エクストラニール腹膜透析液
作成又は改訂年月
*2009年10月改訂(第2版)
2009年3月作成
日本標準商品分類番号
87342
薬効分類名
腹膜透析液
承認等
販売名
エクストラニール腹膜透析液
販売名コード
3420432A1038
3420432A3030
3420432A2034
3420432A4037
承認・許可番号
承認番号
22000AMX02453000
欧文商標名
EXTRANEAL
薬価基準収載年月
排液用バッグなし 2009年3月
排液用バッグ付 2009年3月
販売開始年月
排液用バッグなし 2003年6月
排液用バッグ付 2003年6月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存(ただし、直射日光を避ける。また、バッグを破るおそれがあるので凍結を起こさない場所で保存する。)
使用期限
18ヵ月(最終使用年月をバッグ及び外箱に表示。)
注意
[取扱い上の注意]の項参照
規制区分
処方せん医薬品注)
注)注意-医師等の処方せんにより使用すること
組成
<成分・分量>
成分 化学式 分量(g/L)
イコデキストリン (C6H10O5)n・xH2O 75
塩化ナトリウム NaCl 5.35
乳酸ナトリウム C3H5NaO3 4.48
塩化カルシウム CaCl2・2H2O 0.257
塩化マグネシウム MgCl2・6H2O 0.051
添加物
塩酸(pH調整剤) HCl 適量
添加物
水酸化ナトリウム(pH調整剤) NaOH 適量
<電解質濃度>
電解質 化学式 濃度(mEq/L)
ナトリウムイオン Na+ 132
カルシウムイオン Ca2+ 3.5
マグネシウムイオン Mg2+ 0.5
塩素イオン Cl- 96
乳酸イオン C3H5O3- 40
性状
無色~微黄色の澄明な液体で、無臭である。
総浸透圧
282mOsm/L(理論値)
pH
5.0~5.7
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.
トウモロコシデンプン由来物質に対し、過敏症の既往のある患者[本剤に含まれるイコデキストリンは、トウモロコシデンプンから得られた物質であるため]
2.
糖原病の患者[マルターゼ欠損のため]
3.
横隔膜欠損のある患者[胸腔へ移行し、呼吸困難が誘発されるおそれがある]
4.
腹部に挫滅傷又は熱傷のある患者[挫滅又は熱傷の治癒を妨げるおそれがある]
5.
高度の腹膜癒着のある患者[腹膜の透過効率が低下しているため]
6.
尿毒症に起因する以外の出血性素因のある患者[出血により蛋白喪失が亢進し、全身状態が悪化するおそれがある]
7.
乳酸代謝障害の疑いのある患者[乳酸アシドーシスが誘発されるおそれがある]
効能又は効果
慢性腎不全患者における腹膜透析
効能又は効果に関連する使用上の注意
1.
本剤及びブドウ糖含有腹膜透析液それぞれの貯留時間と除水量の関係を十分理解し、透析液を選択及び処方すること。ただし、本剤の使用は1日1回のみである。(【薬効薬理】の項参照)
2.
CAPD用腹膜透析液における用法・用量の範囲で適正に処方し、溢水と透析不足の原因となる食事内容やカテーテルトラブル等を排除したうえでこれらの症状が改善されない患者に本剤を適用するときは、必ず腹膜平衡試験(PET)等必要な検査を行いCAPD治療中止対象患者でないことを確認すること。また、本剤適用後も定期的に腹膜平衡試験(PET)を実施し、必要に応じCAPDの一時中止等の処置をとること。この際、「硬化性被嚢性腹膜炎(SEP)予防のためのCAPD中止基準指針」1)が参考になる。
用法及び用量
腹膜透析治療において1日1回のみ使用すること。通常、成人には1日3~5回交換のうち1回の交換において本剤1.5~2Lを腹腔内に注入し、8~12時間滞液し、効果期待後に排液除去すること。本剤以外の交換にはブドウ糖含有腹膜透析液を用いること。
なお、注入量及び滞液時間は、症状、血液生化学値、体液平衡、年齢、体重等を考慮し適宜増減する。注入及び排液速度は、通常300mL/分以下とする。
用法及び用量に関連する使用上の注意
1.
1日1回のみ使用とすること。
2.
本剤は1.36及び2.27%ブドウ糖含有腹膜透析液使用時に比べ、限外濾過量が増加するため、脱水症状を起こすことがないよう、本剤処方時は本剤と組み合わせて使用するブドウ糖含有腹膜透析液のブドウ糖濃度を併せて見直すこと。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
腹膜炎、腹膜損傷、腹膜癒着及び腹腔内臓器疾患の疑いのある患者[腹膜炎、腹膜損傷、腹膜癒着及び腹腔内臓器疾患が悪化又は誘発されるおそれがある]
2.
腹部手術後の患者[手術部位の治癒を妨げるおそれがある]
3.
ジギタリス治療中の患者[ジギタリス中毒が誘発されるおそれがある]
4.
食事摂取が不良の患者[栄養状態が悪化するおそれがある]
5.
腹部ヘルニアのある患者[腹部ヘルニアが悪化するおそれがある]
6.
腰椎障害のある患者[腰椎障害が悪化するおそれがある]
7.
憩室炎のある患者[憩室炎が腹膜炎合併の原因となるおそれがある]
8.
人工肛門使用患者[細菌感染を起こすおそれがある]
9.
利尿剤を投与している患者[水及び電解質異常が誘発されるおそれがある]
10.
高度の換気障害のある患者[胸腔圧迫により換気障害が悪化するおそれがある]
11.
高度の低蛋白血症のある患者[低蛋白血症が悪化するおそれがある]
12.
ステロイド服用患者及び免疫不全患者[易感染性であるため]
重要な基本的注意
1.
注入液、排液の出納に注意すること。
2.
本剤の投与初期は、水分摂取量及び透析液の組合せによる除水量の管理に十分注意すること。
3.
本剤の投与開始は、医療機関において医師により、又は医師の直接の監督により実施すること。通院、自己投与は、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を施したのち、医師自らの管理指導の下に実施すること。
4.
本剤使用時に発疹等の皮膚反応が生じ、症状が継続もしくは悪化する場合には、本剤の使用を中止し、副腎皮質ホルモン剤、抗ヒスタミン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
5.
腹膜炎を合併することがある2)ので、本