(64/75)、12ヵ月時では中等度改善以上51.7%(31/60)、軽度改善以上85.0%(51/60)であった。
また、レボドパ含有製剤併用のパーキンソン病患者32例を対象に、本剤とレボドパ含有製剤との併用で、1 年間投与した試験によると、6 ヵ月時では72.3mg/日(14.7%)、12ヵ月時では61.6mg/日(12.5%)のレボドパ投与量の減量が可能であった(エフピー錠2.5)12~14)。
3. **レボドパ含有製剤非併用のパーキンソン病患者を対象とした第III相試験における日本語版UPDRS partI, II, III合計スコアのベースラインからの変化量を本剤単独群(139例)とプラセボ群(140例)で比較した結果、有意な差が認められた(エフピーOD錠2.5効能追加承認時)。
4. **レボドパ含有製剤非併用のパーキンソン病患者131例を対象とした56週間投与の長期試験において、日本語版UPDRS partI, II, III合計スコアのベースラインからの変化量(LSMEAN)は、投与4 週後で-2.6、投与20週後で-5.6、投与56週後で-2.8であり、長期投与時も効果が維持された(エフピーOD錠2.5効能追加承認時)。
薬効薬理
1. MAO-B(モノアミン酸化酵素B型)選択的阻害効果16,17)
本剤のラット脳におけるin vitro(IC50)及びex vivo(ED50)でのMAO-A/MAO-B阻害比はそれぞれ1,000と200でMAO-B阻害の高度な選択性が認められている。
2. 黒質-線条体ドパミン神経に及ぼす作用18~20)
黒質-線条体ドパミン神経の選択的破壊物質であるMPTP(1-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydro-pyridine)でのマウス及びサルにおける神経変性を本剤の前投与で抑制した。
3. 線条体ドパミン濃度の増加作用21,22)
(1)
ラットを用いた脳内微小透析法による実験で、本剤は線条体ドパミン濃度を増加させることが認められている。
(2)
レボドパと本剤の反復投与で、サルの線条体ドパミン濃度はレボドパ単独投与に比べ有意な増加を認めている。
4. ドパミン再取り込み阻害効果23)
反復投与により、ラット線条体への3H-ドパミンの取り込みを阻害したことから、内因性のドパミンの効果を高めることが示唆されている。
有効成分に関する理化学的知見
構造式:
一般名:
セレギリン塩酸塩(Selegiline hydrochloride)
化学名:
(-)-(R)-N,α-dimethyl-N-2-propynyl-phenethylamine monohydrochloride
分子式:
C13H17N・HCl
分子量:
223.74
融点:
140~144℃
性状:
白色の結晶性の粉末である。
水又はメタノールに極めて溶けやすく、エタノール(95)又は酢酸(100)に溶けやすく、無水酢酸又はアセトンにやや溶けにくく、酢酸エチル又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
取扱い上の注意
1. 開封後、直射日光及び高温・高湿を避けて保存すること。
2. 覚せい剤取締法により、本剤の交付を受けた患者(またはその看護に当たる者)は、第三者に本剤を譲り渡すことを禁じられている。
包装
(PTP)10錠×3
(PTP)10錠×10
主要文献及び文献請求先
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エフピー株式会社:エフピーOD錠2.5のヒトにおける血中濃度に関する資料-エフピー錠2.5との比較試験-(社内資料)
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
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