.06~15.4 6.60~27
骨盤死腔滲出液 1.5g 11.6~16.4 19.1~21.6
髄液(小児) 100mg/kg 17.2 16.0
膿汁(小児) 66.7mg/kg 1.34 2.66
臨床成績
1. 臨床効果2~4)
一般臨床試験及び比較臨床試験が実施され、疾患別臨床効果は下記のとおりである。
これらの症例のうちブドウ球菌属、大腸菌、プロテウス属、インフルエンザ菌によるβ-ラクタマーゼ高度産生菌検出症例における臨床効果は、肺炎・肺化膿症96.7%(29/30)、腹膜炎88.9%(8/9)、膀胱炎89.2%(33/37)であった。
また、12g/日投与時の肺炎に対する有効率は94.6%(35/37)であった。検出菌別の臨床効果は、肺炎球菌で92.3%(12/13)、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリスで87.5%(7/8)であった。
(表3参照)
2. 細菌学的効果2~4)
細菌学的検討が行われた1,289株の菌消失率は84.1%(1,084/1,289)でこれを適応菌種に限ると86.9%(423/487)注1)の菌消失率、さらにβ-ラクタマーゼ高度産生株に限ると84.2%(123/146)とほぼ同じ消失率であった。
また、12g/日投与時において細菌学的検討が行われた33株の菌消失率は84.8%(28/33)で、適応菌種に限ると82.8%(24/29)注2)、さらにβ-ラクタマーゼ高度産生株に限ると87.5%(7/8)の菌消失率であった。
すなわち、β-ラクタマーゼ高度産生株に対しても低度産生株や非産生株に対するのと同程度の効果を発揮することが示された。
(表4参照)
臨床成績の表
表3 疾患別臨床効果
疾患名 成人
3g/日 成人
4.5~6g/日 成人
12g/日 小児
60~150mg/kg/日
肺炎・肺化膿症 162/196(82.7%) 71/84(84.5%) 35/37注)(94.6%) 212/215(98.6%)
膀胱炎 141/200(70.5%) - - 2/2(100%)
腹膜炎 30/36(83.3%) 2/2(100%) - -
注):肺炎のみに対する臨床効果
( ):有効率〔有効以上〕
表4 用量別細菌学的効果
3~6g/日 12g/日
全分離菌 1,084/1,289(84.1%) 28/33(84.8%)
適応菌種 423/487(86.9%)注1) 24/29(82.8%)注2)
β-ラクタマーゼ高度産生株 123/146(84.2%) 7/8(87.5%)
株数
注1):ブドウ球菌属、大腸菌、プロテウス属、インフルエンザ菌
注2):注1)に加えて肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス
薬効薬理
1. 抗菌作用
(1)
本剤は、ブドウ球菌属、大腸菌、プロテウス属、インフルエンザ菌のβ-ラクタマーゼ産生・アンピシリン耐性菌及び肺炎球菌に対し、強い抗菌力を示す17~19)。
(2)
本剤は、β-ラクタマーゼ高度産生のブドウ球菌属、大腸菌、又はプロテウス属によるマウス単一感染モデルにおいて、アンピシリンより強い治療効果を示す18)。
また、β-ラクタマーゼ高度産生のアンピシリン耐性インフルエンザ菌とアンピシリン感受性肺炎球菌のマウス混合感染モデルにおいてアンピシリンよリ強い治療効果を示す19)。
2. 作用機序
本剤は、スルバクタムがβ-ラクタマーゼのIc、II、III及びIV型を強く、Ia及びV型を軽度に不可逆的に不活化するため20)、アンピシリンがこれらの酵素により加水分解されることを防ぎ、アンピシリン耐性菌にも抗菌力を示す。アンピシリンは、細菌のペプチドグリカン架橋形成を強く阻害して細胞壁合成を妨げ、殺菌的に作用する21)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
アンピシリンナトリウム(Ampicillin Sodium)
略号
ABPC
化学名
Monosodium(2S,5R,6R)-6-[(2R)-2-amino-2-phenylacetylamino]-3,3-dimethyl-7-oxo-4-thia-1-azabicyclo [3.2.0] heptane-2-carboxylate
分子式
C16H18N3NaO4S
分子量
371.39
構造式
力価
アンピシリンナトリウムの力価は、アンピシリン(C16H19N3O4S)としての量を質量(力価)で示す。
性状
アンピシリンナトリウムは白色~淡黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。水に極めて溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくい。
一般名
スルバクタムナトリウム(Sulbactam Sodium)
略号
SBT
化学名
Monosodium(2S,5R)-3,3-dimethyl-7-oxo-4-thia-1-azabicyclo [3.2.0] heptane-2-carboxylate 4,4-dioxide
分子式
C8H10NNaO5S
分子量
255.22
構造式
力価
スルバクタムナトリウムの力価は、スルバクタム(C8H11NO5S)としての量を質量(力価)で示す。
性状
スルバクタムナトリウムは白色~帯黄白色の結晶性の粉末である。水に溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、アセトニトリルにほとんど溶けない。
包装
ユナシン-S静注用0.75g:10バイアル
ユナシン-S静注用1.5g:10バイアル
ユナシン-S静注用3g:10バイアル
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
N Engl J Med 286(10):505,1972 [L19970603005]
2)
Jpn J Antibiot 42(3),1989:SULBACTAM/AMPICILLIN特集Iを中心に集計
3)
Che