CHINO(Chenodeoxycholic Acid)鹅去氧胆酸胶囊,チノカプセル125
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作成又は改訂年月
**2016年5月改訂(第5版)
*2010年1月改訂
日本標準商品分類番号
872362
再審査結果公表年月(最新)
1990年9月
薬効分類名
経口胆石溶解剤
承認等
販売名
チノカプセル125
販売名コード
2362003M2031
承認・許可番号
承認番号
21800AMX10382000
商標名
CHINO
薬価基準収載年月
2006年6月
販売開始年月
1984年4月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存、気密容器
使用期限
外箱に表示
組成
品名
チノカプセル125
成分・含量
1カプセル中
ケノデオキシコール酸125mg含有
**添加物
結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、メチルセルロース、カルメロースカルシウム、ショ糖脂肪酸エステル
カプセル本体には、ラウリル硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、黄色4号(タートラジン)、赤色3号、青色1号、酸化チタン、ゼラチンを含有
性状
外観・性状
緑色不透明の3号硬カプセル
(内容物は白色の粉末)
*識別コード
CHINO
外形等
長径
約15.8mm
短径
約5.8mm
一般的名称
ケノデオキシコール酸
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.
重篤な胆道・膵障害のある患者[利胆作用があるため、原疾患を悪化させるおそれがある。]
2.
重篤な肝障害のある患者[肝での代謝物により、肝障害を悪化させるおそれがある。]
3.
肝・胆道系に閉塞性病変のある患者[利胆作用があるため、胆汁うっ滞を惹起するおそれがある。]
4.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
効能又は効果
効能・効果
外殻石灰化を認めないコレステロール系胆石の溶解
用法・用量
通常、成人にはケノデオキシコール酸として、300~400mgを1日2~3回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は600mgとする。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
(1)
消化管に潰瘍性病変のある患者[粘膜刺激作用があるため、症状を悪化させるおそれがある。]
(2)
胆管に胆石のある患者[利胆作用があるため、胆汁うっ滞を惹起するおそれがある。]
(3)
肝障害の既往歴のある患者[肝での代謝物により、肝障害を惹起するおそれがある。]
重要な基本的注意
(1)
動物実験において、本剤の投与により肝障害が認められているので、定期的に肝機能検査を実施して観察を十分に行うこと。
(2)
1年間以上の投与によっても、胆石の縮小あるいは減少が認められない場合には、他の治療法を検討すること。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
スルフォニル尿素系経口糖尿病薬(トルブタミド等)
臨床症状・措置方法
血糖降下作用を増強するおそれがある。
機序・危険因子
本剤によりトルブタミドが血漿蛋白から遊離することが考えられる。
薬剤名等
制酸剤(水酸化アルミニウムゲル等)
臨床症状・措置方法
本剤の作用を減弱するおそれがある。
機序・危険因子
アルミニウムを含有する制酸剤は本剤を吸着し、本剤の吸収が阻害されるおそれがある。
薬剤名等
コレスチラミン
臨床症状・措置方法
本剤の作用を減弱するおそれがある。
機序・危険因子
コレスチラミンは陰イオン交換樹脂であるため、本剤と結合し吸収が阻害されるおそれがある。
薬剤名等
脂質低下剤(クロフィブラート等)
臨床症状・措置方法
本剤の作用を減弱するおそれがある。
機序・危険因子
脂質低下剤は胆汁中のコレステロール分泌を促進するため、コレステロール胆石形成が促進され、本剤の作用を減弱するおそれがある。
副作用
調査症例1,372例中70例(5.1%)に副作用が認められた。(再審査終了時)
本項には頻度が算出できない副作用報告を含む。
肝 臓
頻度不明
Al-P、ビリルビンの上昇等
肝 臓
0.1~5%未満
ALT(GPT)、AST(GOT)の上昇等
消化器
0.1~5%未満
下痢・軟便、腹痛、腹部不快感、胸やけ、腹部膨満感
消化器
0.1%未満
悪心・嘔吐、食欲不振
過敏症注)
0.1~5%未満
発疹
過敏症注)
0.1%未満
そう痒
その他
頻度不明
倦怠感、めまい
その他
0.1%未満
顔のむくみ
注)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
(1)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[動物実験で、胎仔肝の組織学的変化等が報告されている。]
(2)
授乳中の婦人には投与しないことが望ましい。[動物実験で乳汁中への移行が報告されている。]
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
薬物動態
[薬物動態]1)
血中濃度
健常人にCDCAとして400mgを投与後、1時間で最高血中濃度に達し、4時間ではほぼ前値に戻り、腸管から速やかに吸収され、ほとんどが肝臓に取り込まれるものと考えられる。また、食事による吸収率の低下は認められなかった。
臨床成績
[臨床成績]2)
コレステロール胆石症に対する承認前及び承認後の臨床試験結果の概要は次の通りであった。
胆石に対する溶解効果は判定可能であった1,302例中消失96例(7.4%)、明らかな減少又は縮小196例(15.1%)、やや減少又は縮小403例(31.0%)であり、明らかな減少又は縮小以上の有効率は22.4%、やや減少又は縮小まで含めると53.4%であった。
薬効薬理
*[薬効薬理]3,4)
1. In vitroにおいてCDCAは、ヒトコレステロール胆石溶解作用が認められ、その効果は他の胆汁酸(コール酸、ウルソデオキシコール酸)に比し溶解作用が強い。また、タウリン及びグリシン抱合体にも胆石溶解作用が認められる。
2.
In vivoにおける胆石溶解作用については、ハムスターでの実験的コレステロール胆石に対し、胆石溶解効果が認められ、その用量は5~10mg/kgが良好であった。
また、ウサギの胆のう内に植込んだヒトコレステロール胆石に対し、CDCA投与(1mg/kg、10mg/kg)で軽度の溶解作用を認める。
3.
胆汁組成に対しCDCA投与は、総胆汁酸の増加、リン脂質の軽度の増加を示し、コレステロール溶存能を高める。
胆汁中胆汁酸の組成はコール酸、デオキシコール酸が減少し、CDCAがこれにおきかわる。
有効成分に関する理化学的知見
構造式:
一般名:
ケノデオキシコール酸(Chenodeoxycholic Acid)
化学名:
3α,7α-Dihydroxy-5β-cholan-24-oic acid
分子式:
C24H40O4
分子量:
392.57
融 点:
164~169℃
性 状:
白色の結晶、結晶性の粉末又は粉末である。メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすく、アセトンにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。
包装
(PTP)10カプセル×10
(PTP)10カプセル×50
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
Berge - Henegouwen,G. P. et al. : Gastroenterology,73,300 - 309,1977
2)
藤本製薬株式会社:チノカプセル臨床報告集計(社内資料)
3)
茂在 俊光他:薬理と治療,6,1359-1364,1978
4)
大出 博功他:薬理と治療,10,3879-3886,1982
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
藤本製薬株式会社 医薬学術部
〒580-8503 大阪府松原市西大塚1丁目3番40号
TEL:0120-225-591
FAX:0120-116-026
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
藤本製薬株式会社
〒580-0011大阪府松原市西大塚1丁目3番40号