製薬会社:ホスピーラ・ジャパン株式会社 |
622019401 |
2010-11 |
商品名: |
イリノテカン塩酸塩点滴静注液40㎎「ホスピーラ」 |
英名: |
Irinotecan Hydrochloride I.V.Infusion 40mg 「Hospira」 |
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この薬の作用と効果について
がん細胞の増殖を抑える作用があり、静脈内に点滴静注することにより、肺、女性生殖器(卵巣・子宮けい部)、消化器(大腸・胃)、乳房、皮膚、血液領域の幅広いがんに対して効果を示します。 |
注射の前に確認すること
・次のような人は注射のまえに主治医に申し出てください:
以前に薬を飲んで、または注射を受けて、発しんやかゆみなどが出たことがある。
-過敏症
-骨髄機能抑制がある。(いつもより体が熱く感じる。皮下出血がある。)
-感染症にかかっている。(寒気がする。熱がある。だるい。)
-下痢がある。(水様の便が出る。)
-腸管麻痺・腸閉塞がある。(お腹が張って痛み、吐き気がする.糞便が出なくなったり、おならが止まらない。)
-間質性肺炎・肺繊維症(から咳がでる。息切れがする。)
-多量の腹水、胸水がある。(お腹が膨れている。下半身がむくむ。呼吸が浅く速くなる.胸の痛み,息切れがする。)
-黄疸がある。(皮膚や結膜などが黄色くなる。尿の色が濃くなる。身体がだるい。体質性黄疸といわれたことがある。)
-肝障害、腎障害がある。(肝臓、腎臓が悪い。)
-糖尿病がある。(口渇、多飲、多尿、疲れやすい、体重が減少する。)
-全身衰弱が著しい。
-高齢者
-<相互作用>アタザナビル硫酸塩(商品名:レイアタッツ)を飲んでいる。
・この注射を行う期間:
通常、1週に1回、または2週に1回を一定期間投与した後、効果を見ながら投与期間を決めます。1週間の間に3日間連続投与する方法もあります。
・注射の方法:
通常、ブドウ糖液、生理食塩液、又は電解質維持液に混ぜ、点滴静注します。
・その他:
食べ物の種類によっては影響を受けることがあります。
-グレープフルーツジュースによりくすりの働きが強まるおそれがあるので、注射した際には飲まないでください。
-セント・ジョーンズ・ワート(St. John’s Wort、和名:セイヨウオトギリソウ)のようなハーブを含有した食品によりくすりの働きが弱まるおそれがあるので、注射した際には食べないでください。 |
副作用について
・薬は人によって、目的の効果以外に、望ましくない作用が出る場合もあります。
◎次のような症状に気づいたら、すぐに主治医や薬剤師、看護師に申し出てください:
1.<骨髄機能抑制>いつもより体がだるく熱っぽい、皮下出血がある。
2.<重症感染症(敗血症、肺炎等)>寒気がする。ふるえを伴う急激な高熱がでる。脈拍数が増加する。筋肉痛がある。関節が痛い。血圧が下がる。咳や痰が出る。息切れする。
3.<DIC(播種性血管内凝固症候群) > 階段や坂を上る時に心臓がドキドキする。息切れがする。身体がだるくなる。鼻血、歯ぐきの出血、皮下出血など、出血しやすくなる。
4.<感染症>寒気がする。熱がある。だるい。
5.<下痢・腸炎>泥状または水様の便が続く。突然、下痢になったり、吐き気、おなかが痛くなる。また、長期的に下痢や便通異常が続いたり、便に粘液が混ざることがある。
6.<腸管麻痺・腸閉塞>おなかが張って痛み、吐き気がする。便が出なくなったり、おならがとまる。
7.<消化管出血>暗赤色・鮮血色の血液が便の表面に付着する。イチゴゼリー状の便、黒色便、タール便がでる。
8.<腸管穿孔>激しい腹痛が始まり痛いが持続する。
9.<過敏症>発しんやかゆみなどがでる。熱感があって、だるい。気分が悪い。
10.<ショック>下痢や吐いた後、顔が青ざめる。冷汗がでる。たちくらみやめまいがする。息切れがする。意識がなくなる。
