)本剤単独投与時:n=4、メルファラン及びプレドニゾロン併用時:n=3
表3 前治療歴のある多発性骨髄腫患者に本剤1.3mg/m2を皮下投与及び静脈内投与したときの血漿中ボルテゾミブの薬物動態パラメータ(解析法:ノンコンパートメントモデル)
薬物動態パラメータ |
皮下投与(n=17)
平均値 |
皮下投与(n=17)
SD |
静脈内投与(n=14)
平均値 |
静脈内投与(n=14)
SD |
Cmax(ng/mL) |
20.4 |
8.87 |
223 |
101 |
tmax(hr)注) |
0.50 |
(0.08~1.00) |
0.03 |
(0.03~0.08) |
AUClast(ng・hr/mL) |
155 |
56.8 |
151 |
42.9 |
注)中央値(最小値~最大値)
表4 腎機能の程度別の血漿中ボルテゾミブのCL(8日目)
腎機能の程度(CrCL) |
≧60mL/min/1.73m2 |
40~59mL/min/1.73m2 |
20~39mL/min/1.73m2 |
<20mL/min/1.73m2 |
透析群 |
n注) |
12 |
9 |
9 |
3 |
8 |
平均値 |
30.5 |
29.6 |
28.9 |
27.7 |
24.7 |
SD |
10.0 |
18.5 |
13.5 |
13.4 |
10.1 |
注)薬物動態評価対象例数
表5 肝機能の程度別の血漿中ボルテゾミブの用量で規格化したAUC(8日目)
肝機能の程度(ビリルビン値) |
施設基準値以下 |
施設基準値の>1.0~1.5倍 |
施設基準値の>1.5~3倍 |
施設基準値の>3倍 |
n注) |
11 |
9 |
8 |
14 |
幾何平均値 |
52.2 |
51.9 |
85.0 |
83.2 |
変動係数(%) |
25.7 |
90.7 |
26.6 |
57.1 |
注)薬物動態評価対象例数
臨床成績
1.
再発又は難治性の多発性骨髄腫に対する海外第III相比較試験(039試験)における成績概要は以下のとおりであった。18)
1~3回の前治療歴を有する患者を対象とする無作為化非盲検群間比較試験の本剤群では1.3mg/m2を静脈内投与した。腫瘍増殖抑制期間(TTP)は、デキサメタゾン群の3.5ヵ月(中央値)に対して、本剤群で6.2ヵ月(中央値)であった。生存期間のハザード比は、0.57(95%信頼区間0.40,0.81;p<0.05)であった。なお、生存期間中央値は、全患者の本剤群で16.6ヵ月であった以外は、追跡期間が短くすべて評価不能であった。
(表6参照)
2.
造血幹細胞移植の適応とならない未治療の多発性骨髄腫に対する海外第III相臨床試験(MMY3002試験)における成績概要は以下のとおりであった19)、20)。
造血幹細胞移植の適応とならない未治療の多発性骨髄腫患者を対象とする無作為化非盲検群間比較試験において、メルファラン9mg/m2とプレドニゾン60mg/m2の併用療法(MP療法)とMP療法に本剤(静脈内投与)1.3mg/m2を上乗せしたVMP療法を比較した。腫瘍増殖抑制期間(TTP)は、MP群の15.0ヵ月(中央値)に対して、VMP群で20.7ヵ月(中央値)であった。生存期間は、MP群の43.1ヵ月(中央値)に対して、VMP群では推定不能であった。
(表7参照)
3.
前治療歴のある多発性骨髄腫に対する海外第III相臨床試験(MMY3021試験)における成績概要は以下のとおりであった12)。
1~3回の前治療歴を有する患者を対象とする無作為化非盲検非劣性試験の皮下投与群及び静脈内投与群では本剤1.3mg/m2を投与した。主要評価項目であるサイクル4までの全奏効率(ORR)は、皮下投与群、静脈内投与群ともに42%であり、非劣性が検証された。副次評価項目である腫瘍増殖抑制期間(TTP)及び1年生存率は、静脈内投与群で9.4ヵ月(中央値)及び76.7%、皮下投与群で10.4ヵ月(中央値)及び72.6%であった。
(表8参照)
4.
