等より輸血を施行することが確実と予想される患者に限ること。
2)
採血に先立って患者に貯血式自己血輸血について十分説明するとともに、その趣旨と採血血液の不使用の際の処分等につき患者の同意を得ること。
3)
自己血採血は、ヘモグロビン濃度が11g/dL(ヘマトクリット値33%)未満では施行しないことが望ましい。
4)
採血は1週間前後の間隔をもって行い、採血量は1回400mLを上限とし、患者の年齢、体重、採血時の血液検査所見及び血圧、脈拍数等を考慮して決定すること。
5)
自己血採血時には採血を行う皮膚部位をポビドンヨード液等で十分に消毒し、無菌性を保つこと。
6)
最終採血は血漿蛋白量の回復期間を考慮し手術前3日以内は避けることが望ましい。
7)
「塩化ビニル樹脂製血液セット基準等について(平成11年3月30日医薬発第399号厚生省医薬安全局長通知) 」の規格に適合し、「生物学的製剤基準:人全血液」に規定された所定量の血液保存液(CPD 液等)を注入した採血セット等を用いて採血し、閉鎖回路を無菌的に保ちながら保存すること。
8)
血液保存容器には自己血であることを明記するとともに、氏名、採血年月日、ABO式血液型の別等を表示しておくこと。
9)
採血後の保存血液は温度記録計の設置されている保冷庫(血液保存庫)中で4~6℃で保管し、血液の返血は保存血液の有効期限内に行うこと。
10)
保存血液の返血は、患者本人の血液であることを十分確認してから施行すること。また、外観上異常を認めた場合は使用しないこと。
11)
外科手術患者では、一般に術後に深部静脈血栓症、肺塞栓症・肺梗塞等の血栓塞栓症が起きることがあるので、術後は血栓塞栓症に注意し術後管理を適切に行うこと。
副作用
副作用等発現状況の概要
(本項には頻度が算出できない副作用報告を含む)
〈腎性貧血〉
延べ1,456例中83例(5.70%)に副作用が認められた。主な副作用は血圧上昇37件(2.54%)、頭痛12件(0.82%)、そう痒感4件(0.27%)、発疹4件(0.27%)等であった。主な臨床検査値異常はLDH上昇7件(0.48%)、Al-P上昇4件(0.27%)、AST(GOT)上昇4件(0.27%)、ALT(GPT)上昇4件(0.27%)、血清カリウム上昇4件(0.27%)等であった。
〔エスポー皮下用再審査終了時〕
〈自己血貯血〉
1,677例中53例(3.16%)に副作用が認められた。主な副作用は血圧上昇6件(0.36%)であった。主な臨床検査値異常はALT(GPT)上昇14件(0.83%)、AST(GOT)上昇13件(0.78%)、Al-P上昇6件(0.36%)等であった。
〔エスポー皮下用再審査終了時〕
重大な副作用
1. *ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、口唇浮腫、咽頭浮腫等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. 高血圧性脳症、脳出血(頻度不明)
急激な血圧上昇により、頭痛・意識障害・痙攣等を示す高血圧性脳症、高血圧性脳出血があらわれる場合があるので、血圧等の推移に十分注意しながら投与すること。
3. 心筋梗塞、肺梗塞、脳梗塞(頻度不明)
心筋梗塞、肺梗塞、脳梗塞があらわれることがあるので、観察を十分に行い異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
4. 赤芽球癆(頻度不明)
抗エリスロポエチン抗体産生を伴う赤芽球癆があらわれることがあるので、その場合は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5. 肝機能障害、黄疸
他のエリスロポエチン製剤・ダルベポエチン アルファ製剤においてAST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 循環器
0.1~5%未満
血圧上昇
2. 循環器
0.1%未満
動悸
3. 皮膚
頻度不明
ざ瘡
4. 皮膚
0.1~5%未満
そう痒感、発疹
5. 肝臓
0.1~5%未満
肝機能異常、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、LDH上昇、Al-P上昇
6. 肝臓
0.1%未満
ビリルビン上昇、γ-GTP上昇
7. 消化器
頻度不明
下痢
8. 消化器
0.1%未満
腹痛、嘔気・嘔吐、食欲不振
9. 感覚器系
頻度不明
筋肉痛、口内苦味感
10. 感覚器系
0.1~5%未満
頭痛、発熱、熱感・ほてり感、全身けん怠感
11. 感覚器系
0.1%未満
関節痛、めまい、不眠
12. 血液
0.1%未満
白血球増多、好酸球増多
13. その他
頻度不明
眼底出血(網膜動脈血栓症、網膜静脈血栓症等)
14. その他
0.1~5%未満
BUN上昇、血清カリウム上昇
15. その他
0.1%未満
尿酸上昇、クレアチニン上昇、浮腫、脾腫増大、鼻出血
高齢者への投与
〈腎性貧血〉
本剤の投与に際しては血圧及びヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値等を頻回に測定し、投与量又は投与回数を適宜調節すること[一般に高齢者では生理機能が低下しており、また高血圧症等の循環器系疾患を合併することが多い]。
〈貯血量が800mL以上で1週間以上の貯血期間を予定する手術施行患者の自己血貯血〉
(1)
本剤投与に際しては特に循環系機能のモニターを頻回に行い、循環器異常、脳血管異常等に注意すること[一般に高齢者では生理機能が低下していることが多い]。
(2)
本剤の投与に際してはヘモグロビン濃度を頻回に測定して投与回数、投与期間及び投与量等を適宜調節すること[一般に高齢者では造血機能の低下が推定される]。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また、動物実験(ラット)で、胎児・出生児の発育の遅延が報告されている]。
小児等への投与
低