乾癬患者 膿疱性乾癬患者又は
乾癬性紅皮症患者 膿疱性乾癬患者又は
乾癬性紅皮症患者
用量 50mg※
(60例) 100mg
(61例) 50mg※
(12例) 100mga
(6例)
血清中濃度
[μg/mL] 0.60
(0.37) 1.13
(0.71) 0.53
(0.29) 0.79
(0.62)
a:本剤50mgを0、4週及びその後8週間隔で反復皮下投与し、20週から100mgを8週間隔反復皮下投与した
※本剤の承認用量は1回100mgである(「用法・用量」の項参照)
臨床成績
1. 国内二重盲検比較試験[局面型皮疹を有する乾癬患者(関節症性乾癬患者を含む)]3)
中等症から重症の局面型皮疹を有する乾癬患者(PASI注1)スコアが12以上、IGA注2)スコアが3以上、かつ局面型皮疹がBSA注3)の10%以上)192例を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験を実施した。プラセボ、本剤50※又は100mgを0及び4週、その後8週間隔で皮下投与した。投与16週後及び52週後のPASIスコアがベースラインから75%以上、90%以上、100%改善した患者の割合(以下、それぞれPASI 75、PASI 90、PASI 100)、IGAスコア「0」、「0又は1」を達成した患者の割合(以下、それぞれIGA 0、IGA 0/1)を下表に示す。16週後のPASI 90及びIGA 0/1は、本剤投与群でプラセボ群に比べて統計学的に有意に高かった。また、CASPAR注4)に基づいて関節症性乾癬と診断され、ACR基準評価注5)がベースラインから20%以上改善した患者の割合(以下、ACR 20)は、16週後でプラセボ群0%(0/10例)、100mg群30.0%(3/10例)、52週後で100mg群20.0%(2/10例)であった。
注1)Psoriasis Area and Severity Index
注2)Investigator’s Global Assessment
注3)Body Surface Area
注4)Classification criteria for Psoriatic Arthritis
注5)米国リウマチ学会が定義する関節症状の評価基準
※本剤の承認用量は1回100mgである(「用法・用量」の項参照)
2. 国内非盲検試験(膿疱性乾癬患者及び乾癬性紅皮症患者)4)
膿疱性乾癬患者10例及び乾癬性紅皮症患者11例を対象とした非盲検試験を実施した。本剤50mg※を0及び4週、その後8週間隔で皮下投与し、20週以降に効果不十分と判定された場合に100mgへの増量を可能とした。投与16週後に本剤による治療が奏効(CGI注)スコア「1、2又は3」)した患者の割合(以下、奏効率)は、膿疱性乾癬患者77.8%(7/9例)、乾癬性紅皮症患者90.9%(10/11例)であった。投与52週後の奏効率は膿疱性乾癬患者100%(8/8例)、乾癬性紅皮症患者100%(10/10例)であった。
注)Clinical Global Impression
※本剤の承認用量は1回100mgである(「用法・用量」の項参照)
3. 海外二重盲検比較試験(活動性関節症性乾癬患者)6)
活動性関節症性乾癬患者(CASPARに合致し、関節圧痛及び関節腫脹がそれぞれ3つ以上かつC反応性たん白が0.3mg/dL以上)149例を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験を実施した。本剤100mgを0及び4週、その後8週間隔で皮下投与した。投与24週後のACR 20は、本剤100mg群58.0%(58/100例)であり、プラセボ群18.4%(9/49例)と比較して高い割合を示した。
4. 悪性腫瘍(国内臨床試験、海外臨床試験)
乾癬患者を対象とした国内二重盲検比較試験の結果、本剤投与群180例(161人年)において、悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)の発現率は、0.62/100人年(1/180例)であった。非黒色腫皮膚癌の発現は認められなかった。
乾癬患者を対象とした海外臨床試験の48週までの併合解析の結果(本剤投与例数1367例、1019人年)において、悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)の発現率は、0.29/100人年(3/1367例)であった。併合解析での悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)の発現率は、一般人口で予測される発現率と同様であった[標準化発生比:0.68(95%信頼区間:0.14,2.00)]。非黒色腫皮膚癌の発現率は、0.59/100人年(6/1367例)であった。
投与16、52週後のPASI及びIGA
投与16週後
プラセボ 投与16週後
本剤100mg 投与52週後
本剤100mg
PASI 75 6.3%
(4/64例) 84.1%
(53/63例) 90.5%
(57/63例)
PASI 90 0%
(0/64例) 69.8%※
(44/63例) 77.8%
(49/63例)
PASI 100 0%
(0/64例) 27.0%
(17/63例) 47.6%
(30/63例)
IGA 0/1 7.8%
(5/64例) 88.9%※
(56/63例) 90.5%
(57/63例)
IGA 0 0%
(0/64例) 44.4%
(28/63例) 58.7%
(37/63例)
※:p<0.001、対プラセボ群、Fisherの正確検定
薬効薬理
本剤はヒトインターロイキン(IL)-23を構成するp19サブユニットに結合し、in vitro試験において以下の作用を示した。
・IL-23に高い特異性及び親和性で結合した7)。
・IL-12Rβ1及びIL-23Rで構成されるIL-23受容体複合体へのIL-23の結合を阻害した8)。
・IL-23によって活性化されるナチュラルキラー細胞及びヘルパーT細胞などの免疫担当細胞の細胞内シグナル伝達並びにIL-17A、IL-17F及びIL-22の分泌を抑制した8)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
グセルクマブ(遺伝子組換え)
Guselkumab(Genetical Recombination)
本質
ヒトインターロイキン-23に対する遺伝子組換えヒトIgG1モノクローナル抗体である。チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される