526例) プラセボ群
(169例)
イベント数 288 306 505 163
中央値[95%信頼区間](時間) 84.2
[77.1, 95.7] 98.6
[94.6, 107.1] 77.8
[72.3, 82.5] 83.9
[76.0, 95.5]
p値注18) 0.004 0.004 0.303 0.303
薬効薬理
1. In vitro抗ウイルス活性14)15) A型及びB型インフルエンザウイルス実験室株に対するEC50値は、0.014~0.55μg/mLであり、抗ウイルス活性を示した。
アダマンタン(アマンタジン及びリマンタジン)、オセルタミビル及びザナミビル耐性株を含む季節性のA型及びB型インフルエンザウイルスに対するEC50値は、それぞれ0.03~0.94μg/mL及び0.09~0.83μg/mLであった。
豚由来A型及び高病原性株を含む鳥由来A型(H5N1、H7N9株を含む)をはじめとするA型インフルエンザウイルス(アダマンタン、オセルタミビル及びザナミビル耐性株を含む)に対するEC50値は、0.06~3.53μg/mLであった。
アダマンタン、オセルタミビル及びザナミビル全てに耐性のA型及びB型インフルエンザウイルスに対するEC50値は0.09~0.47μg/mLであり、交差耐性を示さなかった。
2. 動物モデルにおける治療効果14)16)17)18)19) インフルエンザウイルスA(H7N9)、A(H1N1)pdm09及びA(H3N2)によるマウス感染モデルにおいて、60mg/kg/日以下の5日間経口投与により肺内ウイルス量を低下させた。
インフルエンザウイルスA(H3N2)及びA(H5N1)によるマウス感染モデルにおいて、30mg/kg/日の5日間経口投与により治療効果を示した。
また、インフルエンザウイルスA(H3N2)による重症複合型免疫不全マウス感染モデルにおいて、30mg/kg/日の14日間の経口投与により治療効果を示した。
3. 作用機序14)20) 細胞内でリボシル三リン酸体(ファビピラビルRTP)に代謝され、ファビピラビルRTPがインフルエンザウイルスの複製に関与するRNAポリメラーゼを選択的に阻害すると考えられている。ヒト由来DNAポリメラーゼα、β及びγに対して、ファビピラビルRTP(1000μmol/L)は、αへの阻害作用は示さず、βに対して9.1~13.5%、γに対して11.7~41.2%の阻害作用を示した。また、ファビピラビルRTPのヒト由来RNAポリメラーゼIIに対する阻害作用(IC50値)は、905μmol/Lであった。
4. 耐性14) ファビピラビル存在下で30代まで継代したA型インフルエンザウイルスのファビピラビルに対する感受性に変化はなく、耐性ウイルスは選択されなかった。なお、国際共同第III相試験をはじめとする臨床試験において、本剤耐性インフルエンザウイルスの出現状況に関する情報は得られていない。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:ファビピラビル(Favipiravir)
化学名:6-Fluoro-3-hydroxypyrazine-2-carboxamide
構造式:
分子式:C5H4FN3O2
分子量:157.10
性状:白色~淡黄色の粉末である。アセトニトリル又はメタノールにやや溶けにくく、水又はエタノール(99.5)に溶けにくい。
融点:187~193℃
*承認条件
1. 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
2. 本剤の使用実態下における有効性及び安全性について十分な検討が必要であることから、適切な製造販売後調査等を実施すること。
3. 厚生労働大臣の要請がない限りは、製造販売を行わないこと。
4. 製造販売する際には、通常のインフルエンザウイルス感染症に使用されることのないよう厳格な流通管理及び十分な安全対策を実施すること。
5. 本剤の投与が適切と判断される症例のみを対象に、あらかじめ患者又はその家族に有効性及び危険性が文書をもって説明され、文書による同意を得てから初めて投与されるよう、厳格かつ適正な措置を講じること。
包装
アビガン錠200mg:100錠(PTP)
主要文献及び文献請求先
**主要文献
1) 社内資料(精巣への影響)
2) 社内資料(肝機能障害患者での薬物動態)
3) 社内資料(代謝)
4) 社内資料(薬物相互作用)
5) 社内資料(テオフィリン併用試験)
6) 社内資料(生殖発生毒性試験・ラット)
7) 社内資料(生殖発生毒性試験・マウスほか)
8) 社内資料(毒性試験・幼若イヌほか)
9) 社内資料(毒性試験・イヌ)
10) 社内資料(精巣毒性試験・マウスほか)
11) 社内資料(高用量反復投与試験)
12) 社内資料(体内動態・動物)
13) 社内資料(オセルタミビル併用試験)
14) 高橋和美ほか:医学と薬学, 66:429, 2011
15) 社内資料(抗ウイルス活性と交差耐性)
16) Ito Y. et al.:Nature, 460:1021, 2009
17) Watanabe T. et al.:Nature, 501:551, 2013
18) 社内資料(治療効果・マウス)
19) 社内資料(治療効果・免疫不全マウス)
20) Furuta Y. et al.:Antimicrob. Agents Chemother., 49:981, 2005
文献請求先
*主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
大正富山医薬品株式会社 メディカルインフォメーションセンター
〒170-8635 東京都豊島区高田3-25-1
電話 0120-591-818
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
発売 大正富山医薬品株式会社
東京都豊島区高田3-25-1
製造販売 富山化学工業株式会社
東京都新宿区西新宿3-2-5
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