房障害
5%未満
腟出血
臨床検査
10%以上
ALP増加
臨床検査
5~10%未満
CK(CPK)増加
臨床検査
5%未満
LDH増加、血中クレアチニン増加、トランスアミナーゼ上昇、リンパ球数減少、体重減少、アミラーゼ増加、駆出率減少、体重増加、血中リン減少
臨床検査
頻度不明
国際標準比増加、肝機能検査値上昇
高齢者への投与
一般に高齢者では、生理機能が低下していることが多いので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1. 妊婦等
本剤の妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、本剤を投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、妊娠可能な女性及びパートナーが妊娠する可能性のある男性には、本剤投与中及び最終投与後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。[動物試験(ラット)において、臨床曝露量未満に相当する用量で胎児発育抑制、胚・胎児死亡及び催奇形性が認められている。また、マウスにおいて遺伝毒性が認められている3) 4)。]
2. 授乳婦
授乳中の女性に投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている5)。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)
過量投与
症状:
臨床試験において、1日1回200mgを超える用量で本剤を反復投与した際に、肝機能検査値異常(AST(GOT)増加、ALT(GPT)増加)、CK(CPK)増加及びQT間隔延長等の副作用の発現頻度が高くなることが報告されている。
処置:
過量投与が認められた場合には、患者の状態を観察し、適切な対症療法を行うこと。
適用上の注意
薬剤交付時:
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
その他の注意
イヌ反復経口投与毒性試験において、臨床曝露量未満に相当する用量で眼への影響(眼底色調異常、並びに網膜における光干渉断層計検査による高反射性変化、局所的菲薄化及び病理組織学的な空胞化)が認められている6) 7)。
薬物動態
1. 血漿中濃度8)
(1) 単回投与
再発又は難治性の日本人急性骨髄性白血病患者に本剤20~300mgを単回経口投与したときの血漿中未変化体濃度は投与後3~7時間でCmaxに達した。未変化体のCmax及びAUC24は用量の増加に伴って上昇した。(「薬物動態の表」参照)
日本人急性骨髄性白血病患者に本剤20~300mgを単回経口投与したときの血漿中未変化体濃度推移(平均値±標準偏差)
(2) 反復投与
再発又は難治性の日本人急性骨髄性白血病患者に本剤20~200mgを1日1回反復経口投与したとき、ギルテリチニブの血漿中未変化体濃度は、反復投与開始15日目には定常状態に達したと考えられた。また、定常状態におけるギルテリチニブのAUC24は単回投与時の5.6~8.1倍であり、消失半減期は84~126時間であった。(「薬物動態の表」参照)
日本人急性骨髄性白血病患者に本剤20~200mgを1日1回反復経口投与したときの第28日目における血漿中未変化体濃度推移(平均値±標準偏差)
(3) 食事の影響(外国人データ)9)
健康成人男女(32例)に本剤40mgを空腹時又は食後単回経口投与したとき、空腹時投与に対する食後投与のCmax及びAUCinfの幾何平均比(90%信頼区間)は、それぞれ74.0%(62.2%~88.1%)及び93.8%(81.2%~108.4%)であった。
(注)本剤は通常、120mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜増減するが、1日1回200mgを超えない。
2. 分布
ギルテリチニブの血漿蛋白結合率は約90%であり、ヒト血漿中の主要結合蛋白はヒト血清アルブミンであった(in vitro試験)10)。
3. 代謝
ギルテリチニブは主にCYP3A4で代謝される(in vitro試験)1)。ヒト血漿中の主成分は未変化体であり、認められた3種の代謝物の曝露量はいずれも未変化体の10%未満であった(外国人データ)11)。
4. 排泄
再発又は難治性の日本人急性骨髄性白血病患者に本剤20~300mgを反復経口投与したとき、全投与群を通じて未変化体の尿中排泄率は13.11%以下であった8)。外国人固形癌患者(5例)にギルテリチニブ120mgを14日間連日投与した後、14C-ギルテリチニブを空腹時単回経口投与したとき、投与後768時間までの放射能の尿中及び糞中排泄率はそれぞれ16.4%及び64.5%であった11)。
5. 薬物相互作用(外国人データ)12)
(1) CYP3A誘導作用及びP-gp誘導作用を有する薬剤との相互作用
健康成人男女(20例)にCYP3A誘導作用及びP-gp誘導作用を有する薬剤であるリファンピシン600mgを1日1回21日間経口投与した。投与開始8日目に本剤20mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与群(20例)に対する併用群のCmax及びAUCinfの幾何平均比(90%信頼区間)は73.44%(61.36%~87.91%)及び28.47%(24.21%~33.48%)であった。
(2) 強いCYP3A阻害作用及びP-gp阻害作用を有する薬剤との相互作用
健康成人男性(20例)に強いCYP3A阻害作用及びP-gp阻害作用を有する薬剤であるイトラコナゾール200mgを投与初日に1日2回経口投与した後、投与開始2~28日目までイトラコナゾール200mgを1日1回経口投与した。投与開始6日目に本剤10mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与群(20例)に対する併用群のCmax及びAUCinfの幾何平均比(90%信頼区間)は119.80%(100.09%~143.39%)及び221.39%(188.26%~260.36%)であった。
(3) 中程度のCYP3A阻害作用を有する薬剤との相互作用
健康成人男女(20例)に中程度のCYP3A阻害作用を有する薬剤であるフルコナゾール400mgを投与初日に1日1回経口投与した後、投与開始2~28日目までフルコナゾール200mgを1日1回経口投与した。投与開始6日目に本剤10mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与群(20例)に対する併用群のCmax及びAUCinfの幾何平均比(90%信頼区間)は115.73%(96.69%~138.52%)及び143.46%(121.99%~168.71%)であった。
(4) CYP3A基質薬剤との相互作用13)
再発又は治療抵抗性の急性