作用により、尿閉を誘発するおそれがある。]
2.
潰瘍性大腸炎のある患者[中毒性巨大結腸があらわれるおそれがある。]
3.
甲状腺機能亢進症の患者[抗コリン作用により頻脈等の交感神経興奮症状が悪化するおそれがある。]
4.
肝機能障害患者(重度を除く)及び腎機能障害患者[血中濃度が上昇するおそれがある。]
5.
認知症又は認知機能障害のある患者[抗コリン作用により、症状を悪化させるおそれがある。]
6.
パーキンソン症状又は脳血管障害のある患者[症状の悪化あるいは精神神経症状があらわれるおそれがある。]
7.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
重要な基本的注意
1.
排尿困難のある患者(下部尿路閉塞疾患(前立腺肥大症等)又は排尿筋収縮障害等)では、本剤投与前に残尿量測定を実施し、必要に応じて専門的な検査を考慮すること。また、投与中も十分に観察を行い、排尿困難の増悪を来していないかを定期的に確認すること。
2.
過活動膀胱の症状を明確に認識できない認知症又は認知機能障害患者は本剤の投与対象とはならない。
3.
QT延長症候群患者、QT延長を来すことが知られている薬剤を投与中の患者では過量投与に注意すること。(「薬物動態」の項参照)
4.
眼調節障害(霧視等)、傾眠が起こることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う作業に従事する場合には注意させること。
5.
本剤投与により効果が認められない場合には、漫然と投与せず、適切な治療を考慮すること。
相互作用
相互作用の概略
本剤は、主として肝の薬物代謝酵素CYP3A4により代謝される。(「薬物動態」の項参照)
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
抗コリン剤
三環系抗うつ剤
フェノチアジン系薬剤
モノアミン酸化酵素阻害剤
臨床症状・措置方法
口内乾燥、便秘、排尿困難等があらわれるおそれがある。
機序・危険因子
抗コリン作用が増強されるおそれがある。
薬剤名等
アゾール系抗真菌剤
イトラコナゾール、フルコナゾール、ミコナゾール
臨床症状・措置方法
口内乾燥、便秘、排尿困難等があらわれるおそれがあるので、減量するなど注意すること。
機序・危険因子
これらの薬剤はCYP3A4を強力に阻害し、併用により本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
薬剤名等
リファンピシン
フェニトイン
カルバマゼピン
臨床症状・措置方法
本剤の作用が減弱する可能性がある。
機序・危険因子
これらの薬剤はCYP3A4を誘導し、併用により本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
副作用
副作用等発現状況の概要
**国内で過活動膀胱患者を対象に安全性を評価した総症例数1,267例中、副作用発現症例は577例(45.5%)で、主なものは口内乾燥358例(28.3%)、便秘182例(14.4%)、霧視42例(3.3%)であった。関連が否定できない臨床検査値異常変動発現症例は1,265例中157例(12.4%)で、主なものはBUN上昇27例(2.1%)、尿沈渣陽性24例(1.9%)、ALT(GPT)上昇23例(1.8%)、CK(CPK)上昇21例(1.7%)であった。
製造販売後調査等(使用成績調査、特定使用成績調査、製造販売後臨床試験)では、7,254例中1,078例(14.9%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められ、主なものは口内乾燥345例(4.8%)、便秘255例(3.5%)、排尿困難204例(2.8%)等であった。(再審査結果通知:2016年3月)
重大な副作用
1. ショック、アナフィラキシー
ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、蕁麻疹、呼吸困難、血圧低下等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. **肝機能障害
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-Pの上昇(各0.1~5%未満)、総ビリルビンの上昇(0.1%未満)等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
3. **尿閉
尿閉(0.1~5%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4. **QT延長、心室頻拍、房室ブロック、洞不全症候群、高度徐脈
QT延長、心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)(いずれも頻度不明)、房室ブロック(0.1%未満)、洞不全症候群、高度徐脈(いずれも頻度不明)等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5. 麻痺性イレウス
麻痺性イレウス(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、著しい便秘、腹部膨満等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
6. **幻覚・せん妄
幻覚・せん妄(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
重大な副作用(類薬)
急性緑内障発作
眼圧亢進があらわれ、急性緑内障発作を惹起し、嘔気、頭痛を伴う眼痛、視力低下等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。
**その他の副作用
**血液及びリンパ系障害
0.1~5%未満
白血球数減少、血小板数減少
**血液及びリンパ系障害
0.1%未満
白血球数増多、血小板数増多
**心臓障害
0.1%未満
徐脈、心房細動、動悸、狭心症、上室性期外収縮、心室性期外収縮
**心臓障害
頻度不明
頻脈
**耳及び迷路障害
0.1%未満
回転性めまい
**眼障害
0.1~5%未満
霧視、乾性角結膜炎
**眼障害
0.1%未満
調節障害、視力低下
胃腸障害
5%以上
口内乾燥、便秘
**胃腸障害
0.1~5%未満
腹部不快感、腹部膨満、上腹部痛、下痢、消化不良、硬便、胃炎、悪心
**胃腸障害
0.1%未満
嘔吐、胃食道逆流性疾患、口の感覚鈍麻、腹痛、下腹部痛、萎縮性胃炎、舌