39;安全性は確認されておらず、外国人における成績しか得られていないこと。
(2)
本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告すること。
(3)
本剤を含む現在の抗HIV療法が、性的接触又は血液汚染を介した他者へのHIV感染の危険性を低下させるかどうかは証明されていない。
(4)
本剤はジドブジン及びラミブジンの固定用量を含有する配合剤であるので、本剤に加えてジドブジン製剤(レトロビルカプセル)又はラミブジン製剤(エピビル錠、ゼフィックス錠、エプジコム配合錠)をさらに追加して服用しないこと。
(5)
本剤の有効成分であるジドブジンは相互作用が多く知られていることから、他院で処方された薬剤又は市販薬を服用中の場合は、すべて担当医に報告すること(「相互作用」の項参照)。
2.
本剤の有効成分であるジドブジンにより骨髄抑制があらわれるので、投与開始後3ヵ月間は少なくとも2週間毎に血液学的検査を行い、その後は最低1ヵ月毎の検査を行うこと。
3.
本剤又は他の抗HIV薬による治療経験が無く、かつ、原疾患であるHIV感染症により好中球数750/mm3未満又はヘモグロビン値が7.5g/dL未満に減少したと判断される患者に対しては、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ、本剤の投与を考慮すること。
4.
本剤を含むヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬の単独投与又はこれらの併用療法により、重篤な乳酸アシドーシス(全身けん怠、食欲不振、急な体重減少、胃腸障害、呼吸困難、頻呼吸等)、肝毒性(脂肪沈着による重度の肝腫大、脂肪肝を含む)が、女性に多く報告されているので、上記の乳酸アシドーシス又は肝毒性が疑われる臨床症状や検査値異常が認められた場合には、本剤の投与を一時中止すること。特に、肝疾患の危険因子を有する患者においては注意すること。
5.
*ラミブジンの薬剤耐性プロファイル等のウイルス学的特性はエムトリシタビンと類似しているので、本剤とエムトリシタビンを含む製剤を併用しないこと。また、エムトリシタビンを含む抗HIV療法においてウイルス学的効果が得られず、HIV-1逆転写酵素遺伝子のM184V/I変異が認められた場合、エムトリシタビンを本剤に変更するのみで効果の改善は期待できない。
6.
抗HIV薬の使用により、体脂肪の再分布/蓄積があらわれることがあるので、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
7.
本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築症候群が報告されている。投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること。
8.
本剤の投与により膵炎があらわれることがある。膵炎を発症する可能性のある患者(膵炎の既往歴のある患者、膵炎を発症させることが知られている薬剤との併用療法を受けている患者)では、本剤の適用を考える場合には、他に十分な効果の認められる治療法がない場合にのみ十分注意して行うこと。本剤投与中に膵炎を疑わせる重度の腹痛、悪心・嘔吐等又は血清アミラーゼ、血清リパーゼ、トリグリセリド等の上昇があらわれた場合は、本剤の投与を直ちに中止し、画像診断等による観察を十分に行うこと。
9.
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による神経機能障害に対する本剤の有効性は確認されていない。
相互作用
併用禁忌
(併用しないこと)
薬剤名等
関連する有効成分名:ジドブジン
イブプロフェン(ブルフェン等)
臨床症状・措置方法
ジドブジンと併用投与した場合、血友病患者において出血傾向が増強することがある。
機序・危険因子
機序は不明である。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
関連する有効成分名:ジドブジン
ペンタミジン、ピリメタミン、スルファメトキサゾール・トリメトプリム合剤、フルシトシン、ガンシクロビル、インターフェロン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ドキソルビシン
臨床症状・措置方法
ジドブジンの毒性作用が増強されることがある。
機序・危険因子
機序は不明であるが、ともに腎毒性又は骨髄毒性を有するためと考えられている。
2. 薬剤名等
関連する有効成分名:ジドブジン
プロベネシド
臨床症状・措置方法
ジドブジンの全身クリアランスが約1/3に減少し半減期が約1.5倍延長したとの報告があるので、投与間隔を適宜あけること。
機序・危険因子
ジドブジンのグルクロン酸抱合が競合的に阻害される。また、本剤のグルクロン酸抱合体の腎排泄が抑制されることが考えられている。
3. 薬剤名等
関連する有効成分名:ジドブジン
フルコナゾール、ホスフルコナゾール
臨床症状・措置方法
ジドブジンの最高血中濃度が84%上昇するとの報告がある4)。
機序・危険因子
ジドブジンのグルクロン酸抱合が競合的に阻害されることが考えられている。
4. 薬剤名等
関連する有効成分名:ジドブジン
リトナビル
臨床症状・措置方法
ジドブジンの最高血中濃度が27%減少しAUCが25%減少するとの報告がある5)。
機序・危険因子
ジドブジンのグルクロン酸抱合が促進されることが考えられている。
5. 薬剤名等
関連する有効成分名:ジドブジン
リファンピシン
臨床症状・措置方法
ジドブジンの全身クリアランスが約2.5倍増加し、AUCが約1/2減少するとの報告がある6)。
機序・危険因子
機序は不明である。
6. 薬剤名等
関連する有効成分名:ジドブジン
フェニトイン
臨床症状・措置方法
血中フェニトイン濃度が約1/2に減少するとの報告がある7)。また、上昇するとも報告されているので、血中フェニトイン濃度を注意深く観察すること。
機序・危険因子
機序は不明である。
7. 薬剤名等
関連する有効成分名:ジドブジン
サニルブジン
臨床症状}