mg/dL以上に回復したことを確認後、増量すること。
血清カルシウム濃度:7.5mg/dL未満
対応
処置:直ちに本剤の休薬を行うこと。
検査:血清カルシウム濃度を週1回以上測定し、心電図検査を実施することが望ましい。
増量・再開:再開する場合には、目安として8.4mg/dL以上に回復したことを確認後、休薬前の用量か、それ以下の用量から再開すること。
低アルブミン血症(血清アルブミン濃度が4.0g/dL未満)がある場合には、補正カルシウム濃度※を指標に用いることが望ましい。
※:補正カルシウム濃度(mg/dL)=血清カルシウム濃度(mg/dL)-血清アルブミン濃度(g/dL)+4.0
3.
増量する場合には増量幅を5mgとし、4週間以上の間隔をあけて行うこと。ただし、血清カルシウム濃度やPTHが管理目標値を下回らないように、2.5mgの増量も考慮すること。
4.
PTHが管理目標値の範囲に維持されるように、定期的にPTHを測定すること。PTHの測定は本剤の開始時及び用量調整時(目安として投与開始から3ヵ月程度)は月2回とし、PTHがほぼ安定したことを確認した後は月1回とすることが望ましい。PTHが管理目標値を下回った場合、減量又は休薬を考慮すること。なお、PTHの測定は、本剤の薬効及び安全性を適正に判断するために投与前に実施することが望ましい。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
低カルシウム血症の患者〔低カルシウム血症を悪化させるおそれがある。(「重要な基本的注意」の項参照)〕
重要な基本的注意
1.
本剤は血清カルシウム濃度低下作用を有するため、低カルシウム血症を発現させる可能性がある。本剤投与中は定期的に血清カルシウム濃度を測定し、低カルシウム血症が発現しないよう十分注意すること。低カルシウム血症の発現あるいは発現のおそれがある場合には、カルシウム剤やビタミンD製剤の投与、本剤の減量等の処置を考慮すること(〈用法・用量に関連する使用上の注意〉の項参照)。また、本剤投与中にカルシウム剤やビタミンD製剤の投与を中止した際には、低カルシウム血症の発現に注意すること。なお、低カルシウム血症に基づくと考えられる症状として、心不全の増悪、QT延長、しびれ、筋痙攣、気分不良、不整脈、血圧低下及び痙攣等があらわれることがある。〔「重大な副作用」の項参照〕
2.
本剤は静脈内に投与するペプチド製剤であることから、過敏症反応を発現させる可能性があるため、本剤投与終了後は患者の状態を十分に観察すること。
3.
本剤の開始時及び用量調整時は頻回に患者の症状を観察し、副作用の発現などに注意すること。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
デノスマブ
ビスホスホネート系薬剤(ミノドロン酸水和物、アレンドロン酸ナトリウム水和物、リセドロン酸ナトリウム水和物、イバンドロン酸ナトリウム水和物等)
選択的エストロゲン受容体モジュレーター(ラロキシフェン塩酸塩、バゼドキシフェン酢酸塩)
カルシトニン
副腎皮質ホルモン(プレドニゾロン、デキサメタゾン等)
臨床症状・措置方法
血清カルシウム濃度が低下するおそれがある。
機序・危険因子
本剤の血中カルシウム低下作用が増強される可能性がある。
副作用
副作用等発現状況の概要
国内で実施された臨床試験において、292例中77例(26.4%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主なものは血中カルシウム減少43例(14.7%)、嘔吐6例(2.1%)、低カルシウム血症3例(1.0%)、味覚異常3例(1.0%)及び下痢3例(1.0%)等であった。(承認時)
重大な副作用
1. 低カルシウム血症、血中カルシウム減少
低カルシウム血症(1.0%)、血中カルシウム減少(14.7%)に基づくと考えられる症状(心不全の増悪、QT延長、しびれ、筋痙攣、気分不良、不整脈、血圧低下及び痙攣等)があらわれることがあるので、〈用法・用量に関連する使用上の注意〉の項を参照の上、血清カルシウム濃度を定期的に測定すること。異常が認められた場合には、血清カルシウム濃度を確認し、カルシウム剤やビタミンD製剤の投与を考慮すること。また、必要に応じて本剤を減量又は中止すること。
2. 心不全の増悪
心不全の増悪(頻度不明※)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
3. QT延長
血中のカルシウム低下に伴うQT延長(頻度不明※)が起こることがあるので、異常が認められた場合は、血清カルシウム濃度を確認し、カルシウム剤やビタミンD製剤の投与を考慮すること。また、必要に応じて本剤の減量又は投与を中止すること。
その他の副作用
以下の副作用が認められた場合には、症状にあわせて適切な処置を行うこと。
1. 心臓障害
1%未満
心房細動、右脚ブロック、心室性期外収縮、心筋梗塞、上室性期外収縮、頻脈性不整脈
2. 眼障害
1%未満
眼瞼炎
3. 胃腸障害
1~3%未満
嘔吐、下痢
4. 胃腸障害
1%未満
腹部不快感、便秘、腸炎、胃食道逆流性疾患、悪心、口内炎、心窩部不快感、痔出血、口の感覚鈍麻、軟便
5. 全身障害
1%未満
胸痛、倦怠感、突然死
6. 感染症
1%未満
単純ヘルペス
7. 代謝及び栄養障害
1%未満
食欲減退
8. 筋骨格系及び結合組織障害
1%未満
側腹部痛、筋痙縮、脊椎すべり症
9. 筋骨格系及び結合組織障害
頻度不明※
筋肉痛
10. 神経系障害
1~3%未満
味覚異常
11. 神経系障害
1%未満
ジスキネジア、手根管症候群、視神経炎
12. 神経系障害
頻度不明※
頭痛、感覚異常
13. 呼吸器、胸郭及び縦隔障害
1%未満
鼻出血
14. 皮膚及び皮下組織障害
1%未満
発疹、斑状皮疹、蕁麻疹
15. 血管障害
1%未満
大動脈解離
16. 血管障害
頻度不明※
低血圧
17. 臨床検査
1%未満
心電図ST部分下降、尿量減少
18. 臨床検査
頻度不明※
高カリウム血症、低リン酸血症
※:発現頻度は国内の第I/II相漸増反復投与試験、第III相二重盲検及び長期投与試験の結果か