のある患者[血液障害を起こすおそれがある。]
11.
出血傾向のある患者[血小板機能異常が起こることがある。]
12.
心機能異常のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
13.
気管支喘息のある患者[症状が悪化するおそれがある。]
14.
アルコール多量常飲者[肝障害があらわれやすくなる(「相互作用」の項参照)。]
15.
絶食・低栄養状態・摂食障害等によるグルタチオン欠乏、脱水症状のある患者[肝障害があらわれやすくなる。]
16.
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
重要な基本的注意
1.
本剤は、1錠中にトラマドール塩酸塩(37.5mg)及びアセトアミノフェン(325mg)を含む配合剤であり、トラマドールとアセトアミノフェン双方の副作用が発現するおそれがあるため、適切に本剤の使用を検討すること。
2.
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること(「重大な副作用」の項参照)。
3.
悪心、嘔吐、便秘等の症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、悪心・嘔吐に対する対策として制吐剤の併用を、便秘に対する対策として緩下剤の併用を考慮するなど、適切な処置を行うこと。
4.
眠気、めまい、意識消失が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。なお、意識消失により自動車事故に至った例も報告されている。
5.
感染症を不顕性化するおそれがあるので、観察を十分に行うこと。
6.
重篤な肝障害が発現するおそれがあるので注意すること。アセトアミノフェンの1日総量が1500mg(本剤4錠)を超す高用量で長期投与する場合には定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。高用量でなくとも長期投与する場合にあっては定期的に肝機能検査を行うことが望ましい。また、高用量で投与する場合などは特に患者の状態を十分に観察するとともに、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な措置を講じること。
7.
鎮痛剤による治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意すること。
8.
**重篤な呼吸抑制があらわれるおそれがあるので、12歳未満の小児には投与しないこと(「小児等への投与」の項参照)。
9.
**重篤な呼吸抑制のリスクが増加するおそれがあるので、18歳未満の肥満、閉塞性睡眠時無呼吸症候群又は重篤な肺疾患を有する患者には投与しないこと。
相互作用
トラマドールは、主に薬物代謝酵素(CYP2D6及びCYP3A4)によって代謝される。
併用禁忌
(併用しないこと)
薬剤名等
モノアミン酸化酵素阻害剤
セレギリン塩酸塩(エフピー)
臨床症状・措置方法
外国において、セロトニン症候群(錯乱、激越、発熱、発汗、運動失調、反射異常亢進、ミオクローヌス、下痢等)を含む中枢神経系(攻撃的行動、固縮、痙攣、昏睡、頭痛)、呼吸器系(呼吸抑制)及び心血管系(低血圧、高血圧)の重篤な副作用が報告されている。モノアミン酸化酵素阻害剤を投与中の患者及び投与中止後14日以内の患者には投与しないこと。また、本剤投与中止後にモノアミン酸化酵素阻害剤の投与を開始する場合には、2~3日間の間隔を空けることが望ましい。
機序・危険因子
相加的に作用が増強され、また、中枢神経のセロトニンが蓄積すると考えられる。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
オピオイド鎮痛剤
中枢神経抑制剤(フェノチアジン系薬剤、催眠鎮静剤等)
臨床症状・措置方法
痙攣閾値の低下や呼吸抑制の増強を来すおそれがある。
機序・危険因子
中枢神経抑制作用が相加的に増強されると考えられる。
2. 薬剤名等
三環系抗うつ剤
セロトニン作用薬(選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)等)
臨床症状・措置方法
セロトニン症候群(錯乱、激越、発熱、発汗、運動失調、反射異常亢進、ミオクローヌス、下痢等)があらわれるおそれがある。また、痙攣発作の危険性を増大させるおそれがある。
機序・危険因子
相加的に作用が増強され、また、中枢神経のセロトニンが蓄積すると考えられる。
3. 薬剤名等
リネゾリド
臨床症状・措置方法
セロトニン症候群(錯乱、激越、発熱、発汗、運動失調、反射異常亢進、ミオクローヌス、下痢等)があらわれるおそれがある。また、痙攣発作の危険性を増大させるおそれがある。
機序・危険因子
リネゾリドの非選択的、可逆的モノアミン酸化酵素阻害作用により、相加的に作用が増強され、また、中枢神経のセロトニンが蓄積すると考えられる。
4. 薬剤名等
カルバマゼピン
フェノバルビタール
フェニトイン
プリミドン
リファンピシン
イソニアジド
臨床症状・措置方法
トラマドールの血中濃度が低下し作用が減弱する可能性がある。
また、これらの薬剤の長期連用者では肝代謝酵素が誘導され、アセトアミノフェン代謝物による肝障害を生じやすくなるとの報告がある。
機序・危険因子
これらの薬剤の肝代謝酵素誘導作用により、トラマドールの代謝が促進される。また、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される。
5. 薬剤名等
アルコール(飲酒)
臨床症状・措置方法
呼吸抑制が生じるおそれがある。
また、アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用したところ肝不全を起こしたとの報告がある。
機序・危険因子
相加的に作用が増強されると考えられる。
アルコール常飲によるCYP2E1の誘導により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される。
6. 薬剤名等
キニジン
臨床症状・措置方法
相互に作用が増強するおそれがある。
機序・危険因子
機序不明
7. 薬剤名等
クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)
臨床症状・措置方法
出血を伴うプロトロンビン時間の延長等のクマリン系抗凝血剤の作用を増強することがある。
機序・危険因子
機序不明
8. 薬剤名等
ジゴキシン
臨床症状・措置方法
ジゴキシン中毒が発現したとの報告がある。
機序・危険因子
機序不明