ル血症ホモ接合体のLDL受容体完全欠損例では効果は期待できないと考えられる.
(5)
あらかじめ高コレステロール血症治療の基本である食事療法を行い,肥満がある場合にはその是正につとめること.更に運動療法や,高血圧・喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターの軽減等も十分に考慮すること.
(6)
糖尿病,甲状腺機能低下症,ネフローゼ症候群等の疾患の合併,血清脂質に悪影響を与える薬剤の服用,アルコール多飲等の二次的要因により高脂血症を呈している場合は原疾患の治療,薬剤の切り替え,アルコール摂取の制限等を可能な限り実施した上で本剤での治療を考慮すること.
(7)
投与中は血中脂質値を定期的に検査し,治療に対する反応が認められない場合には投与を中止すること.また,本剤の投与により血中トリグリセリド値が上昇することがあるので,血中トリグリセリド値を定期的に検査し,異常上昇例に対しては投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
(8)
脂溶性ビタミン(A,D,E,K)あるいは葉酸塩の吸収阻害が起こる可能性があるので,長期間投与の際にはこれらの補給を考慮すること.
(9)
類薬(コレスチラミン)で,長期間の大量投与により高クロール性アシドーシスがあらわれたとの報告があるので十分注意すること.
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
酸性薬物(フェニルブタゾン,ワルファリン,クロロチアジド等),テトラサイクリン,フェノバルビタール,甲状腺及びチロキシン製剤,ジギタリス1~2)
臨床症状・措置方法
併用薬の作用減弱を起こすおそれがある.本剤投与前1時間若しくは投与後4~6時間以上,又は可能な限り間隔を空けて投与し,併用薬の作用の変化についても慎重に観察すること.
機序・危険因子
同時に経口投与された場合に,併用薬の吸収を遅延あるいは減少させるおそれがある.
2. 薬剤名等
**胆汁酸製剤(ウルソデオキシコール酸,ケノデオキシコール酸)3)
臨床症状・措置方法
胆汁酸製剤の作用減弱を起こすおそれがあるので,可能な限り間隔を空けて投与すること.
機序・危険因子
同時に経口投与された場合に,併用薬の吸収を遅延あるいは減少させるおそれがある.
3. 薬剤名等
**エゼチミブ
臨床症状・措置方法
エゼチミブの血中濃度が低下するおそれがあるので,可能な限り間隔を空けて投与すること.
機序・危険因子
同時に経口投与された場合に,併用薬の吸収を遅延あるいは減少させるおそれがある.
副作用
副作用等発現状況の概要
**承認時までの臨床試験では676例中153例(22.6%)の副作用が報告された.主な副作用は便秘82件(12.1%),腹部膨満42件(6.2%),嘔気9件(1.3%),腹痛8件(1.2%)等であった.(錠500mg,顆粒70%の承認時及びミニ83%の剤形追加承認時)
市販後の使用成績調査及び特別調査(長期使用に関する調査)では3,960例中590例(14.9%)の副作用が報告された.主な副作用は便秘141件(3.6%),腹部膨満86件(2.2%),ALT(GPT)上昇51件(1.3%),肝機能異常44件(1.1%)等であった.(再審査終了時)
重大な副作用
1. 腸管穿孔,腸閉塞(いずれも頻度不明)
腸管穿孔,腸閉塞があらわれることがあるので,観察を十分に行い,高度の便秘,持続する腹痛,嘔吐等の異常が認められた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと.
2. 横紋筋融解症(頻度不明)
横紋筋融解症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
その他の副作用
1. **消化器
0.1~5%未満
便秘注),腹部膨満,腹痛,嘔気,嘔吐,消化不良,下痢,鼓腸放屁,口内乾燥,食欲不振
2. **消化器
0.1%未満
舌荒れ,痔の悪化,血便,口内炎,排便痛
3. 肝臓
0.1~5%未満
肝機能障害(AST(GOT),ALT(GPT),γ-GTP,Al-P,LDH,ビリルビンの上昇等)
4. 皮膚
0.1~5%未満
そう痒,発疹
5. **皮膚
0.1%未満
肌荒れ,丘疹
6. 循環器
0.1~5%未満
動悸
7. **循環器
0.1%未満
狭心症状,不整脈
8. 筋骨格系
0.1~5%未満
CK(CPK)上昇
9. **筋骨格系
0.1%未満
関節痛,筋肉痛,背部痛(頸部痛,腰痛等)
10. **血液
0.1~5%未満
ヘモグロビン減少,白血球数減少
11. **血液
0.1%未満
赤血球数減少,ヘマトクリット減少
12. その他
0.1~5%未満
アミラーゼ上昇,頭痛,けん怠感,浮腫(顔面,四肢等),めまい
13. **その他
0.1%未満
胸痛,頻尿,鼻出血,しびれ感,ピリピリ感,苦味
14. **その他
頻度不明
コリンエステラーゼ上昇,血糖低下
その他の副作用の注意
**発現頻度は承認時までの臨床試験,使用成績調査及び特別調査(長期使用に関する調査)の結果を合わせて算出した.
注)「重要な基本的注意」の(1)項参照
高齢者への投与
高齢者では,便秘,腹部膨満感等の消化器症状が発現しやすいので注意すること.
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること.〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない.〕
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない.(使用経験がない.)
適用上の注意
薬剤交付時(錠剤)
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること.〔PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている.〕
その他の注意
類薬(コレスチラミン)で,動物実験(ラット)において既知発ガン物質によって誘発される腸腫瘍の発生頻度が上昇するとの報告がある.
薬物動態
<参考>
14C-コレスチミドをラット及びイヌに経口投与した場合,消化管内で代謝又は分解されず,また,吸収されずにすべて糞中に排泄された4).
臨床成績
1. 高コレステロール血症5~15)
(1)