と。
(4)
投与中は副作用の出現に対し、常に十分な配慮と観察を行い、また、患者をストレスから避けるようにし、事故、手術等の場合には増量するなど適切な処置を行うこと。
(5)
連用後、投与を急に中止すると、ときに発熱、頭痛、食欲不振、脱力感、筋肉痛、関節痛、ショック等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。離脱症状があらわれた場合には、直ちに再投与又は増量すること。
3.
**副腎皮質ホルモン剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者において、B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。本剤の投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。異常が認められた場合には、本剤の減量を考慮し、抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと。なお、投与開始前にHBs抗原陰性の患者において、B型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されている。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
中枢神経抑制剤、アルコール、MAO阻害剤、抗コリン作用を有する薬剤
臨床症状・措置方法
相互に作用を増強することがあるので、併用する場合は減量するなど慎重に投与すること。
機序・危険因子
中枢神経抑制剤、アルコール:d-クロルフェニラミンマレイン酸塩の中枢抑制作用により、作用が増強される。
MAO阻害剤:d-クロルフェニラミンマレイン酸塩の解毒機構に干渉し、作用を遷延化(増強)する。
2. 薬剤名等
ドロキシドパ
ノルアドレナリン
臨床症状・措置方法
併用により血圧の異常上昇を来すおそれがある。
機序・危険因子
d-クロルフェニラミンマレイン酸がヒスタミンによる毛細血管拡張を抑制する。
3. 薬剤名等
バルビツール酸誘導体:フェノバルビタール
フェニトイン
リファンピシン
エフェドリン
臨床症状・措置方法
副腎皮質ホルモン剤の作用が減弱することが報告されているので、併用する場合には用量について注意すること。
機序・危険因子
バルビツール酸誘導体、フェニトイン、リファンピシンはP-450を誘導し、副腎皮質ホルモン剤の代謝が促進される。
4. 薬剤名等
サリチル酸誘導体:アスピリン、アスピリンダイアルミネート、サザピリン
臨床症状・措置方法
併用時に副腎皮質ホルモン剤を減量すると、血清中のサリチル酸濃度が上昇し、サリチル酸中毒を起こすことが報告されているので、併用する場合には用量について注意すること。
機序・危険因子
副腎皮質ホルモン剤は、サリチル酸誘導体の腎排泄と肝代謝を促進し、血清中のサリチル酸誘導体の濃度を低下させる作用を持っているので減量するとその血中濃度が上昇する。
5. 薬剤名等
抗凝血剤:ワルファリンカリウム
臨床症状・措置方法
副腎皮質ホルモン剤が、抗凝血剤の作用を減弱させることが報告されているので、併用する場合には用量について注意すること。
機序・危険因子
副腎皮質ホルモン剤は血液凝固促進作用がある。
6. 薬剤名等
経口糖尿病用剤:アセトヘキサミド
インスリン製剤
臨床症状・措置方法
副腎皮質ホルモン剤が、経口糖尿病用剤、インスリン製剤の作用を減弱させることが報告されているので、併用する場合には用量について注意するとともに、血糖値その他患者の状況を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
副腎皮質ホルモン剤は、肝臓での糖新生を促進し、末梢組織での糖利用を阻害することによる血糖上昇作用がある。
7. 薬剤名等
利尿剤(カリウム保持性利尿剤を除く):トリクロルメチアジド、アセタゾラミド、フロセミド
臨床症状・措置方法
副腎皮質ホルモン剤との併用により、低カリウム血症があらわれる場合があるので、併用する場合には用量について注意すること。カリウム排泄型利尿剤との併用時には血清カリウム濃度と心機能のモニタリングが推奨される。
機序・危険因子
副腎皮質ホルモン剤は、尿細管でのカリウム排泄促進作用がある。
8. 薬剤名等
ソマトロピン
臨床症状・措置方法
併用により、ソマトロピンの効果を減弱することがある。
機序・危険因子
副腎皮質ホルモン剤がソマトロピンの効果を減弱させる。機序不明。
9. 薬剤名等
シクロスポリン
臨床症状・措置方法
シクロスポリンの血中濃度が上昇するとの報告があるので、併用する場合には用量について注意すること。
機序・危険因子
本剤はシクロスポリンの代謝を阻害する。
10. 薬剤名等
非脱分極性筋弛緩剤:パンクロニウム臭化物、ベクロニウム臭化物
臨床症状・措置方法
筋弛緩作用が減弱又は増強するとの報告があるので、併用する場合には用量について注意すること。
機序・危険因子
機序不明。
11. 薬剤名等
*リトドリン塩酸塩
臨床症状・措置方法
ベタメタゾンの注射剤との併用により肺水腫があらわれたとの報告がある。
機序・危険因子
体内の水分貯留傾向が促進される。
副作用
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用
1.
**誘発感染症、感染症の増悪(頻度不明):誘発感染症、感染症の増悪があらわれることがある。また、B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
2.
続発性副腎皮質機能不全、糖尿病、急性副腎不全(頻度不明):続発性副腎皮質機能不全、糖尿病、急性副腎不全があらわれることがあるので、検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は休薬等適切な処置を行うこと。
3.
消化性潰瘍、膵炎(頻度不明):膵炎、また、胃潰瘍等の消化性潰瘍があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は休薬等適切な処置を行うこと。
4.
精神変調、うつ状態、痙攣、錯乱(頻度不明):うつ状態、痙攣、錯乱、精神変調があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常があらわれた場合には、減量又は休薬等適切な処置を行うこと。