キソルビシン塩酸塩として20~30mg(0.4~0.6mg/kg)(力価)を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、1日1回、3日間連日静脈内にワンショット投与後、18日間休薬する。
この方法を1クールとし、2~3クール繰り返す。
(4)
総投与量はドキソルビシン塩酸塩として500mg(力価)/m2(体表面積)以下とする。
**悪性リンパ腫の場合
(5)
上記(1)~(3)に従う。
(6)
他の抗悪性腫瘍剤との併用において、標準的なドキソルビシン塩酸塩の投与量及び投与方法は、以下のとおりとする。
1)
ドキソルビシン塩酸塩として1日1回25~50mg(力価)/m2(体表面積)を静脈内投与し、繰り返す場合には少なくとも2週間以上の間隔をあけて投与する。
2)
ドキソルビシン塩酸塩として、1日目は40mg(力価)/m2(体表面積)、8日目は30mg(力価)/m2(体表面積)を静脈内投与し、その後20日間休薬する。この方法を1クールとし、投与を繰り返す。
投与に際しては、日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、必要に応じて輸液により希釈する。なお、年齢、併用薬、患者の状態に応じて適宜減量する。また、ドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg(力価)/m2(体表面積)以下とする。
乳癌(手術可能例における術前、あるいは術後化学療法)に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法の場合
(7)
シクロホスファミド水和物との併用において、標準的なドキソルビシン塩酸塩の投与量及び投与方法は、1日量、ドキソルビシン塩酸塩として60mg(力価)/m2(体表面積)を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、1日1回静脈内投与後、20日間休薬する。
この方法を1クールとし、4クール繰り返す。
なお、年齢、症状により適宜減量する。またドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg(力価)/m2(体表面積)以下とする。
子宮体癌(術後化学療法、転移・再発時化学療法)に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法の場合
(8)
シスプラチンとの併用において、標準的なドキソルビシン塩酸塩の投与量及び投与方法は、1日量、ドキソルビシン塩酸塩として60mg(力価)/m2(体表面積)を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、1日1回静脈内投与し、その後休薬し3週毎繰り返す。
なお、年齢、症状により適宜減量する。またドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg(力価)/m2(体表面積)以下とする。
悪性骨・軟部腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法の場合
(9)
イホスファミドとの併用において、標準的なドキソルビシン塩酸塩の投与量及び投与方法は、1日量、ドキソルビシン塩酸塩として20~30mg(力価)/m2(体表面積)を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、1日1回3日間連続で静脈内投与し、その後休薬し3~4週毎繰り返す。
なお、年齢、症状により適宜減量する。またドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg(力価)/m2(体表面積)以下とする。
本剤単剤では(3)、(4)に従う。
悪性骨腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法の場合
(10)
シスプラチンとの併用において、標準的なドキソルビシン塩酸塩の投与量及び投与方法は、1日量、ドキソルビシン塩酸塩として20mg(力価)/m2(体表面積)を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、1日1回3日間連続で静脈内投与または点滴静注し、その後3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。
なお、疾患、症状により適宜減量する。またドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg(力価)/m2(体表面積)以下とする。
多発性骨髄腫に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法の場合
(11)
ビンクリスチン硫酸塩、デキサメタゾンリン酸エステルナトリウムとの併用において、標準的なドキソルビシン塩酸塩の投与量及び投与方法は、1日量ドキソルビシン塩酸塩として9mg(力価)/m2(体表面積)を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、必要に応じて輸液に希釈して24時間持続静注する。これを4日間連続で行う。その後休薬し、3~4週毎繰り返す方法を1クールとする。
なお、年齢、症状により適宜減量する。またドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg(力価)/m2(体表面積)以下とする。
小児悪性固形腫瘍(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽腫、網膜芽腫、肝芽腫、腎芽腫等)に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法の場合
(12)
他の抗悪性腫瘍剤との併用において、標準的なドキソルビシン塩酸塩の投与量及び投与方法は、以下のとおりとする。
1)
1日20~40mg(力価)/m2(体表面積)を24時間持続点滴
1コース20~80mg(力価)/m2(体表面積)を24~96時間かけて投与し、繰り返す場合には少なくとも3週間以上の間隔をあけて投与する。1日投与量は最大40mg(力価)/m2(体表面積)とする。
2)
1日1回20~40mg(力価)/m2(体表面積)を静注または点滴静注
1コース20~80mg(力価)/m2(体表面積)を投与し、繰り返す場合には少なくとも3週間以上の間隔をあけて投与する。1日投与量は最大40mg(力価)/m2(体表面積)とする。
投与に際しては、日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、必要に応じて輸液により希釈する。なお、年齢、併用薬、患者の状態に応じて適宜減量する。また、ドキソルビシン塩酸塩の総投与量は500mg(力価)/m2(体表面積)以下とする。
膀胱腫瘍の場合
(13)
1日量、ドキソルビシン塩酸塩として30~60mg(力価)を20~40mLの日局生理食塩液に1~2mg(力価)/mLになるように溶解し、1日1回連日または週2~3回膀胱腔内に注入する。
また、年齢・症状に応じて適宜増減する。
(ドキソルビシン塩酸塩の膀胱腔内注入法)
ネラトンカテーテルで導尿し、十分に膀胱腔内を空にしたのち同カテーテルより、ドキソルビシン塩酸塩30~60mg(力価)を20~40mLの日局生理食塩液に1~2mg(力価)/mLになるように溶解して膀胱腔内に注入し、1~2時間膀胱把持する。
◇M-VAC療法
効能・効果
尿路上皮癌
用法及び用量
メトトレキサート、ビンブラスチン硫酸塩及びシスプラチンとの併用において、通常、ドキソルビシン塩酸塩を日局注射用水または日局生理食塩液に溶解し、成人1回30mg(力価)/m2(体表面積)を静脈内に注射する。
なお、年齢、症状により適宜減量する。
標準的な投与量及び