~53)ことが報告されている。また、国内及び海外において乳児に下痢が起きることが報告されている。]
小児等への投与
小児等における使用経験は限られている。小児等では、専門医の管理下で安全性と治療の有益性を考慮した上で本剤を使用すること。
適用上の注意
服用時:本剤は二分割して服用可能であるが、放出調節製剤であることより、かまずに服用すること。また、乳鉢による混合粉砕は避けること。
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
その他の注意
1. 本剤は保存中わずかに着色することがあるが効力に変化はない。
2. 本剤のコーティング剤のエチルセルロースは水に不溶のため、糞便中に白いものがみられることがある。
薬物動態
1. 血中濃度54)~55)
(1) ペンタサ錠及びメサラジン原薬の単回経口投与54)
健康成人にメサラジンとして1,000mg(250mg錠4錠)又はメサラジン原薬1,000mgを空腹時に単回経口投与したとき、血漿中未変化体濃度推移は図1、薬物動態パラメータは表1のとおりであった。
図1 ペンタサ錠又はメサラジン原薬1,000mgを空腹時に単回経口投与したときの血漿中未変化体濃度
(2) ペンタサ錠1回1,000mg、1日3回7日間反復経口投与55)
メサラジンとして1,000mg(250mg錠4錠)を1日3回、7日間反復経口投与したとき血漿中のメサラジン未変化体及びアセチル体濃度はともに4日間以内に定常状態に達し、体内蓄積傾向は認められなかった。
(3) ペンタサ錠1回2,000mg、1日2回6日間反復経口投与
健康成人にメサラジンとして2,000mg(250mg錠8錠)を1日2回、6日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータは表2のとおりであった。また、血漿中のメサラジン未変化体及びアセチル体濃度はともに4日間以内に定常状態に達し、体内蓄積傾向は認められなかった。
2. 代謝・排泄54)~55)
健康成人にメサラジンとして1,000mg(250mg錠4錠)を食後単回経口投与したとき、96時間後の尿中排泄率は、28.4%(アセチル体として27.7%)であり、糞中排泄率は50.0%(アセチル体として23.5%)であった。
健康成人にメサラジンとして2,000mg(250mg錠8錠)を1日2回、6日間反復経口投与したとき、尿中排泄は投与開始後4日間以内に定常状態に達し、体内蓄積傾向は認められず、144時間後までの累積尿中排泄率は34.7%(アセチル体として25.6%)であった。なお、蛋白結合率はメサラジンで約70%、代謝物であるアセチル体で約88%であった。
また、健康成人にメサラジンとして1,000mg(250mg錠4錠)を食後単回経口投与したとき、空腹時に比ベメサラジン未変化体及びアセチル体の血漿中濃度推移が低下する傾向を示したが、投与後96時間までの尿中及び糞中への排泄率に差はなかった。
薬物動態の表
表1 ペンタサ錠又はメサラジン原薬1,000mgを空腹時に単回経口投与したときの未変化体の薬物動態パラメータ
ペンタサ錠(n=5) メサラジン原薬(n=5)
Cmax (ng/mL) 1,448.6±586.4 20,733.7±2,744
Tmax (hr) 2.3±0.5 0.8±0.1
T1/2 (hr) 6.4±0.7 4.5±0.4
平均値±標準誤差
表2 ペンタサ錠1回2,000mgを1日2回6日間 反復経口投与したときの薬物動態パラメータ
未変化体 アセチル体
測定時期 1日目(n=6)
6日目(n=6) 1日目(n=6)
6日目(n=6)
Cmax(ng/mL) 7,189.5±5,093.1
7,242.0±3,334.5 7,676.0±4,671.4
7,385.3±3,142.5
Tmax(hr) 2.8±0.8
3.0±0.9 3.0±0.9
2.8±0.8
T1/2(hr) 6.0±3.8
5.3±1.4 7.9±2.7
5.8±1.4
AUC(ng・hr/mL) 23,065.7±12,961.4#1
30,563.7±10,722.4#2 44,063.7±18,400.0#1
56,552.5±14,999.3#2
平均値±標準偏差#1:AUC0-24 #2:AUC0-72
臨床成績
1. 臨床効果1)~6)
国内の医療機関で実施された二重盲検群間比較試験を含む臨床試験で、本剤の効果が判定された189例の試験結果の概要は表3のとおりである。
潰瘍性大腸炎に対しては、二重盲検群間比較試験において本剤の有用性が認められた。
2. 用量比較試験(1日4,000mg投与と2,250mg投与との比較)
国内において、再燃寛解型で中等症の潰瘍性大腸炎患者(直腸炎型を除く)を対象とした8週間反復投与による用量比較試験を実施した。その結果、主要評価項目であるUC-DAIスコア#の投与前後の改善度は表4のとおりで、統計的に有意な差が認められた。
#:排便回数、血便、内視鏡検査による粘膜所見、医師による全般的評価の各項目を0~3の4段階でスコア付けし、合計したスコア(0~12)。
3. 用法用量比較試験(1日1回投与と1日3回投与との比較)
国内において、寛解期潰瘍性大腸炎患者を対象として本剤を1日1回(1回1,500mg又は2,250mg)及び1日3回(1回500 mg又は750mg)を52週間反復投与し、寛解維持率について1日1回投与の1日3回投与に対する非劣性を検証する試験を実施した。その結果、UC-DAIスコアで評価した寛解維持率において、1日1回投与の1日3回投与に対する非劣性が検証された(表5)。
臨床成績の表
表3 臨床試