により血中成長ホルモンの値が上昇することがあるので、ベッドにて安静を保ってから投与すること。
(3)
年齢30歳以上及び肥満度が+20%を超える人では血中成長ホルモンの反応性が低い。
薬物動態
血中濃度
健常成人男子において、早朝安静空腹時に静脈内投与(100μg、1回投与)して血漿中growth hormone-releasing factor濃度の推移を検討した結果、半減期はα相が0.8±0.3分で、β相は18.6±1.7分であった。1)
臨床成績
1. 健常人に対する臨床効果2)~7)
5施設における健常人合計82例(年齢9~84歳、肥満度-30.4~+61.5%)を対象として、本剤投与後の血中成長ホルモン濃度を測定した結果、早朝空腹時に本剤100μgを静脈内投与したとき、血中成長ホルモンの反応は良好な再現性を示し、かつ性差のないことが確認された。また年齢30歳以上及び肥満度+20%以上の人では反応性の低いことが確認された。なお、年齢30歳未満でかつ肥満度+20%未満の健常人44例において、本剤投与後の成長ホルモンの最高血中濃度(Cmax)は32.2±3.0ng/mL、最高血中濃度到達時間(Tmax)は34.1±3.4分であった。
2. 低身長を主訴とする患者に対する臨床効果8)
28施設における合計322例(年齢5~24歳、肥満度+20%未満)の成長ホルモン分泌不全及び低身長を主訴とする患者を対象とした一般臨床試験(投与量:18歳末満1μg/kg、18歳以上100μg、投与方法:早朝空腹時に1回静脈内注射)において、本剤投与後の成長ホルモンの最高血中濃度(Cmax)及び最高血中濃度到達時間(Tmax)に関し、以下の成績が得られた。(表1参照)
臨床成績の表
表1
対象者 症例数 Cmax(ng/mL) Tmax(分)
正常低身長者※1 141 39.5±2.2 45.6±2.5
**特発性成長ホルモン分泌不全性低身長症(軽症型)※2 30 27.2±3.7 41.5±5.9
**特発性成長ホルモン分泌不全性低身長症(重症型)※3 73 7.2±0.9 53.6±3.3
**二次性成長ホルモン分泌不全性低身長症 29 5.2±0.8 54.3±4.0
原発性甲状腺機能低下症 3 9.7±4.4 40.0±10.0
ターナー症候群 21 25.1±2.8 50.7±6.9
その他の疾患 25 32.3±4.8 46.8±7.2
(平均値±標準誤差)
※1:身長が同性同年齢の平均身長以下で、原則として、従来の成長ホルモン(GH)分泌刺激試験(インスリン負荷試験、アルギニン負荷試験、L-DOPA負荷試験等)のいずれかによるGHのCmaxが10ng/mL、又はプロプラノロールを併用するGH分泌刺激試験によるGHのCmaxが15ng/mLを超える症例。
※2:上記従来のGH分泌刺激試験によるGHのCmaxが5<Cmax≦10ng/mLであるか、プロプラノロールを併用するGH分泌刺激試験によるCmaxが10<Cmax≦15ng/mLを示す症例。
※3:上記従来のGH分泌刺激試験によるGHのCmaxが5ng/mL以下であるか、プロプラノロールを併用するGH分泌刺激試験によるCmaxが10ng/mL以下を示す症例。
薬効薬理
成長ホルモン分泌促進作用
(1)
ラット下垂体前葉細胞の単層培養系を用いたin vitro試験において、本剤は濃度依存性の成長ホルモン分泌促進作用を示す。
(2)
ペントバルビタール麻酔下ラットに静脈内投与するとき、血漿中成長ホルモン濃度は投与量に相関し、投与4~6分後にピークを示す。
*有効成分に関する理化学的知見
一般名
ソマトレリン酢酸塩(酢酸ソマトレリン)(Somatorelin Acetate)
化学名
成長ホルモン分泌因子(ヒト)-(1-44)-ペプチドアミド 六酢酸塩
growth hormone-releasing factor(human)-(1-44)-peptide amide hexaacetate
構造式
分子式
C215H358N72O66S・6CH3COOH
分子量
5399.96
性状
白色の粉末又は薄片で、酢酸臭がある。
酢酸(100)に溶けやすく、水にやや溶けやすく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
包装
注射用GRF住友50:1バイアル(日局注射用水1mL添付)
注射用GRF住友100:1バイアル(日局注射用水1mL添付)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
増田明継ほか:ホルモンと臨床,35:37,1987.
2)
高野加寿恵ほか:ホルモンと臨床,35:1,1987.
3)
伊原利和ほか:ホルモンと臨床,35:9,1987.
4)
吉田尚義ほか:ホルモンと臨床,35:15,1987.
5)
加藤 譲:ホルモンと臨床,35:23,1987.
6)
土屋寛泰ほか:ホルモンと臨床,35:29,1987.
7)
高野加寿恵ほか:ホルモンと臨床,35:41,1987.
8)
高野加寿恵ほか:ホルモンと臨床,35:53,1987.
製品に関するお問い合わせ先・文献請求先
大日本住友製薬株式会社
〒553-0001 大阪市福島区海老江1-5-51
くすり情報センター
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