いが、悪性腫瘍の発現には注意すること。(「臨床成績」の項参照)
副作用
副作用等発現状況の概要
尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬及び乾癬性紅皮症を対象とした国内第III相臨床試験を併合した本剤投与症例96例中26例(27.1%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主なものは、注射部位紅斑6例(6.3%)、上気道感染4例(4.2%)であった。(承認時)
重大な副作用
1. 重篤な感染症
頻度不明
ウイルス、細菌、真菌等による重篤な感染症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、感染症が疑われた場合には適切な処置を行うこと。
2. 重篤な過敏症
頻度不明
アナフィラキシー(血管浮腫、蕁麻疹、発疹等)等の重篤な過敏症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 感染症および寄生虫症
5%未満
上気道感染
2. 感染症および寄生虫症
頻度不明注)
胃腸炎、白癬感染、単純ヘルペス
3. 神経系障害
頻度不明注)
頭痛
4. 胃腸障害
頻度不明注)
下痢
5. 筋骨格系および結合組織障害
頻度不明注)
関節痛
6. 全身障害および投与局所様態
5%以上
注射部位紅斑
7. 全身障害および投与局所様態
頻度不明注)
注射部位疼痛
注)外国で報告されており、国内でも発生が予測される副作用
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、感染症等の副作用の発現に留意し、十分な観察を行うこと。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また、本剤はカニクイザルにおいて胎児への移行が報告されているが、胚・胎児毒性及び催奇形性は認められていない。]
2. 本剤の授乳中の投与に関する安全性は確立していない。本剤投与中は授乳を避けさせること。[本剤のヒトにおける乳汁中への移行は不明である。]
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立されていない(使用経験がない)。
過量投与
健康成人に対する987mg(10mg/kg)までの単回静脈内投与及び乾癬患者に対する300mgまでの単回皮下投与で用量制限毒性は認められていない。過量投与時には、副作用の徴候や症状を注意深く観察し、症状が認められた場合には速やかに適切な対症療法を行うこと。
適用上の注意
1. 投与経路
皮下のみに投与すること。
2. 投与方法
皮下注射にあたっては、次の点に注意すること。
(1) 投与は、上腕部、腹部又は大腿部を選ぶこと。同一箇所へ繰り返し注射することは避けること。
(2) 皮膚が敏感な部位、傷、発赤、硬結がある部位、乾癬の部位には注射しないこと。
(3) 投与前に冷蔵庫から取り出し室温に戻しておくことが望ましい。
(4) 本剤は1回使用の製剤であり、再使用しないこと。
その他の注意
1. 国内第III相臨床試験(CNTO1959PSO3004)では、本剤を投与した180例中13例(7.2%)が52週までに抗グセルクマブ抗体陽性となり、その中で1例(1/180例、0.6%)に中和抗体が認められた。また、国内第III相臨床試験(CNTO1959PSO3005)では本剤を投与した21例中に抗グセルクマブ抗体陽性は認められなかった。
海外臨床試験では、1734例中104例(6.0%)が抗グセルクマブ抗体陽性となり、その中で7例(7/1734例、0.4%)に中和抗体が認められた。
2. 免疫抑制剤又は光線療法と併用した場合の安全性及び有効性は確立していない。
薬物動態
1. 単回投与1)
局面型皮疹を有する日本人乾癬患者に本剤10※、30※、100又は300mg※を単回皮下投与したとき、血清中グセルクマブ濃度は投与約4~6日後に最高血清中濃度に達し、約16~18日の消失半減期で低下した。
外国人健康成人に、本剤100mgを単回皮下投与したときの絶対的バイオアベイラビリティは49%であった2)。
※本剤の承認用量は1回100mgである(「用法・用量」の項参照)
2. 反復投与3)、4)
局面型皮疹を有する日本人乾癬患者又は日本人膿疱性乾癬患者及び乾癬性紅皮症患者に本剤50mg※又は100mgを0、4週及びその後8週間隔で反復皮下投与したときの血清中トラフ濃度は下表のとおりであった。
3. 相互作用5)
局面型皮疹を有する外国人乾癬患者において、ミダゾラム[CYP3A4基質]、ワルファリン[CYP2C9基質]、オメプラゾール[CYP2C19基質]、デキストロメトルファン[CYP2D6基質]及びカフェイン[CYP1A2基質]を本剤200mg※単回皮下投与と併用した結果、これら基質薬の曝露量に明らかな変動は認められなかった。
※本剤の承認用量は1回100mgである(「用法・用量」の項参照)
局面型皮疹を有する日本人乾癬患者に本剤を単回皮下投与したときの薬物動態パラメータ(平均値(SD))
用量 10mg※
(5例) 30mg※
(5例) 100mg
(5例) 300mg※
(5例)
Cmax
(μg/mL) 0.46
(0.19) 1.52
(0.56) 6.14
(2.29) 15.08
(5.15)
tmax
(day) 4.02
(2.97;13.99) 5.93
(3.07;6.23) 6.02
(3.88;13.88) 6.03
(3.98;13.89)
AUC∞
(μg・day/mL) 14.0
(7.8)a 40.8
(15.8) 159.9
(65.2) 427.1
(156.7)b
t1/2
(day) 16.4
(6.8)a 16.0
(5.2) 17.6
(3.1) 15.6
(3.0)b
tmax:中央値(範囲)
a:3例
b:4例
※本剤の承認用量は1回100mgである(「用法・用量」の項参照)
日本人乾癬患者における投与52週時の血清中グセルクマブのトラフ濃度(平均値(SD))
局面型皮疹を有する
乾癬患者 局面型皮疹を有する