**造血幹細胞移植の適応とならない未治療のマントル細胞リンパ腫に対する国際共同第III相試験(LYM3002試験)の成績概要は以下のとおりであった21)。
造血幹細胞移植の適応とならない未治療のマントル細胞リンパ腫患者を対象とする無作為化非盲検群間比較試験において、リツキシマブ375mg/m2、シクロホスファミド750mg/m2、ドキソルビシン50mg/m2、ビンクリスチン1.4mg/m2及びプレドニゾン100mg/m2の併用療法(R-CHOP療法注1))と、R-CHOP療法のビンクリスチンを本剤に置き換えたVcR-CAP療法注2)(本剤[静脈内投与]1.3mg/m2、リツキシマブ375mg/m2、シクロホスファミド750mg/m2、ドキソルビシン50mg/m2及びプレドニゾン100mg/m2)を比較した。無増悪生存期間(PFS)は、R-CHOP群の14.4ヵ月(中央値)に対して、VcR-CAP群で24.7ヵ月(中央値)であった。生存期間は、R-CHOP群の56.3ヵ月(中央値)に対して、VcR-CAP群では推定不能であった。
(表9参照)
**注1)21日間を1サイクルとして、リツキシマブ375mg/m2、シクロホスファミド750mg/m2、ドキソルビシン50mg/m2及びビンクリスチン1.4mg/m2(最大2mg)を1日目に静脈内投与並びにプレドニゾン100mg/m2を1~5日目に経口投与
**注2)21日間を1サイクルとして、本剤1.3mg/m2を1、4、8及び11日目に静脈内投与、リツキシマブ375mg/m2、シクロホスファミド750mg/m2及びドキソルビシン50mg/m2を1日目に静脈内投与並びにプレドニゾン100mg/m2を1~5日目に経口投与
表6 海外第III相比較試験(039試験)における有効性解析の要約
評価項目 |
全患者
本剤
n=333 |
全患者
デキサメタゾン
n=336 |
前治療回数1回のみ
本剤
n=132 |
前治療回数1回のみ
デキサメタゾン
n=119 |
前治療回数>1回
本剤
n=200 |
前治療回数>1回
デキサメタゾン
n=217 |
TTP |
|
|
|
|
|
|
イベント数(%) |
147(44) |
196(58) |
55(42) |
64(54) |
92(46) |
132(61) |
中央値(月)
(95%信頼区間) |
6.2
(4.9,6.9) |
3.5
(2.9,4.2) |
7.0
(6.2,8.8) |
5.6
(3.4,6.3) |
4.9
(4.2,6.3) |
2.9
(2.8,3.5) |
ハザード比
(95%信頼区間) |
0.55
(0.44,0.69) |
0.55
(0.44,0.69) |
0.55
(0.38,0.81) |
0.55
(0.38,0.81) |
0.54
(0.41,0.72) |
0.54
(0.41,0.72) |
p値注1) |
<0.0001 |
<0.0001 |
0.0019 |
0.0019 |
<0.0001 |
<0.0001 |
生存期間 |
|
|
|
|
|
|
死亡患者数(%) |
51(15) |
84(25) |
12(9) |
24(20) |
39(20) |
60(28) |
ハザード比
(95%信頼区間) |
0.57
(0.40,0.81) |
0.57
(0.40,0.81) |
0.39
(0.19,0.81) |
0.39
(0.19,0.81) |
0.65
(0.43,0.97) |
0.65
(0.43,0.97) |
p値注1) |
<0.05 |
<0.05 |
<0.05 |
<0.05 |
<0.05 |
<0.05 |
注1)無作為化の層別因子により調整したLog-rank検定でのp値
表7 海外第III相臨床試験(MMY3002試験)における有効性解析の要約
|
VMP
n=344 |
MP
n=338 |
TTP |
|
|
イベント数(%) |
101(29) |
152(45) |
中央値(月)(95%信頼区間) |
20.7(17.6,24.7) |
15.0(14.1,17.9) |
ハザード比(95%信頼区間) |
0.54(0.42,0.70) |
0.54(0.42,0.70) |
p値注1) |
0.000002 |
0.000002 |
生存期間 |
|
|
死亡患者数(%) |
109(32) |
148(44) |
中央値(月)(95%信頼区間) |
NE(46.2,NE) |
43.1(34.8,NE) |
ハザード比(95%信頼区間) |
0.65(0.51,0.84) |
0.65(0.51,0.84) |
p値注1) |
0.00084 |
0.00084 |
注1)無作為化の層別因子により調整したLog-rank検定でのp値
表8 海外第III相臨床試験(MMY3021試験)における有効性解析の要約
|
本剤静脈内投与 |
本剤皮下投与 |
サイクル4までの全奏効率(ORR注1)) |
|
|
評価例数 |
73 |
145 |
全奏効例数 |
31 |
61 |
ORR(%) |
42 |
42 |
p値注2) |
0.00201 |
0.00201 |
ORR比(95%信頼区間) |
0.99(0.71, 1.37) |
0.99(0.71, 1.37) |
TTP |
|
|
評価例数 |
74 |
148 |
中央値(月)(95%信頼区間) |
9.4(7.6, 10.6) |
10.4(8.5, 11.7) |
ハザード比(95%信頼区間) |
0.839(0.564, 1.249) |
0.839(0.564, 1.249) |
p値注3) |
0.38657 |
0.38657 |
1年生存率(%)(95%信頼区間) |
76.7(64.1, 85.4) |
72.6(63.1, 80.0) |
注1)CR+PR
注2)非劣性検定でのp値
注3)無作為化の層別因子により調整したLog-rank検定でのp値
**表9 国際共同第III相臨床試験(LYM3002試験)における有効性解析の要約
|
VcR-CAP
n=243 |
R-CHOP
