tes(TdP)タイプの心室性不整脈を引き起こすことがあるので、投与中は12誘導心電図を最低週2回実施し、異常所見が認められた場合には適切な処置を行うこと。また、症状によっては休薬あるいは投与中止も考慮に入れること。(「重要な基本的注意」の項参照)米国においてアムホテリシンBを併用していた1例で、本剤による寛解導入療法中にTdPが発症したとの報告がある。
2. APL分化症候群
本剤はAPL分化症候群(APL differentiation syndrome)と呼ばれるレチノイン酸症候群と類似した副作用が発現し、致死的な転帰をたどることがあるので、十分な経過観察を行うこと。このような症状があらわれた場合には休薬し、副腎皮質ホルモン剤のパルス療法等の適切な処置を行うこと。
3. 白血球増加症
本剤により高度の白血球増加症が引き起こされることがあるので、観察を十分に行い、末梢白血球数が30,000/mm3を超えた場合には、休薬し、経過観察や白血球数に応じた化学療法剤の使用等の適切な処置を行うこと。なお、化学療法剤の使用にあたっては、危険性を伴うので、十分注意すること(本剤と化学療法剤の併用についての有効性と安全性は確立されていない)。
4. *汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少
汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 循環器
5~50%未満
心電図QT延長
2. 循環器
5%未満
心電図QT補正間隔延長、頻脈、徐脈、不整脈、動悸、心嚢液貯留、洞性頻脈、うっ血性心不全、血圧低下
3. 循環器
頻度不明
心電図異常、潮紅、心筋症、心膜炎、低血圧、起立性低血圧、機能性心雑音
4. 呼吸器
5%未満
呼吸困難、労作性呼吸困難、咳嗽、肺胞出血
5. 呼吸器
頻度不明
無気肺、呼吸困難増悪、低酸素症、胸膜痛、胸水、頻呼吸、喘鳴音、咽喉頭疼痛、捻髪音
6. 消化器
5~50%未満
悪心
7. 消化器
5%未満
胃不快感、嘔吐、腹部膨満、腹痛、上腹部痛、下痢、便秘、食欲不振、消化不良、腸運動過剰、口唇乾燥、歯痛、胃腸不快感、食欲減退
8. 消化器
頻度不明
口内乾燥、歯肉出血、口唇潰瘍、鼓腸、便失禁、排便回数増加、軟便、血性下痢
9. 肝臓
5~50%未満
肝機能異常、ALT増加、AST増加、ALP増加、LDH増加、γ-GTP増加
10. 肝臓
5%未満
血中ビリルビン増加
11. 腎臓
5%未満
腎機能障害、血中クレアチニン増加、BUN減少、BUN増加、乏尿
12. 腎臓
頻度不明
着色尿、尿中蛋白陽性
13. 電解質異常
5~50%未満
低カリウム血症
14. 電解質異常
5%未満
低カルシウム血症、血中マグネシウム減少、高マグネシウム血症、高カリウム血症、高ナトリウム血症
15. 血液
5~50%未満
白血球増加症、好中球減少、血小板減少
16. 血液
5%未満
貧血、発熱性好中球減少症、脾腫
17. 血液
頻度不明
点状出血、斑状出血
18. 血液凝固系
5%未満
APTT延長、APTT短縮、血中フィブリノゲン減少、FDP増加
19. 血管障害
5%未満
血管炎
20. 血管障害
頻度不明
蒼白
21. 皮膚
5~50%未満
発疹
22. 皮膚
5%未満
紅斑、紅色汗疹、紅斑性皮疹、顔面浮腫、皮膚乾燥、皮膚炎、そう痒症
23. 皮膚
頻度不明
神経皮膚炎、剥脱性皮膚炎、局所性表皮剥脱、眼窩周囲浮腫、そう痒性皮疹、鱗屑性皮疹、皮膚色素過剰、多汗症、皮膚病変
24. 代謝・栄養障害
5~50%未満
高血糖
25. 代謝・栄養障害
5%未満
低蛋白血症、低アルブミン血症
26. 代謝・栄養障害
頻度不明
低血糖症、ケトアシドーシス
27. 全身状態
5~50%未満
発熱
28. 全身状態
5%未満
浮腫、体重増加、胸部不快感、悪寒、倦怠感、胸痛
29. 全身状態
頻度不明
疲労、疼痛、腫脹、体重減少
30. 精神神経系
5~50%未満
感覚減退
31. 精神神経系
5%未満
頭痛、振戦、うつ病、不快気分、不眠症、味覚異常、反射減弱、錯感覚、末梢性ニューロパシー、痙攣
32. 精神神経系
頻度不明
浮動性めまい、不安、抑うつ気分、トンネル状視野、聴覚障害
33. 感染症
5%未満
咽喉頭炎、帯状疱疹
34. 感染症
頻度不明
単純ヘルペス、副鼻腔炎、上気道感染
35. 筋・骨格
5%未満
背部痛、四肢痛、関節痛、骨痛、筋痛、筋骨格硬直、筋脱力
36. 筋・骨格
頻度不明
局所腫脹、関節滲出液、顎痛、重感
37. 眼
5%未満
結膜出血
38. 眼
頻度不明
眼瞼炎、眼刺激、眼瞼下垂、眼痛、霧視
39. その他
5~50%未満
APL分化症候群、CRP増加
40. その他
5%未満
末梢性浮腫、血中リン増加、注入部位紅斑、注入部位疼痛、注入部位腫脹
41. その他
頻度不明
骨髄生検異常、中耳滲出液、水疱、裂傷
高齢者への投与
高齢者では、生理機能が低下していることが多く、副作用があらわれやすいので、患者の状況を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
動物実験で催奇形作用が報告されている2)ので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。
[動物実験により、無機ヒ素は胎盤通過性を有し、胚吸収の増加、神経管異常、無眼球症、小眼球症が認められた。]
2.
妊娠する可能性のある婦人には投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること。患者には、胎児への毒性の可能性につい