14日を1サイクルとし、第1日目に他剤に先立ち本剤を投与)を併用したときの有効性を検討した。その結果、本剤併用群においては、FOLFOX4療法群に比べ有意な生存期間の延長が認められた。また、副次的評価項目についても、無増悪生存期間の延長と高い奏効率が認められた。
表3
○未治療例を対象とした第III相二重盲検無作為化比較試験(AVF2107g試験)16)
未治療の転移性結腸・直腸癌患者を対象に、イリノテカン塩酸塩水和物・フルオロウラシル・ホリナートカルシウム療法(IFL療法)を対照群とし、IFL療法に本剤5mg/kg(14日を1サイクルとし、第1日目に他剤投与終了後に本剤を投与)又はプラセボを併用投与した。その結果、本剤併用群ではIFL療法単独に比べ有意な生存期間及び無増悪生存期間の延長が認められた。
表4
○未治療例を対象とした第II相二重盲検無作為化比較試験(AVF2192g試験)17)
イリノテカン塩酸塩水和物の治療に不適と考えられる未治療の転移性結腸・直腸癌患者を対象に、フルオロウラシル・ホリナートカルシウム療法(5‐FU/LV療法)を対照群とし、5‐FU/LV療法に本剤5mg/kgを併用投与(14日を1サイクルとし、第1日目に他剤投与終了後に本剤を投与)したときの有効性を検討した。その結果、本剤併用群では、5‐FU/LV療法単独に比べ有意な無増悪生存期間の延長が認められた。
表5
未治療の転移性結腸・直腸癌を対象とした5‐FU/LV療法に本剤を併用した、上記試験を含む3試験の併合解析が行われ、本剤併用群において、対照群に比し生存期間、無増悪生存期間に有意な延長が認められたとの報告がある18)。
2. 扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌9、10)
[国内臨床試験の成績]
○第II相試験(JO19907試験)19)
未治療の扁平上皮癌を除く進行・再発の非小細胞肺癌患者を対象に、カルボプラチン・パクリタキセル療法(CP療法)を対照群とし、CP療法に本剤15mg/kgを併用(21日を1サイクルとし、第1日目に、他剤投与終了後に本剤を投与)した第II相試験を実施した。CP療法は両群とも6サイクルまでとし、本剤の投与はCP療法の中止又は終了後も同一用法・用量で病勢進行まで継続した。その結果、本剤併用群では、CP療法に比べ有意な無増悪生存期間の延長及び奏効率の改善が認められた。
表6
[海外臨床試験の成績]
○未治療例を対象とした第II/III相無作為化比較試験(E4599試験)20)
未治療の扁平上皮癌を除く進行・再発の非小細胞肺癌患者を対象に、CP療法を対照群とし、CP療法に本剤15mg/kgを併用(21日を1サイクルとし、第1日目に他剤投与終了後に本剤を投与)したときの有効性を検討した。CP療法はいずれの群でも6サイクルまでとし、本剤の投与はCP療法の中止又は終了後も同一用法・用量で病勢進行まで継続した。その結果、本剤併用群では、CP療法に比べ有意な生存期間の延長が認められた。
○未治療例を対象とした第III相二重盲検無作為化比較試験(BO17704試験)21)
未治療の扁平上皮癌を除く進行・再発の非小細胞肺癌患者を対象に、シスプラチン・ゲムシタビン塩酸塩療法(GC療法、ゲムシタビン塩酸塩は国内未承認用法・用量を使用)を対照群とし、GC療法に本剤7.5mg/kg(未承認)又は15mg/kgを併用投与(21日を1サイクルとし、第1日目に他剤投与終了後に本剤を投与)したときの有効性を検討した。GC療法はいずれの群でも6サイクルまでとし、本剤の投与はGC療法の中止又は終了後も同一用法・用量で病勢進行まで継続した。その結果、本剤7.5mg/kg及び15mg/kg併用群の両群で、GC療法に比べ主要評価項目である無増悪生存期間の有意な延長が認められた。
表7
○未治療例を対象とした第II相無作為化比較試験(AVF0757g試験)22)
未治療の進行・再発の非小細胞肺癌患者を対象に、CP療法を対照群とし、CP療法に本剤7.5mg/kg(未承認)又は15mg/kgを併用(21日を1サイクルとし、第1日目に他剤投与終了後に本剤を投与)したときの有効性を検討した。CP療法はいずれの群でも6サイクルまでとし、本剤の投与はCP療法の中止又は終了後も同一用法・用量で病勢進行又は18サイクルまで継続した。扁平上皮癌患者を除いて解析した結果、本剤15mg/kg併用群では、CP療法に比べTime to disease progression(TTP)の有意な延長及び奏効率の改善が認められた。
表8
3. 手術不能又は再発乳癌9、10)
[国内臨床試験の成績]
○第II相試験(JO19901試験)23)
HER2陰性で転移・再発乳癌に対する化学療法未治療患者を対象に、パクリタキセルと本剤10mg/kgを併用(28日を1サイクルとし、第1日目、8日目、15日目にパクリタキセルを、第1日目、15日目にパクリタキセル投与終了後に本剤を投与)した第II相試験を実施した。有害事象によりいずれかの薬剤を中止した場合、もう一方の薬剤を単剤にて、同一用法・用量で病勢進行まで継続投与可能とした。無増悪生存期間の中央値は12.9カ月(95%信頼区間:11.1‐18.2カ月)、奏効率は73.5%(CR5/117例、PR81/117例)であった。
[海外臨床試験の成績]
○化学療法未治療例を対象とした第III相無作為化比較試験(E2100試験)24)
HER2陰性注14)で転移・再発乳癌に対する化学療法未治療患者を対象に、パクリタキセル療法(PTX療法)を対照群とし、PTX療法に本剤10mg/kgを併用(28日を1サイクルとし、第1日目、8日目、15日目にPTXを、第1日目、15日目にPTX投与終了後に本剤を投与)したときの有効性を検討した。有害事象によりいずれかの薬剤を中止した場合、もう一方の薬剤を単剤にて、同一用法・用量で病勢進行まで継続投与可能とした。第1回中間解析(2005年2月9日データカットオフ)の結果に基づき、試験は早期有効中止された。本剤併用群では、PTX療法単独に比べ主要評価項目である無増悪生存期間(独立判定委員会評価)の有意な延長が認められた。一方、副次的評価項目である生存期間については、PTX療法に本剤を併用することによる有意な延長は認められなかった。
表9
注14)E2100試験では、トラスツズマブ(遺伝子組換え)既治療のHER2陽性乳癌患者、及びトラスツズマブ(遺伝子組換え)を含む治療が適応にならない