11.<アナフィラキシー様症状>口の中に違和感を感じる。唇がしびれる。息苦しくなる。蕁麻疹やかゆみがでる。眼や唇のまわりが脹れる。意識障害がある。心臓がドキドキする。息切れがする。身体がだるくなる。頬などが赤らむ。
12.<肝機能障害>身体がだるくなり、吐き気がする。尿の色が濃くなる。白目や皮膚が黄色くなる。
13.<急性腎不全>尿量が少ない。食欲がでない。身体がだるい。むくむ。
14.<間質性肺炎・肺繊維症>から咳がでる。息苦しい。息切れがする。
15.<肺塞栓症>突然、息が苦しくなり、胸骨(胸の中央の骨)の下に不快感を覚える。脈が速くなる。
16.<静脈血栓症>下半身で血液がうっ滞をおこしたところが脹れたり、口唇や頬が青紫色になる。歩行により痛みが増す。
17.<心筋梗塞>突然、胸が閉めつめられたり、焼けるような痛みが強く、長く続く。
18.<狭心症発作>急に胸が締め付けられたり、押さえつけられたり、詰まったような痛みが起こる。胸だけでなく、みぞおち付近や左腕、方まで痛みが響くことがある。
19.<心室性期外収縮>瞬間的に心臓がドキッとしたり、脈が抜けたような感じや息が詰まる感じがする。
◆次のような症状に気づいたら、早めに主治医や薬剤師、看護師に相談してください:
<悪心・嘔吐>ムカムカして気分が悪い。1日数回吐く。
<食欲不振>食欲が出ない。
<腹痛>おなかがゴロゴロしたり、グルグルする。お腹が痛い。
<脱毛>ブラシや櫛で髪をとかすと、いつもより抜け毛が多い。枕に抜け毛がたくさんついている。
◇上記のほかに次のような副作用が出ることがあります:
<食道炎><吐血><腸管運動亢進><しゃっくり><腹部膨満感><口内炎><胃潰瘍><胃・腹部不快感><胃炎><消化不良><便秘><AST(GOT)上昇><ALT(GPT)上昇><ALP上昇><ビリルビン上昇><LDH上昇><γ-GTP上昇><腎機能障害(BUN上昇、クレアチニン上昇等)><クレアチニンクリアランス低下><電解質異常><蛋白尿><血尿><尿沈渣異常><欠尿><呼吸困難><PaO2低下><気管支炎><上気道炎><咽頭炎><鼻炎><咽頭痛><咳嗽><発疹><瘙痒感><蕁麻疹><色素沈着><浮腫><発赤><帯状疱疹><粘膜炎><しびれ感等の末消神経障害><頭痛><めまい><精神症状><意識障害><傾眠><興奮・不安感><不穏><痙攣><耳鳴><味覚異常><抑うつ状態><目のかすみ><不眠><振戦><頻脈><心電図異常><血圧低下><動悸><不整脈><徐脈><心房細動><高血圧><倦怠感><発熱><熱感><発汗><顔面潮紅><疼痛><腰痛><腹水><鼻汁><好酸球増加><総蛋白減少><アルブミン減少><カルシウム異常><尿酸異常><尿ウロブリノーゲン異常><糖尿><脱水><コリン作動性症候群><悪寒><胸部不快感><胸痛><関節痛><筋痛><鼻出血><脱力感><無力症><疲労><体重増加><体重減少><LDH低下><白血球増加><血小板増加><白血球分画の変動><CRP上昇><注射部位反応(発赤、疼痛等)><血管炎><流涙>
・他にもからだの異常を感じたら、主治医や薬剤師、看護師に相談してください。 |
注射のあとに注意していただくこと
・授乳中の婦人は授乳を中止してください。
・いろいろな副作用がでてきますが、これらの多くは頻度が高いものではありません。しかし、骨髄機能抑制と下痢には特に注意する必要があります。
・骨髄機能が低下すると、感染が起こりやすくなったり、出血が起こりやすくなりますが、自分ではなかなか気づきません。したがって定期的に(週1~2回、場合によってはそれ以上)血液の検査をして早期発見に心がける必要があります。
○その他・遺伝子多型の診断により、重篤な副作用(特に好中球減少)発現の可能性が予測しやすくなります。詳しくは主治医や薬剤師、看護師に相談してください。 |
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