る(【用法・用量】の項参照)。
2) 反復投与5、6)
転移・再発乳癌患者にパクリタキセルとの併用によりベバシズマブ10mg/kgの点滴静注を2週間隔で繰り返したときの血清中ベバシズマブ濃度推移は以下のとおりであった。初回投与70日後(投与6回目)の最低及び最高血清中濃度は各々149.0±37.4(47例)及び397.8±77.9(43例)μg/mLであり、投与6回目以降の濃度はほぼ一定の値を示した。
非小細胞肺癌患者53例にカルボプラチン・パクリタキセル療法との併用によりベバシズマブ15mg/kgの点滴静注を3週間隔で繰り返したときの血清中ベバシズマブ濃度推移は以下のとおりであった。初回投与63日後(投与4回目)の最低及び最高血清中濃度は各々115.9±45.6(20例)及び450.3±97.3(19例)μg/mLであり、投与4回目以降の濃度はほぼ一定の値を示した。
〈外国人における成績(参考)〉
(1) **血中濃度
491例の患者に1~20mg/kgの用量のベバシズマブを1週間隔、2週間隔、若しくは3週間隔で点滴静注したときの血清中濃度を用い、母集団薬物動態解析を実施した。2‐コンパートメントモデルで解析したときの男性のクリアランスは0.262L/day、女性は0.207L/dayであった。また、中心コンパートメントの分布容積については、男性は3.25L、女性は2.66Lであった。
※本剤の承認用量は【用法・用量】の項を参照のこと。
(参考 動物実験の結果)
(1) 分布7)
ウサギに125I標識ベバシズマブを単回静脈内投与したところ、いずれの組織においても特異的な取り込みは認められず、本剤の分布はほぼ血漿に限られていた。
(2) 排泄8)
ウサギに125I標識ベバシズマブを単回静脈内投与したところ、投与48時間後の尿中に未変化体は検出されなかった。
薬物動態の表
表1 単回投与時の薬物動態パラメータ
投与量
(mg/kg) AUC
(μg・day/mL) Vd
(mL/kg) CL
(mL/day/kg) t1/2
(day)
3 852.3±237.4 62.50±11.10 3.80±1.20 12.33±4.52
5 1387.2±426.9 73.47±18.34 3.94±1.34 13.40±2.82
10 2810.9±344.8 60.26±8.93 3.61±0.48 11.68±1.74
N=6、mean±SD
臨床成績
1. 治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌9、10)
[国内臨床試験の成績]
○第I/II相試験(JO19380試験)11)
未治療の進行・再発結腸・直腸癌患者を対象に、カペシタビン・オキサリプラチン療法(XELOX療法)と本剤1回7.5mg/kg併用投与(21日を1サイクルとし、第1日目に、他剤投与に先立ち本剤を投与)による第I/II相試験を実施した。奏効率は71.9%(PR41/57例)であった。無増悪生存期間の中央値は336.0日(95%信頼区間:293-380日)であった。
○安全性確認試験(JO18158試験)12)
進行・再発結腸・直腸癌を対象に、オキサリプラチン・フルオロウラシル・レボホリナートカルシウム療法(FOLFOX4療法)と本剤の併用投与による安全性確認試験を、未治療例注7)には本剤5mg/kg、既治療例注8)には10mg/kgの用量(14日を1サイクルとし、第1日目に、他剤投与に先立ち本剤を投与)により実施した。奏効率は未治療例79.4%(PR27/34例)で、既治療例で47.8%(PR11/23例)で、全例でSD以上であった(主治医評価)。
注7)未治療例:初発進行病巣又は再発巣(術後補助療法終了後6カ月以上経過して確認されたもの)に対する化学療法を受けていない患者
注8)既治療例:先行化学療法において病勢進行・再発の認められた患者
○第I相試験(JO18157試験)13)
既治療又は未治療の進行・再発結腸・直腸癌患者18例を対象としたフルオロウラシル・レボホリナートカルシウム療法(5‐FU/l‐LV療法)と本剤の併用投与(14日を1サイクルとし、第1日目に、他剤投与終了直後に本剤を投与)による第I相試験を実施した。奏効率は16.7%(PR3/18例)で、5mg/kgでは6例全例がSD、10mg/kgでは6例中2例がPR、4例がSDであった。
[海外臨床試験の成績]
○未治療例を対象とした第III相無作為化比較試験(NO16966試験)14)
未治療の転移性結腸・直腸癌患者において、オキサリプラチン・フルオロウラシル・ホリナートカルシウム療法(FOLFOX4療法)又はXELOX療法に本剤又はプラセボを投与する2×2要因の二重盲検比較試験を実施した。本剤の用量は、FOLFOX4療法との併用では5mg/kg(14日を1サイクルとし、第1日目に他剤投与に先立ち本剤を投与)、XELOX療法との併用では7.5mg/kg(21日を1サイクルとし、第1日目に他剤投与に先立ち本剤を投与)とした。その結果、主要解析において、本剤併用群ではこれらのFOLFOX4療法又はXELOX療法の化学療法のみを受けた場合に比べ、有意な無増悪生存期間の延長が認められた。副次的解析のFOLFOX4療法+本剤群とFOLFOX4療法+プラセボ群の比較では有意な差は認められなかったが、XELOX療法+本剤群とXELOX療法+プラセボ群の比較では有意な無増悪生存期間の延長が認められた。また、副次的評価項目である生存期間については、化学療法に本剤を併用することにより延長傾向が認められた。
表2
○既治療例を対象とした第III相無作為化比較試験(E3200試験)15)
イリノテカン塩酸塩水和物及びフルオロウラシルの治療が無効となった進行又は転移性の結腸・直腸癌患者を対象に、FOLFOX4療法群を対照とし、FOLFOX4療法に本剤10mg/kg(