HER2発現不明乳癌患者も登録可能であった。
4. 悪性神経膠腫9、10)
[国内臨床試験の成績]
○第II相試験(JO22506試験)25)
既治療の再発悪性神経膠腫患者(膠芽腫29例、退形成性星細胞腫1例、退形成性乏突起星細胞腫1例)を対象に、本剤10mg/kgの2週間隔投与時の有効性を検討した。再発の膠芽腫患者29例における6カ月無増悪生存率は33.9%、1年生存率は34.5%、奏効率は27.6%であった。無増悪生存期間及び生存期間の中央値はそれぞれ3.3カ月及び10.5カ月であった。
[国際共同臨床試験の成績]
○初発の膠芽腫を対象とした第III相二重盲検無作為化比較試験(BO21990試験)26)
初発の膠芽腫患者を対象に、放射線照射とテモゾロミドによる術後補助療法(RT/T療法)に本剤又はプラセボを併用する二重盲検無作為化比較試験を実施した。本剤の用量は、放射線照射とテモゾロミド(1日1回連日投与)の併用期間(6週間)中は、10mg/kg(第1日目から2週間隔、4回投与)とし、テモゾロミドの4週間休薬期間中は本剤も休薬した。その後、テモゾロミドの維持療法期間(28日を1サイクルとし、第1日目から第5日目まで1日1回投与を6サイクルまで実施)中は、本剤10mg/kg(28日を1サイクルとして、第1日目、15日目に投与)を併用投与した。テモゾロミド維持療法終了後は本剤の用量を15mg/kg(21日を1サイクルとし、第1日目に投与)とし、病勢進行まで継続投与した。その結果、本剤併用群では、プラセボ併用群に比べて主要評価項目である無増悪生存期間の有意な延長が認められた。もう1つの主要評価項目である生存期間には、有意な延長は認められなかった。
表10
5. 卵巣癌9、10)
[国際共同臨床試験の成績]
○化学療法未治療例を対象とした第III相二重盲検無作為化比較試験(GOG‐0218試験)27)
化学療法未治療の上皮性卵巣癌、卵管癌、原発性腹膜癌患者を対象に、カルボプラチン・パクリタキセル療法(CP療法)を対照群(CPP群注17))とし、CP療法に本剤15mg/kgを併用投与したCPB15群注18)及び本剤15mg/kgを併用・継続投与したCPB15+群注19)の3群による有効性を検討した。CP療法はいずれの群でも6サイクルまでとし、本剤又はプラセボは投与開始から病勢進行又は21サイクルまで投与した。その結果、CPB15+群で、CPP群に比べ主要評価項目である無増悪生存期間の有意な延長が認められた。なお、CPB15群では、有意な無増悪生存期間の延長は認められなかった。
注17)21日を1サイクルとし、CP療法の2サイクル目から第1日目に他剤投与終了後にプラセボを投与し、CP療法の中止又は終了後もプラセボを継続投与した群
注18)21日を1サイクルとし、CP療法の2サイクル目から第1日目に他剤投与終了後に本剤を投与し、CP療法の中止又は終了後はプラセボを継続投与した群
注19)21日を1サイクルとし、CP療法の2サイクル目から第1日目に他剤投与終了後に本剤を投与し、CP療法の中止又は終了後も本剤を継続投与した群
表11 表12
6. **進行又は再発の子宮頸癌
[海外臨床試験の成績]
○全身化学療法未治療例を対象とした第III相無作為化比較試験(GOG-0240試験)28)
全身化学療法未治療の手術又は放射線療法による根治療法の対象とならない進行又は再発注26)の子宮頸癌患者を対象に、化学療法(シスプラチン・パクリタキセル療法注27)又はパクリタキセル・ノギテカン塩酸塩療法注28))を対照群とし、化学療法に本剤15mg/kgを併用注29)したときの有効性を検討した。その結果、本剤併用群では、対照群に比べ主要評価項目である生存期間の有意な延長が認められた。
表13
臨床成績の表
表2 NO16966試験の有効性(優越性検定)に関する成績
投与群 無増悪生存期間注9)
中央値(月) 無増悪生存期間注9)
ハザード比 生存期間注10)
中央値(月) 生存期間注10)
ハザード比
化学療法注11)+
プラセボ群 (n=701) 8.02 0.83
P=0.0023 19.91 0.89
P=0.0769
化学療法注11)+
アバスチン群 (n=699) 9.36 0.83
P=0.0023 21.22 0.89
P=0.0769
XELOX療法+
プラセボ群 (n=350) 7.39 0.77
P=0.0026 19.19 0.84
P=0.0698
XELOX療法+
アバスチン群 (n=350) 9.26 0.77
P=0.0026 21.36 0.84
P=0.0698
FOLFOX4療法+
プラセボ群 (n=351) 8.57 0.89
P=0.1871 20.34 0.94
P=0.4937
FOLFOX4療法+
アバスチン群 (n=349) 9.40 0.89
P=0.1871 21.16 0.94
P=0.4937
注9)カットオフ日:2006年1月31日、主治医評価による無増悪生存期間
注10)カットオフ日:2007年1月31日
注11)化学療法:FOLFOX4療法又はXELOX療法
表3 E3200試験の有効性に関する成績
投与群 奏効率
%
(有効例) 奏効率
P値 無増悪生存期間
中央値(月) 無増悪生存期間
ハザード比 生存期間
中央値(月) 生存期間
ハザード比
FOLFOX4療法群(n=292) 8.6
(25) P<0.0001 4.5 0.518
P<0.0001 10.8 0.751
P=0.0012
FOLFOX4療法+
アバスチン群(n=293) 22.2
(65) P<0.0001 7.5 0.518
P<0.0001 13.0 0.751
P=0.0012
表4 AVF2107g試験の有効性に関する成績
投与