・危険因子
これらの薬剤がCYP3A及びP-gpを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
薬剤名等
QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤
キニジン、プロカインアミド、オンダンセトロン等
臨床症状・措置方法
QT間隔延長を増強するおそれがあるため、併用する場合には、患者の状態を十分に観察すること。
機序・危険因子
本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により作用が増強するおそれがある。
副作用
副作用等発現状況の概要
再発又は難治性のFLT3遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病患者を対象とした国際共同第III相試験で本剤を投与された168例(日本人24例を含む)中139例(82.7%)に副作用が認められた。主な副作用はALT(GPT)増加(27.4%)、AST(GOT)増加(24.4%)、貧血(17.9%)及び発熱性好中球減少症(15.5%)等であった。(承認時:2018年9月)
以下の副作用の頻度は、国際共同第III相試験において本剤1日1回120mgが投与された患者(168例)の集計に基づく。
重大な副作用
1. 骨髄抑制
血小板減少(26.8%)、貧血(17.9%)、好中球減少(16.1%)、発熱性好中球減少症(15.5%)、白血球減少(12.5%)等の骨髄抑制があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、本剤の休薬、減量又は投与中止等の適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
2. 感染症
肺炎(4.2%)、肺感染(0.6%)、敗血症(0.6%)等の重度の感染症があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、本剤の休薬、減量又は投与中止等の適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
3. 出血
脳出血(0.6%)、硬膜下血腫(0.6%)等の出血があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、本剤の休薬、減量又は投与中止等の適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
4. QT間隔延長
QT間隔延長(6.0%)があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、本剤の休薬、減量又は投与中止等の適切な処置を行うこと。(〈用法・用量に関連する使用上の注意〉、「慎重投与」及び「重要な基本的注意」の項参照)
5. 心膜炎、心不全、心嚢液貯留
心膜炎(1.8%)、心不全(1.2%)、心嚢液貯留(頻度不明)があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、本剤の休薬、減量又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
6. 肝機能障害
ALT(GPT)上昇(27.4%)、AST(GOT)上昇(24.4%)、ビリルビン上昇(4.8%)、γ-GTP上昇(0.6%)等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、本剤の休薬、減量又は投与中止等の適切な処置を行うこと。(「慎重投与」及び「重要な基本的注意」の項参照)
7. 腎障害
急性腎障害(1.8%)等の腎障害があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、本剤の休薬、減量又は投与中止等の適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
8. 消化管穿孔
消化管穿孔(1.2%)があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、本剤の休薬、減量又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
9. 間質性肺疾患
間質性肺疾患(0.6%)があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状を十分に観察し、異常が認められた場合には、胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺疾患が疑われた場合には、本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
10. 過敏症
アナフィラキシー(0.6%)等の重度の過敏症があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、直ちに本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11. 可逆性後白質脳症症候群
可逆性後白質脳症症候群(頻度不明)があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、可逆性後白質脳症症候群が疑われる症状(痙攣、頭痛、意識障害、錯乱、視覚障害等)が認められた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
血液及びリンパ系障害
5%未満
汎血球減少症、内出血発生の増加傾向
心臓障害
5%未満
心筋炎、洞性頻脈
血管障害
5%未満
低血圧、高血圧、起立性低血圧、塞栓症
眼障害
5%未満
霧視、羞明、眼乾燥、視力低下、結膜出血、網膜出血
眼障害
頻度不明
眼窩周囲浮腫
胃腸障害
10%以上
下痢、悪心
胃腸障害
5~10%未満
便秘、嘔吐
胃腸障害
5%未満
口内炎、腹痛、口内乾燥、口腔内出血、消化不良、胃食道逆流性疾患、口腔粘膜水疱形成、大腸炎
胃腸障害
頻度不明
上腹部痛、下部消化管出血
一般・全身障害及び投与部位の状態
5~10%未満
疲労、発熱
一般・全身障害及び投与部位の状態
5%未満
末梢性浮腫、無力症、倦怠感、粘膜の炎症、末梢腫脹、疼痛
一般・全身障害及び投与部位の状態
頻度不明
顔面浮腫
感染症及び寄生虫症
5%未満
クロストリジウム・ディフィシレ大腸炎、医療機器関連感染、口腔カンジダ症、上気道感染
呼吸器、胸郭及び縦隔障害
5%未満
呼吸困難、咳嗽、鼻出血、労作性呼吸困難、しゃっくり
呼吸器、胸郭及び縦隔障害
頻度不明
低酸素症、急性前骨髄球性白血病分化症候群、胸水
皮膚及び皮下組織障害
5%未満
発疹、皮膚疼痛、そう痒症、点状出血、薬疹、皮膚色素過剰、急性熱性好中球性皮膚症、皮膚炎、丘疹性皮疹、紫斑、斑状皮疹、蕁麻疹
傷害、中毒及び処置合併症
5%未満
転倒
筋骨格系及び結合組織障害
5%未満
筋肉痛、関節痛、四肢痛、筋力低下、筋痙縮
代謝及び栄養障害
5%未満
食欲減退、低ナトリウム血症、低カリウム血症、低カルシウム血症、低マグネシウム血症、低リン酸血症、低アルブミン血症、高血糖、高尿酸血症、脱水、高リン酸塩血症
神経系障害
5~10%未満
頭痛
神経系障害
5%未満
味覚異常、浮動性めまい、錯感覚、異常感覚、末梢性ニューロパチー、知覚過敏、末梢性感覚ニューロパチー、感覚鈍麻、神経痛、傾眠、痙攣発作
精神障害
5%未満
不眠症
生殖系及び乳