性がある。一方、悪性肝腫瘍(肝癌)の発生率は極めて低く、100万人当たり1人に満たない。
4. 卵胞ホルモン剤を妊娠動物(マウス)に投与した場合、児の成長後腟上皮及び子宮内膜の悪性変性を示唆する結果が報告されている。また、新生児(マウス)に投与した場合、児の成長後腟上皮の悪性変性を認めたとの報告がある。
5. 外国で、経口避妊薬の服用により全身性エリテマトーデス(SLE)の悪化、溶血性尿毒症症候群(HUS)があらわれたとの報告がある。
6. 外国で、経口避妊薬の服用による角膜厚の変化等によりコンタクトレンズがうまく調整されないため、視力・視野の変化、装用時の不快感等がみられたとの報告がある。
薬物動態
1. 吸収・血中濃度
〔ルナベル配合錠LD〕
1) 単回投与1) 健常成人女性29例への本剤(ノルエチステロン1mg、エチニルエストラジオール0.035mg)単回投与時の薬物動態パラメータは、以下のとおりであった。(表1参照)
2) 反復投与2) 健常成人女性9例に本剤と同一成分・含量の薬剤を21日間反復投与した場合の薬物動態パラメータは、以下のとおりであった。(表2参照)
〔ルナベル配合錠ULD〕
1) 単回投与3) 健康成人女性12例への本剤(ノルエチステロン1mg、エチニルエストラジオール0.02mg)単回投与時の薬物動態パラメータは、以下のとおりであった。(表3参照)
2) 反復投与 ノルエチステロン、エチニルエストラジオールともに投与4日目から定常状態に達すると考えられる。
2. 代謝4) ノルエチステロンは主にステロイド骨格中のA環の還元により代謝され、その後硫酸抱合あるいはグルクロン酸抱合を受ける。エチニルエストラジオールは肝ミクロゾーム代謝酵素によって不活性代謝物へ変換され、その後硫酸抱合、あるいはグルクロン酸抱合を受ける(ヒト)。
3. 排泄5) ノルエチステロン及びエチニルエストラジオールは主に胆汁を経由して、糞中に排泄された(ラット)。
薬物動態の表
表1 〔ルナベル配合錠LD〕単回投与時の薬物動態パラメータ
Cmax
(ng/mL) Tmax
(hr) t1/2
(hr) AUC0-∞
(ng・hr/mL)
ノルエチステロン 12.4±4.4 1.7±1.0 6.8±1.1 75.2±34.1
エチニルエストラジオール 0.094±0.031 1.4±0.5 9.3±3.7 0.923±0.357
(n=29、平均値±標準偏差)
表2 〔ルナベル配合錠LD〕反復投与した場合の薬物動態パラメータ
Cmax
(ng/mL) Tmax
(hr) t1/2
(hr) AUC0-24
(ng・hr/mL)
ノルエチステロン 22.4±11.1 2.6±3.7 9.7±2.2 175.7±51.3
エチニルエストラジオール 0.172±0.052 1.3±1.0 12.5±2.7 1.999±0.455
(n=9、平均値±標準偏差)
表3 〔ルナベル配合錠ULD〕単回投与時の薬物動態パラメータ
Cmax
(ng/mL) Tmax
(hr) t1/2
(hr) AUC0-24
(ng・hr/mL)
ノルエチステロン 12.5±6.2 1.8±0.8 7.4±1.9 69.2±36.3
エチニルエストラジオール 0.056±0.017 1.5±0.4 5.5±2.2 0.368±0.171
(n=12、平均値±標準偏差)
臨床成績
〔ルナベル配合錠LD〕
(1) 子宮内膜症に伴う月経困難症
1) 第III相比較試験(プラセボ対照二重盲検試験)6) 子宮内膜症に伴う月経困難症患者(本剤群:21~44歳、平均31.7歳、プラセボ群:20~48歳、平均31.5歳)を対象とした4周期投与のプラセボ対照比較試験において、本剤は月経困難症スコア合計注6)の変化量でプラセボに対して有意差(2標本t検定:p<0.0001)が認められた。(表4参照)
2) 長期投与試験7) 子宮内膜症に伴う月経困難症患者(18~45歳、平均30.6歳)を対象とした、本剤13周期投与の長期投与試験における月経困難症スコア合計注6)の推移は以下のとおりであった。(表5参照)
(2) 機能性月経困難症
第III相比較試験(プラセボ対照二重盲検試験)8) 機能性月経困難症患者(本剤群:20~42歳、平均29.1歳、プラセボ群:20~44歳、平均29.2歳)を対象とした4周期投与のプラセボ対照比較試験において、本剤は月経困難症スコア合計注6)の変化量でプラセボに対して有意差(2標本t検定:p<0.001)が認められた。(表6参照)
〔ルナベル配合錠ULD〕
(1) 第III相比較試験(プラセボ対照二重盲検試験)9) 月経困難症患者(本剤群:17~50歳、平均32.4歳、プラセボ群:20~48歳、平均30.4歳)を対象とした4周期投与のプラセボ対照比較試験において、本剤は月経困難症スコア合計注6)の変化量でプラセボに対して有意差(2標本t検定:p<0.001)が認められた。
(2) 長期投与試験10) 子宮内膜症に伴う月経困難症患者(20~47歳、平均33.2歳)を対象とした本剤13周期投与の長期投与試験において、月経困難症に対する効果は本剤