体はP-糖蛋白及びBCRPを阻害した。バロキサビル マルボキシル及びその活性体はP-糖蛋白の基質であった9)。
(2) 臨床試験(外国人によるデータ)
健康成人を対象に薬物相互作用を検討した。バロキサビル マルボキシル活性体の薬物動態に及ぼす併用薬の影響を表5に,併用薬の薬物動態に及ぼすバロキサビル マルボキシルの影響を表6に示す10)。
表5 バロキサビル マルボキシル活性体の薬物動態に及ぼす併用薬の影響参照
表6 併用薬の薬物動態に及ぼすバロキサビル マルボキシルの影響参照
薬物動態の表
表1 単回経口投与時のバロキサビル マルボキシル活性体の薬物動態パラメータ
投与量 食事条件 例数 Cmax※1
(ng/mL) Tmax※2
(hr) AUC0-inf※1
(ng・hr/mL) T1/2,z※1
(hr)
40mg 空腹時 14 133±26.3 4(3-5) 7206±1325 95.8±18.2
40mg 食後 14 72.5±28.3 4(0.5-5) 4846±1814 99.6±19.6
※1:平均値±標準偏差
※2:中央値(最小値-最大値)
表2 成人患者及び12歳以上の小児患者でのバロキサビル マルボキシル活性体の推定薬物動態パラメータ
投与量(体重) 例数 体重※1
(kg) Cmax※2
(ng/mL) AUC0-inf※2
(ng・hr/mL)
40mg(80kg未満) 309 59.1±9.62 102
(23.9-244) 6598
(2186-14690)
80mg(80kg以上) 34 88.8±7.64 126
(33.3-243) 9949
(4122-18330)
※1:平均値±標準偏差
※2:平均値(最小値-最大値),母集団薬物動態解析ソフトNONMEM(R)に基づく薬物動態パラメータを用いたベイジアン推定値
表3 12歳未満の小児患者でのバロキサビル マルボキシル活性体の推定薬物動態パラメータ
投与量(体重) 例数 体重※1
(kg) Cmax※2
(ng/mL) AUC0-inf※2
(ng・hr/mL)
40mg(40kg以上) 8 45.8±3.80 115
(58.8-145) 7236
(6014-10160)
20mg(20kg以上40kg未満) 66 27.3±4.98 100
(37.6-150) 5081
(2316-9115)
10mg(10kg以上20kg未満) 31 16.3±2.04 76.9
(43.2-109) 3408
(2170-5344)
※1:平均値±標準偏差
※2:平均値(最小値-最大値),母集団薬物動態解析ソフトNONMEM(R)に基づく薬物動態パラメータを用いたベイジアン推定値。なお最終モデルはバロキサビル マルボキシル5mg投与例の血漿中濃度データ(5kg以上10kg未満の2例,6ポイント)を含めて構築された。
表4 20mg錠又は顆粒(バロキサビル マルボキシルとして20mg)の単回経口投与時のバロキサビル マルボキシル活性体の薬物動態パラメータ
剤形 例数 Cmax※1(ng/mL) Tmax※2(hr) AUC0-last※1(ng・hr/mL) T1/2※1(hr)
20mg錠 28 44.2±16.0 4(1-5) 3000±725.4 102±17.9
顆粒 27 40.2±12.2 4(2-6) 2952±745.2 101±17.1
※1:平均値±標準偏差
※2:中央値(最小値-最大値)
表5 バロキサビル マルボキシル活性体の薬物動態に及ぼす併用薬の影響
併用薬 用法・用量
併用薬 用法・用量
本剤 例数 バロキサビル マルボキシル活性体の薬物動態パラメータの比[90%信頼区間]
(併用投与/単独投与)
Cmax バロキサビル マルボキシル活性体の薬物動態パラメータの比[90%信頼区間]
(併用投与/単独投与)
AUC0-inf
イトラコナゾール
(P-糖蛋白阻害剤) 200mg※1
1日1回 20mg※1
単回 12 1.33
[1.14, 1.55] 1.23
[1.09, 1.38]
プロベネシド
(UGT阻害剤) 500mg※2
1日2回 80mg※2
単回 12 0.79
[0.65, 0.96] 0.75
[0.66, 0.86]
※1:イトラコナゾール200mgを1日1回(1日目は2回)19日間反復投与し,投与5日目にバロキサビル マルボキシル20mg空腹時単回投与を併用
※2:プロベネシド500mgを1日2回18日間反復投与し,投与4日目にバロキサビル マルボキシル80mg空腹時単回投与を併用
表6 併用薬の薬物動態に及ぼすバロキサビル マルボキシルの影響
併用薬 用法・用量
併用薬 用法・用量
本剤 例数 併用薬の薬物動態パラメータの比
[90%信頼区間]
(併用投与/単独投与)
Cmax 併用薬の薬物動態パラメータの比
[90%信頼区間]
(併用投与/単独投与)
AUC0-inf
ミダゾラム
(CYP3A基質) 5mg
単回 40mg
単回 12 1.00
[0.92, 1.09] 0.99
[0.94, 1.04]
ジゴキシン
(P-糖蛋白基質) 0.25mg
単回 80mg
単回 12 & |