ファジン
臨床症状・措置方法
併用により本剤の血漿中濃度が上昇したとの報告がある。(「薬物動態」の項参照)
機序・危険因子
上記薬剤のOATP1B1及びOATP1B3の阻害作用によると考えられる。
原則併用禁忌
(原則として併用しないこと)
薬剤名等
HMG-CoA還元酵素阻害薬
プラバスタチンナトリウム、シンバスタチン、フルバスタチンナトリウム等
臨床症状・措置方法
急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。やむを得ず併用する場合には、本剤を少量から投与開始するとともに、定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK(CPK)の上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合には直ちに投与を中止すること。
機序・危険因子
危険因子:腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者
機序は不明であるが、フィブラート系薬剤とHMG-CoA還元酵素阻害薬の併用で、それぞれの薬剤単独投与時に比べて併用時に横紋筋融解症発現の危険性が高まるという報告がある。
原則併用禁忌に関する注意
腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者では原則として併用しないこととするが、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ慎重に併用すること。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
クロピドグレル硫酸塩
臨床症状・措置方法
併用により本剤の血漿中濃度が上昇したとの報告があるので、併用する場合には必要に応じて本剤の減量を考慮すること。(「薬物動態」の項参照)
機序・危険因子
上記薬剤のCYP2C8及びOATP1B1の阻害作用によると考えられる。
2. 薬剤名等
クラリスロマイシン
HIVプロテアーゼ阻害剤
リトナビル等
臨床症状・措置方法
併用により本剤の血漿中濃度が上昇したとの報告があるので、併用する場合には必要に応じて本剤の減量を考慮すること。(「薬物動態」の項参照)
機序・危険因子
上記薬剤のCYP3A、OATP1B1及びOATP1B3の阻害作用によると考えられる。
3. 薬剤名等
フルコナゾール
臨床症状・措置方法
併用により本剤の血漿中濃度が上昇したとの報告がある。(「薬物動態」の項参照)
機序・危険因子
上記薬剤のCYP2C9及びCYP3Aの阻害によると考えられる。
4. 薬剤名等
陰イオン交換樹脂
コレスチラミン、コレスチミド
臨床症状・措置方法
本剤の血漿中濃度が低下する可能性があるので、併用する場合には、可能な限り間隔をあけて投与することが望ましい。
機序・危険因子
同時投与により本剤が上記薬剤に吸着され吸収が低下する可能性がある。
5. 薬剤名等
強いCYP3A誘導剤
カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品等
臨床症状・措置方法
本剤の血漿中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。
機序・危険因子
上記薬剤の強いCYP3Aの誘導作用により、本剤の代謝が促進されると考えられる。
副作用
副作用等発現状況の概要
承認時までに実施された臨床試験において、1,418例中206例(14.5%)に副作用が認められた。主な副作用は胆石症20例(1.4%)、糖尿病20例(1.4%)、CK(CPK)上昇12例(0.8%)等であった。(承認時)
重大な副作用
横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれ、これに伴って急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 肝臓
1%以上
胆石症
2. 肝臓
0.3~1%未満
肝機能異常、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇
3. その他
1%以上
糖尿病(悪化を含む)
4. その他
0.3~1%未満
CK(CPK)上昇、グリコヘモグロビン増加、低比重リポ蛋白増加、血中ミオグロビン増加、血中尿酸増加
その他の副作用の注意
上記のような副作用が認められた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、副作用発現に留意し、経過を十分に観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。〕
2.
授乳中の婦人には投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。〔動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。〕
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
その他の注意
マウスのがん原性試験(0.075mg/kg/日以上)で肝細胞癌及び肝細胞腺腫の発現頻度の増加が認められた。ラットのがん原性試験(雄0.3mg/kg/日以上、雌1mg/kg/日以上)で肝細胞癌及び肝細胞腺腫、膵臓腺房細胞癌、膵臓腺房細胞腺腫、精巣ライディッヒ細胞腺腫並びに甲状腺濾胞上皮細胞腺腫の発現頻度の増加が認められた。
薬物動態
1. 血漿中濃度
(1) 単回投与1)
健康成人男性(16例)に本剤0.1mgを空腹時単回経口投与したときの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを示す。
図 健康成人男性における空腹時単回経口投与時の血漿中濃度推移
(薬物動態の表1参照)
(2) 反復投与2)
健康成人男性(8例)に本剤0.2mg/日又は0.4mg/日を1日2回に分けて朝夕食後7日間反復経口投与したときの投与1及び7日目の薬物動態パラメータを示す。血漿中濃度は2日目で定常状態に達した。AUC0-τに関する累積係数(反復投与時/初回投与時、平均値&pl