症の症状である幻覚、妄想などを悪化させる可能性がある。]
6.
低血圧症患者[血圧低下がみられることがある。]
7.
重篤な心血管障害又はその既往歴のある患者[外国で狭心症の報告がある。]
8.
下垂体腫瘍がトルコ鞍外に進展し、視力障害などの著明な患者[外科的な処置を必要とする下垂体腺腫の場合、類薬の使用により残存腺腫の線維化及び易出血性の変化が起こり、手術の際に腺腫の摘出に支障を来すことや、髄液鼻漏を来すことが報告されている。]
9.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。ただし、パーキンソン病の患者に対しては投与しないことが望ましい。[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
10.
授乳婦[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
11.
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
重要な基本的注意
1.
非麦角製剤と比較して、本剤を含む麦角製剤投与中の心臓弁膜症、線維症の報告が多いので、パーキンソン病に対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで本剤の投与を開始するとともに、投与継続中はリスクとベネフィットを考慮すること。[「副作用」の項参照]
2.
本剤の長期投与において心臓弁膜症があらわれることがあるので、投与前・投与中に以下の検査を行い、十分な観察を行うこと。なお、投与中止により改善がみられたとの報告例もある。
(1)
本剤投与開始に際しては、聴診等の身体所見の観察、心エコー検査により潜在する心臓弁膜症の有無を確認すること。
(2)
本剤投与中は、投与開始後3~6ヵ月以内に、それ以降は少なくとも6~12ヵ月毎に心エコー検査を行うこと。心エコー検査等により心臓弁尖肥厚、心臓弁可動制限及びこれらに伴う狭窄等の心臓弁膜の病変が認められた場合は、本剤の投与を中止すること。また、十分な観察(聴診等の身体所見、胸部X線、CT等)を定期的に行うこと。[「副作用」の項参照]
3.
間質性肺炎、胸膜炎、胸水、胸膜線維症、肺線維症、心膜炎、心嚢液貯留、後腹膜線維症があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察するとともに、患者に対し、本剤の投与中に発熱、咳嗽、胸痛、息切れ、呼吸困難等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、直ちに連絡するよう指導すること。[「副作用」の項参照]
4.
前兆のない突発的睡眠、傾眠、起立性低血圧がみられることがあるので、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業には従事させないよう注意すること。[「副作用」の項参照]
5.
本剤を長期連用する場合には、プロラクチン分泌が抑制され、婦人科的異常が起こる可能性があるので、定期的に一般的な婦人科検査を実施すること。[「その他の注意」2.の項参照]
6.
妊娠を望まない患者には避妊の方法を指導すること。
7.
妊娠を希望する患者に本剤を投与する場合には、妊娠を早期に確認するため定期的に妊娠反応等の検査を実施すること。[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
8.
乳汁漏出症や高プロラクチン血性排卵障害では、投与開始前にトルコ鞍の検査を行うこと。
9.
産褥性乳汁分泌の抑制に投与する際には、場合により氷罨法等の補助的方法を併用すること。
10.
**レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されているので、このような症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、患者及び家族等にこのような衝動制御障害の症状について説明すること。
相互作用
本剤の代謝にはCYP3A4が関与している。[「薬物動態」の項参照]
CYP3A4活性を阻害する薬剤又はCYP3A4によって代謝される薬剤との併用により、本剤の代謝が阻害され本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。またCYP3A4を誘導する薬剤との併用により、本剤の代謝が促進され血中濃度が低下する可能性がある。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
血圧降下剤
臨床症状・措置方法
血圧降下作用を増強することがある。
機序・危険因子
作用機序は異なるが、本剤と血圧降下剤の相乗・相加作用による。
2. 薬剤名等
ドパミン拮抗剤
フェノチアジン系薬剤(クロルプロマジン等)
ブチロフェノン系薬剤(ハロペリドール等)
メトクロプラミド等
臨床症状・措置方法
相互に作用を減弱するおそれがある。
機序・危険因子
本剤はドパミン作動薬であり、これらの薬剤とドパミン受容体において競合的に拮抗する。
3. 薬剤名等
マクロライド系抗生物質(クラリスロマイシン)
臨床症状・措置方法
本剤の副作用が増強する可能性がある。
機序・危険因子
マクロライド系抗生物質はCYP3A4を阻害するので、併用により本剤の代謝が阻害される可能性がある。
副作用
副作用等発現状況の概要
<パーキンソン病>
調査症例数821例中、副作用発現症例は346例(42.1%)であり、副作用発現件数は延べ723件であった。その主なものは、消化器症状で嘔気114件(13.9%)、食欲不振75件(9.1%)、胃部不快感75件(9.1%)、口渇37件(4.5%)、嘔吐21件(2.6%)、便秘20件(2.4%)、精神症状で幻覚45件(5.5%)、妄想15件(1.8%)、興奮11件(1.3%)、眠気10件(1.2%)、神経症状でふらつき31件(3.8%)、めまい25件(3.0%)、頭重感17件(2.1%)、循環器系で起立性低血圧24件(2.9%)等であった。
臨床検査成績の異常変動は、主に血色素量減少6.4%(48/748件)、ヘマトクリット値減少6.3%(47/748件)、赤血球数減少5.1%(38/748件)、白血球数減少2.5%(19/748件)、CK(CPK)上昇10.2%(65/638件)、LDH上昇7.5%(56/744件)、ALT(GPT)上昇4.8%(36/757件)、AST(GOT)上昇3.7%(28/757件)、総コレステロール上昇1.6%(12/738件)、Al-P上昇2.3%(17/742件)であった。(承認時までの調査の集計)
市販後の使用成績調査3,179例中、副作用発現症例は625例(19.7%)であり、副作用発現件数は延べ905件であった。その主なものは、嘔気・悪心112件(3.5%)、幻覚63件(2.0%)であった。(再審査終了時)
<乳汁漏出