唆する所見が認められている。]
2.
授乳婦に投与する場合には授乳を中止させること。
[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。
[使用経験がない。]
過量投与
本剤の過量投与時の解毒剤は知られていない。過量投与時に予期される主な合併症は、骨髄抑制、末梢性神経毒性及び粘膜炎である。過量投与が行われた場合には、患者を特別な設備下で管理し、バイタルサイン等を十分に監視すること。
適用上の注意
1. 調製時
(1)
本剤とタキソテール点滴静注用20mg及びタキソテール点滴静注用80mg(2バイアル製剤)のプレミックス液とは薬剤濃度が異なるため、同時に使用しないこと。
(2)
輸液(生理食塩液又は5%ブドウ糖液)と混和した後は速やかに使用すること。
(3)
他剤との混注を行わないこと。
(4)
本剤が皮膚に付着した場合には、直ちに石鹸及び多量の流水で洗い流すこと。また、粘膜に付着した場合には、直ちに多量の流水で洗い流すこと。
2. 投与時
(1)
必ず1時間以上かけて点滴静脈内投与すること。皮下、筋肉内には投与しないこと。
(2)
静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れると、注射部位に硬結・壊死を起こすことがあるので薬液が血管外に漏れないように投与すること。
その他の注意
1. 外国における前投与
ドセタキセルの1回最大投与量を100mg/m2としている欧米においては、浮腫の発現率及び重篤度が高く、浮腫並びに過敏症状の軽減を目的として、副腎皮質ホルモン剤による前投与が行われている。前投与としては、デキサメタゾン(16mg/日、8mg1日2回)等を、ドセタキセルの投与前日から3日間、単独経口投与することが望ましいとされている。なお、前投与を実施した症例においても、重篤な過敏症(アナフィラキシーショック)による死亡例が報告されている。
また、浮腫に関しては以下のような報告がある。
・ドセタキセル100mg/m2を3週間間隔で点滴静脈内投与したところ、上記前投与を受けた患者では累積投与量(中央値)として818.9mg/m2以上、受けない患者では489.7mg/m2以上投与したときに浮腫の発現率が高くなった。
・ドセタキセルの投与を中止すると、浮腫は徐々に軽快する。浮腫は下肢から発現し、3kg以上の体重増加を伴う全身性のものになる場合があるが、急性の乏尿や低血圧は伴わない。まれに脱水症及び肺水腫が報告されている。
2. 外国での肝機能異常患者への投与
外国において、ドセタキセル100mg/m2を3週間間隔で点滴静脈内投与したところ、血中アルカリホスファターゼ高値(正常域上限の2.5倍以上)を伴うトランスアミナーゼ高値(正常域上限の1.5倍以上)患者、又は血中ビリルビン高値(正常域上限以上)患者にドセタキセルを投与した場合、重篤な副作用の発現や副作用の増強・増悪が認められている。報告された副作用は、Grade4の好中球減少、発熱性好中球減少、感染症、重篤な血小板減少、重篤な口内炎、並びに皮膚剥離を伴う皮膚症状等であり、治療関連死の危険性が増加すると警告されている。
3.
ドセタキセルと他の抗悪性腫瘍剤や放射線療法を併用した患者で、急性白血病、骨髄異形成症候群(MDS)が発生したとの報告がある。
4.
変異原性試験のうち、チャイニーズハムスターの卵巣由来培養細胞(CHO-K1)を用いる染色体異常試験及びマウスを用いる小核試験において、いずれも陽性の結果が報告されている。
5.
国内での非小細胞肺癌に対する35mg/m2の週1回投与法(1日1回35mg/m2、1、8、15日目投与、4週毎に繰り返し)による他社の第II相臨床試験において、間質性肺炎が48例中6例に認められた。(承認外用法・用量)
6.
**乳癌の術後補助化学療法に関する他社の海外臨床試験において、ドセタキセルと他の抗悪性腫瘍剤を併用した患者で観察期間終了時点においても脱毛が継続していた症例が報告されている(3.9%(29/744)、観察期間中央値:96ヵ月)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
ドセタキセル(Docetaxel)
化学名
(1S,2S,3R,4S,5R,7S,8S,10R,13S)-4-Acetoxy-2-benzoyloxy-5,20-epoxy-1,7,10-trihydroxy-9-oxotax-11-ene-13-yl(2R,3S)-3-(1,1-dimethylethyl)oxycarbonylamino-2-hydroxy-3-phenylpropionate
分子式
C43H53NO14
分子量
807.88
構造式
性状
白色の粉末である。
エタノール(99.5)、ジメチルスルホキシド及び酢酸エチルに溶けやすく、アセトン及びメタノールにやや溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けにくく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水及びヘキサンにほとんど溶けない。
取扱い上の注意
安定性試験
最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6ヵ月)の結果、ドセタキセル点滴静注液20mg/1mL「NK」及びドセタキセル点滴静注液80mg/4mL「NK」は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。1)
貯法
遮光して室温保存(包装開封後もバイアルを箱に入れて保存すること。)
包装
ドセタキセル点滴静注液20mg/1mL「NK」:1バイアル
ドセタキセル点滴静注液80mg/4mL「NK」:1バイアル
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
日本化薬株式会社 社内資料:安定性試験
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましては下記にご請求下さい。
日本化薬株式会社 医薬品情報センター
(住所)〒100-0005 東京都千代田区丸の内二丁目1番1号
(TEL)0120-505-282(フリーダイヤル)
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
日本化薬株式会社
東京都千代田区丸の内二丁目1番1号