低カリウム性アルカローシス
16. 眼
頻度不明
中心性漿液性網脈絡膜症等による網膜障害,眼球突出
17. 血液
0.1~5%未満
白血球増多
18. 血液
頻度不明
血栓症
19. 皮膚
0.1~5%未満
発疹,そう痒,顔面発赤
20. 皮膚
0.1%未満
脱毛,発汗(異常含む)
21. 皮膚
頻度不明
ざ瘡,多毛,色素沈着,皮下溢血,紫斑,線条,顔面紅斑,創傷治癒障害,皮膚菲薄化・脆弱化,脂肪織炎
22. その他
0.1~5%未満
動悸,しゃっくり
23. その他
0.1%未満
発熱,体重増加
24. その他
頻度不明
疲労感,ステロイド腎症,精子数及びその運動性の増減,しびれ感
高齢者への投与
高齢者に長期投与した場合,感染症の誘発,糖尿病,骨粗鬆症,高血圧症,後のう白内障,緑内障等の副作用があらわれやすいので,慎重に投与すること.
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること.〔新生児に副腎不全を起こすことがある.また,血圧上昇,心筋壁の肥厚を起こすとの報告がある.動物実験で催奇形作用が報告されている.〕
2.
本剤投与中は授乳を避けさせること.〔母乳中へ移行することがある.〕
小児等への投与
1.
小児の発育抑制があらわれることがあるので,観察を十分に行うこと.
2.
長期投与した場合,頭蓋内圧亢進症状があらわれることがある.
3.
低出生体重児で,一過性の肥大型心筋症が起こることが報告されている.
適用上の注意
1. 投与時
(1)
本剤の投与は静脈注射で行い,原則として点滴注射は避けること.
(2)
静脈内投与により,血管痛,静脈炎を起こすことがあるので,これを予防するため,注射部位,注射方法等について十分注意し,注射速度はできるだけ遅くすること.
2. アンプルカット時
本剤の容器はワンポイントカットアンプルを使用しているので,丸印を上にして下方向へ折ること.なお,アンプルカット時の異物混入を避けるため,エタノール綿等で清拭しカットすること.
その他の注意
副腎皮質ホルモン剤を投与中の患者にワクチンを接種して神経障害,抗体反応の欠如が起きたとの報告がある.
薬物動態
リメタゾンを関節リウマチ患者(50~80歳,5名)に1mL,及び健康成人(男子26~29歳,3名)に2mL静脈内投与した際の血漿中濃度推移を図1,2に示す1).
デキサメタゾンパルミチン酸エステル及び活性代謝物デキサメタゾンの血中半減期,デキサメタゾンの血中最高濃度,デキサメタゾンの血中最高濃度到達時間は,下記のとおりであった.
また,リメタゾンを投与した患者と健康成人との間では,年齢差によると推察されるデキサメタゾンパルミチン酸エステルの血中半減期の差を除き,他のパラメーターに差は認められなかった.
また,健康男子成人24時間尿中に主代謝物として,6β-ヒドロキシデキサメタゾンが検出された.
図1. 関節リウマチ患者にリメタゾンを投与した場合
図2. 健康成人にリメタゾンを投与した場合
薬物動態の表
関節リウマチ患者(1mL) 健康成人(2mL)
デキサメタゾンパルミチン酸エステルの血中半減期(時間) 2.17±0.51 1.13±0.16
デキサメタゾンの血中半減期(時間) 5.48±1.77 5.20±0.69
デキサメタゾンの血中最高濃度(μg/dL血漿) 4.09±0.92 6.62±0.66
デキサメタゾンの血中最高濃度到達時間(時間) 1.54±0.41 1.68±0.26
臨床成績
活動性関節リウマチ患者78例を対象に,本剤を延べ106回単回投与した有効率は,67.9%(72/106)であった.また,関節リウマチ患者を対象とした二重盲検比較試験(クロスオーバー法)においても,本剤2週に1回8週にわたり(計4回)投与した試験を行い,対照薬に比べて本剤の有用性が認められている2~4).
薬効薬理
1. 抗炎症作用5)
ラットカラゲニン足浮腫を用いた急性炎症に対しては,デキサメタゾンリン酸エステルナトリウムと同程度の効力を示したにすぎなかったが,ラットのホルマリンろ紙肉芽腫,ラットのカラゲニン肉芽腫及びラットのアジュバント関節炎に対しては,デキサメタゾンリン酸エステルナトリウムに対し,2~5倍の抗炎症作用を示した.
2. 炎症部への分布
ラットのアジュバント関節炎の炎症部への分布は,デキサメタゾンリン酸エステルナトリウムに比べ約2倍高いことが,3H-リメタゾンを用いた実験で,その放射活性から明らかにされた6).この炎症巣への分布は,ラットのアジュバント関節炎,ラットのカラゲニン肉芽腫の全身オートラジオグラフィー,ミクロオートラジオグラフィーによっても明らかにされている7).
3. マクロファージに対する作用
ラットのカラゲニン胸膜炎を用いた胸水のゲルろ過分析により炎症巣へは,遊離のデキサメタゾンとともに乳剤状で,本剤が移行し得ることが示された.このことは,ラットのカラゲニン肉芽腫の炎症巣の電子顕微鏡像によっても示されている8).
すなわち,乳剤状リメタゾンは,炎症巣マクロファージに積極的に貪食され,遊走能,貪食能,活性酸素生成能にみるマクロファージ機能を水溶性のデキサメタゾンリン酸エステルナトリウムに比べより効率よく抑制することが示された.
有効成分に関する理化学的知見
一般名
デキサメタゾンパルミチン酸エステル,Dexamethasone Palmitate(JAN)
化学名
9-fluoro-11β,17,21-trihydroxy-16α-methylpregna-1,4-diene-3,20-dione 21-palmitate
分子式
C38H59FO6
分子量
630.88
構造式
性状
白色~微黄色の結晶又は結晶性の粉末で,においはない.
アセトニトリル,メタノール,エタノール(95),2-プロパノール,ジエチルエーテル又は1,4-ジオキサンに極めて溶けやすく,アセトンに溶けやすく,水又