n=244 |
PFS |
|
|
イベント数(%) |
133(55) |
165(68) |
中央値(月)(95%信頼区間) |
24.7(19.8, 31.8) |
14.4(12.0, 16.9) |
ハザード比(95%信頼区間) |
0.63(0.50, 0.79) |
0.63(0.50, 0.79) |
p値注3) |
<0.001 |
<0.001 |
生存期間 |
|
|
死亡患者数(%) |
71(29) |
87(36) |
中央値(月)(95%信頼区間) |
NE(56.0, NE) |
56.3(47.2, NE) |
ハザード比(95%信頼区間) |
0.80(0.59, 1.10) |
0.80(0.59, 1.10) |
p値注3) |
0.173 |
0.173 |
**注3)無作為化の層別因子により調整したLog-rank検定でのp値
薬効薬理
1. **薬理作用22)、23)、24)、26)
(1)
ボルテゾミブは、in vitro試験において、ヒト骨髄腫由来RPMI8226及びU266 細胞株、ヒトマントル細胞リンパ腫由来SP53、MINO、Grant 519 及びJeko-1 細胞株並びに多発性骨髄腫及びマントル細胞リンパ腫患者から分離した腫瘍細胞の増殖を抑制し、アポトーシスを誘導した。また、ドキソルビシン、ミトキサントロン、メルファラン又はデキサメタゾンに耐性となった骨髄腫細胞株に対しても増殖抑制作用を示した。
(2)
ボルテゾミブは、RPMI8226 細胞株を移植した担癌マウスにおいて、腫瘍の増大を抑制し、延命効果を示した。
2. **作用機序22)、24)、25)、26)
(1)
ボルテゾミブは、腫瘍細胞のプロテアソームを阻害することにより、その増殖を抑制しアポトーシスを誘導する。
(2)
ボルテゾミブは、細胞の増殖やアポトーシスを制御する転写因子NF-κBの活性化を阻害する。
(3)
ボルテゾミブは、NF-κBの活性化を阻害することにより、骨髄腫細胞と骨髄ストローマ細胞の接着を阻害し、IL-6等のサイトカインの分泌を抑制し、骨髄腫細胞の増殖を抑制する。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
ボルテゾミブ(JAN)、Bortezomib(JAN)
化学名
{(1R)-3-Methyl-1-[(2S)-3-phenyl-2-(pyrazine-2-carboxamido)propanamido]butyl}boronic acid
分子式
C19H25BN4O4
分子量
384.24
化学構造式
性状
白色~微黄白色の粉末又は塊
溶解性
2-プロパノール又はアセトニトリルに溶けにくい。
分配係数
k0=100.87(pH1~8)
k1<0.1(pH8.5以上)
(1-オクタノール/水)
取扱い上の注意
包装開封後もバイアルを箱に入れて遮光保存すること。
承認条件
**医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
包装
ベルケイド注射用3mg:1バイアル
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
ベルケイド適正使用ガイド(肺障害発現例の情報含む)
2)
向井陽美, 他:臨床血液, 52, 1859, 2011
3)
Venkatakrishnan, K. et al.:Clin. Ther., 31, 2444, 2009
4)
Hellmann, A., et al.:Clin Pharmacokinet., 50, 781, 2011
5)
Sutton, A.:ボルテゾミブの毒性試験(社内資料)
6)
Hassler, C. R., et al.:ボルテゾミブの毒性試験(社内資料)
7)
Hawk, M. A., et al.:ボルテゾミブの毒性試験(社内資料)
8)
Pouliot, L., et al.:ボルテゾミブの毒性試験(社内資料)
9)
Gudi, R., et al.:ボルテゾミブの染色体異常試験(社内資料)
10)
Ogawa, Y., et al.:Cancer Sci., 99, 140, 2008
11)
吉田武:ボルテゾミブの国内第I/II相臨床試験(社内資料)
12)
Moreau P., et al.:Lancet Oncol., 12, 431, 2011
13)
Fathulla, R., et al.:ボルテゾミブの蛋白結合率の検討(社内資料)
14)
Uttamsingh, V.:ボルテゾミブの代謝の検討(社内資料)
15)
Read, M.:ボルテゾミブ代謝物の活性の検討(社内資料)
16)
腎機能障害患者におけるボルテゾミブの薬物動態試験(社内資料)
17)
LoRusso, P. M., et al.:Clin Cancer Res., 18, 2954, 2012
18)
Richardson, P. G., et al.:N. Engl. J. Med., 352, 2487, 2005
19)
San Miguel, J. F., et al.:N. Engl. J. Med., 359, 906, 2008
20)
Mateos, M. V., et al.:J. Clin. Oncol. 28, 2259, 2010
21)
**Robak, T., et al.:N. Engl. J. Med., 372, 944, 2015
22)
Hideshima, T., et al.:Cancer Res., 61, 3071, 2001
23)
Neumeier, H., et al.:ボルテゾミブの薬理作用(社内資料)
24)
LeBlanc, R., et al.:Cancer Res., 62, 4996, 2002
25)
McCormack, T.:ボルテゾミブの薬理作用(社内資料)
26)
**Wang M, et al.:Leukemia., 22:179, 2008
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